高岡駅周辺商店街の活性化のために 〜すべての事業はコミュニケーションから〜 末広開発株式会社まちづくり事業部 マネージャー 松浦孝雄 |
1.はじめに高岡市の第三セクター、末広開発株式会社のまちづくり事業部は、高岡市・高岡駅周辺の商店街・高岡商工会議所と連携し、 ![]() ![]() ![]() 同時に、まちづくりを民間感覚で切り開こうという高岡市長の方針のもと、私は某民間会社からこの第三セクターに派遣されることになった。民間企業においては10数年間、人と接することの楽しさ、面白さの反面、難しさも経験しており、当初は期待と不安でいっぱいであった。 |
2.すべての事業はコミュニケーションからまちづくり事業部の事業のひとつに「ラジオ出演依頼」というものがある。中心商店街のお店の方に、高岡市中心商店街を紹介するコーナー「いらっしゃいませ!高岡中心商店街」(*1)に出演してもらい、お店をPRして売り上げを伸ばしていただこうという狙いである。話は簡単そうであるが、なかなかこれが大変である。「新聞はいいがラジオはいやだ。」、「効果がない。」、「はずかしい。」、こんなマイナスの意見が多く、それをかいくぐり毎日出演者を募集していかなければならない。 はじめはこの事業がいやで、投げ出したくなった。しかし、いざ担当し、街を回遊してみるとなかなか面白い。色々な人のまちづくりに対する意見が飛び交う。 店主とのコミュニケーションが取れ、様々な事業に活かせる。徐々にこの「ラジオ出演依頼」が楽しくなり、事業部としてはなくてはならない事業となった。すべての事業はコミュニケーションからであると感じた。 |
(*1) いらっしゃいませ!高岡中心商店街コミュニティ放送局ラジオ高岡(FM76.2Mhz)の「こみゅに亭」にあるコーナー。月曜から金曜日の午後1時15分から(再放送は午後5時20分から)10分間放送。 |
3.VIVE TAKAOKAとの交流平成17年4月、高岡商店街の「若者店主」が結集して「VIVE TAKAOKA」(「ビーブ タカオカ」、フランス語で「万歳、高岡」)という団体が立ち上がった。衰退化の目立つ商店街に「若者パワー」を注ぎこみ、活性化を図ろうという趣旨である。20代〜30代の若者10人が思い思いの手法、企画で人が集まるイベントを実施している。 私が赴任してすぐの頃、第1回目のイベント(*2)の開催を企画していた。商店街の再建を考えるならば「やる気のある人物」、「やる気のある団体」を大いに応援し、盛り上げ、一緒になって構築していくのがよいと考え、さっそくこの団体の支援に力を注いだ。補助金(*3)申請の手続き、商店街との連絡調整、協賛金の収集、会場設営の手配などの手伝いをした。行動をともにするうちに「なんて純朴で、街の活性化のために意欲、情熱をもっているんだ。この若者達は時代を担う若者だ。」と感じるようになった。そのパワーと熱意は大いにまちづくりに参考となり、手助けとなった。いつしかその団体と世代を超えた付き合いもしたくなった。(私は当時41歳)現在もその若者達との交流は大事にしている。 |
(*2) 第1回目のイベント平成17年7月16日(土) VIVE TAKAOKA!! vol.1
平成18年8月にも2回目を開催し、今後も年1回大きなイベントを行う予定。 このほか高岡七夕祭りやなべ祭りでは屋台を出しPR活動をしている。 (*3) 補助金「がんばる商店街支援事業費補助金」など、県や市が経費の一部を助成 |
4.高岡駅地下の再生(1)まちづくりのスタート18年2月、私にひとつの課題が与えられた。「ステーションビル駅地下をなんとかする」という課題だ。「なんとかする」とは空き店舗を埋めるということである。言葉では簡単かもしれないが、シャッター街(当時はシャッターで閉まっていた店舗が多かった)から賑わいのあるまちへ再建することなど不可能に近いのではと当時は思った。 しかし高岡駅は高岡の顔である。高岡駅の地下街がゴーストタウン状態では、中心商店街全域が衰退のまちと見られてしまうのではないか。平成17年度は高岡市が、”観光元年”と位置づけた年なのに、この有様では観光どころではない。 ![]() (2)商店街における聴き取り調査と目標設定「高岡駅地下街をなんとかする」この目標に向かって、まずは駅地下をどう思うか、どうすればよいか、ということを重点的にあらゆる商店街の関係者に聴いて廻った。 ☆内容をあげてみると
このようにいろんな意見がでてきた。前向きな意見もあるが、「もうだめだ」という諦めの意見も少なくはなかった。前向きの話を進めなければ私の派遣された意味がない。 そこで、最後の多店舗同時開業の線で話を進めることにした。 |
(3)出店の募集から開店まで
![]() (4)取り戻しつつある賑わい
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★末広開発株式会社まちづくり事業部のホームページ「たかおかストリート」はこちらです。 http://www.takaoka-st.jp/ ぜひお立ち寄りください。
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