麻疹とは

病原体 麻疹ウイルス
好発年齢 小児期(1〜5歳)。特に乳幼児(1〜2歳)。
ただし、免疫のない成人も容易に罹患し、その場合種々の合併症を併発して重症化しやすい。
分布 世界的に分布。ただし麻疹ワクチン接種率が高い地域(アメリカ大陸、ヨーロッパ、南アフリカ等の一部)での発生はまれ。
感染経路 飛沫感染、空気感染、接触感染。
潜伏期間 9〜11日間
感染源になる期間 発病1〜2日前から発疹出現4〜5日後。
症状

臨床経過は、カタル期(前駆期)、発疹期、回復期に分けられる(図1)。

 <前駆期(カタル期)>
 38℃前後の発熱、咳、鼻汁、結膜充血、眼脂、羞明。
 熱が一時下がり、その頃に頬粘膜にコプリック斑(周囲に発赤を伴う灰白色の小斑点)が出現する。

 <発疹期>
 一時下降した熱が再び高くなり、耳後部、顔面から発疹(赤い小さな斑点)が現れて下方に広がる。

 <回復期>
 解熱し、発疹は出現した順に消退し、数日間は褐色の色素沈着を残す。


日本医師会 編「感染症の診断・治療ガイドライン」より
治療のポイント 安静と対症療法。合併症の早期発見に努める。
合併症 脱水症、気管支炎、間質性肺炎、細菌感染症(中耳炎、肺炎等)、咽頭・喉頭炎、血小板減少症、脳炎(千人に1人)、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)(10万人に1人)、妊娠各期における流・早産、重症出血性麻疹。
予防 生ワクチン接種が基本。(免疫抑制状態にある者を除く)。
より詳しい情報はこちら(国立感染症研究所感染症情報センター)