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厚生省(現・厚生労働省)見解では、イタイイタイ病は、カドミウムの慢性中毒によって、まず腎臓に障害が発生し、次に骨軟化症を引き起こすというものです。
これに、妊娠や授乳、内分泌の変調、老化、栄養としてのカルシウム等の不足などが原因となって病気を進行させると考えられています。
その仕組みについては、まだ解明されていない部分がありますが、腎障害と骨障害、なかでも骨粗しょう症を伴う骨軟化症はイタイイタイ病の大きな特徴といえます。
腎臓は身体に必要なくなった老廃物を尿にする器官です。
腎臓の糸球体という部分で血液がろ過され、尿のもと(原尿)ができます。原尿は尿細管という管を通り、身体に必要な物質が再び吸収されます。
この尿細管が障害を受けると、体内にとどめておくべき無機リン等の必要な物質までも排泄されてしまい、骨に異常が起こることがあります。イタイイタイ病にはこの尿細管障害が見られます。
また、腎臓でのビタミンDの活性化障害による腸管からのカルシウムの吸収障害をきたします。
骨粗しょう症は、骨の量が減って、骨密度が低くスカスカの状態になりますが、骨の成分は正常です。
一方、骨軟化症は、骨を硬くする仕組みに異常が発生して、正常な骨がつくられなくなる病気です。イタイイタイ病では、骨粗しょう症を伴う骨軟化症が見られます。
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