更新日:2021年2月24日

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富山市産後ケア応援室の取り組み

富山市まちなか総合ケアセンター
主任助産師 佐渡 加奈子

「産後ケア」という言葉を聞いたことがありますか?

厚生労働省が示す産後ケア事業ガイドラインには、産後ケア事業について、「助産師等の看護職が中心となり、母子に対して、母親の身体的回復と心理的な安定を促進するとともに、母親自身がセルフケア能力を育み、母子の愛着形成を促し、母子とその家族が健やかな育児ができるよう支援することを目的とする」事業と位置付けられています。
つまり、産後ケアとは、出産後、急激な体調の変化のある中で慣れない育児に奮闘しているお母さんに寄り添い、お母さんやその家族が明るい気持ちでお子さんとの新しい生活を安心して過ごすことができるようにサポートすることです。

今の時代に求められる産後ケアとは

産後のお母さんには、妊娠や出産によって疲弊した身体を回復させ、また出産後のホルモンバランスの変化に伴って不安定になりやすい心を十分に癒し、育児に適応していく期間が必要です。しかし、近年、核家族化・晩婚化により、十分な育児支援を得られない母子が急増しています。また、子どもへの虐待や貧困、産後うつなど、社会的課題も山積みしています。
その問題を解決するために、すべての妊産婦の状況を継続的に把握して、きめ細やかな支援を行うことにより、地域における子育て世帯が安心して子育てを行えるような切れ目ない支援が求められています。
そのような中で、お母さんの身体的・精神的な回復を促進し、お母さんやその家族が産後における役割を遂行できるような関わりを行い、さらに、これらのケアが継続して行われるような支援が産後ケアには求められています。

富山市産後ケア応援室について

富山市産後ケア応援室は、旧富山市立総曲輪小学校跡地に平成29年4月に開設した「富山市まちなか総合ケアセンター」の中にあります。

どんな人が利用できるの?

出産退院直後から概ね4か月までの、富山市、滑川市、舟橋村、上市町、立山町に住所がある、または富山市に住所がある親の元に里帰りしているお母さんと赤ちゃんで、育児に悩んでいたり、家族からの協力がなかなか得られない方などがご利用できます。

どんなサービスが受けられるの?

産後ケア応援室

産後ケア応援室では、宿泊、デイケア、教室を行っています。 宿泊やデイケアは、一人ひとり個室でゆっくりとケアを受けることができます。部屋は全部で5室あり、和室や洋室などコンセプトが異なる部屋になっているため、何度ご利用いただいても飽きがこないようになっています。
ご入所時、助産師がお母さんのお話しをお伺いして、ニーズに応じたケアプランを作成し、同意を得たうえで、沐浴指導や乳房ケアなどのサービスを提供しています。
宿泊やデイケアをご利用されるお母さんは、ワンオペ育児になってしまっていたり、赤ちゃんが泣き止まないことでお母さんが疲弊しておられる方が多く、助産師が赤ちゃんをお預かりして、お母さんには部屋でゆっくりお休みいただいたり、抱っこの仕方や寝かしつけの方法をアドバイスする事が多いです。

デイルーム・ダイニングルーム

また、普段、産後ケア応援室を利用されているお母さん同士の交流の場となっているデイルーム・ダイニングルームでは、毎週火曜日に子育て教室を行っています。赤ちゃんとのふれあい遊びやお母さんの体操、日頃の不安や悩みなどをお話しするお母さん同士の交流の場を設けています。今年度は、新型コロナウイルス感染症対策として、人と人との間隔をあけるために教室の定員数を減らしたり、来所時の体温測定を行ったりして、安全に教室に参加いただけるよう配慮しています。

スタッフにはどんな人たちがいるの?

産後ケア応援室には、助産師が常駐し、24時間体制で対応しています。いつも助産師がいることで、些細なことでも気軽に相談できます。ご利用されたお母さんからは、「育児をしている時にふと疑問に思ったことが、その時にすぐ聞けて、すごく助かる」という声をいただきました。
また、助産師の他にも、まちなか総合ケアセンターには保健師や精神保健福祉士、医師、看護師などが配属されているので、お母さんに精神的な不安がある場合は、精神保健福祉士が面接を行い、精神的ケアを行うなど、多職種で連携し支援を行っています。

最近の利用状況は?

双子ちゃんや三つ子ちゃんも利用されました。出産病院を退院後に自宅に戻り、家族全員で育児をされ、疲れた時に産後ケア応援室を利用されました。日頃のお母さんの育児疲れを癒すだけではなく、ご自宅のお父さんやご家族の休息のお手伝いができたのではないかと思っています。
また、赤ちゃんの発育やミルクの量、授乳の仕方など、さまざまな悩みを持つお母さんもおられます。助産師は、お母さんに寄り添って、お母さんの生活に合わせた分かりやすくて行いやすい具体的な方法を一緒に模索し、支援しています。 今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、遠方の両親が育児支援に来られなかったり、他のお母さんとの交流ができず、「久しぶりに夫以外の人と話しました」とお話しされるお母さんもおられ、孤立した育児環境になっていると感じました。

利用された方の感想(利用者アンケートより抜粋)

  • 夜に子どもを助産師さんに預けることを、最初は「母親としてどうなのか?ダメな母親と思われたらどうしよう」などと感じていましたが、助産師さんの対応が心地よく、素直に思いっきり甘える事ができました。また利用させていただきたいと心から思いました。
  • じっくり話を聞いてくれ、自分の気持ちを口に出すことができました。悩んでいるのは自分だけではないことが分かり、ほっとしました。
  • 産後ケア応援室は、もっと大変な人のための施設だと思って利用をためらっていましたが、夫に背中を押されて利用する事にしました。もっと早く利用していればよかったと思いました。

さいごに

産後ケア応援室では、ケアを提供するだけではなく、自治体直営のメリットを生かし、お母さんに対して切れ目のない継続した支援を行えるよう子育て世代包括支援センター(保健福祉センター)と連携し、さまざまな子育て支援につながるように支援しています。また、お母さんが産後うつにならないよう、早期に支援を行うために出産病院等の医療機関とも連携しています。
今、妊娠中の方へ。今のうちから産後の生活のことを見据えて、安心して育児に臨める環境づくりのひとつとして、産後ケア応援室の利用を考えてみてください。
出産して、授乳が思うようにできない方へ。お気軽に産後ケア応援室を一度利用してみてください。雰囲気が分からなくて、利用するのが不安であれば、事前に見学することもできます。
育児にお悩みの方へ。産後ケア応援室では、24時間電話相談(助産師ほっとラインTel076-461-3573(サンゴノナヤミ))も行っていますので、授乳や育児のことなど、なんでもご相談ください。
産後ケア応援室では、産後のお母さんと赤ちゃんが心地よいと感じる実家のような場所を提供できるよう、スタッフ一同励んでおります。ぜひ、お気軽にご利用ください。お待ちしております。
詳しくは、電話でのお問い合わせ(産後ケア応援室Tel076-461-3541(サンゴヨイ))か、まちなか総合ケアセンターのホームページはこちら(外部サイトへリンク)、医療機関等に備え付けのパンフレット等をご覧ください。

お問い合わせ

所属課室:厚生部健康対策室健康課 

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 県庁本館2階

電話番号:076-444-3222

ファックス番号:076-444-3496

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