母乳のメリット
はじめに
妊娠中のお母さんの多くは、赤ちゃんを母乳で育てたいと願っています。我が子を胸に抱きおっぱいを含ませる時間は、とても素敵で貴重な時間です。そして、母乳で育てることは、赤ちゃんにとってはもちろんのことお母さんにとってもメリットがあります。どうぞ、あなたの赤ちゃんをぜひ母乳で育ててあげてください。
赤ちゃんにとってのメリット
- 母乳は理想的な食品といわれる。
母乳には赤ちゃんに必要な栄養素(乳糖、脂肪、たんぱく質をはじめ、カルシウム、ビタミン、ミネラルなど)がすべて含まれています。また、赤ちゃんの成長にあわせて成分が変化していきます。
- 消化吸収しやすいのでアレルギーになりにくい。
母乳は赤ちゃんにとって消化しやすい構造になっているので、消化不良によるアレルギーを起こすことが少ないのです。
- 丈夫になり病気にかかりにくい。
母乳には細菌やウイルスが体に侵入して病気になるのを防ぐ物質や体を守る物質がたくさん含まれていて、母乳をあげている間は病気になりにくいのです。
- 赤ちゃんのあごの発達を助け、健康な歯の基礎をつくる。
お母さんの乳首に吸いつく時、赤ちゃんは大きな口をあけてあごをよく使うので筋肉が鍛えられてあごが発達します。かむ力や歯並びもよくなります。
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを減らせる。
いわゆる原因不明で突然赤ちゃんが亡くなってしまうというリスクが、母乳育児の方が少ないことがわかっています。
- 新鮮な母乳をいつでも安心して飲める。
お母さんの乳房から直接飲むので、いつでもどこでも飲むことができます。経済的で手間もいりません。
- お母さんとのスキンシップで安心感が与えられる。
親子のスキンシップが自然と多くなり、赤ちゃんはお母さんへの安心感と信頼感を抱きます。
お母さんにとってのメリット
- 産後の体の回復を助ける。
赤ちゃんにおっぱいを吸われることは子宮の収縮を促す作用があるため、子宮の回復が早くなります。
- 妊娠前への体重の回復を促す。
母乳を出すことは、とてもカロリーを消費します。
- お母さんも病気にかかりにくくなる。
乳がん・子宮体がん・卵巣がんにかかるリスクが減ります。また、閉経後の骨粗しょう症も予防できます。
- 授乳をすることで母となった喜びと自信をもたらす。
赤ちゃんが母乳を飲んで成長していく様子に、母親としての大きな満足を感じ自信となります。
母乳育児ができなかったお母さんへ
赤ちゃんを母乳で育てたいと願い努力しても、母乳だけでは育てられないお母さんや病気などで母乳をあげられなくなるお母さんもいます。母乳育児ができないことで悲しまないでください。できるだけ母乳をあげて、ミルクで育てるときは、赤ちゃんをしっかり抱っこしてください。そして、赤ちゃんの瞳をみつめて優しい言葉をかけながら授乳してください。お母さんの愛情と温もりは赤ちゃんにしっかり伝わります。
社会に向けて
このすばらしい母乳育児を推進するためには、見守る家族の理解と協力が必要です。そして、病院や地域、事業所などが母乳育児をしやすい環境づくりや支援をしていくことが大切です。そのために、富山県母乳育児推進連絡協議会では、これからも母乳育児に関する啓発普及や情報発信に努めたいと思います。