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更新日:2022年3月18日

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令和4年2月定例会 知事の提案理由説明

はじめに

 本日、令和四年二月定例県議会が開催されるにあたり、提出しました令和四年度予算案その他の議案につきまして、その概要を申しあげ、あわせて、県政運営について所信の一端を申しあげます。

 

 私は、令和二年十一月に知事に就任して以来、約一年三か月余り、「県民目線」、「スピード重視」、「現場主義」を徹底した県政運営に努め、県民の皆様にお約束した八つの重点政策・八十八の具体策の実現に向けて誠心誠意取り組んでまいりました。この間、新たな成長戦略の策定を進めるとともに、「ワンチームとやま」連携推進本部会議による市町村との連携・協力の強化や、行政、産業・地域社会のDXの推進などの取組みを着実に進めてきたところです。

 新型コロナウイルス感染症については、この一年、大きな感染の波が幾度も国内全域を襲いました。県民一丸となった感染防止対策の徹底や医療従事者の皆様のご尽力により、この波を乗り越えてまいりましたが、感染収束後には新たな変異株が現れ、再び感染が拡大するなど、目に見えない未知のウイルスとの闘いが続いています。今後も全国的に感染拡大が再び起こることを想定し、高い緊張感をもって万全の対策を講じていかなければなりません。引き続き、県民の皆様の命と暮らしを守ることを最優先課題として、感染拡大防止と社会経済活動の両立に全力を尽くし、県民の皆様とともに、この危機を乗り越えてまいります。

 一方で、新型コロナの感染拡大は、経済活動や人々の生活様式、価値観を大きく変容させ、経済社会構造を変革させました。この変化を成長に向けた転機ととらえ、ビヨンドコロナの新時代における発展につなげていく必要があります。

 日常のあり方が問い直されるなかで、地域や世代を超えた人類共通の願いである「幸せ」について、あらためて皆さんご自身が「どんな生活が幸せなのだろうか」と考える機会となったと認識しています。そこから、収入や健康といった外形的な価値だけでなく、自己実現や周囲の人間関係、地域社会とのつながりなども含めて、自分らしくいきいきと生きられることなど、主観的な幸福度を重視した「真の幸せ(ウェルビーイング)」をめざすことが、本県の社会・経済の活力をさらに高めていくものと考えています。

 これまでの「富山県成長戦略会議」での議論や、県内すべての市町村で開催したビジョンセッションなどでの県民の皆様との対話を通じて、あらためて、ウェルビーイングの向上を目標に据えて、未来に向けた新しい富山県を創っていく決意をしたところです。

 今後とも、知事に就任した際の初心を忘れず、県民の皆様とワンチームとなって、笑顔と希望に満ちあふれ、チャンスがあり、夢を叶えることができる富山県、ワクワクすることがたくさんある富山県の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 なにとぞ、議員各位のご指導とご協力、県民の皆様のご理解とご支援を心からお願い申しあげます。

 なお、昨日発生したロシアによるウクライナへの侵攻は、国際秩序の根幹を揺るがすものであり、国際平和を願う日本国民として、受け入れられるものではありません。国連を中心とした国際社会の連携による早期解決を強く願うとともに、県民生活に影響が及ぶことがないよう、注視してまいります。

 

一 予算編成の基本方針

 つぎに、令和四年度予算編成の基本方針について申しあげます。

本県の財政状況と予算編成方針

 本県財政につきましては、高齢化の進展等により社会保障関係経費が増加し、新幹線建設等にあたって発行した地方債の償還による公債費がなお高い水準で推移しており、昨年秋の時点では、令和四年度予算編成に向けた財源確保や調整が必要となる「要調整額」は約五〇億円と見込まれました。このため、新型コロナ対策のための交付金や地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保・充実を全国知事会とも連携し国に強く求めるとともに、令和四年度予算編成にあたっては、一層の歳入の確保や、社会経済情勢の変化をふまえた既存事業の見直し・再構築を進めてまいりました。

 一方、新型コロナとの闘いが続くなかで、県民の皆様の命と暮らしを守るための対策を最優先として取り組むとともに、ビヨンドコロナ・アフターコロナ時代の「幸せの先進地域」をめざし、「幸せ人口一〇〇〇万」の実現に向けた成長戦略を推進するため、働き方改革やDXの観点も取り入れた斬新で効果的な事業に優先的に予算を配分することとしたところです。

 また、国においては、昨年十一月に閣議決定した「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の内容を盛り込んだ補正予算と令和四年度予算を編成し、一体として切れ目なく実行することにより、新型コロナ対策に万全を期しつつ、「成長と分配の好循環」による「新しい資本主義」の実現を図ることとされました。

 県としましても、国の予算を最大限活用し、先月の臨時会で議決いただいた補正予算と、今議会に提案しております補正予算案、そして令和四年度予算案をあわせて十五カ月予算として一体的に運用してまいります。

 

令和四年度一般会計予算案等

 この結果、令和四年度一般会計予算案は、前年度当初予算と同程度の規模を確保するとともに、一月補正予算と今回提出した二月補正予算案をあわせた十五カ月予算では、前年度比二.三パーセント増の六、八五五億円となりました。財政の健全性にも留意しつつ、新型コロナ対策と社会経済活動の両立や、成長戦略の推進に向けて必要な施策を盛り込んだ予算としております。

二 歳出予算の概要

 つぎに、歳出予算の概要について申しあげます。

 令和四年度予算案は、一般会計六、三三三億三四七万円、特別会計三、二八四億三、八八一万円となっており、令和三年度補正予算案は、一般会計一八二億三、三三〇万円となっております。

 以下、これらの予算案の要点について、新型コロナ対策、成長戦略および八つの柱からなる重点政策に沿って申しあげます。

(一)新型コロナ対策

 まず、新型コロナ対策について申しあげます。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、オミクロン株による市中感染の拡がりなどを背景に、年末年始から全国の新規感染者数が急速に増加しましたが、現在、多くの地域で減少に転じています。本県においても、新規感染者数が依然増加しているものの、その速度は鈍化してきています。関係の皆様のご協力・ご尽力などにより、医療提供体制のひっ迫はみられませんが、学校や児童・高齢者福祉施設などにおいてクラスターが相次いで発生し、さらにそのご家族へ感染が拡大する傾向が顕著に現れています。このため、こうした感染拡大に対する警戒を継続するとともに、引き続き県民の皆様に基本的な感染防止対策を徹底していただく必要があります。県としては、今後とも感染患者の受入体制の確保や軽症者に対する健康観察等の療養支援に万全を期すとともに、皆様と一丸となって感染防止対策に取り組んでまいります。

 また、感染防止対策として重要となるワクチン接種については、市町村や医療機関の皆様のご尽力のもと、三回目の接種が進められています。県としては、県民の皆様の接種機会の確保と速やかな接種のため、先月二十九日から富山市および高岡市に特設会場を再設置するとともに、四月以降、新川地域、砺波地域にも特設会場を新たに設置することとしております。引き続き県民の皆様への接種が円滑に進められるよう、市町村をはじめ関係の皆様と連携して取り組んでまいります。

医療提供体制の整備

 医療提供体制の整備等につきましては、今後の感染拡大に備え、入院病床や軽症者等の宿泊療養施設を確保するとともに、医師の判断により自宅療養となった方が速やかに必要な診療を受けられる体制を充実します。また、感染拡大の状況に応じ、不安を感じる県民の皆様を対象としたPCR検査等を無料化するなど、検査体制の充実に努めます。さらに、厚生センターの保健師等を増員し、相談体制を強化するほか、介護施設や児童福祉施設、県立学校等における感染防止対策を支援します。加えて、学校においては、引き続き、オンライン授業の実施などにより、児童生徒の学びの保障に努めてまいります。

事業の継続と雇用維持、経済活動の回復

 事業の継続と雇用維持、経済活動の回復につきましては、オミクロン株の感染拡大により県内経済に大きな影響が出ていることをふまえ、県独自の対応として「緊急支援パッケージ」を実施いたします。まず、令和三年度予備費を活用し、新型コロナの影響で売上が減少した中小企業等に対する応援金を創設し、事業の継続・立て直しを支援します。また、経営改善に取り組む中小企業に対して保証料を引き下げる「ビヨンドコロナ応援資金」の融資限度額を今月から拡充するとともに、金融特別相談窓口の設置や商工団体との連携による国の事業復活支援金の申請支援など、厳しい状況にある事業者に寄り添った支援に努めます。さらに、「中小企業ビヨンドコロナ補助金」を創設し、DXや販路開拓、新ビジネスの創出などの意欲的な取組みを速やかに支援してまいります。

(二)成長戦略

 つぎに、成長戦略について申しあげます。

 先般策定した成長戦略に基づき、「ウェルビーイング」の理解促進や多様な人材がいきいきと暮らせる環境づくりを進め、産業政策の出発点となる人材集積を図るほか、市町村等と連携した富山らしい個性的なまちづくりや「関係人口一〇〇〇万人」の実現に向けたブランド力の強化に取り組みます。また、本県産業のさらなる成長に向け、県内企業のDXの支援や産業競争力の強化に取り組むとともに、将来を担う人材の育成や意欲のある人が起業に挑戦しやすい環境づくりに努めます。さらに、県庁自らの改革を進めるため、官民連携に向けた体制づくりやデジタル技術を活用した県民サービスの向上に取り組んでまいります。

 

 つぎに、八つの柱からなる重点政策について申しあげます。

(三)産業・経済の活性化

 一つ目の柱は、「産業・経済の活性化」です。

 本県経済につきましては、景気は新型コロナの影響がみられますが、生産は持ち直し、個人消費は一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直しています。また、雇用情勢も、有効求人倍率が二か月連続で上昇し、十二月は一.四一倍となるなど、緩やかな改善の動きが続いています。一方で、感染拡大による影響や部品等の供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要があるほか、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。

新産業の創出、産業競争力の強化

 新産業の創出、産業競争力の強化につきましては、企業立地助成金を拡充し、工場の新増設やIT・オフィス系企業の県内進出を促進します。また、県内企業の海外展開を後押しするため、アメリカ・オレゴン州とベトナムへ訪問団を派遣するとともに、現地企業との商談を支援するなど、経済・人材交流等を深めてまいります。さらに、新たにグリーン成長戦略分野における新製品・新技術の研究開発を支援するとともに、とやまアルミコンソーシアムにおけるアルミのリサイクルに関する研究開発や、とやまヘルスケアコンソーシアムにおける付加価値の高い新製品開発を引き続き推進します。加えて、医薬品産業の振興のため、「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムにおいて研究開発や専門人材の育成等の取組みを進めるとともに、「くすりの富山」の信頼回復に向け、製造・品質管理等に関する専門家との連携や研修会の開催など、業界による再発防止と信頼性確保の取組みを支援します。小規模事業者の事業承継については、その支援を強化するとともに、事業者に身近な商工団体や金融機関と連携した普及啓発に取り組むなど、事業承継の円滑化を図ります。

起業、UIJターン・移住の支援

 起業、UIJターン・移住の支援につきましては、大きな成長が期待されるスタートアップ企業の発掘と集中的な支援を行うとともに、クラウドファンディング型のふるさと納税を活用した資金調達支援や「創業支援センター・創業移住促進住宅」の開設などにより、起業を促進してまいります。また、ワーケーションの推進やサテライトオフィスの誘致に取り組むとともに、富山大学との連携により、大都市圏の人材が本県で働きながら学ぶことができる場を創出するなど、関係人口の拡大を図ってまいります。

(四)女性活躍の推進、子育て環境の充実

 二つ目の柱は、「女性活躍の推進、子育て環境の充実」です。

女性が活躍する環境づくり

 女性が活躍する環境づくりにつきましては、新たに策定する女性活躍推進戦略の推進に向けたフォーラムを開催するとともに、女性活躍に先駆的に取り組む企業を支援するなど、民間企業の取組みを促進してまいります。また、女性のウェルビーイング向上に向け、意見交換会やアンケートを実施し、来年度改定する富山県民男女共同参画計画に反映してまいります。

働き方改革、仕事と子育ての両立

 働き方改革、仕事と子育ての両立につきましては、県庁が率先してテクノロジーを活用した働き方改革を推進するとともに、その成果を県内企業等にも横展開いたします。また、男性の育児休業取得に向けたキャンペーンを実施し、企業の職場単位での取組みや男性の家事・育児の習慣化を促進します。

安心して子育てできる環境の整備

 安心して子育てできる環境の整備につきましては、県リハビリテーション病院・こども支援センターの診療体制を強化するとともに、児童精神科医の養成やオンラインによる医療相談の導入に取り組むなど、県内小児医療の充実・強化に努めます。また、国におけるこども家庭庁の設置に向けた検討状況等をふまえ、児童相談所が果たすべき機能強化のあり方を検討し、基本計画を策定します。さらに、スクールカウンセラーと学校等の連携を強化し、「いじめのない学校づくり」をめざします。

 結婚から育児まで切れ目のない子育て支援・少子化対策の推進については、企業と連携し、結婚を希望する方を社会全体で応援する体制を構築するほか、市町村と連携し、産後ヘルパーの派遣支援の期間を出産後六か月まで延長するなど、産後ケアの充実に努めます。また、子育て支援制度の利用促進を図るとともに、子育て支援ポータルサイトにAIチャットボットを導入するなど、相談・支援体制を充実します。

(五)健康寿命の延伸、医療・介護の充実

 三つ目の柱は、「健康寿命の延伸、医療・介護の充実」です。

データヘルス等を活用した健康増進

 データヘルス等を活用した健康増進につきましては、国民健康保険のデータベースを活用した分析による効果的な保健事業に取り組むほか、高血圧性疾患の重症化予防や特定健診の受診勧奨などにおける成果連動型民間委託の導入を進めます。また、生活習慣改善のためのキャンペーンや睡眠満足度の向上に向けたシンポジウムを開催するとともに、幼児や児童生徒の運動習慣が身につくよう支援するアプリを制作するなど、引き続き、健康寿命日本一の実現に向けて取り組んでまいります。

病院経営の安定と医療水準の高度化

 病院経営の安定と医療水準の高度化につきましては、医師の働き方改革等を促進するため、県医師会等と連携し、相談窓口を設置するなど、各医療機関の勤務環境改善に向けた取組みを支援します。また、訪問看護提供体制の充実・強化を図るため、新たに「富山県訪問看護総合支援センター」を設置し、小児医療技術の研修会や新卒看護師向けインターンシップなどを実施します。さらに、地域医療構想に基づき、地域の実情や患者のニーズに応じた適切な医療を提供していくため、引き続き必要な支援を行います。

医療・介護の人材確保と育成

 医療・介護の人材確保と育成につきましては、県立大学において、高度な看護人材を育成する看護系大学院や、保健師・助産師を養成する専攻科の開設に向けて必要となる施設整備を進めてまいります。また、介護福祉士養成校におけるカリキュラムの研究や地域との交流を通じたイメージアップを支援するほか、介護助手として働きたい元気な高齢者と介護事業所をマッチングする推進員を配置するなど、介護人材の確保に取り組みます。

(六)デジタル化・産学官連携・市町村連携の推進

 四つ目の柱は、「デジタル化・産学官連携・市町村連携の推進」です。

行政のデジタル化、デジタル教育の推進等

 行政のデジタル化、デジタル教育の推進等につきましては、デジタル技術を活用した魅力ある都市・田園づくりの調査・研究を進めるとともに、地域課題解決を図るため、民間企業等が有する革新的な技術を活用した実証実験に取り組みます。また、中小企業によるDXを推進するため、それぞれの課題に応じた講座や専門家派遣等を実施するほか、スマートフォンの操作に不慣れな高齢者等を支援するなど、デジタルデバイド対策にも取り組みます。さらに、独創的な思考と高度な技術を持つ「DX人材」を育成するため、小中高校生のプログラミング技能の向上に取り組むとともに、本年四月に県立大学の「DX教育研究センター(仮称)」を供用開始するなど、データサイエンス分野における人材育成と研究を推進してまいります。

ワンチームとやまの推進

 ワンチームとやまの推進につきましては、連携推進本部会議において意見交換や協議を重ねてきた結果、クマ等の捕獲の空白地域解消や連携除雪区間の拡大などの成果に加え、来年度からの乳幼児医療費助成と重度心身障害者等医療費助成の拡充と、カーボンニュートラルの普及促進に向けたポータルサイトの共同開設を決定しました。また、新たに「農林水産物等の輸出促進に向けた連携・強化」について協議を進めることとしております。今後とも、市町村との連携・協力をさらに深め、多様化・複雑化する行政課題の解決に向けて機動的に対応してまいります。

(七)農林水産業の振興、持続可能な地域づくり

 五つ目の柱は、「農林水産業の振興、持続可能な地域づくり」です。

稼げる農林水産業の実現

 稼げる農林水産業の実現につきましては、米の需要が減少するなかで、生産・流通関係者等と連携して「富富富」をはじめとした富山米の消費拡大に取り組むとともに、園芸作物の生産力の拡大・強化を一層推進するため、水田の畑地利用のための基盤整備や、高収益のモデルとなり産地をけん引するリーディング経営体の育成と横展開を図ってまいります。また、就農前後に必要となる資金の交付や園芸産地での就農・定着に向けた受入体制づくりなどにより、新規就農者の確保・育成を進めるほか、集落営農組織の活性化に向けたビジョンづくりとその実現に必要な農機の導入などを支援します。さらに、地域商社を中心とした輸出プラットフォームを形成し、農林水産物等の輸出を促進するとともに、新幹線を活用した鮮魚の輸送やキャンペーンサイトのリニューアルなどを通じ、「富山のさかな」のブランド化を一層推進してまいります。加えて、林業の成長産業化に向け、スマート機器の導入や木材加工流通施設の整備などを支援し、生産性の向上や供給の安定化を図ります。このほか、令和五年度に本県での開催が決定した食育推進全国大会に向け、県民の食育への理解を促進するとともに、本県の多彩な食の魅力を県内外に発信する意義深い大会となるよう、市町村や関係団体等と連携して準備を進めてまいります。

中山間地域の活性化

 中山間地域の活性化につきましては、ドローンを活用した物流や民間提案を活かした買い物サービスの実証を行うなど、中山間地域における課題の解決に取り組んでまいります。また、地域おこし協力隊員のサポート体制を強化し、県内定着率の向上を図るなど、人材交流や人材集積を通じて、活力ある地域社会づくりを進めます。さらに、中山間地域における地域循環共生圏の形成に向け、荒廃農地で成長に優れた早生樹等を植栽し、バイオマス燃料として活用するモデル事業に取り組みます。

安全・安心な地域づくり

 安全・安心な地域づくりにつきましては、本年秋に「富山県防災・危機管理センター(仮称)」を開設し、災害や危機管理事案へ迅速に対応するための機能を強化するとともに、大雪などの倒木被害による道路の通行止めや停電被害を防ぐため、市町村と連携し、危険な沿道林の事前伐採を行います。また、犯罪が起きやすい場所を重点的に見回るホットスポット・パトロールの普及促進や地域での防犯活動を支える人材の育成に取り組むほか、ニホンザルへの対策を強化するため、デジタル技術を活用した実証実験等を地域ぐるみで実施します。さらに、高齢運転者の認知機能検査にタブレット端末を導入し、検査時間を短縮するなど、県民サービスの向上に努めます。

(八)スポーツ・文化の振興、多様な人材の活躍、SDGsの推進

 六つ目の柱は、「スポーツ・文化の振興、多様な人材の活躍、SDGsの推進」です。

スポーツ・文化、伝統工芸の振興

 スポーツ・文化、伝統工芸の振興につきましては、スポーツ団体におけるIoTを活用した指導を支援し、競技力の向上を図ってまいります。また、「第四回とやま世界こども舞台芸術祭」の開催を支援し、子どもたちの国際的な文化交流を促進するとともに、富山県美術館の収蔵品のデジタル化やデジタルアートの展示などに取り組みます。さらに、工芸作品の協同制作を通じた発表機会の創出や工芸作家のネットワーク構築に取り組むほか、伝統工芸事業者の新商品開発等の支援や、中国での展示販売会、プロモーション活動の展開などにより、伝統工芸品の国内外への販路開拓を後押しします。

SDGs・多様性の推進

 SDGs・多様性の推進につきましては、温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの導入に関する計画を統合のうえ、新たにカーボンニュートラルの実現に向けた戦略を策定します。また、県庁に電気自動車を追加配備するほか、スーパー等の小売事業者と連携し、エシカル消費の啓発イベントを実施するなど、SDGsの推進に取り組みます。さらに、地域活性化に取り組むボランティア団体を支援するほか、外国人が安心して生活し活躍するための日本語教育環境を整備するなど、県民一人ひとりが輝ける多様性のある社会づくりを推進してまいります。

(九)教育の充実など人材育成の推進

 七つ目の柱は、「教育の充実など人材育成の推進」です。

初等・中等教育の充実

 初等・中等教育の充実につきましては、国に二年先行して小学五年生まで三十五人学級を実施し、少人数指導と組み合わせた効果的な少人数教育を推進します。また、コロナ禍における教員の多忙化を解消するため、県内全ての公立学校においてスクール・サポート・スタッフの配置を継続するとともに、GIGAスクール運営支援センターを新たに設置し、県立学校でのICT教育の支援体制を強化します。さらに、小中学校において社会の変化に応じた新たな課題をテーマとした教育研究に取り組むほか、産業界や高等教育機関等と連携し、県立高校で課題解決型のプロジェクト学習を推進するなど、教育の質の向上に努めます。加えて、特別支援教育にVRやロボット等の最先端機器を導入し、障害のある子どもたちの可能性を広げるための学習指導を充実するとともに、現場での医療的ケア技能の向上を図ってまいります。

高等教育、キャリア教育等の充実

 高等教育、キャリア教育等の充実につきましては、県内大学生等の海外留学を支援するため、新たに奨学資金の貸与制度を創設します。また、県立高校普通科において職業教育プログラムを実践するとともに、経営者等から職業観について学ぶワークショップを開催するほか、産業界を支える職業人材の育成・定着に向け、ものづくり分野に加え、新たに農業分野の「とやま高校生マイスター」を認定するなど、自分の未来を切り拓くキャリア教育を推進します。

(十)観光振興など選ばれる県づくり

 八つ目の柱は、「観光振興など選ばれる県づくり」です。

新たな時代の観光振興

 新たな時代の観光振興につきましては、「暮らすように旅をする」新たなスタイルの観光サービスの創出を図るほか、ポストコロナを見据えた旅行商品の造成への支援やマーケティングに基づく近隣県からの誘客などに取り組みます。また、令和六年春の北陸新幹線敦賀開業に向け、関西圏への情報発信や観光素材の開発・磨き上げを強化するとともに、黒部ルートの旅行商品化に向けたガイド養成や販売体制の構築に取り組むなど、魅力ある観光地域づくりを推進します。さらに、アジアや欧米豪などインバウンドの市場ニーズに応じた戦略的な情報発信や、SNS、専門誌などを活用した富山湾岸サイクリングコースのPR強化に取り組み、国内外からのさらなる誘客を図ります。

 新型コロナの影響を受けている観光・宿泊事業者等への支援については、県民向け観光キャンペーンや新たなGoToトラベル事業を実施するなど、観光需要の回復に努めてまいります。

空港・港湾、公共交通の整備

 空港・港湾、公共交通の整備につきましては、羽田便、札幌便を利用した旅行商品の造成を支援し、新型コロナ収束後の新たな旅客需要を創出するほか、今年度実施した「富山きときと空港運営あり方検討会議」の議論をふまえ、民間活力の導入可能性についてさらなる検討を行います。また、国際拠点港湾である伏木富山港の物流機能を強化するため、ガントリークレーンやハイポストクレーンの整備を進めます。さらに、持続可能な公共交通の確保を図るため、地域公共交通計画の策定に必要な調査検討を実施するとともに、AIICT等を活用した交通サービスの導入支援や、公共交通の需要喚起に向けたMaaS(マース)の環境構築などに取り組んでまいります。加えて、城端線・氷見線について、JRや沿線市とともに新しい交通体系のさらなる調査検討を実施します。

令和の公共インフラ・ニューディール政策

 令和の公共インフラ・ニューディール政策につきましては、国の補正予算を最大限に活用し先月の臨時会で議決いただいた補正予算と今回提出した二月補正予算案、令和四年度予算案をあわせた十五カ月予算により、河川の改修・浚渫・伐木、海岸保全施設の整備、農業用水利施設の更新など治水・海岸・土砂災害対策や、橋梁、トンネルなどの老朽化対策を前倒しで実施します。また、幹線道路や歩道、消雪施設の整備、港湾・漁港の機能強化など、物流と生活を支える社会資本の整備にも努めます。これらにより、河川堤防の整備や道路防災対策等の目標を一年前倒しで達成できるよう、県土の強靱化を加速化するとともに、県内経済の活性化を図ります。

 なお、民間活力の導入につきましては、富山県武道館は実施設計から、高岡テクノドーム別館は維持管理・運営からPFI方式を採用することとし、それぞれ事業者選定に着手します。また、新川こども屋内レクリエーション施設については、整備に関する基本計画を策定し、来年度、民間活力の導入可能性について調査検討を行うこととしております。

(十一)行財政改革の推進等

 つぎに、行財政改革の推進等について申しあげます。

行財政改革

 厳しい財政状況にあることから、徹底した行財政改革を推進し、お客様目線やスピードを重視した効率的な行政運営ができる体制の整備に努めてまいります。

 組織機構については、交通政策局を新設し、社会情勢が大きく変わる中で、持続可能な公共交通の構築に向けた体制の強化を図ります。

 職員数については、平成三十一年四月を基準に三年間で一般行政部門の定員を維持することを目標とした定員管理計画に基づき取り組んでまいりましたが、新型コロナへの対応のために増員を図ったことなどから、令和四年四月時点での職員数は計画を上回る見込みとなりました。

 事業の見直しについては、県民目線を第一に、業務の効率化や職員の働き方改革の観点もふまえたゼロベースでの見直しに取り組んだ結果、事業費の縮減にとどまらず、統廃合を伴う事業の再構築が図られ、昨年度を大きく上回る約一八億二、〇〇〇万円を節減したところです。また、事業のより良い見直しにつなげるため、先月、官民協働による事業レビューを試行的に実施したところであり、委員の皆様に建設的なご議論をいただきました。来年度は対象事業を増やして実施してまいりたいと考えております。

 今後とも、行財政改革に積極的に取り組み、県民が主役の富山県をめざしてまいります。

三 歳入予算の概要

 つぎに、歳入予算のうち、主なものについてご説明申しあげます。

 令和四年度予算案につきましては、一般会計において、県税は、国の経済見通しや地方財政計画、税制改正や、県内企業の収益動向等を勘案して、一、五〇八億円を、地方交付税は、国の算定方針等をふまえて積算のうえ、一、四一一億円を、それぞれ計上しております。

 国庫支出金は、九二二億円を、県債は、四九三億円を、それぞれ計上しております。

 使用料および手数料については、国の法改正等に伴い、所要の改定を行うことにしております。

 また、特別会計においては、事業収入の実績等を勘案のうえ所要額を計上しております。

 令和三年度補正予算案につきましては、一般会計において、県税は、九五億円を、地方交付税は、九七億円を、それぞれ計上しております。

四 予算以外の議案

 つぎに、予算以外の議案について申しあげます。

 条例としましては、新たに制定するものとして、「富山県大学生等留学支援奨学資金貸与条例」など二件を、改正するものとして、「富山県部局設置条例の一部を改正する条例」など三十一件を提案しております。

 また、条例以外の議案五件のほか、報告案件として、地方自治法第一七九条および同法第 一八〇条の規定による専決処分について報告しております。

 以上をもちまして、令和四年度における県政運営の基本方針および今回提出しました諸案件の説明といたします。

 なにとぞ慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。

お問い合わせ

所属課室:議会事務局  

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 

電話番号:076-444-3405

ファックス番号:076-444-3471

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