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更新日:2021年3月22日

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令和3年2月定例会 知事の提案理由説明

はじめに

本日、令和三年二月定例県議会が開催されるにあたり、提出しました令和三年度予算案その他の議案につきまして、その概要を申しあげ、あわせて、県政運営について所信の一端を申しあげます。

昨年十一月に知事に就任させていただいてから、三か月余りが経過いたしました。
これまで、県民の皆様にお約束した新しい富山県を創っていくため、日々全力で県政運営を進めてまいりました。一方、この間、県内では、新型コロナウイルス感染症の再拡大や記録的な大雪、県内初となる養鶏農場における高病原性鳥インフルエンザの発生など、県民の命や暮らしに関わる重大な事態に見舞われました。県民の皆様には、新型コロナの感染拡大を防ぐための酒類を提供する飲食店等への営業時間の短縮、あるいは大雪での交通障害など、大変なご不便やご心配をおかけしました。また、昼夜を問わず、今この時間も新型コロナと対峙しておられる医療関係者の皆様をはじめ、除雪作業に従事していただいた建設企業の皆様、高病原性鳥インフルエンザの防疫作業に従事していただいた自衛隊の皆様など、最前線に立って県民の生活を守っていただいている関係の方々に、心から厚くお礼を申しあげます。
これらの危機管理の事案に際して、あらためて県行政のトップを担っていく決意を新たにするとともに、困難を乗り越えていく経験を未来への糧として、市町村をはじめ多くの皆様ともさらに連携を密にしながら、県民の皆様が豊かで安心できる幸せな生活の確保に誠心誠意努めてまいります。
また、もとより、本県には、先人が築きあげてきた産業集積や勤勉な県民性に加え、日本の東西南北の各県・地域を結ぶ要所にあるという素晴らしい基盤があります。このような優位性を活かし、県民、民間企業、市町村と「ワンチームとやま」としてスクラムを組み、地方間の連携を強めながら、経済、農林水産業、暮らし、子育て、公共インフラなど、あらゆる分野で「地方の時代」のトップランナーへと飛躍することができると信じています。
私が県民の皆様にお約束した八つの重点政策「富山八策」と八十八の具体策については、できる限り今回の当初予算案に関係予算を計上するとともに、先般、実現に向けたロードマップをお示ししたところです。今月十九日に立ち上げた「富山県成長戦略会議」の議論をふまえて、若者からお年寄りまですべての県民が希望に満ち、笑顔があふれる富山県、チャンスがあり夢を叶えることができる富山県の実現に向けて、スピード感を持って全力で取り組んでまいります。

なにとぞ、議員各位のご指導とご協力、県民の皆様のご理解とご支援を心からお願い申しあげます。

一 予算編成の基本方針

つぎに、令和三年度予算編成の基本方針について申しあげます。

本県の財政状況と予算編成方針

本県財政につきましては、令和三年度予算編成に着手する前の昨年秋の時点では、新型コロナの影響により、実質税収が前年度比で約一九〇億円の大幅な減収となる見込みとなりました。そのため、当初予算編成に向けた財源確保や調整が必要となる「要調整額」は約六〇億円と見込まれたことから、新型コロナ対策をはじめ地域経済の活性化やDXへの対応など地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保・充実を全国知事会とも連携し国に強く求めてまいりました。
また、このような状況をふまえ、令和三年度予算編成にあたっては、一層の歳入の確保に努めるとともに、マイナスシーリングの強化、既存事業のゼロベースでの見直しを進める一方で、県民目線と現場主義を徹底し、民間活力を活かしスピード感を持って必要な施策を重点的、効率的に推進するための特別枠を設定するとともに、新型コロナ対策関連経費は所要経費での要求を認めたところです。
一方、国においては、昨年十二月に閣議決定した「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」の内容を盛り込んだ令和二年度第三次補正予算と令和三年度予算を編成し、一体として切れ目なく運用するとされました。
県としましては、国の第三次補正予算を最大限活用することとし、今月十日の臨時会で議決いただいた補正予算と、主要県単独建設事業の前倒しなどを盛り込み今議会に提案しております補正予算案、そして令和三年度予算案をあわせて十四カ月予算として、一体的に運用してまいります。

令和三年度一般会計予算案等

この結果、令和三年度一般会計予算案は、前年度比一〇.九パーセント増と四年連続で増額、また、先般の臨時会で議決いただいた補正予算や今回提出した二月補正予算案とあわせた十四カ月予算では、前年度比一三.〇パーセント増の六、七〇一億円となりました。財政の健全性にも留意しつつ、現場の視点やアイデアを活かしながら、経済、子育て、医療・介護、効率化、農林水産と地域社会、多様性、人材育成、魅力向上からなる八つの重点政策を戦略的に推進し、県民が主役となってワンチームでビヨンドコロナのワクワクをめざしていく予算としております。

二 歳出予算の概要

つぎに、歳出予算の概要について申しあげます。
令和三年度予算案は、一般会計六、三三五億七、五〇一万円、特別会計三、〇八四億三、三九八万円となっており、令和二年度補正予算案は、一般会計一二億四、五〇〇万円となっております。
以下、これらの予算案の要点について、新型コロナ対策および八つの柱からなる重点政策に沿って申しあげます。

(一)新型コロナ対策

まず、新型コロナ対策について申しあげます。

県内の新型コロナの感染状況は比較的落ち着いてきており、有識者のご意見も伺ったうえで、今月十五日から「ステージ1」に移行しました。県民の皆様にはあらためて感染防止の徹底をお願いするとともに、県としても、引き続き、県民の皆様の命と健康を守るため、高い緊張感をもって感染防止対策等を進めてまいります。

感染防止対策、医療提供体制の整備

感染防止対策、医療提供体制の整備につきましては、迅速かつ適切に新型コロナウイルスワクチンの接種を開始できる体制を市町村や医師会等と連携して構築するとともに、かかりつけ医等からの紹介でPCR検査を受けられる地域外来・検査センターを県内四つの医療圏に引き続き設置するなど、検査体制の充実に努めます。また、感染症患者を受け入れる医療機関等において必要な設備整備を支援するとともに、入院病床や軽症者等の宿泊療養施設を確保し、感染患者の受入体制の確保に万全を期してまいります。

事業の継続と雇用維持、経済活動の回復

事業の継続と雇用維持、経済活動の回復につきましては、中小企業・小規模事業者やNPO法人等の事業活動の再建、成長発展に向けた意欲的な取組みを支援する「中小企業リバイバル補助金」について、その申請をオンラインでも可能とし、来月十日から受付を開始します。また、国の制度と連携し、新型コロナの影響による離職者の正規雇用を支援するなど、雇用の維持を図ります。さらに、住民生活の足を確保するため、利用者が減少し厳しい状況にある公共交通事業者に対し、運行の維持や感染防止対策等を引き続き支援します。

次に、八つの柱からなる重点政策について申しあげます。

(二)産業・経済の活性化

一つ目の柱は、「産業・経済の活性化」です。

本県経済につきましては、生産は緩やかに持ち直し、個人消費もこのところ持ち直しの動きが見られており、雇用情勢は、有効求人倍率が四か月連続で上昇し、十二月は一.二四倍となるなど、景気は新型コロナの影響により、依然として厳しい状況にありますが、持ち直しの動きが見られます。一方で、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があるほか、金融資本市場の変動等の影響にも注視する必要があります。

新型コロナの影響への経営支援

このため、新型コロナの影響への経営支援につきましては、新産業の創出に向け、デジタル技術を活用した設備投資を支援する実質三年間無利子の「DX推進資金」等を創設するほか、新型コロナウイルス感染症対策枠を延長するなど、中小・小規模企業の資金繰り対策に努めます。また、県内企業の「望まぬ廃業」ゼロをめざして、中小企業の事業再編を推進し、経営資源の引継ぎや経営基盤の強化、販路開拓、新事業展開につなげてまいります。さらに、観光事業者による旅行商品の開発や感染防止対策、デジタル技術の活用を支援し、アフターコロナを見据えた観光地域づくりを推進します。

新産業の創出、産業競争力の強化

新産業の創出、産業競争力の強化につきましては、本県産業経済の未来を切り拓くため、「富山県成長戦略会議」において、将来に向けた成長戦略やビジョン等を検討してまいります。また、国の目標である二〇五〇年のカーボンニュートラルに向け新たに庁内に担当課を設置するとともに、国が積極的に支援するとしているグリーン成長戦略分野について、研究会を設置し県としての取組みを進めます。さらに、とやまアルミコンソーシアムにおけるプロジェクトの事業化やアルミのリサイクル技術に関する研究開発等を進めるとともに、「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムにおける医薬品産業の振興や専門人材の育成・確保を推進します。加えて、新型コロナ収束後には企業関係者を含めた友好訪問団をオレゴン州へ、経済訪問団をベトナムへ派遣し、経済・人材交流等を深めてまいります。

起業、UIJターン・移住の支援

起業、UIJターン・移住の支援につきましては、ベンチャー企業の資金調達を「オール富山」で推進するため、「とやまベンチャービジネス支援協議会(仮称)」を設立し必要な施策を検討・実施します。また、旧職員住宅を活用した創業支援施設・UIJターン者向け住居の整備を着実に進めるとともに、インキュベーション施設での起業家育成プログラムを支援するほか、本県に移住し県内での起業をめざす若者等への育成プログラムや支援金について、その対象者を首都圏在住者等から全国に拡大し、起業数の伸び日本一をめざします。さらに、市町村や民間事業者と連携し、県外からサテライトオフィスを誘致するとともに、テレワーカー等のお試し移住を支援するなど、本県への移住促進に努めます。

(三)女性活躍の推進、子育て環境の充実

二つ目の柱は、「女性活躍の推進、子育て環境の充実」です。

女性が活躍する環境づくり

女性が活躍する環境づくりにつきましては、二〇三〇年までに女性の管理職割合を全国トップ20以内に引き上げるため、官民連携による会議を設置し戦略を策定するとともに、富山版「えるぼし」認定制度の創設を検討します。また、煌めく女性リーダー塾に女性幹部候補を対象としたコースを新設するなど、業種や職種の枠を超えた女性によるネットワークづくりを強化します。さらに、男性の家事や育児への参加を促進するキャンペーンを実施し、県内企業における女性の採用や活躍を徹底して後押しします。

働き方改革、仕事と子育ての両立

働き方改革、仕事と子育ての両立につきましては、率先して取り組む企業を表彰する制度を創設し、県内における気運を醸成するとともに、県庁内に「働き方改革ラボ」を設置し民間テクノロジーを活用した生産性向上に取り組み、県内企業等にも横展開いたします。また、アフターコロナを見据え、県内企業による専門性の高い人材の活用を後押しする観点から、副業・兼業人材の活用を支援してまいります。

安心して子育てできる環境の整備

安心して子育てできる環境の整備につきましては、切れ目のない子育て支援の一層の充実に向けて研修会を実施するとともに、次代を担う子どもたちの命と健康を守るため、富山こども病院構想を含めた小児医療提供体制を検討します。また、不妊治療の保険適用までの間、国制度の拡充にあわせ、県制度も拡充し、「授かりたい人を応援する」環境づくりを推進します。さらに、「いじめのない学校づくり」をめざし、増加傾向にあるいじめや不登校等の諸課題に対応するため、スクールロイヤーの活用やスクールソーシャルワーカーによる支援体制を強化してまいります。

(四)健康寿命の延伸、医療・介護の充実

三つ目の柱は、「健康寿命の延伸、医療・介護の充実」です。

データヘルス等を活用した健康増進

データヘルス等を活用した健康増進につきましては、レセプトデータ等の分析結果をふまえた効果的な保健事業やICTを活用したオンライン保健指導を支援し、保健医療分野のデジタル化を加速します。また、県民の歩く歩数の増加や睡眠満足度の向上に向けた県民参加型のキャンペーンを実施するとともに、スーパーマーケット・飲食店等と連携し野菜摂取の促進や減塩に向けた普及啓発等を実施するなど、健康寿命日本一の実現に取り組みます。

病院経営の安定と医療水準の高度化

病院経営の安定と医療水準の高度化につきましては、医師の派遣調整を行う富山大学寄附講座の取組みをとやま地域医療連携ネットワークとして活用を図り、医師不足に直面する県内の医療機関を支援します。また、中山間地やへき地等におけるICTを活用した遠隔医療の実施に必要な機器整備を重点的に支援するほか、ドクターヘリのさらなる効率的な運航に向けた運用方法を検討します。

医療・介護の人材確保と育成

医療・介護の人材確保と育成につきましては、新型コロナ等の院内感染対策の強化に向け研修を実施するとともに、県立大学において高度な看護人材を育成する看護系大学院や、保健師、助産師を育成する専攻科の設置に向けて準備を進めてまいります。また、介護福祉士養成校のカリキュラムやイメージの向上への支援、地域の元気な高齢者による介護助手制度の導入検討など、介護人材の確保にも取り組みます。さらに、とやまヘルスケアコンソーシアムにおける介護現場のニーズに基づいた付加価値の高い製品の開発を支援します。

(五)デジタル化・産学官連携・市町村連携の推進

四つ目の柱は、「デジタル化・産学官連携・市町村連携の推進」です。

行政のデジタル化、デジタル教育の推進

行政のデジタル化、デジタル教育の推進につきましては、県庁のデジタル化の司令塔として「デジタル化・生産性向上本部」を設置し、行政手続のオンライン化を推進するほか、県と市町村が共同で調達し利用が可能となる電子入札システムの運用開始に向け準備を進めます。また、県庁のデジタル化の推進と人材育成のため、新年度から株式会社NTTドコモと人事交流を行い、ドコモの社員をデジタル化推進を担当する課長級に起用するとともに、県の若手職員をドコモ本社に派遣することとしております。さらに、県立大学の知能ロボット工学科および情報システム工学科の定員を拡充し、新たに「DX教育研究センター(仮称)」を整備するとともに、富山大学が主体となる産学官連携によるデータ利活用の取組みに参画し、データサイエンス分野における日本一の「教育県」をめざします。

ワンチームとやまの推進

ワンチームとやまの推進につきましては、先月に開催した「ワンチームとやま」連携推進本部会議において、当面の諸課題として、「防災・危機管理体制の連携・強化」や「自治体行政のデジタル化」など五項目について連携し、政策を進めていくことを決定しました。新年度は本部会議を四回開催する予定としており、今後とも、市町村との連携・協力を深化し、行政課題の解決に向けて取り組みます。

(六)農林水産業の振興、持続可能な地域づくり

五つ目の柱は、「農林水産業の振興、持続可能な地域づくり」です。

稼げる農林水産業の実現

稼げる農林水産業の実現につきましては、県産食材等の購入や地産地消に取り組む飲食店の利用によるポイント制度を実施するとともに、三大都市圏や海外での見本市への出展による販路拡大を推進するなど、新型コロナの影響で厳しい経営状況の農林漁業者等を支援します。また、学校給食や飲食店を通じて「富富富」の県内での消費拡大を図るとともに、県外での多様な情報発信ツールを活用したPRや小売業者等の販売活動への支援に取り組みます。さらに、スマート農業の普及・定着を図るため、スマート農業指導員を育成するとともに、本年四月開設予定の「スマート農業普及センター(仮称)」において高校生や就農希望者向けの体験研修を実施します。
なお、高病原性鳥インフルエンザにつきましては、今月十九日に「終息宣言」を行ったところですが、先日、野鳥の感染も確認されたことから、引き続き、野鳥監視を強化するとともに、県内での新たな感染や風評被害の防止なども含めた総合的な対策に取り組みます。

中山間地域の活性化

中山間地域の活性化につきましては、話し合い支援や情報収集等の集落支援事業の強化に向けて、地域コンシェルジュを三名増員し四名とするとともに、地域のアクションプラン策定への支援を拡充します。また、ドローンを活用した物流や民間提案を活かした買い物サービスの実証、マイカーを活用した住民相互の助け合いによる輸送サービスへの支援に取り組むなど、県土の七割超を占める中山間地域における持続可能な地域社会の形成に努めてまいります。さらに、イノシシの農地等への侵入防止に関する新技術の実証や鳥獣専用焼却施設の整備への支援など、野生鳥獣による農作物被害防止対策を強化します。

安全・安心な地域づくり

安全・安心な地域づくりにつきましては、「富山県防災・危機管理センター(仮称)」の整備を着実に進めるとともに、自主防災組織による防災資機材の充実を図り、地域防災力の向上に努めます。また、避難退域時検査場の整備や放射線監視体制を強化し、原子力災害時の円滑な避難を推進します。さらに、除雪体制の強化に向けた除雪オペレーターの確保・定着を支援するとともに、初動対応力・機動力を確保するため警察機動センターの新築整備を進めてまいります。
加えて、県内の自殺者数が増加していることをふまえ、新たに二十四時間対応の相談体制を整備するほか、DV被害者の受入れや自立支援等に取り組む民間の避難施設への支援、性暴力被害ワンストップ支援センターの常勤支援員の増員など、相談者に寄り添ったきめ細かな対応を行ってまいります。

(七)スポーツ・文化の振興、多様な人材の活躍、SDGsの推進

六つ目の柱は、「スポーツ・文化の振興、多様な人材の活躍、SDGsの推進」です。

スポーツ・文化、伝統工芸の振興

スポーツ・文化、伝統工芸の振興につきましては、学校のスポーツ・芸術文化活動をサポートする企業の登録制度および表彰制度の創設を検討します。また、新型コロナ対策を実施したうえで舞台公演を開催する芸術文化団体を支援します。さらに、伝統産業の人材育成から輸出の振興に至る一気通貫型の支援プログラムを策定する「KOGEIミライ会議(仮称)」を設置するとともに、中国での展示会・交流会の開催や、越境ECサイトへの特設店舗の出店など、海外向け販路開拓を支援してまいります。

SDGs・多様性の推進

SDGs・多様性の推進につきましては、優良事例を発掘するため民間企業等の「SDGs宣言」を募集するほか、プラスチック容器の削減・転換、宅配便の再配達の防止、エシカル消費の普及啓発など、市町村、関係団体、企業、県民の皆様と連携し、持続可能な県づくりに努めます。また、障害者の安定的な雇用を確保するため特例子会社等の設立を支援するほか、特別支援学校の教育・就労支援の充実に向けた将来構想を策定します。さらに、若者からの政策提案や意見交換を行う「とやまワカモノ・サミット(仮称)」を開催するなど、県民一人ひとりが輝ける多様性のある社会づくりを推進してまいります。

(八)教育の充実など人材育成の推進

七つ目の柱は、「教育の充実など人材育成の推進」です。

初等・中等教育の充実

初等・中等教育の充実につきましては、国に二年先行して小学三年生および四年生で三十五人学級を実施し、少人数指導と組み合わせた効果的な少人数教育を推進します。また、コロナ禍における教員の多忙化を解消するため、県内全ての公立学校においてスクール・サポート・スタッフの配置を継続します。さらに、高度な英語力を持ち、世界で活躍するグローバル人材を育成するため、国際バカロレア資格導入への調査研究を進めるほか、県立学校におけるオンライン授業の実施体制の整備への支援や、私立高校生をもつ多子世帯の入学時納付金の減免対象を拡充し、教育費負担を軽減してまいります。

高等教育、リカレント教育の充実

高等教育、リカレント教育の充実につきましては、社会のデジタル化推進や学び直しのニーズに応えるため、オンライン講座も活用したセミナーを県立大学で開催するほか、産学官が連携したリカレント教育の普及啓発に取り組みます。また、地域貢献活動への参加等を条件に、県内大学に在学する県内出身の学生に対し家賃の一部を支援するとともに、県立大学生についても県営住宅の空き室を提供します。

(九)観光振興など選ばれる県づくり

八つ目の柱は、「観光振興など選ばれる県づくり」です。

観光需要の回復と高付加価値化による誘客強化

観光需要の回復と高付加価値化による誘客強化につきましては、県内宿泊者に対する本県の特産品等の特典付与を継続するとともに、国のGO TO トラベル終了後においても、新たに近隣県民向けの宿泊割引を実施するなど、マイクロツーリズムも含めた観光の振興を図ります。また、立山黒部の観光プロモーション等を支援するとともに、令和六年度の黒部ルートの一般開放・旅行商品化に向けた新商品の企画、販売体制の構築に取り組むほか、立山砂防の国際的価値を高める世界文化遺産登録への挑戦など、国内外からの誘客を推進します。加えて、県内宿泊施設の上質化に向けた支援や海外のビジネスジェット利用者へのPRなど、経済波及効果の大きい富裕層向けの誘客強化にも取り組んでまいります。このほか、広く県民の憩いの場である太閤山ランドについて、ICT技術等の活用を通じて、よりワクワクする魅力ある施設となるよう検討を進めます。

空港・港湾、公共交通の整備

空港・港湾、公共交通の整備につきましては、富山きときと空港の定期便の運休が続いておりますが、新型コロナの収束段階における速やかな運航再開に向け旅行商品の造成を支援するとともに、民間活力の導入を含め空港運営のあり方を調査検討します。また、国際拠点港湾である伏木富山港について、新湊地区のガントリークレーンの更新や伏木地区の野積場の整備を進めます。さらに、城端線・氷見線のLRT化など新しい交通体系について、JR西日本や沿線四市と連携して調査検討を進めます。

令和の公共インフラ・ニューディール政策

令和の公共インフラ・ニューディール政策につきましては、国の補正予算を最大限に活用し先般の臨時会で議決いただいた補正予算と令和三年度予算案をあわせた十四カ月予算により、河川の改修・浚渫・伐木、海岸保全施設の整備、農業用水利施設の更新など治水・海岸・土砂災害対策や、橋梁、トンネルなどの老朽化対策を前倒しで実施します。また、幹線道路や歩道、消雪施設の整備、港湾・漁港の機能強化など、物流と生活を支える社会資本の整備にも努めます。これらにより、河川堤防の整備や道路防災対策等の目標を一年前倒しで達成するなど、県土の強靱化を加速化するとともに、県内経済の活性化を図ります。

なお、富山県武道館、高岡テクノドーム別館、新川こども屋内レクリエーション施設の整備につきましては、昨年秋の時点で財政状況が厳しさを増すことが見込まれたことから、その規模や事業費、整備スケジュールを精査してきたところであり、加えて、北陸新幹線の敦賀開業が一年延期となったことをふまえて、全ての施設の整備スケジュールを見直したうえで、PFI方式など民間活力の活用可能性について調査検討することとしております。

(十)行財政改革の推進等

つぎに、行財政改革の推進等について申しあげます。

行財政改革

厳しい財政状況にあることから、徹底した行財政改革を推進し、お客様目線やスピードを重視した効率的な行政運営ができる体制の整備に努めてまいります。
組織機構については、総合政策局を知事政策局に改組し、成長戦略やDXなどの重要課題への取組みを部局横断的に推進するための体制を整備します。また、危機管理局を新設し、頻発する自然災害等に対し、県民の安全・安心の確保に向けた体制の充実を図ります。観光・交通振興局を地方創生局に改組し、県と市町村の連携・協力の深化による「ワンチームとやま」の推進をはじめ、地方創生の取組みを推進する体制を構築します。
職員数については、一般行政部門を対象とした平成三十一年四月を基準に三年間で定員を維持することを目標とする定員管理計画に基づき、新たな行政需要に対しては、事務事業の見直し等により生み出した人員を、必要性を厳選のうえ配置します。また、県外被災地等への中長期派遣要員の確保と、平時に技術職員が不足する傾向にある県内市町村を支援するため、定員管理計画とは別枠として災害派遣枠を設けており、引き続き、必要な増員を図ることとしております。
事業の見直しについては、コロナ禍による厳しい財政状況等もふまえ、昨年末に各部局からヒアリングを実施するなど、事業の廃止、縮小等にゼロベースで取り組んだ結果、約一〇億五、八〇〇万円を節減したところです。
今後とも、行財政改革に積極的に取り組み、県民が主役の富山県をめざしてまいります。

副知事の複数体制につきましては、新型コロナ対策をはじめ多様化する課題にスピード感をもって対応するため、国や民間企業との連携、海外との友好関係を強化する必要があります。こういった機関の代表等と直接交渉できるのは、事実上、知事や副知事の特別職のみであり、副知事を複数体制とし同時二方面での交渉を可能とすることにより、国からの財源や民間との連携によるビジネスチャンスの確保等につなげたいと考えております。同時に、頻発する自然災害等への危機管理として、知事・副知事のうち一名が県内に留まり、万が一の事態に備える体制を常時確保します。こうしたことから、令和三年四月から副知事を二人体制にすることで知事の仕事を分担し、意思決定のスピード向上や実効性、施策の推進力を高めていくことが重要と考えており、関係する条例を今議会に提案しております。なお、副知事二人体制への移行に伴い、公営企業管理者を設置せず企業局長を配置して担務させるとともに、政策監を廃止することとしたいと考えております。

三 歳入予算の概要

つぎに、歳入予算のうち、主なものについてご説明申しあげます。
まず、一般会計において、県税は、国の経済見通しや地方財政計画、税制改正や、県内企業の収益動向等を勘案して、一、四三六億円を、地方交付税は、国の算定方針等をふまえて積算のうえ、一、三九三億円を、それぞれ計上しております。
国庫支出金は、七二五億円を、県債は、七六九億円を、それぞれ計上しております。
使用料および手数料については、国の法改正等に伴い、所要の改定を行うことにしております。
また、特別会計においては、事業収入の実績等を勘案のうえ所要額を計上しております。

四 予算以外の議案

つぎに、予算以外の議案について申しあげます。
条例としましては、新たに制定するものとして、「富山県ホストタウン等新型コロナウイルス感染症対策基金条例」など二件を、改正するものとして、「富山県部局設置条例等の一部を改正する条例」など三十七件を、廃止するものとして、「富山県立総合衛生学院条例」など二件を提案しております。
また、条例以外の議案三件のほか、報告案件として、地方自治法第一七九条の規定による専決処分について報告しております。

以上をもちまして、令和三年度における県政運営の基本方針および今回提出しました諸案件の説明といたします。
なにとぞ慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。

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