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幼児期

幼児期について

画像最近よく、ひとりひとりを大切にするとか、その子なりの育ち方が重要であると言われます。このことは、子どもを他のものから、切り離して守り育てることではないのです。「ひとり」が確かなものに育つためには「みんな」と共に生活することが必要なのです。『砂場へ行く。すでに何人かが占有している。入ろうとするが拒否される。やっともぐりこむ。スコップが足りない。あの子が持っている赤いスコップが欲しい。手を出す。だめと言われる。争いが起きる。……』このようなぶつかり合いを通じて、自分の要求がはっきりすると同時に、自分と同じ要求を持っている相手のことも見えてくるのです。自分と相手を知ることが、こうした小さな出来事の中にあることを見逃さないようにしたいものです。

『砂場に何人かの子どもが遊んでいる。砂を積むもの、穴を掘るもの、ただいじりまわしているものなど。やがて、山がひときわ目立つ存在になる。みんながそれに興味を持ち集中しはじめる。「いれて」「いいよ」などの言葉も多くなる。表情がいきいきし、動きも活発になる。「ああしよう」「こうしよう」と話し合いも盛んになる。』ひとりよりも、2人、3人と力を合わせて取り組む楽しさがわかり、同じ目あてをもって同じ方向に歩き始めます。仲間との楽しい遊びの中で、さまざまな体験を通じて、人とかかわる力がより確かなものに育っていくのです。

赤ちゃんの頃は、その愛らしい喃語(なんご)に対応して、お母さんの言葉は大体優しい響きで語られます。でも2歳前後から子どもに行動力がつき、いたずらや反抗が出始めるにつけ、親のカンにさわることも増えていきます。そこで「ダメ」「ヤメナサイ」の言葉が多くなり、言葉をかけるときの親の気持ちは、良い気分の時がだんだん少なくなっていくようです。子どもは何かして欲しい時、してみたい時、びっくりしたこと、面白いこと、自分の考えや行動を確かめる時、つまり、心がいきいきと働いている時にそれが言葉となって表れるのです。そして言ったことを受け止め聞いてもらえると次々に話したい気持ちになります。まず、禁止や注意を二の次にして、子どもの様子をあたたかく見守りましょう。そして子どもの行動や話しかけに乗って、「面白いこと見つけたのね」「ふーん。そうなのね」などと子どもと同じ立場に立って思いを共有できたら素晴らしいですね。子どもの何気ないつぶやきやたどたどしいことばに耳を傾け、不完全なことばを補ってその動作にことばを添えてもやりましょう。また、子どもの要求を的確に判断し、いけないことは忍耐強くわかるように話し、次第にきちんと理解させてゆくことも必要です。

    <ことばを育てるポイント>
  1. 進んでことばを使いたくなるように気持ちや行動を受け止める。
  2. 子どものことばやつぶやきに心を傾けて聞き入る。
  3. 子どもが弾んで話し、子ども―親―子ども・・のやり取りが連続していくように、共感しながら応答し楽しくつなげていく。

夕焼けはなぜ赤いの?
ある女優さんは、父親の思い出を語る中で、散歩中に「お父さん、夕焼けはなぜ赤いの」と尋ねた時の答えが、「お日様は恥ずかしいんだろうね」であったということを、茜色の夕焼けの鮮やかな印象と共に、感慨を込めて回顧しています。ほのぼのとした父子の散歩姿とともに父の人柄までもが想像されるエピソードですね。

たくましく生きる準備
子どもは自分を取り巻くあらゆる物に興味を示し、すべての能力を働かせて、観察、理解、学習をしていきます。最初は、自分の手を見つめたり口へ入れたりします。1歳半~2歳の頃は、「あれは?」とか「これは?」とかいって、物の名前を知りたがります。やがて4歳~5歳くらいになると「なぜ?」「どうして?」と、質問も変化します。こうして、生きていくのに必要な意欲と知識・技能を身に付けます。そして次第に新しい場面に出会った場合にも上手に適応し、たくましく生きてゆけるのです。

かけがえのない自分の確認
子どもは、「なぜ…」「どうして…」と尋ねたときにも、理路整然とした答えよりも、むしろ、一緒に考えてくれる父と母を求めています。さらには、心豊かな子どもに育てたいという親の願いや「大事に育てられているんだ」という愛の実感を求めているようです。

豊かな心を育てよう
「今、忙しいから…」とか「あとで…」とかいって、ごまかしたり、逃げたりしてはいけません。誠意ある態度こそが、子どもの知的好奇心や探究心を育て、それにも増して、両親への信頼や、ひいては人間への信頼感を育てます。

いそがしい?
出勤前のあわただしいある朝、3歳になる長女が「いそがちい、いそがちい」と言いながら廊下を行ったり来たり、「何が忙しいの?」と声かけすると「あとで…」と廊下を走っていきました。夜、台所で後片付け中、長女が足元にまとわりつくのでつい「お仕事してるんだから―あっちに行きなさい」と叱ってしまいました。そーっと抱き上げると甘酸っぱい香りと共に幼児の体温が伝わってきます。思わず抱きしめ頬を寄せました。幸福感が全身をおおいます。胸がキューンと痛みました。今朝から長女のあのクリクリした目をじーっと見つめたときがあったかしら?小さい口元から発するあどけないことばも、キャッキャッという喚声も余り聞きませんでした。いや、気付かなかったのです。何故でしょう? 今、はじめてマシュマロのような肌を抱きしめているのです。再び胸がキュンと痛みました。「あるお母さんからのお便り」から

気づきから行動へ!
子どもの人間形成は絶えず親の影響を受けています。この影響を受ける年齢が3歳未満と言われています。 子どもの情緒安定の場として最もふさわしいのは両親の膝の上です。眠くなったとき、疲れたとき、不安なとき、驚いたときなど、親の膝の上でしっかり抱かれることは、子どもの心に安心感を与え情緒の安定に導きます。そして親に対する信頼感が心に刻まれます。 からだで表現する「甘え」も幼児の不安解消のひとつの手だてです。からだで「甘え」をみせたら抱っこなどのスキンシップで答えてください。「甘える」ことのない子ども又は、「甘え」を受け入れてもらえなかった子どもは一見独立心のある子に見えますが、心の底に情緒の不安定を抱えているのです。忙しい日々の生活に流されていますと、つい心ゆくまで子どもの相手をしてあげるという子育ての基本を忘れてしまいます。さあ、スキンシップを大いに活用して、親子のきずなを深めましょう。「いそがちい」のことば、家庭から消しましょう。

幼児期Q&A

五歳と三歳の兄弟です。毎朝寝坊で、食欲がありません。菓子パンなら少し食べるので、つい毎朝、パンとジュースを与えて園へ出しています。近頃、それが習慣になっています。
最近、生活習慣病という言葉をよく耳にします。朝起きてもあくびばかりでぐずぐずしていて食欲がない、といった具合です。テレビを遅くまで見ていたり、夜更かしをしていませんか。こんな習慣は大人になっても変えるのが困難だといわれています。夜は早めにテレビを消し、お子さんにもお話しや、絵本の読み聞かせなどして、早く寝かせるようにしましょう。成長期にあるお子さんの糖分のとりすぎは、身体を疲れやすくし、精神的にいらいらすることがわかっています。朝食は、甘いものに変えて、米や野菜などの日本型食生活を基本に考えましょう。おにぎりに実だくさんのみそ汁、卵や牛乳、納豆や豆腐などのたんぱく質食品、あえ物やサラダなども野菜料理も上手に取り入れてみましょう。共働きのご家庭の朝は大変あわただしいので、前日の残り物を活用するとか、夕食の後に準備しておくといった工夫が大切です。朝食をきちんと食べることによって体温が上昇し、脳の働きも活発になります。更に朝の排便を習慣づけて、笑顔で送り出しましょう。
バランスのとれた食事について
他のお子さんに比べて、言葉が遅いように思います。どんなことに注意して接したらよいでしょうか。
言葉の発達が遅いと思われるお子さんには、以下のようなことに注意して接してください。

  1. 言語刺激を豊富にし、言語環境を豊かにする。子どもにわかりやすい具体的な言葉で、くりかえし話しかける。日常的なあらゆる場面をとらえて、根気よく話しかける。家族が本来の自分よりおしゃべりになってもらう。
  2. 子どもの発声や発語に必ず対応し、コミュニケーションが楽しいと思わせる状況を増やす。
  3. 発音など細かいことにこだわって言い直させたりしない。言葉が出たとき、再度強制して言わせたりしない。
  4. うがいやストロー、笛など発語器官の運動能力を発達させるような生活習慣や、遊びの導入をする。年長児では、全身の協調運動機能を高めるような遊びを取り入れる。
  5. 言葉を使わざるをえない状況を作る。先回りして本人の代わりに話したり、要求を察してさっさと先にしてしまうことは避ける。
  6. 他の子どもたちの遊びを見せたり、遊びの中に入るように促したりして、社会性の発達を促すような機会をつくる。
言葉の発達には、個人差があります。
しかし、中には難聴や発達障害のために言葉の発達が遅れる場合もあるので、音や声に対する反応がおかしい、幼児期後半になって赤ちゃん言葉である、対人関係や行動の発達にも問題があるなどの兆候が見られるようなら、保健センターや保健所の保健婦さん小児科医などに相談してください。
4歳になります。外で元気よく遊んでほしいんですが、家でひとりでゲームや絵を描いたりして家から出たがりません。このままでは社会性が身につかない子になってしまうのではないかと心配です。
家の中でひとり遊びが多く、友達と遊べないようでは、取り残されるのではないかという不安のようですが、まず、ひとりで遊ぶことの大切さを認めて下さい。これを否定的に見て無理に外につれ出して、友だちと遊ばせようとすると、お子さんはいよいよひとり遊Mびにこだわります。二、三歳頃は親に遊んでもらって、しだいに自分からすすんでひとり遊びを覚えます。いま、お子さんは、この時期ではないでしょうか。このひとり遊びは、幼児期からさらに思春期以上まで続き、自分で考え、自分で行動する自立のために必要な働きを果たしています。お子さんは絵を描いたり、ゲームがおもしろいようです。ひとり遊びをするには興味がなくては自主的に遊ぶことはできません。また、親子で戸外のひろびろとした空間の心地よさを味わってみましょう。自然の草花や小動物がきっかけとなって、戸外の楽しさを知ることが多いものです。社会性というのは、誰とでも仲良く遊べるつきあい上手なこととは違います。ひとり遊びを歩んだ子どもどうしが集団生活をすることによって、他の友だちが自分と同じ価値を持って存在していることを知ることが社会性といえます。
4歳の子どもですが、体を動かして遊ぶことが苦手で、ボール投げも上手にできません。最近は運動的なことを避ける傾向が見え、このままだと運動神経の鈍い子に育つのではないかと心配です。
運動神経の発達の善し悪しを心配されることから、かなり思慮深いお母(父)さんであることが想像されます。こうした場合お子さんも、まず体を動かすことよりも、その結果を考えてしまい上手にしなければいけないとか、危ないと思って尻ごみをしてしまう傾向にあり、その上、親がそれを気にして運動をさせようとするので、一層身を守ろうとして動けなくなる場合が少なくないようです。まず、世の中には運動ぎらいや苦手の人が大勢おり、その人たちが幸せに生きていけないなどということはないということを認識するべきです。ただ、運動好きのほうが運動ぎらいであるよりも、心身の健康や楽しみのためにプラスが多いということなのです。運動的な遊びの興味や関心を育てるために、手近な新聞紙やタオルなどを遊具にして丸めて投げたり、蹴っ飛ばしたり、振ったりして日常生活での活動の機会をはかり親子で一緒に楽しんで下さい。子どもが活動をする挑戦への基礎は、安心感や自信に裏づけられた楽しさにあると考えられます。
5歳の女の子です。何か気にいらないことがあると、暴れて手におえなくなります。引っ繰り返り、手足をばたばたさせて体を弓なりによじらせて暴れます。人前でこんなことになると、母親の私は焦ってしまい、パニックになってしまいます。虐待をする母親の話は他人事ではありません。どうしたらよいでしょう。
こんな時、子どもの心が急に見えなくなってしまったような無力感に襲われてしまいますね。今まで母親の思うように動いてくれたわが子が、憑かれたように暴れて自分の手から離れていく不安は大変なものです。一般的な行動ではないので、母親の心は揺れます。何か心に異常があるのでないかと疑い始めるとそれだけで対応がぎくしゃくします。まず、落ち着いてお子さんを抱き締め、背を静かにさすってあげ、呼吸の静まりを待ちましょう。言葉はいりません。こんなとき、あわてて「どうしたの?お母さんのどこが悪いの?」とか「黙りなさい。みんな見ているでしょう。お母さん恥ずかしくて。お母さんあなたを置いてどっかへ行ってしまいたい。」といった言葉を機関銃のように発したくなりますが、ぐっとこらえましょう。「大丈夫。お母さんが付いていますよ。」という気持ちで無言で体でメッセージを送る感じで抱き締めましょう。しばらくすると、けろっとして落ち着くことが多いのです。そうしたことで、納まらず長期化する場合は、ためらわず相談機関を尋ねましょう。
4歳の女の子。2年保育で幼稚園に通い始めました。ところが、幼稚園へ行くようになってから、一度に赤ちゃんがえりをし、園で黙りこくってめそめそして何もしません。靴も脱がない、トイレへも行かずに立ったままでおしっこをジャアーとたれてしまう始末です。おやつにも見向きもせずに口に入れても噛みもしません。どうしたらよいでしょう。
お聞きするところによると、今までお母さんが忙しくお子さんを危なくないように部屋に入れてテレビにお守りをしてもらって放っておかれることが多かったようですね。幼稚園に入り、お母さん自身お子さんへのかかわり方に目を開かせられ、今までの育児のやり方を変えられたようです。また、優しい先生にかわいがってもらい多くの声がけをしてもらっているようですね。今までとのギャップにとまどい赤ちゃんがえりをしたものと思われます。今は赤ちゃんにさせてあげて、今の状態を見守りましょう。 お母さんの今変えられた育児方針をそのままにうんとかかわりを深めてあげてください。園のかかわり方もさまざまな工夫があり、少しずつお子さんが安心できる方向にもっていっておられるようです。ふとしたときの園での遊びの場や友達のかかわりを逃さず生かして、きっといい方向にもっていくことが可能です。お母さんがお子さんをそのまま受けとめ、園の先生方を信じていきましょう。間もなく、元気な声が聞かれるようになるでしょう。
3歳の男の子。先頃、下の子が生まれてお兄ちゃんになりました。今までできていたことができなくなり、わがままを通そうとします。私が下の子にミルクをやっていると自分に飲ませろとせがみ、ちょっと目を離すと下の子をたたいたり、蹴ったりしています。生まれる前から、お兄ちゃんになるからと意識させ準備してきたつもりでしたが、全く役にたっていません。どうしたらよいでしょう。
お母さんとしてはこんな事態を予測し十分準備なさったのに大変だろうと察せられます。理屈でお兄ちゃんになったとわかっても、急にお母さんの関心が自分から離れ、わけのわからないぶよぶよの物体である弟に移っていったことは納得いかないことでしょう。まず、言葉で理解させようとしないことから始めましょう。今まで通りお母さんはあなたを愛しているよ、ということを全身で表現しましょう。どんなに忙しくても、一瞬でいいから優しい眼差しを投げかけるだけでいいのです。ぎゅっと抱きしめてあげる一瞬があれば、あとは我慢できます。長々とお兄ちゃんになったんだから我慢しようねとか、小さい赤ちゃんは何もわからないんだよとか説明せず、今までのお母さんは消えていないことを実感させましょう。そして、ちょっとしたお手伝いを頼んで「助かったわ。やっぱりお兄ちゃんね」と頼もしそうに存在を認めてあげましょう。きっと、「赤ちゃんって、あったかいね」とか「笑ったよ。ぼくを見てうれしいんだね」と得意げに言うことでしょう。
3歳の男児。何かの拍子に吃音がでます。「落ち着いて話して。」というのですが、「あ、あ、赤い、じ、じ、自動車」などというと、このまま固定するのではないかと心配になります。特に追い詰めたり不安を与えたことはないと思うのですが。
意識させないこと、直そうと焦らないことが大切です。幼児の吃音は「言葉に関係したいくつかの筋肉がひきつけを起こしたために生じた会話のリズム障害」といえます。幼児の吃音は、2歳から5歳の頃、男の子にどちらかというと多くあらわれます。子どもの場合は、心理的な緊張や注意を向けられることによって起こるものと考えられます。言葉の発達が比較的早い子に起こりやすいと言われています。過敏な子、勝気な子が知的発達に比べて表現能力が不十分なための焦りがあるのでしょう。子どもの話を落ち着いて聞いてあげ、言葉に詰まったら「そうね、それからどうしたの」とゆっくり聞いてあげましょう。「ゆっくり話して」とか「落ち着いて」などの言葉で意識させることは、ますます追い込ませてしまいがちです。お母さんの心からのゆっくりした対応、「そのままでいいのよ」という優しさがゆっくり話すようにいざないます。
泥遊びが大好きで、かえるやおたまじゃくしを捕まえてきたり、夜店で金魚やひよこを買ってくれとせがみます。生きものは死なせてしまうので困っています。
とってもすばらしいお子さんだと思います。最近の子供たちは、室内遊び(テレビゲームなど)がほとんどで屋外で遊ばなくなりました。子供が泥遊びや木登りなどで一生懸命遊んでいるときに「汚いからやめなさい。」とか「危ないからやめなさい。」と叱ったりすることはありませんか。お母さんのこのようなことばが原因の一つである場合もあります。泥の中に虫を見つけたり、名も知らない花を見つけたとき、どういう名前かなと関心をもったり、自分で名前を考えたりすることは、思考力や洞察力を育てます。自然にふれることによって、豊かな表現力も培われます。また生きものを飼育することは、毎日の餌やりなどの世話をとおして、やさしさや思いやりの心を育てることにもつながります。不幸にして死なせてしまったときには、お子さんと一緒にお墓を作ったり、花を飾ったりしながら、お星様になった小さな生命の大切さについて語り合いましょう。かけがえのない生命の大切さを教えるよい機会だと思います。 お子さんのすばらしい感性を、さらに伸ばしてほしいと思います。