1 家庭の現状

(1)ホテル家族
 現代の家庭では以前に比べて心を共有する場が欠けているように思います。今、これでいいのかという問いかけが必要だと思います。

 夜型の生活になり、朝のスタートが遅くなっています。そうしますと時間がないものですから、「早く顔を洗いなさい」「早く着替えなさい」と、早く早くが多くなります。朝家を出るまでに何回何十回早くとおっしゃ家族で食事のイラストるでしょうか。そうして子どもを急がして朝ごはんをゆっくり食べることもできない状態なのです。 また、いっしょに食事しながらの会話がありません。親が働いている場合、お父さんもお母さんも帰宅時間がばらばらで食事時間もばらばらになる家庭が多くなっているという現実を見逃すわけにはいかないのではないでしょうか。せめて一日に1回いっしょに作って、いっしょに食卓を囲んで欲しいと思います。工夫すればできないことはないと思います。
  台所は五感(見る、嗅ぐ、聞く、触る、味わう)を働かせる教育の場であり、五感を豊かにする場です。どうすれば無駄がないか、どのような盛り付けがおいしいか、経済学があり、美学があります。台所には多くの学びがあります。

(2)家族の人間関係枯渇の懸念
 
現在の家族は、しっとりとしていません、応用が利きません。物事を敏感に感じるアンテナがあがっていないのです。親子関係、兄弟関係というアンテナがしっかり上がっていれば、悲しさも喜びも自然に入ってくるのです。社会構成の最少単位である家庭で学ぶべきものが欠如しているように思います。

 例えば、靴を子どもに買ってやる時に、「お父さんがお仕事して下さるおかげで買えるのよ。」「おじいちゃんに見せたら何とおっしゃるかしら。」と声をかけることで、その場にいない人のことを思う心を育てます。

 家事労働、お手伝いすることの素晴らしさをスキップしてしまっています。雑巾の洗い方、絞り方を知らないまま大人になる子も多いのです。ほうきの使い方を知らない子さえいます。日本文化の大切なものが今の家庭では欠如しているように思います。

 家庭での秩序を重んじてながら、先祖から伝わる尊い命をお預かりしているという謙虚な気持ちで子育てをしていただきたいと思います。
  人間関係の枯渇をどう修正していくかを考えていかなくてはいけない時期に来ていると思います

親子のイラスト(3)父親の家庭に対する意識
 
おむつ替えやミルクをやることだけでなく、子どもの育ちに感動すること、子どもの成長の中でよろこびがいっぱいあること、妻といっしょに台所に立つことの中に、喜び楽しみ感動発見がいっぱいあることを共有できるようでないと本当の意味での男女共同参画社会は実現しなのではないかと思います。

2 家庭の教育力の充実に向けて 

“子どもの心の基地は家庭”を原点として   詩のイラスト

(1) 人格形成は家庭で
 
情緒の安定が一番土台になります。この土台は家庭で作られのです。この土台がしっかりしていれば子どもたちが自分で考えて、いろいろな問題を乗り越えて生きていこことができます。社会に出て、秩序を守りながら自分の能力を伸ばしていくことができると思います。

 子どもの育ちのプロセスをしっかりとおさえた上で、家庭はどうあるべきか、愛されていることが子どもの心に届くこと、口先だけでなく、どういう動作だと届くのだろうかというところまで考えていただきたいと思います。

(2) 親の育児能力と親のアイデンティティーの形成
 
子どもを育てることは取りも直さず自分を育てることです。育児は育自であるのです。0歳には0歳の今、10歳には10歳の今、子どもといっしょに育っていく時間をどう生きるのか(=育時)、そういうことが自分作りになっていくのだということです。

3 みんなで子どもを育てる社会の形成

(1) 育児を 地縁→結縁→血縁へ

(2) 家庭教育指導者(アドバイザー)を核とした“志”の人の力の結集を。

(3) 地域社会が挙げて子育てをサポートし、大切にする社会にむけて、姿の見える貢献を。

 親だけ、保育所・学校だけでなく、地域みんなで育てる、そういう意識を大切にしながら、子どもを見ていきたいものです。地域社会が子育てを大切にする社会になるために姿の見える貢献ができたらと思います。