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初めての母乳育児

画像「赤ちゃんを母乳で育てたい!」と願うお母さんは、たくさんいます。そう思っていても適切な情報がないとなかなかスムーズにいかないことがあります。「母乳がたりていないのかしら?」「赤ちゃんを抱くときはどうしたらいいの?」など、その対処法はいろいろあります。大切なのは、赤ちゃんとのふれあいを深め、たくさん愛情をそそいであげることです。このコーナーでは、はじめて母乳育児をスタートするお母さんに役立つ情報をお伝えできたら・・・と思います。
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はじめての母乳育児

写真シクラメンは、花の少ない冬に長く咲きます。赤やピンクも鮮やかですが、白のシクラメンもきれいです。

赤ちゃんを母乳で育てたいと願っています。情報やサポートについて知りたいです。
妊娠後期になると、早く赤ちゃんに会いたくてわくわくしたり、出産への不安でどきどきしたと話す女性がたくさんいます。妊娠⇒出産⇒母乳育児は自然な流れです。出産という大きな仕事を成し遂げたら、赤ちゃんを優しく抱っこして、母乳を飲ませてあげましょう。

母乳や育児について、本やインターネット、まわりの人の助言などたくさんの情報が入ってきて、時には情報におぼれそうになることがあるかもしれません。いつでも、赤ちゃんの姿をよく見て、赤ちゃんや自分に合う方法を上手に選択していきましょう。

富山県では、富山県母乳育児推進連絡協議会を中心としたネットワークがあり、母乳育児支援が行われています。女性の就業率が高くても、母乳育児を続けるお母さんは全国トップクラスであるというデータがあります。はじめての母乳育児は、遠慮なくサポートを受け、お母さんと赤ちゃんのふれあいを大切にして続けていきましょう。

げっぷとしゃっくり どうすればいい?

写真漢字で書くと「秋明菊」、秋まっさかりに開花する名前通りの花です。

授乳が終わったらげっぷをさせてあげましょうと聞いたのですが、なかなかげっぷが出ないことがあります。どうしたらいいですか?
赤ちゃんが母乳と一緒に飲み込む空気がげっぷのもとになります。授乳後すぐにげっぷが出る赤ちゃんもいれば、なかなかでない赤ちゃんもいるようです。しばらくたつのに、げっぷが出ないと、お母さんは心配になるかもしれませんが、赤ちゃんの機嫌がよければ、無理にげっぷをさせる必要はありません。

すぐにげっぷが出ないとき、次のようにすると出やすいようです。
  • お母さんの肩に赤ちゃんのあごをのせて、軽く背中をさすってあげます。
  • 沐浴で背中を洗う要領でお母さんのひざに座らせ、軽く背中をさすってあげます。
いずれの場合も背中を下から上にさすると、お腹の空気が出やすいようです。もし、赤ちゃんがげっぷと一緒に飲んだばかりの母乳を吐くタイプでしたら、赤ちゃんの口のあたりに、きれいなタオルなどをあててしばらく静かに抱っこしていましょう。
赤ちゃんがしゃっくりを始めたらどうしたらいいですか?
子宮の中でも生まれてからも赤ちゃんはしゃっくりをします。妊娠中の規則的な胎動は、赤ちゃんのしゃっくりです。

しゃっくりが出ていても、赤ちゃんは平気な顔をしています。赤ちゃんのしゃっくりをそのままにしておくと自然に止まります。気になるようでしたら、少し母乳を飲ませてあげたり、抱っこして上半身を立たせる姿勢をとると効果のある場合もあります。

思うように家事ができなくて!?

写真今年も稲穂が実りました。稲刈りのにおいに秋を感じます。

思うように家事ができなくて…!?
赤ちゃんがしょっちゅう母乳をほしがるので、思うように家事ができなくて困っています。どうしたら授乳も家事もできるでしょうか?
赤ちゃんのニーズに応えて、授乳したり世話をしたりするなかで、普段の掃除や洗濯、買い物、調理など、家事を簡単に済ませられるよう工夫してみましょう。

家事を簡単に済ませる工夫
-掃除-
装飾のために小物を並べていたら、片付けましょう。小物がなければ、サッとひと拭きで掃除が終わります。掃除は、何かをやるついでにやってしまうこともできます。例えば、お風呂に入ったときに鏡を拭いたり、上がったら、脱衣所の床を拭いたりします。上の子どもがおもちゃを散らかすことがありますね。大きめの段ボール箱を用意しておけば、「よーい、ドン!」と遊び感覚で、入れていけばすぐにリビングがすっきり。片付けも遊びの一部とおおらかに考えて、楽しんで取り組めるといいですね。

-洗濯-
洗濯の時間帯を見直すお母さんがいます。夜に洗濯を済ませ干しておくと、翌日の午前中、赤ちゃんとの時間をたっぷり作ることができます。下着や靴下などを多めに用意しておけば、1~2日洗濯ができなくてもなんとか生活できます。もちろん、お父さんにも洗濯機の操作を覚えてもらいましょう!

-買い物-
毎日、買い物に行くのは、案外と大変です。お父さんがお休みの日に1週間分の食料をまとめ買いしたり、食材を玄関まで宅配してくれるサービスを利用したりするお母さんもいます。

-調理-
昼間に夕食の下ごしらえを済ませておくと、夕方は、炒めたり・煮たりサッと取りかかれます。また、時間のあるときに多めに作って冷凍しておいても、助かります。食後の片づけは、洗剤を溶かしたお湯に食器をつけておけば、後から洗うときに楽に汚れが落ちます。

朝、授乳しながら、1日の家事の順番を考えてみるといいでしょう。頭の中に家事リストを作り、今日すること、明日以降でも待てることなど優先順位を決めれば、一つひとつ片付けていくことができます。

水分補給について

写真キュウリの花です。鮮やかな黄色ですね。ハチが蜜を集めにきています。

暑い季節です。母乳育児をしているとどのタイミングで水分補給をすればよいですか?
母乳で育っている赤ちゃんは、水分補給をしなくては!と考える必要はありません。母乳は、赤ちゃんが必要とする量と乳房でつくり出す量のバランスを自然に保つしくみが備わっています。ですから、湯ざましやお茶、果汁などを与えることは、この自然のバランスを崩すことになるのです。

赤ちゃんがほしがるときにほしがるだけ飲ませてあげましょう。母乳は約88%が水分です。授乳のたびに、しっかりと水分補給をしていることになります。外から帰ったり、お風呂上りにも母乳を飲ませてあげましょう。

授乳中のお母さんは、のどが渇くことがあります。授乳のたびに水やお茶、果汁100%のジュースなど水分を取るようにしましょう。

授乳間隔が定まらない?!

写真夏に、道端や柵に絡みついているヒルガオ。花は、朝に開きますが、昼になってもしぼまないことからこの名前がついたそうです。

母乳育児を始めてしばらくすると、授乳間隔が定まってくると聞きましたが、一向に定まりません。2時間くらい間隔があくときもあれば、30分もしないうちにほしがることもあります。これでいいのでしょうか?
はい、今のままで大丈夫です。赤ちゃんがほしがるときにほしがるだけ飲ませることで、赤ちゃんの成長に必要な量がつくられます。母乳中の成分を、赤ちゃんが自分で調整していることもわかっています。赤ちゃんが、前の授乳から30分でほしがったら、心配せずにいつものように優しく抱っこし、母乳を飲ませてあげましょう!

生後3~4ヵ月ごろになると授乳間隔が定まってきて、授乳にリズムができてくると本やインターネットで読んだり、まわりの人から聞いたりすると心配になりますね。実際に、赤ちゃんのほしがり方が読んだり聞いたりした情報と違うと、「私のやり方が間違っているのだろうか?」と戸惑うお母さんもいるのではないかと思います。そうすると、授乳間隔を一定にしなければならないのだと思い込み、お母さんの決めたスケジュールで授乳しなければ…とがんばってしまいがちです。

スケジュールを決めて授乳すると、乳房がつまったり、痛くなったりすることにつながることがあります。授乳の間隔を決めるのは、赤ちゃんです。赤ちゃんがほしがるときにほしがるだけ飲ませていれば、常に赤ちゃんの成長に必要な母乳を飲んでいることになるのです。

発育曲線

写真子どものころ、時間を忘れて、シロツメクサの冠を作ったり、四ツ葉を探したりしませんでしたか?

赤ちゃんの体重が母子手帳の発育曲線の下のラインに近いです。人工乳をたす必要はありますか?
赤ちゃんの体重の増加がゆっくりだと心配に思いますね。発育曲線曲線は、上下の帯の中に94%の赤ちゃんの値が入り、残りの6%の赤ちゃんの値は、帯の上または下にあるという見方をします。ですから、帯の中あるいは外のどのあたりなのか、曲線のカーブに沿って発育しているかどうかを見ることが大切です。

体重の増え方がゆっくりのときは、すぐに人工乳をたすのではなく、なぜ発育がゆっくりなのか、その原因を考えてみましょう。そのために、次の確認をしてみてください。

  • 授乳のときの抱き方と吸いつかせ方は適切ですか?
  • 赤ちゃんはしっかりと母乳を飲んでいますか?
    →1回の授乳の後のほうに出てくる栄養がより多くふくまれた母乳です。
  • お母さんが赤ちゃんの欲求に合わせて授乳していますか?
    →スケジュールを決めて授乳すると赤ちゃんの欲求と合わないことがあります。
  • 1回の授乳で両方の乳房からしっかりと飲んでいますか?
赤ちゃんの月齢が進み、効率よく母乳を飲むことができるようになると、体重の増加がよくなることが多いですが、病気が原因で食欲がないこともありますので、かかりつけの小児科医に確認してもらいましょう。

授乳の場所の工夫

写真藤棚から藤の花が美しく垂れ下がっているのを見つけました。

授乳中にのどが渇いて飲み物がほしくなりますが、立って取りに行けません。困っています。
授乳のためのお気に入りの場所を作っているお母さんがたくさんいます。椅子やソファー、座椅子などを授乳のための場所にして、授乳しやすく、負担を軽くするために背中やひじの下、ひざの上に置く座布団やクッションを置きます。

授乳中は、のどが渇いてくることがあります。授乳のために赤ちゃんを抱っこして座ると、立ち歩くことが難しいので、水やお茶、100%果汁などをあらかじめ用意するお母さんがいます。また、電話(子機)などを側に置くと、授乳したままでも対応できますね。

これから気温が上がってくると、赤ちゃんは母乳を飲みながら汗をかくことがよくあります。抱っこのときに、お母さんの腕(赤ちゃんの頭がくる場所)にタオルを乗せたり、額の汗を拭いたり、少しもどした母乳を拭いたりするガーゼハンカチやタオル、ティッシュなどを用意しておくと便利です。そのほか、読みかけの本や雑誌を手元に置いておくと、赤ちゃんが十分母乳を飲み、お母さんの腕の中でうとうとし始めたら、読み始めることができます。また、授乳中に感じたこと・気づいたことを書き留めるメモ用紙とペンを置いているお母さんもいます。

オムツやおしりふき、赤ちゃんの着替えなども近くにあると授乳のあとのお世話が簡単にできますね。

特別な日と授乳

写真たんぽぽを摘んで髪飾りにしたり、腕時計に見立てて遊んだり。黄色の花がかわいいですね。

赤ちゃん連れで遠出を計画しています。大丈夫でしょうか?
ゴールデンウィークがやってきます。家族で出かけたり、親戚などの集まりに参加したりすることがあると思います。このようなとき、お母さんは、つい赤ちゃんのニーズを見過ごして、授乳の間隔がいつもよりも長くなることがあります。大人の都合で、授乳を先延ばしにすると、乳房がしこるトラブルにつながったり、赤ちゃんが突然、母乳を飲まなくなったりします。

出先でも、授乳はどこでもできます。車で遠出するときは、赤ちゃんのニーズに合わせて、適宜、車を停めて授乳タイムを取りましょう。行楽地でも木陰やベンチなどで授乳できますよ。親戚や親の友だちと集まるときでも、赤ちゃんが母乳をほしそうにしたり、ぐずったりしたときは、すぐに授乳できるといいですね。ときには、別の部屋に移ったり、外の空気を吸いに出るなどして、静かな場所に行くことも必要になるでしょう。

特別な日でも、いつもと同じように赤ちゃんが母乳をほしがったらどんどん授乳しましょう。赤ちゃん連れで、たいていどこにでも出かけられますが、赤ちゃんの月齢も考え合わせ、余裕をもった計画を立てましょう。

お母さんが忙しいとき

写真道端や畑のあぜ道にオオイヌノフグリが青い花を咲かせます。この花を見ると、春の訪れを感じますね。

引越しがきまりました。準備でゆっくり授乳できそうにないのですが、どうしたらいいですか?
春は、会社の異動による転勤が多い時期です。引越しが決まるとお母さんは大忙しです。荷造りや買い物などが次々と続いて、つい、赤ちゃんの欲求を見過ごしがちになることがあるかもしれません。赤ちゃんが母乳をほしがっているのに、長時間授乳しないと、赤ちゃんはグズグズいいはじめ、急におっぱいを飲まなくなることがあります。まだ言葉をしゃべることができない赤ちゃんが「ボク(わたし)を見てよ!」とお母さんに伝えようとしているのです。

お母さんは、早く母乳を飲ませてあげたいと気持ちが焦るでしょうが、無理に飲ませようとするのは逆効果です。まずお母さんと赤ちゃんのスキンシップを増やし、赤ちゃんが眠そうなときに、歩き回りながら飲ませてみるとうまくいくことが多いようです。多くの場合は、また授乳を続けることができますので、ご安心ください。

引越しの準備は、休息をはさみながら進めましょう。引越し当日は、赤ちゃんの生活に必要なもの(お昼寝の布団やおむつなど)は、手元において、授乳はいつもどおり、赤ちゃんがほしがったら飲ませるようにしましょう。新居での荷ほどきは「赤ちゃんと一緒だから、時間がかかるのが普通よ」と考え、無理をせずにゆっくりと取り組みましょう。

ぽっちゃり赤ちゃん、スリムな赤ちゃん

写真富山の冬、木々は雪の帽子をかぶります。寒さの中で春の芽吹きを待っているのですね。

母子手帳のラインからはずれそうなのですが・・・
赤ちゃんの成長には、個人差があることはよく知られています。母乳育ちの赤ちゃんもぽっちゃりした赤ちゃん、スリムな赤ちゃんといろいろです。母子手帳の発育曲線の上のラインで大きくなる赤ちゃんもいれば、下のラインで育っていく赤ちゃんもいます。どの赤ちゃんも皆、健康な赤ちゃんです。

ぽっちゃりしていると、肥満になるのではないかと心配に思うお母さんがいるかもしれません。母乳育ちのぽっちゃりした赤ちゃんは、肥満ではありませんのでご安心ください。近い将来、よちよち歩きができるようになるときに、赤ちゃんは食べることよりも動くことに一生懸命になります。この時期に備えて、赤ちゃんのころに脂肪を蓄えています。「赤ちゃんのころは、まるまる・ぽっちゃりしていたのに、歩くようになったら体が引き締まっていったわ」と話すお母さんがたくさんいます。

母乳育ちの赤ちゃんは、自分の成長に見合う量の母乳を飲んで、1人ひとりそれぞれの成長をしていきます。よその赤ちゃんと自分の赤ちゃんを比べる必要はありません。自分の赤ちゃんをよく見て、乳児期の子育てを存分に楽しみましょう~!

赤ちゃんが噛む

写真ツバキとサザンカは、いとこ同士。よく似ています。この写真は、どちらかな? 寒風の中、きれいに咲いています。

授乳のときおっぱいを噛まれます。どうしたらいいでしょうか?
授乳のときに、赤ちゃんにおっぱいを噛まれると、とても痛いのでお母さんは、「やめて!」と叫びたくなることでしょう。お母さんが痛がっているのに、赤ちゃんは遊びの延長のように感じて、ニコッと笑っているように見えることもあります。

赤ちゃんが、歯の生えはじめのころでしたら、歯ぐきがむずむずするので、何かを噛みたくなっています。自分の歯で何ができるのかを試しているのかもしれません。むずむずがおさまる方法として、歯ぐきをガーゼなどでやさしく拭きながらマッサージしたり、冷たくした歯固めのおもちゃを与えるお母さんもいます。

噛まれたときに大きい声を出すと、赤ちゃんがびっくりして、数日授乳をやめることがあります。また、無理に引き離そうとすると、傷ができることもあります。もしも、噛まれたら、赤ちゃんをぐっとお母さんの体に引き寄せると、呼吸をするため赤ちゃんが自分から口をあけて離れていきます。そうしたら、「噛んではいけません」と冷静にはっきりと赤ちゃんに伝えましょう。さらに、「大きな口をあけて、ごっくんごっくんって飲んでね」と話します。赤ちゃんが噛まないで上手に飲めたら「そうよ~、上手ね~」とほめてあげましょう。

どんなときに噛むのか、赤ちゃんの様子をよく観察してみてください。母乳を飲みながら眠くなると、口を閉じていくことがあったり、たくさん飲んで満足したことを知らせるために噛む赤ちゃんもいるようです。噛むパターンがわかれば、噛まれる前に対応できますね。

赤ちゃんが泣くとき

写真綿の実(コットンボール)が弾けました。 綿は、古くから人類に親しまれている植物繊維のひとつです。

赤ちゃんが泣くときは、空腹だけが理由ですか?
新生児のころ、赤ちゃんはおなかすくと泣いて知らせ、母乳を飲ませると、泣きやんで落ち着きます。母乳を飲みながら寝ていくことも多いでしょう。しかし、その後、数ヵ月経つと、母乳を飲んで眠ってもすぐに目覚めて泣くことが増えてきます。こんなとき、「さっき、おっぱいを飲んだのに、なぜもう泣くのかしら?」と思うかもしれませんね。赤ちゃんが泣く理由は、実は、空腹だけではないのです。

例えば、おむつが汚れているときやげっぷがたまっているときなどの不快を伝えたいときに、赤ちゃんは泣きます。それから、洋服を着せすぎで暑かったり、薄着で肌寒かったりしたときも泣いて知らせるでしょう。洋服のラベルが肌に当って痛いのかもしれません。また、お母さんがそばにいなくて寂しくて泣いて知らせることもあります。おむつを換えて、洋服を点検して、抱っこしても、やはり泣き続けるとき。泣く理由が見つからなくて、お母さんも泣きたくなるかもしれませんね。赤ちゃんは、お母さんのことを拒否しているわけではないので、おだやかに優しく抱っこしてあげましょう。泣きやんできたら、母乳を飲ませてみてください。赤ちゃんには、何かに吸いつきたいという本能があります。大好きなお母さんの腕の中で、大好きなおっぱいを飲むことができれば、赤ちゃんは、次第に落ち着いていくでしょう。

お母さんの腕の中で、ようやく眠った赤ちゃんを布団におろしたとたんに泣くということもよく聞きます。温かいお母さんの腕の中から、ひんやりした布団におかれると、びっくりするようです。この場合は、横になって添え乳をしてみましょう。赤ちゃんが眠りについたら、お母さんがそっと離れても、赤ちゃんは布団でそのまま眠っているでしょう。

このように赤ちゃんは、泣くたびに自分を抱っこし、不快を取り去ってくれる人がいて、それが、お母さんだということを次第にわかっていくのです。大泣きしてもあわてないで、気長に赤ちゃんとつきあってあげましょう。

赤ちゃんと一緒に外出する

写真春に白い花をたくさんつけていたドウダンツツジ。秋には、とても美しく紅葉します。

赤ちゃんがいると外出はできないのですか?
母乳育児をしているときの外出について、考えてみましょう。もちろん、母乳育児中も赤ちゃんと一緒にお出かけすることができます。お母さんと赤ちゃんの体調や天候、外出先を考え、少しずつ行動範囲を広げていきましょう。

お天気のいい日には、赤ちゃんを抱っこや月齢に合ったベビーカーで家の近所をお散歩してみませんか。最初は、15分くらいから少しずつ時間をのばしましょう。お母さんの気分転換にもなりますね。日ごろ、自動車では入れない小道を歩けば、季節の植物を発見したり、よそのお宅の飼い犬と顔見知りになれることもあるかもしれませんよ。

自動車で外出するときは、必ずチャイルドシートを用意しましょう。買い物は、混雑しない時間帯やお店を選ぶといいですね。無理なく行ける距離であれば、おじいちゃん・おばあちゃんの家へ遊びに行くものいいでしょう。出発前に授乳しておくと、運転中にお母さんも赤ちゃんも落ち着いた時間を過ごせることが多いです。

もしも、途中で赤ちゃんが泣き始めたら、あわてないで、安全な場所に駐車し、授乳しましょう。そのために、お母さんの服装は、授乳しやすい洋服がいいですね。上下に分かれた服装や、授乳機能付きのワンピースが便利です。大判のバスタオルやショールを1枚、車に置いておくと、とても役立ちます。赤ちゃんのオムツや着替えなども持って出ると安心です。外の世界の光や風、音やにおいなどが、赤ちゃんの五感を刺激し、全身を使った新しい体験をすることでしょう。

リラックスして授乳を

写真「すすき」も秋の七草のひとつです。十五夜の美しいお月様にすすきを飾るのは、翌年の豊作を祈願する意味があるそうです。

リラックスしましょうと言われたのですが、どのようにしたらよいでしょう?
母乳で赤ちゃんを育てることがはじめてのお母さんは、緊張してガチガチになることがあるようです。お母さんがリラックスできると、ゆったりと赤ちゃんの世話をすることができます。では、リラックスの工夫を考えてみましょう。

まず、授乳するときは、お母さんの背中やひじの下に枕やクッションなどを入れて、楽な姿勢を取りましょう。イスの背に、もたれた方がリラックスして授乳できる人もいます。次に、赤ちゃんをお母さんの胸まで引き寄せるようにして抱きましょう。赤ちゃんのほうにお母さんの身体を移動させると、無理な姿勢になり、腰痛や肩こりの原因になることがあります。ひざの上に二つ折りにした座布団を置いてから赤ちゃんを抱くと、赤ちゃんの位置を高く保ったまま授乳し続けることができます。

授乳することでリラックス効果があることがわかっています。赤ちゃんが吸いつくと女性ホルモンが分泌されます。このホルモンが、お母さんの気持ちをリラックスさせたり、眠気を誘ったりします。また、ホルモンの指令によって、母乳がつくられ送り出される仕組みになっています。乳頭に痛みがあったり、不安や悩みごとがあったりするとストレスとなって、ホルモンの分泌がおさえられます。このためストレスによって、母乳の出が悪くなることがあるのです。お母さんのためにも赤ちゃんのためにも、快適な環境を整えることが大切です。

家事も育児もちゃんとしなければ…と完璧を求める必要は決してありません。イライラしたり緊張したりするときは、深呼吸をしたり、軽くストレッチをしたり、赤ちゃんと一緒に散歩してみませんか。新鮮な空気や季節の草花を見ると、ほっとして緊張がほぐれます。赤ちゃんと一緒だとゆっくり食事をする時間が取りづらいですが、おなかがすいているとイライラします。冷蔵庫にチーズやゆで卵、季節の果物があると、すぐに食べることができますね。お味噌汁を多めに作って、残りごはんをおにぎりにしておいても、小腹がすいたとき食べられます。

心も身体もリラックスして、授乳できるといいですね!

=豆知識 母乳と女性ホルモン=

女性ホルモン/ 『プロラクチン』
母乳を作り、お母さんの眠気を誘いリラックスさせるホルモン。赤ちゃんが母乳をほしがるたびに授乳し、夜間も授乳することで、プロラクチン濃度が高く保たれます。

女性ホルモン/ 『オキシトシン』
母乳を送り出すホルモン。乳頭の痛みや不安からくるストレスなどによってオキシトシンの出が悪くなることがあります。リラックスするようにしましょう。

最高のもの

写真秋の七草のひとつ「萩」です。萩は、古来より日本人が愛した花のひとつで、万葉集で一番多く詠まれています。

母乳の利点を教えてください。
哺乳類の中でも未熟な状態で生まれてくる人間の赤ちゃんは、お母さんや周囲の人に世話をしてもらい、話しかけてもらって、たくさんのことを学びながら成長していきます。母乳は、赤ちゃんの成長に必要なすべての栄養が含まれており、消化もよく、病気から守ってくれます。また、日々、成長している赤ちゃんに、ぴったり合うように、成分が変化していくことも明らかになっています。

また、哺乳類の乳は、それぞれの種の成長の仕方、行動などに合った乳になっています。草食動物の赤ちゃんは、生まれてすぐに立って動かなければならないため、筋肉と骨が早く成長するようたんぱく質が多い組成になっています。冷たい海に住むアザラシは、脂肪が多くなっています。人間は、どうでしょう。人間は、最初の1年で「脳」が急激に発達します。この脳の発達に合うよう乳糖を多く含む組成になっています。

このように、お母さんの母乳は、その赤ちゃんにとって最高の栄養源ですから、外出中でも赤ちゃんがほしがったら、授乳しましょう。そのために、授乳室やベンチが置かれている場所を、日ごろからチェックしておくと助かります。大判のスカーフなどを1枚持って出かけると、授乳のとき、前にかけて肩からはおれば、まわりの人はほとんど気づかないでしょう。電車の中でも飲ませることができます。車で出かけるときは、必ずチャイルドシートを使い、運転中に赤ちゃんが泣き出したら、車を止めて授乳しましょう。ちょっとした工夫で、いつでもどこでも簡単に赤ちゃんに母乳を飲ませてあげることができます。

赤ちゃんの個性を見つける

写真今年は、グリーンカーテンとして人気が高かったゴーヤです。葉の形が面白いですね。

子育てがつらく感じます。
子育てをつらく思うのはどんなときでしょうか。育児書(育児サイト)に書かれていたり、まわりの人から聞いたりする“一般的な赤ちゃんの姿”と自分の赤ちゃんの様子が違うとき、心配に思う気持ちから「なぜ、みんなと同じでないのか」とつらくなるのです。

「第5回 飲み方の個性」で、時間をかけて飲むタイプ、ちょっと飲んでうとうとするタイプなど、母乳の飲み方にも個性があることを話しました。同じように、赤ちゃんの発達にも、個性が見られます。たとえば、「ガラガラを振ってあやすと喜びます」と書かれていると、どの子どもにもあてはまるように思いますが、喜ぶ子ども、びっくりして泣く子ども、表情を変えずにじっと見つめる子どもと反応はさまざまです。もう少し大きくなると、「子どもは、夜8時になると眠りにつきます」とあると「うちの子は、9時を過ぎても全然寝てくれない…」と不安を感じるでしょうが、赤ちゃんは、お母さんの心配をよそにちゃんと大きくなっていくのです。

赤ちゃんや子どもは、育児書とおりに育つことはほとんどいなく、どの子も赤ちゃんのときから個性を発揮します。ほかの子と比べなくても大丈夫! 大切なのは、お母さんやお父さんが自分の赤ちゃんがどんな個性を持っているのかを見つけ、愛情を持って関わってあげることなのです。おっぱいの飲み方、どんなふうにあやすと喜ぶか、眠りにつくときはどうかなど、赤ちゃんをよく見て、欲求にこたえてあげましょう。

赤ちゃんは、自分の欲求がかなえられることで安心し、「人を信頼する」ことを学んでいきます。 親にとっても、自分の赤ちゃんの幸せそうな顔に、子育ての喜びが大きくふくらむことでしょう。

上の子どもとの時間

写真アジサイの原産地は、日本! 原種はガクアジサイで、幕末から明治にかけて来日した西欧の人々が故国へ持ち帰り、改良を加えました。

第2子が生まれました。上の子と接するときの注意点はありますか?
赤ちゃんが生まれ、おにいちゃん・おねえちゃんになった上の子どもは、ちょっぴり不安になっていることがあります。抱っこしたり、母乳を飲ませたりと赤ちゃんの世話をしているお母さんを見て、お母さんの関心が赤ちゃんにだけに向いているように思えて、心配になるのでしょう。自分もおっぱいをほしいと言ってみたり、おもらしをしたり、「赤ちゃん、嫌い!」と攻撃的になったりする子もいて、「赤ちゃん返り」をするのです。赤ちゃん返りは、自分も赤ちゃんのようにかまってほしいというサインですので、「もう、おにいちゃん(おねえちゃん)でしょ!」と我慢させたり、赤ちゃんから遠ざけたりするのは逆効果です。

上の子どもを十分に受けとめましょう。赤ちゃんが泣いているときに「○○ちゃんも赤ちゃんのときに、おっぱいほしいよ~って泣いたんだよ。そうしたら、抱っこして飲ませてあげたんだよ」などと話をしてあげましょう。子どもは、自分が赤ちゃんだったときの話が大好きです。

授乳のときに、上の子どもと遊べるおもちゃを用意しておくと助かります。パズルやお気に入りの絵本、トランプ、折り紙など、赤ちゃんに授乳しながら上の子どもとも遊ぶことができます。赤ちゃんのおむつを持ってきてもらうなどお手伝いができたときは、「ありがとう」「上手にできたね」と声をかけたり、頭をなでたりしましょう。話しかけてきたときは、赤ちゃんの世話をしていても、上の子どもと視線を合わせて、話を聴いてあげましょう。赤ちゃんが寝ているときに、ひざに座らせ、絵本を読み聞かせるなど、上の子どもとの特別な時間を意識的につくるようにするといいですね。

お父さんが上の子どもと遊んでくれると、とても助かりますね。父子で楽しそうに遊ぶ声を聞くと幸せな気持ちになります。上の子どもも、お母さんと違ったやり方で遊んでくれるお父さんが大好きになって、不安な気持ちが落ち着いていくでしょう。

幼児の授乳

写真これは、ジャガイモの花です。ジャガイモは、ナス科の植物ですので、ナスの花に形が似ています。

歩き始めても母乳をほしがります。授乳を続けていいですか?
母乳を飲むのは、赤ちゃんだけで、よちよち歩きの子どもは飲まないものと考え、大きい子どもがおっぱいを飲んでいる姿を見るとびっくりすることがあります。子どもは、1人ひとり違いますので、よちよち歩きをするようになっても、母乳を飲んでいる子どもはいます。子どもがむずかったり、怖い思いをしたりするときに、母乳を飲むことで、なぐさめられ、安心することができるようです。

赤ちゃんが生後半年を過ぎると、母乳は水と同じになる(栄養はなくなる)と今でも聞くことがあり、心配になるお母さんがいます。実際には、母乳は、長く飲ませても栄養も免疫も含まれているので、水と同じになることはありません。

WHOとユニセフでは、「すべての赤ちゃんが4~6ヵ月までは完全に母乳だけを飲み、その後は、子どもたちに適切で十分な食べ物を補いながら、2歳かそれ以上まで母乳育児を続けましょう」と宣言しています。日本の厚生労働省も、母乳育児を推進しています。

長く母乳をほしがると、「いったい、いつまで飲むのかしら?」と心配に思うかもしれませんね。子どもによって、時期やパターンは違いますが、必ず次の段階に進み、乳離れする日がきます。

1歳を過ぎると、母乳は心の栄養としての役割が大きくなることを感じると話すお母さんがいます。

仕事に復帰するとき

写真小さな白い手毬が「いっしょに遊びましょう!」と誘っているかのように、コデマリの枝が揺れています。

もうすぐ復職です。母乳育児は続けられますか?
富山県は、全国でも女性の就業率の高い県です。復職が迫ると「母乳育児はどうすればいいのかしら?」と思う方もいるのではないでしょうか。復職した後も母乳育児を続けると、授乳は母子の離れている時間を補い、絆を確かめ合える大切なふれあいになります。また、母乳には免疫が含まれており、赤ちゃんは病気にかかりにくいので、働くお母さんにとっては助かることでしょう。

復職前に、預け先の保育士や赤ちゃんを見てもらう人に、保存した母乳の温め方、飲ませ方を説明しましょう。職場で搾乳ができるよう、場所の確保を事業主と話し合っておけるといいですね。搾って保存した母乳は、冷蔵庫に入れておけると安心ですが、冷蔵庫がなくても、氷をつめた口の広い水筒などに入れると持ち運びに便利です。

仕事が始まったら、朝、起きる時刻の20分前に目覚まし時計をセットし、起きたらすぐに授乳すると、朝の支度の間、赤ちゃんは機嫌よくしていてくれるでしょう。帰宅したらまず授乳し、赤ちゃんとふれあって過ごすお母さんもいます。こうすると赤ちゃんもお母さんも落ち着きます。

赤ちゃんが1歳を過ぎてから復職し母乳育児を続けたお母さんたちからは、職場での搾乳は、しばらくの期間だったと聞くことが多いです。

一生懸命職場で搾乳していたことを懐かしく思いました。がんばった。がんばった。(高岡市・RMさん)
仕事と育児の両立は、大変だったことでしょう。栄養と免疫と愛情がたっぷり含まれた母乳を飲んでお子さんたちは成長されたのですね!(スタッフ)

ライフラインがとまったら

このたびの東日本大震災で被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
また、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に衷心よりお悔やみ申し上げます。
一日も早い被災地の復興を心よりお祈り申し上げます。

写真菜の花が、うれしそうに風にゆれています。春が来たよ!と教えてくれているようです。

災害時の母乳育児はどのようにしたらよいですか?
災害時には、水道・電気・ガスなどの供給や物流機関などがストップすることがあります。また、避難所で生活することになることもあります。被災地域での子育てについてご紹介します。

母乳で赤ちゃんを育てているときは、母乳育児を続けましょう。災害時の不安やストレスで一時的に母乳の出が悪くなったように感じても、ひんぱんに授乳を続けることで赤ちゃんが必要とする量の母乳がまた出るようになります。避難所での生活では、ダンボールなどを使って、プライバシーが保てる授乳場所を確保できると安心ですね。タオルなどの布でさりげなく赤ちゃんをおおうと、案外とおっぱいをあげていることに気づかれないものです。赤ちゃんのおしっことウンチが今までと同じように出ていたら、母乳はしっかりと飲めています。災害時も普段も母乳育児の基本は同じです。赤ちゃんがほしがるときに、ほしがるだけ、飲ませてあげましょう。

粉ミルクと母乳の混合栄養で赤ちゃんを育てているときは、どんどん母乳を飲んでもらうことで、作られる母乳の量を維持できます。今まで飲ませていたミルクの量を増やさずに、何度でもおっぱいを吸わせましょう。衛生環境が整っていない場所で、粉ミルクをつくるときは、消毒や殺菌などに十分気をつけましょう。特に哺乳びんの乳首を清潔に保つことは難しいので、哺乳びんを使わずに、清潔な紙コップや湯のみ、茶碗などを使い、容器を赤ちゃんの口にあてて飲ませたり、スプーンでミルクを口に運んだりして飲ませてあげることができます。無理に注ぎ込まずに赤ちゃんが自分で飲み込むようにします。調乳のときは、70℃以上のお湯を使い、缶の表示通りの割合で作り、濃すぎたり薄すぎたりしないよう注意しましょう。

被災地でこれから生まれてくる赤ちゃんには、出産直後から母乳を飲ませてあげましょう。数日は、母乳がにじむ程度かもしれませんが、だんだん母乳の分泌がよくなってきます。赤ちゃんと一緒にすごし、やさしく赤ちゃんを抱っこしたり、話しかけたりしてスキンシップをとりましょう

被災地での生活は、ご苦労が多いこととお察しいたします。どうか、無理をされず、まわりの人たちの協力を得ながら、子育てをしましょう。たくさん抱っこし、いっしょに深呼吸をして赤ちゃんもお母さんもリラックスできるといいですね。

大人のメニューから取り分ける離乳食づくり

写真北風にさらされながらも、庭のドウダンツツジは小さな芽をたくさんつけて、春を心待ちにしています。

手軽に離乳食をつくる方法はありますか?
はじめての赤ちゃんの育ちは、日々大きく育つ様子にまわりにいるだれもが目を細めてうれしいものです。と同時に活動量も増え、喜びとともに育児にも手がかかってきます。そこで、ひと手間省き、気持ちも楽になる離乳食のコツをご紹介します。

○味噌汁の具を取り分ける
一番簡単な方法です。赤ちゃんにジャガイモを食べさせてあげよう!と思うときは、具にジャガイモの入った大人用の味噌汁を作ります。だし汁でジャガイモをやわらかく煮て、離乳食用にひとかけ取り分け、赤ちゃんの月齢に合わせてつぶします。離乳食の時期は、味覚が養われるので、素材の味をいかしたものにします。離乳食開始の頃は、味つけの必要はありません。離乳食後期に味をつけるときは、うすい味つけにしましょう。

○煮物の材料を取り分ける
野菜の煮物や肉じゃがなどを作るとき、材料をやわらかく煮て、大人の味つけをする前に、離乳食用に材料を取り分けてつぶします。

○刺身の利用
白身魚は淡白で、赤ちゃんの胃腸に負担をかけないので離乳食によく使われます。白身魚の煮物から取り分けてもよいし、白身の刺身を1~2切れ離乳食用にして中まで火を通すのもいいでしょう。

○サイズを小さく
月齢が進んだら、お好み焼きやパンケーキなどを、赤ちゃんが手で持って食べられる小さいサイズで作ります。市販の粉には、調味料などが入っていることがありますので、小麦粉をといて作ってあげると安心ですね。

○離乳食の回数
赤ちゃんの月齢 1日の回数 母乳の与え方 離乳食の形状
離乳食開始~6ヵ月ごろ 1日1回 離乳食の前に授乳。あとは、赤ちゃんのほしがるままにおっぱいを与える。 なめらかにつぶす
7~8ヵ月ごろ 1日2回 舌でつぶせる固さ
9~11ヵ月ごろ 1日3回 歯ぐきでつぶせる固さ
1歳~1歳半ごろ 1日3回 歯ぐきでかめる固さ

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」より

ぜひ、離乳食を大人のメニューから取り分けてつくる方法を試してみてください。新鮮な材料や、添加物のなるべく少ない食材を選ぶよう心がけることで、家族全員の食生活の質がよくなります。

離乳食スタートのとき

写真北風にさらされながらも、庭のドウダンツツジは小さな芽をたくさんつけて、春を心待ちにしています。大沢野(富山市)特産のイチジクは、漢字で「無花果」と書きますが、実は、果実の中の赤いつぶつぶが花なのです。

いつから離乳食を開始したらいいですか?
多くの赤ちゃんが生後6ヵ月ぐらいになったら、離乳食OK!のサインを出してきます。たとえば、大人が食事をしている様子をじっーと見て、自分も口をもぐもぐしてみたり、よだれが出てきたり、テーブルの上の食べ物に自分から手をのばそうとしたり、歯が生えてきたりといった様子が見られたら、そろそろ離乳食をスタートする時期だと赤ちゃんが教えてくれているのです。

離乳食を開始してからも、母乳は赤ちゃんがほしがるときにほしがるだけ与えます。そして、母乳以外の食べ物を紹介するつもりで離乳食を与えましょう。最初は、脂肪が少なく消化吸収がよく、アレルギーの心配の少ないものから食べさせます。おかゆから始め、野菜、たんぱく質の順番にふやしていくといいですね。

赤ちゃんによっては、お母さんにスプーンで口に入れてもらうより、自分の手でつまんで食べることを好む赤ちゃんもいます。赤ちゃんが、顔をそむけたり、口を開けない、口から吐き出すなどの様子を見せたら無理に食べさせず、ごちそうさまにします。お母さんが食べさせたいと思う量ではなく、赤ちゃんがほしがる量を食べさせてあげましょう。

はじめての離乳食は、おかゆでした。食べる量よりも口からべーっと出す量が多かったです。だんだん慣れてくると、大きな口をあけるようになり、食べられる食品も増えていきました。離乳食をすすめていくうち、赤ちゃんにも食べ物の好みがあることがわかりました。

お父さんの役割

写真ムラサキシキブは、実の紫色の美しさから「源氏物語」を書いた平安時代の女流作家と同じ名を持っています。

母乳っ子のお父さんができることは?
赤ちゃんに母乳を飲ませるのは、母親にしかできませんが、お父さんは、授乳以外のたくさんのことをすることができます。赤ちゃんを抱っこしてあやす、添い寝をする、お風呂に入れる、おむつを換える、散歩に連れて行く…。このような赤ちゃんとのふれあいを通して、「父親になったんだな!」という実感が少しずつわいてくるのではないでしょうか。

赤ちゃんが泣き止まないときに、ひょいと抱き上げて、あやしてくれるとお母さんは、うれしく思います。赤ちゃんの首もすわり、体がしっかりとしてきたら、“たかいたかい”などダイナミックな遊びで赤ちゃんを喜ばせてあげられるのがお父さんの強みですね。遊ばせるだけでなく、いろいろなころを話しかけてあげましょう。じっとお父さんの顔を見て、笑ったり、泣いたりと反応するのは、お父さんの話をしっかり聞いているからです。

また、お母さんの心配事を聞いてあげ、「大丈夫、きっといい方法が見つかるよ。一緒に考えよう!」と励ますことで、お母さんは安心でき、リラックスすることができます。つまり、母乳育児をしているお母さんを支えるという一番身近な役割を担っているのが、お父さんなのです。

夫は、母乳育児については、知りませんでしたが、母乳を飲んで育っていく我が子を毎日見るうちに、おっぱいに勝るものはない、と実感したようでした。赤ちゃんが泣くと「お~い、おっぱいだぞ~~」と教えてくれるようになり、自分でお風呂に入れたり、抱っこして散歩に出かけたりすることで、だんだん赤ちゃんとのふれあいに慣れていきました。

母乳不足?と思ったら

写真甘くてジューシーな梨。シャリシャリした食感がおいしさを引き立てます。 この梨、弥生時代から食べられていたそうです。

乳房が張らなくなってきました。母乳がたりていないのでしょうか?
母乳育児をスタートしてしばらくすると、「出産直後ほど乳房が張らないので、母乳がつくられないのかしら…」「赤ちゃんがひんぱんにおっぱいをほしがり、授乳回数が多いのは、母乳がたりていないのかしら…」という相談がよく寄せられます。

これらは、心配に及びません。赤ちゃんが飲む母乳の量とお母さんの乳房でつくられる量のバランスが取れてくると、出産直後のように乳房が張らなくなってくることがあります。また、赤ちゃんは、自分の成長に合う母乳の量を確保しようとどんどん母乳をほしがる時期があって、このため授乳回数が増えるのです。ごくごくと飲んでいる音が聞こえたら、母乳を飲めている証拠です。

「夕方になると決まって泣くのですが…」という相談も寄せられことがあります。

きまって夕方にぐずぐずいう赤ちゃんもいますし、一日中機嫌がよくない赤ちゃんもいます。赤ちゃんは、お母さんに抱っこしてもらい、母乳を飲むことで落ち着くことが多いようです。赤ちゃんとのふれあいを楽しみましょう。

夕方は、洗濯物をとりこみたたんだり、夕食の準備も始めるので、お母さんは大忙しですね。赤ちゃんは、お母さんの気持ちが家事に向いていると感じて「相手をしてほしい!」とぐずることで教えてくれているのかもしれません。家事を別の時間帯に済ませて、夕方は赤ちゃんとふれあうのもひとつの方法ですね。

夜間の授乳を楽に

写真秋の七草のひとつ、ききょう。つぼみのときは風船のようにぴたりとつながっているところから、 "balloon flower(バルーン・フラワー)" という英名をもっています。

夜間の授乳が楽に感じる工夫はありますか?
赤ちゃんは、昼だけでなく夜間も母乳を飲みます。夜間でも本能的に口をくちゅくちゅしたかったり、お腹がすいたりするからです。夜間に赤ちゃんが泣くと、そのたびに起き上がって授乳するのは辛く感じることでしょう。

授乳中のお母さんの中には、夜間の授乳姿勢を“添え乳”にしている人がたくさんいます。添え乳とは、布団に横になったまま赤ちゃんに授乳するスタイルです。はじめは、慣れないので「寝たままで授乳ができるかしら?」と思うかもしれませんが、実際やってみると案外と易しく、「添え乳は楽!」と感じるでしょう。腕を伸ばして、頭を乗せて横になるお母さんもいますし、腕をまげて手のひらで頭を支える人もいます。赤ちゃんの背中側に丸めたタオルケットや毛布を置くと、赤ちゃんの体が安定します。

夜間、お母さんの布団に赤ちゃんも一緒に寝ているお母さんがたくさんいます。室内の豆電球をつけたままにしておくと、いちいち立って電燈をつけなくても、赤ちゃんの様子を見ることができます。また、赤ちゃんが泣いて目覚めた回数を数えないようにしたり、時計を見て「今、何時? 朝まで何時間あるの?」と計算しないようにすると、気持ちを楽にして朝を迎えることができるようです。

添え乳は、横になったままで授乳ができるので、昼間でも添え乳にするとお母さんの身体を休めることができます。子育て中は、疲れを感じることがありますので、少しでも楽な姿勢で授乳できるといいですね。

飲み方の個性

写真涼やかに揺れるフウセンカズラ。風船の中の種には、ハートマークがついているんですよ。

育児書とおりにならないのですが、大丈夫ですか?
大人には、いろいろな個性の人がいますが、赤ちゃんも個性を持っています。母乳の飲み方にも赤ちゃんの個性があらわれます。
時間をかけて、おっぱいを飲むタイプの赤ちゃん
ちょっと飲んで、うとうとするタイプの赤ちゃん
あっという間におっぱいを飲むタイプの赤ちゃん

赤ちゃんの月齢が進むにつれ、飲み方が変化することもあります。新生児のころは、時間をかけて飲んでいた赤ちゃんがあっという間に飲むようになったり、時間をかけて飲むのは変わらないにしても、上手に吸いつけるようになったりします。うとうとするタイプの赤ちゃんも次第に目覚めている時間帯が増えてきます。

授乳の後に、吐く赤ちゃんがいますが、赤ちゃんの胃は、トックリ型をしているので、ゲップが上手にできなくて吐きやすいのです。熱っぽかったり、風邪の症状などの場合を除いて、元気であれば大丈夫でしょう(心配なときは、かかりつけの医師にご相談くださいね)。たいていは時期的なもので、次第に吐かなくなってくることが多いようです。いずれにしても、たっぷり母乳を飲んでくれるといいですね。

あなたの赤ちゃんのおっぱいの飲み方は、どうですか? 赤ちゃんと一緒に過ごしていると、だんだん赤ちゃんの個性がわかるようになってきます。赤ちゃんの個性を楽しみましょう。

上の子は、「あっという間におっぱいを飲むタイプ」で、しょっちゅうおっぱいをほしがりました。下の子は、「時間をかけておっぱいを飲むタイプ」の赤ちゃんでした。きょうだいでもおっぱいの飲み方が違うものですね。

母乳の味

写真真夏にぴったりのひまわり。日差しをあびて元気いっぱい咲いています。

母乳の味は、変わりますか?
母乳を飲んでいる赤ちゃんの様子を見ていると、赤ちゃんは、母乳をゴックン、ゴックンと飲んでいます。とってもおいしいのでしょうね。母乳の味は、毎回変わると言われています。また、1回の授乳でも飲みはじめから味は少しずつ変化し、赤ちゃんはいろいろな味を体験することができるとも言われます。

飲み始めは、薄い母乳がでてきます。赤ちゃんが飲むにつれ、次第に脂肪を多く含む濃い母乳に変わっていきます。この濃い母乳は、赤ちゃんにとって、とてもおいしく、濃い母乳をしっかりと飲むことが、赤ちゃんの体重の増加につながっていきます。お母さんの乳房でつくられるおいしいおっぱいをたくさん飲んで、赤ちゃんは成長していくのですね。

授乳中のお母さんは、どんなものを食べたらいいのでしょう。バランスのとれた食生活をしていれば、特別に食生活を変えることはありません。「赤・緑・黄」の食品がとれているかどうかを振り返ってみるといいですね! また、水分補給はこまめにしましょう。授乳のたびに飲み物をとるお母さんもいます。

お母さんが栄養のあるものを食べ、水分もしっかりとり、赤ちゃんにどんどん母乳を飲んでもらうことが、赤ちゃんの成長に見合う量の母乳をつくることにつながっていきます。そして、赤ちゃんが「おいしい!」と感じる濃い母乳をほしがるだけ飲ませてあげるといいですね。

最初はくちゅくちゅくちゅ~とせわしなく吸いつき、そのうちゴックンゴックンと飲みますね。赤ちゃんを見つめると、じーっとお母さんの目を見つめ、時々にこっとし、そのうちおっぱいを飲みながら眠っていくことも。子育てには幸せな瞬間がたくさんあります。

母乳の不思議!

写真ねむの木は、夜になるとゆっくりと葉を閉じていきます。今日もいい夢、見られますように。

母乳の利点は?
母乳育児のよいところは、赤ちゃんがほしがる時にすぐに飲ませてあげられるところです。授乳のたびに、自然にスキンシップができるのもうれしいですね! 赤ちゃんにとっても、お母さんにとっても母乳にはいいことがたくさんあります。自然の営みの不思議ですね。

母乳には、赤ちゃんにとって必要な栄養を含み、消化吸収にもすぐれ、免疫もたっぷりあるので感染症にかかりにくく、アレルギーになる可能性が最小限になります。
お母さんに抱かれ、母乳を飲むことで、赤ちゃんはお母さんの特別なぬくもりを感じます。お母さんとの特別な絆を感じるのです。

1回の授乳の長さは、赤ちゃんの様子をよく見つめているとだんだんわかるようになってきます。時計を気にかけないで、赤ちゃんを見ることを心がけてみましょう。赤ちゃんは、おっぱいを飲んで満足してくると、飲み込むスピードがゆっくりになってきます。このときにもう一方の乳房に換えましょう。また、赤ちゃんがほしがったらほしがるだけ母乳を飲ませてあげましょう。

おっぱいを飲んでいるときの赤ちゃんの幸せそうな表情。飲み始めにはぎゅっとにぎっていた手が満足するにつれリラックスし開いていく様子。ぜひ、見てください。きっと感動しますよ!

抱き方と吸いつかせ方はどうするの?

写真ラベンダーの色は、なんだか心が落ち着きます。 ほのかな香りにも癒されます。

赤ちゃんの抱き方がわかりません。うまくできるか不安です。
出産後はじめに出てくる母乳は「初乳」といいます。特に初乳には、栄養のほかに赤ちゃんに免疫力を与える成分などがたくさん含まれています。

生まれてすぐの赤ちゃんは目覚めていて、おっぱいに吸いつこうとします。できれば誕生後に、おっぱいを飲ませてあげるといいですね! お母さんのおっぱいに顔を近づける赤ちゃんもいるでしょうし、吸いつこうとする赤ちゃんもいます。生まれたばかりの我が子とスキンシップを持つことで、お母さんの気持ちがやわらぎます。

もしも、出産のあとすぐにおっぱいを飲ませられなくても、だいじょうぶ! すぐに授乳ができるようになります。赤ちゃんの抱き方と吸いつかせ方が、母乳育児を順調にスタートさせる大きなポイントになります。お母さんのみぞおちの高さで赤ちゃんを抱くようにし、大きな口を開けたときにおっぱいに吸いつかせ、赤ちゃんの首がねじれないようにしましょう。

=抱き方(横抱き)と吸いつかせ方=
  1. お母さんは楽な姿勢で座りましょう
  2. 片手で乳房を支えます(親指とほかの4本の指でローマ字の“U”の形をつくります)
  3. 赤ちゃんの頭をお母さんの腕の内側にのせ、足をお母さんの体に引き寄せます。赤ちゃんの顔は乳房の高さにくるようにしましょう
  4. 赤ちゃんの顔と体が、お母さんのほうに向いているか確認しましょう。赤ちゃんの首は曲がっていませんか?赤ちゃんの耳・肩・おしりが一直線になるようにします
  5. 乳房で赤ちゃんの唇をくすぐり、大きく口を開けるのを待ちます
  6. あごの方から先に、乳輪まで深く含ませましょう。
赤ちゃんが、大きな口をあけ深く吸いついているときは、痛みを感じないものです。もしも、乳頭が痛かったら、お母さんの指を赤ちゃんの口に入れて、もう一度吸いつかせ直しましょう。深く吸いつかせようと赤ちゃんの頭をおっぱいに押しつけると、赤ちゃんは息苦しくてびっくりします。やさしく抱いて、「あ~ん、って口をあけてね。そうそう、上手よ。さぁ、おっぱいを飲みましょう」などと声をかけながら授乳をスタートさせましょう。

実際に、赤ちゃんに母乳を飲ませているお母さんの姿を見ると「なるほど。こんなふうにするのね」と思うでしょう。抱き方と吸いつかせ方は、とても大切です。抱く位置が低くお母さんのおへそのあたりだと、赤ちゃんは吸いつきにくくて困ります。また、吸いつかせるときに赤ちゃんの首が横に曲がっているとおっぱいを飲み込みにくくなります(横を向いてコップの水を飲んでみて!)。乳輪まで深く吸いつかないと乳頭の痛みの原因になるのです。

私も母乳が出るかしら?

写真アジサイのつぼみが開き始めました。小さな花たちはどんなおしゃべりをしているのかしら。

母乳の出は遺伝しますか? 私も母乳が出るでしょうか?
お母さんの乳房でつくられる母乳は、その母乳を飲む赤ちゃんにぴったりにできています。赤ちゃんの成長に見合う栄養や赤ちゃんを病気から守る免疫がたっぷり含まれています。そして、母乳育児は、赤ちゃんの体のさまざまな発達を自然に助けてくれています。

このように母乳が赤ちゃんにとって一番よいと聞いても、はじめて母乳育児をスタートするお母さんは、「私も母乳が出るかしら…」と心配に思うかもしれませんね。乳房の大きさと母乳の出は関係がありませんし、「私の母は母乳の出がよくなかったから、私にも遺伝するのかしら?」という心配もいりません。母乳は、赤ちゃんがお母さんのおっぱいに吸いついてくれる刺激で、お母さんの乳房の中でつくられ出てきます。赤ちゃんをやさしく抱っこして、「さぁ、おっぱいよ」と飲ませてあげましょう。乳房は、「母乳の容器」ではありませんので、母乳がたまるまで待つ必要はありません。

赤ちゃんにも個性があり、母乳の飲み方にも個性があらわれます。赤ちゃんがおっぱいをほしがるときにほしがるだけ。どんどん授乳しましょう。すると、赤ちゃんの成長に見合う量の母乳がつくられるようになっていきます。

妊娠中、少しずつお腹が目立ってくると、早く赤ちゃんに会いたい!という期待と、ちゃんと赤ちゃんが育てられるだろうか…という不安が入り混じったような気持ちになったこと、お産を終えてわが子を抱いたときに「なんて小さいの」とびっくりしたことを思い出しています。子育てはいつも順風満帆というわけではありませんが、子どもと一緒に自分も育てられたように思います。