縄文時代<3>

ちちゅうからあらわれたもり
地中から現れた森     

 大門町の小泉遺跡(前期)は昭和56年に発掘調査が行われ、埋没樹根が30株ほど出土しました。
 当時の自然環境を探る良好な資料で、樹種はクリ、ハンノキ、カシ類、クヌギなどでした。クリ林を背景とした縄文時代の”小泉むら”が復原できます。
 約1万2千年前に氷河時代が終わり、温暖な後氷期へ向かい、豊かな森林が発達すると同時に日本列島には縄文文化が栄え始めました。前期では年平均気温が現在より約2℃ほど高く、西日本にクスノキ、タブノキなどの照葉樹林が、東日本にコナラ、クリなどの落葉広葉樹林が広がリました。 晩期になると年平均気温が1℃ほど低くなり、東日本のブナ林と西日本のシイ、カシなどの照葉樹林という植生に変化したといわれています。
 これら森林からの恵みは縄文文化の基底をなすと考えられています。


小泉遺跡の樹根出土状況


内山のとちの森(県指定天然記念物)
山の斜面に群生するトチ林。トチの実は縄文人の重要な食料資源でした。


宮崎鹿島樹叢(国指定天然記念物)
アカガシやウラジロガシが密生する照葉樹林。縄文文化の母体となりました