名勝の保存と活用
人 工の造形を主体とする名勝
自 然を主体とする名勝

【自然を主体とする名勝】
(1)花樹、花草、紅葉、緑樹などの叢生する場所… 具体的には日本の固有の花、木、草が群生している場所で、月瀬梅林(奈良県)などが知られている。
(2)鳥獣、魚虫などの棲息する場所、動物が棲息している場所… 種差海岸(青森県)などがある。
(3)岩石、洞窟… 岩石や洞窟で天竜峡(長野県)などが知られている。
(4)峡谷、瀑布、渓流、深淵… 峡谷、滝などで、那智大滝(和歌山県)など比較的数も多い。
(5)湖沼、湿原、浮島、湧泉… 松島(宮城県)などが知られている。
(6)砂丘、砂嘴、海浜、島嶼… 厳島(広島県)など比較的多くが知られている。
(7)火山、温泉… 温泉岳(長崎県)などがある。
(8)山岳、丘陵、高原、平原、河川… 富士山(山梨・静岡県)などがある。
(9)展望地点… 天都山(北海道)などがある。



富山県内の例
【黒部峡谷附猿飛ならびに奥鐘山(国指定特別名勝・特別天然記念物  立山町・宇奈月町)】
 黒部峡谷は、立山連峰と後立山連峰の間を流れる黒部川 が長い年月をかけ浸食して形成した、日本一深いV字状の大峡谷である。名勝と天然記念物の2種類指定がされている。

 この地域は、断崖絶壁の谷底を青い水が急流となって流れ、両岸の緑や紅葉を映す景色は、わが国の渓谷美を代表する豪壮優美な自然景観である。その指定範 囲は、黒部ダムから下流の「下の廊下」といわれる河谷を中心に、立山・剱岳の山頂と後立山の山頂までで、なかでも最もすぐれたところは、水量の多い剱沢と 棒小屋沢から流れ落ちる支流が、本流と十文字に合流する十字峡を中心とする、上流の黒部別山の大断崖や白竜峡下流の半月渓あたりである。

 また、宇奈月からの黒部軌道の終点、欅平付近の奥鐘山の大断崖と、峡谷美で知られる猿飛峡もあわせて地域指定されている。
【奥鐘山・猿飛】
 欅平に近い奥鐘山の西壁は、頂上から川底まで、幅約1km、高度差800mにも及ぶ切り立った花崗岩の一枚岩の絶壁である。また、猿飛峡は黒部川本流で 最も狭い流路で、急流が岩壁に阻まれ断層に沿って直角に曲がっている。
【下の廊下】
 立山連峰、剱岳と黒部の谷をはさんで対峙する後立山連峰の山間を深くえぐり、切り立った岩の屏風の深い底を流れる大暗峡。「廊下」とは垂直に近い急峻な 岩壁が両岸にそびえる狭間を、川が通り抜ける地形に、猟師たちが付けた名である。他に奥の「奥の廊下」「上の廊下」がある。下の廊下には白竜峡・十字峡・ 半月峡・S字峡の渓谷美があるが、特に十字峡は、左岸から剱岳・立山別山の水を集めた剱沢、右岸から鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳の水を集めた棒小屋沢が落ち込み、 くっきりと十字を形作っている。
【植物・動物】
 低山帯の落葉広葉樹林、亜高山帯の針葉樹林、ハイマツ群落とお花畑からなる高山帯と多様な植生がある。動物も豊富でカモシカ、ライチョウ、ツキノワグ マ、イヌワシなどが生息する。
【称名滝 称名滝とその流域 (国指定名勝天然記念物 県指定史跡名勝天然記念物 立山町)】
 一帯は立山が噴火してできた溶結凝灰岩で形成された壮大な自然。溶岩台地の弥 陀ヶ原では火山活動の痕跡が見受けられる。

【みくりが池】
 室堂台地にあり、周囲631m、水深15mで日本アルプスで最も深い高山湖である。
【称名の廊下】
 地獄谷の強い酸性の水や、山崎圏谷など一帯の雪解け水を集めた称名川が、弥陀ヶ原北端を深くV字に削って流れる。深さ150mにもおよぶ典型的なV字渓 谷である。
【称名滝】
 称名の廊下から流れ落ちる、高さ350mの日本一の滝。弥陀ヶ原台地を浸食して形成されたもので、4段に分かれて流れ落ちている。滝は現在も弥陀ヶ原を 浸食し、後退を続けている。
【悪城の壁】
 称名滝が流れ落ち、更に深い谷となった称名川の左手に切り立つ、高さ300m長さ2kmにわたる一枚岩の絶壁である。称名滝が約10万年かけて弥陀ヶ原 を浸食したのち、雪崩が何度も表面を研削し、壁の上部はU字状になっている。悪とは険しいの意で難攻不落の城壁に見立ててつけられた名前である。
【虻が島とその周辺 (県指 定名勝天然記念物 氷見市)】
 氷見市の中田海岸の沖合に浮かぶ、富山湾で最も大きい瓢箪形の島である。もとは 灘浦海岸と陸続きであったのが、海の浸食で離島になったものである。南方系動植物の北限、北方系の南限にあたり、双方が入り交じっている。植物では約 130種、動物では100種以上が知られている。
虻が島とその周辺



■ 常設展示室−名勝■

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