資料2

ダイオキシン類に係る環境基準及び排出基準等について

11年7月に公布された「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づき設定が検討されているダイオキシン類に係る環境基準、特定施設からの排出基準等は下記のとおりである。

1　耐容一日摂取量(TDI：Tolerable Daily Intake、人が生涯にわたって継続的に摂取したとしても健康に影響を及ぼすおそれがない一日当たりの摂取量)：第6条

4pg-TEQ/kg体重/日

2　環境基準値(人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準)：第7条

• (1)大気：0.6pg-TEQ/立方メートル
• (2)水質：1pg-TEQ/L
• (3)底質：150pg-TEQ/g
• (4)土壌：1,000pg-TEQ/g
  (汚染の進行の防止等の観点から調査を行う基準(調査指標)：250pg-TEQ/g)

3　特定施設の排出基準：第8条

(1)大気基準適用施設の大気排出基準値(単位：ng-TEQ/立方メートルN、施行令別表第1)

号番号	種類	規模要件		新設施設基準	既設施設基準
					H12.1～H13.1	H13.1～H14.11	H14.12～
1	焼結鉱製造用焼結炉(銑鉄の製造の用に供するものに限る)	原料処理能力：1t/時以上		0.1	基準の適用を猶予   (火格子面積2平方メートル以上又は焼却能力が200kg/時以上の廃棄物焼却炉及び製鋼用電気炉については80)	2	1
2	製鋼用電気炉(鋳鋼・鍛鋼の製造の用に供するものを除く)	変圧器定格容量：1000kVA以上		0.5		20	5
3	亜鉛回収施設(原料として製鋼用電気炉の集じん灰を使用するものに限る)	焙焼炉、焼結炉、溶鉱炉、溶解炉、 乾燥炉：原料処理能力0.5t/時以上		1		40	10
4	アルミニウム合金製造施設(アルミくずを使用するものに限る)	焙焼炉、乾燥炉：原料処理能力 0.5t/時以上 溶解炉：容量1t以上		1		20	5
5	廃棄物焼却炉	火床面積：0.5平方メートル以上　又は 焼却能力：50kg/時以上	4t/時以上	0.1		80	1
			2t/時～4t/時	1			5
			2t/時未満	5			10

(2)水質基準適用事業場の水質排出基準値(単位：pg-TEQ/L、施行令別表第2)

• ダイオキシン類対策特別措置法施行令の一部改正について[H13年12月7日]
• ダイオキシン類対策特別措置法施行令等の一部改正について[H14年1月13日]

水質基準適用事業場の水質排出基準値(単位：pg-TEQ/L、施行令別表第2)

号番号	種類	新設施設基準	既設施設基準
			H12.1～H15年1月14日		H15年1月15日
1	硫酸塩ハ゜ルフ゜(クラフトハ゜ルフ゜)又は亜硫酸ハ゜ルフ゜(サルファイトハ゜ルフ゜)製造の用に供する塩素又は塩素化合物による漂白施設	10	10
2	塩化ヒ゛ニルモノマー製造の用に供する二塩化エチレン洗浄施設		20		10
3	アルミニウム又はその合金の製造の用に供する焙焼炉、溶解炉又は乾燥炉に係る　イ廃ガス洗浄施設、ロ湿式集じん施設
4	廃棄物焼却炉の　イ廃ガス洗浄施設、ロ湿式集じん施設、灰の貯留施設(汚水又は廃液を排出するものに限る)		50	10
5	廃PCB等又はPCB処理物の分解施設及びPCB汚染物又はPCB処理物の洗浄施設		10
6	上記及び以下の施設から排出される汚水又は廃液を含む下水を処理する下水道終末処理施設
7	上記(下水道終末処理施設を除く)の施設を設置する工場又は事業場から排出される水の処理施設

4　その他

• (1)廃棄物焼却施設に係るばいじん、焼却灰その他の燃え殻中の濃度基準：第24条
  3ng-TEQ/g(廃棄物処理法上の処理基準)
• (2)廃棄物処分場の維持管理基準：第25条
  10pg-TEQ/L(放流水の基準には水質排出基準を準用)
• (3)その他の基準等
  1. 水道水
     1pg-TEQ/L(監視項目への追加)

参考

• pg：ピコグラムと読む。ピコは単位のひとつで1兆分の1(10-12)を示す。
• ng：ナノグラムと読む。ナノは単位のひとつで10億分の1(10-9)を示す。
• TEQ：毒性等量(Toxic　Equivalents)。ダイオキシン類は多くの異性体を持ち、それぞれ毒性の強さが異なる。異性体の中で最も毒性の強い2,3,7,8ーTCDDの毒性を1として、各異性体の毒性を毒性等価係数(TEF)により換算した量。

ばいじん等の分類