薬勝寺池
やくしょうじいけ 
小杉町

小杉駅から南に約2km。射水丘陵と射水平野の接するところに位置する薬勝寺池は、水と緑の調和した自然公園の中のため池です。池の周囲は約2.3kmで、公園の全体面積は19.7ha。変化に富んだ遊歩道や芝生広場、休憩施設なども整備されています。県内でも有数のフナ釣り場で知られ、近隣市町村からもレクリエーションを楽しむ人々がたくさん訪れています。

 
 

[作成:平成15年9月] 小杉町=現 射水市


名水百選にも選ばれた
清らかな池

「昔、龍がすんでたってホント!?」
「村の娘さんが、霊水を飲んで龍にされちゃったんだって」
「コワイね」
「でも悪い龍から村を守ってくれたんだよ」
「へえ〜」



ヘラブナ釣りのメッカとして
全国的にも有名

「この池にはヘラブナがたくさんいるよ」
「釣り好きには、たまんないね」
「だから、全国的にも有名なんだ」
「すごいカモ!」



園内にはツツジの道も

「うっわ〜。いろんな植物があるぞ」
「この池は植物たちのオアシスなんだ」



ここでしか見られない貴重な
植物もいっぱい

「ボクたちの仲間も喜んでるね」
「昔は、ジュンサイも採れたんだって」
「今は見られなくなったもんなあ」
「自然は大切にしなくちゃね」



「池の周りには遊歩道があって楽しそうだなあ」
「緑がいっぱいで、気持ちいいね」

「湿地植物園もあるんだよ」
「テニスだって、できちゃうぞ」

池の歴史を振り返ってみよう

■今から約500年前、室町時代末期の頃。薬勝寺池は、橋下条一帯のかんがい用ため池として造られました。その名前は、隣接している薬勝寺に池の工事の安全祈願をしたことにちなんだものといわれ、大地を潤す大切な役割を果たしていましたが、享保2年(1727)には、加賀藩によって六ケ用水が完通し、池の役割は少しずつ薄らいでいきました。
■伝説によると「この地に万病に効く霊水が湧き、村の娘が父の病を治そうと水を汲みに行ったが、女人禁制の掟をやぶって飲んでしまい、龍にされてしまった。その頃、池の水を止める悪い龍が現れて村人を苦しめていたが、娘の龍が岩を破って池の口を開けて助け、村に緑がよみがえった……」といわれています。
■享保4年2月11日、池は大雨によって25mあまりも崩れてしまいました。当時の記録には、補修するために近くの神社(日宮社)の雑木を無断で切り、加賀藩から調べを受けたと記されています。当時は、藩が「七木の制」といって、藩や民間の所有林・屋敷林を問わずに伐木を保護するという厳しい決まりがあり、伐採を制限していました。ちなみに射水郡では、マツ・スギ・クリ・ケヤキ・カシ・キリ・ヒノキが七木に定められていました。

かんがい用から憩いの場へ

■昭和48年、太閤山住宅団地の造成にともない、薬勝寺池を含めた一帯も公園として整備されました。六ケ用水ができたことによって、これまで果たしてきたかんがいため池の役目を終え、憩いの場へと生まれ変わったのです。春は桜や新緑、秋は紅葉が美しく、冬には鴨や白鳥も飛来します。昭和60年には「富山の名水百選」にも選ばれました。昭和51年には「水と緑に親しむ公園」として1億3千7百万円あまりをかけて整備され、芝生広場、藤棚、休憩所、展望台なども完成。フナや鯉の生息に配慮した魚巣ブロックも、この時に造られました。今では、全国各地のフナ釣り愛好者にその名を知られ、町主催の釣り大会も毎年大勢のファンで賑わっています。

水生植物の宝庫を守っていこう

■薬勝寺池は、絶滅危惧種に指定されているガガブタが大繁殖しています。8月から9月には直径5センチ、5弁の綿毛をまとった真っ白な花が池に浮かびます。また、カンガレイ、サンカクイ、ホタルイ、葦、花ショウブ、アヤメなどを見ることもできます。
■水面や水中で見られるコウホネ、ヒシ、スイレン、ハス、コカナダモ、エビモ、マツモなどもたいへん貴重な植物で、大切に守っていかなければなりません。近年まではジュンサイ(スイレン科)が繁殖していて、戦前は村の人々がビン詰にして売り歩いていたほどでしたが、今ではほとんど見られなくなってしまったのはとても残念なことです。これらの植物は、水生動物や昆虫たちの繁殖に欠かせません。薬勝寺池の良好な水質と自然環境が失われないよう、これからも注意深く見守っていきたいものですね。

土地改良広辞苑

屋敷林【やしきりん】
夏の強い日射し、台風や雪から守るために、家を囲むようにして植えられている林。
魚巣ブロック【ぎょそうぶろっく】
魚のすみかにするためのブロック。内部に空洞があって、魚たちがすみやすいようになっている。
絶滅危惧種【ぜつめつきぐしゅ】
開発や乱獲(むやみに採取したりつかまえたりすること)によって、野生での存在が 危ぶまれている植物や動物のこと。