食育推進会議

第7回富山県食育推進会議(要旨)

日 時:平成21年5月29日(金)150016:30

場 所:富山県民会館8階  キャッスル

出席者:石井会長、岩田委員、魚崎委員、鹿熊委員、上滝委員、木村委 員、小島委員、

滝澤委員、舘野委員、西田委員、宮岸委員、吉川委員

(代理出 席)(県食品産業協会)河崎事務局長、(県農協中央会)高橋農業対策部長、(県商工会議所女性会連合会)瀬尾副会長、(南砺市)三谷産業経済部長、(県教 育委員会)林教育次長、(県調理師会)余川氏、(県消費者協会)塩原副会長、(県医師会)了安事務局次長、(県食品スーパーマーケット協議会)木村氏、 (県歯科医師会)山本事務局長、(入善町)小森教育委員会事務局長

計23名

 
1.開会

2.知事あいさつ

3.議事

(1)平成20年度の取組状況

(2)平成21年度の取組方針

【主な意 見】

・ 食は小さい時からきちんとした味覚を植え付け、体験させることが重要である。義務教育を終えた後の若者世代をどのようにしていく か悩みが大きい。県の資料を見ると富山県は若い方に貧血が多い。また、男性の方の肥満が多い。それに反して、若い方は羸痩(るいそう)気味の方が多い。

今年度は保育所指針の中に、また、学校給食法が54年ぶりに初めて改正され て、どちらにも「食育」という項目がきちんと載せられたということで、栄養士にとって大変素晴らしい記念のスタートになったように思う。保育所においては 保育所指針の中に入ったことで、より力が注がれると思うし、学校給食においては、少しずつ栄養教諭が増えているので、力を借りながら、少しでもいい習慣が 付くようにしていきたい。

・ 三世代ふれあいクッキングセミナーを平成12年度から実施し、平成18年度より富山型食生活に取り組んでおり、これは富山の郷土料理を若い世代に伝えて地産地消を推進していこ うという県の方針にものっとったものである。3年間継続して実施し、かなり各市町村で浸透してきているのではないかと思う。今年度も継続するが、同じ事業 を継続して実施すると、どうしても参加者が同じになることも多くなる。新しい方に参加していただいきたいと思っているが、人集めがいつも大変で悩んでい る。他の団体の方と協力しながら、参加していただくことを考えている。

  自主活動として、カミカミモーニング事業を実施している。これは保育所・幼稚園から小学校の子どもまで、保護者も含めて、出前講 座のようにして、朝ごはんを毎日食べましょう、かみごたえのあるものを食べないと歯が丈夫になりませんよという重要な二つのことを皆さんに伝えている。こ れは皆さんから大変喜ばれている事業で、特に小さい子どもに伝える時は、食育かるた、エプロン、紙芝居、パネルなどの媒体を使って分かりやすく説明してい る。

  今年度は環境に配慮したエコクッキングを実施したいと思っており、昨年、会員で勉強をしたことを基に地域にも広めていきたい。

・ 富山県は特に女性が大変勤勉で、スーパーマーケットの店頭でも総菜をよく利用される。総菜は、油をたくさん使って加工する商品が たくさん出ているので、もしかしたら、女性が一生懸命働けば働くほどお父さんが肥満になってしまう傾向もあるのかと思う。

最近では、同じ油で揚げても油が付きにくくなるような機械が出ているようであるから、業界で、そういう革新的な機械を導入しやすくす る支援制度を、特に成人の食生活の改善を図るときに、業界側としても革新を図っていくことがこの数字の変化につながってくるのではないかと感じたので、今 年度とは言わないが、次年度あたり検討いただければありがたい。

・ 農業体験学習をしている小学校の割合が100%で、大変素晴らしいと感じ ている。子どもは、植物を育てて、大きくして収穫するという体験がなかなかできないところが多いと思うが、そういう子どもは、得てしてピーマンやニンジン などにおいの強い野菜は嫌いだという話を聞いたこともある。今まで食べられなかった子が、学校の自分で育てて調理した野菜だったら食べられるようになった ことで、その後は家庭でも食べられるようになったという大変素晴らしい話を聞いたことがある。親御さんが嫌いなら子どもに当然出さないということがあり、 なかなか食べる機会がなくて食わず嫌いという話が出てくると思うが、こういう体験を通じて、どんどん子どもが野菜の味を覚えてくれる、そういうことが富山 の野菜の地産地消につながるのではないかと期待している。

  よく京野菜や加賀野菜などというように、富山の野菜は何野菜と呼んでPRしていけばいいのか分からないが、そういう形でどんどん PRしながら、小さい時から子どもの口に入って、野菜が好きな子どもがたくさんできれば大変ありがたいし、その子どもが大きくなり、また自分の子どもに味 を伝えていく、もしくはその子どもが農業に関心を持ってくれるのではないかという期待もする。担い手が大変少なくなって厳しくなってきている時代に、こう いう取り組みをどんどん行っていただきたい。

・ 食育に関わる教育活動については、近年、各学校で多様な形で行われており、これも多くの支援団体の方たちのご協力のおかげと大変 感謝している。

  この時期、5年生の子どもたちを中心に、総合的な学習の時間に、学校田、あるいは学校の近くの休耕田を借りて田植えをしたり、バ ケツ稲を利用した田植えをしたりしている。また、低学年の子どもたちは、生活科の時間に野菜作りという形で農業体験をしており、近隣の野菜作りに携わって おられる地域の方をゲストティーチャーとしてお招きして、野菜作りの知識・技能を教えていただくことで、交流活動も盛んに行っている。

  一方、基本的な生活習慣ということで「毎日しっかり朝ごはん」を合言葉に、担任、栄養教諭、養護教諭が中心となって学級活動を行 い、朝食を欠食する子どもを少しでも減らそうと、経年比較をしながら、各学校で少しでも目標数値に近づくよう努力している。これについてはPTAとも協力 して、保護者にも啓発しているが、ちょうど保護者の世代に当たる30代〜40代前半の、特にお母さんが、朝食をあまり食べないという家庭の実態があり、それが子どもの欠食につながっ ていることも考えられ、その意味では栄養教諭が今年度10名に増え、家庭や地域への啓発で大いに期 待したい。

  子どもたちは体験、授業を通じ、食への理解、関心、意欲も高まってきているところではあるが、学校としてもう一つ課題に思ってい る、食べ物に対する感謝、もったいないという心を今後は大事にしながら育てていきたい。

・ 市民活動として学校以外の場所でいろいろな団体が頑張っておられる情報が全く県民の方に知られていないので、そういう団体の活動 をもっと県民全体に紹介していただければと思う。それが、各種団体とのコラボレーションにもつながると思うし、食育に関心がありながら、どうやって実践し ていいか分からないという方、県民にも大変役に立つと思う。

・ 個人的に学童保育に携わっており、子どもたちを見ていると、食に関して本当に無頓着というか、例えばおやつに関しても、嫌いでは ないのだけれども食べたい時に食べたいという感じで、「今日は要らない」とか「これは嫌いだから別のものをちょうだい」という具合で、与えられたものを食 べなければいけないとか、もったいないという意識がないので、そういったところをもう少し育てていかなければいけない、それはやはり家庭教育ではないか、 家庭教育というと、結局、親世代の教育が必要なのではないかと思う。

  資料No.1の朝食を欠食する子どもの割合も、あまり進んでいない状況 で、きっと子どもたちは学校でいろいろな話を聞いたり、活動を通じたりして朝食は食べなければいけないと思っているのだと思う。結局この数字が進まないの は、多分、親の責任だと思われる。実際にPTAを通じていろいろな調査もしたが、食べてきたという中身も、例えば菓子パン1個だったり、ドーナツ1個だっ たりといった実態もある。子ども自身への教育はすごくされていて、子ども自身は食育に関してはいろいろ知識も身に付けていると思っているが、結局、親世代 がなかなか動かないので、学校の中でもPTAももう少し頑張っていかなければいけない。それから、親子で一緒に考えていくような活動が必要だと思う。

・ 学校給食における地場産食材の割合について、供給能力の問題もあると思うが、地場産は種類も結構あり、それをきめ細かに利用して いただきたい。今、地元にたくさんの食材があるのに、どうして県外のものが来たのだろうという声も聞いており、ぜひ県産を利用していただくようにお願いし たい。

  食は命とも非常に深い関係を持っており、食の問題の中で命をどう伝えていくか。今、子どもたちでも命を粗末にするようなこともあ り、人の命の大切さや命を慈しむという心の健康の問題も、ぜひ食育の中で取り入れていただきたい。

・ 食事と睡眠などを含め生活リズムと学力の間には相関関係があるというのは、全国学力調査の結果を待たなくても分かっているが、そ の中で富山県が好成績であるということの陰には、県を挙げての取り組みの成果を挙げることができる。近年、「早寝早起き朝ごはん」がすっかり定着してきて おり、毎日しっかり朝ごはん事業やとやまゲンキッズ作戦などを通して数値が上がるように努めるということがいろいろ相まって、成果に結び付いているのでは ないかと思う。できるだけ早い時期に食習慣などを身に付けることで、朝食に関する意識がまだまだ高められるのではないかと思う。

小学校では赤・緑・黄という食品群を、中学校では食品群別摂取量の目安という形で教えているが、食事バランスガイドという形になった ときに、少しそこにギャップがあるというか、社会人により近い中学生の段階から食事バランスガイドへもう少しつなげられるとさらにいいのではないかと思 う。給食を通じて、魚を食べてもらうことも、ハム・ソーセージには絶対にまねのできない良さがあるので、ぜひ増やしてもらいたいと強く思っている。

・  富山県は日本で一番、調味料が売れない県とメーカーは言っている。それは、料理を作らない県だということで、幼稚園から小学校、中学校の子どもの食育も 大事だが、お母さん方、お父さん方が、料理を作らなければ、メタボなり、病気なり、いろいろな問題が起きてくると思う。料理を作るのは難しいとか、面倒だ とか、忙しいなどという考えがあるかと思うが、作ることを学ぶ機会を大人の方に提供する施策をしていただきたい。

・ 県内に300強の保育園があるが、すべての保育園が自園方式で給食を作っ ていることが自慢である。小学校で給食センターか自校かと話題になっているようであるが、保育所は全国的に自園で作っている。近年では乳児もおり、離乳食 から作っているし、アレルギー食などにも対応できるのが保育所の強みである。それでも、一部の保育園では自園方式とはいえ業者が入ってきたり、全国的に見 ると、公立保育所の場合は給食センター方式が入ってきていたりする。流れは、実は給食センター方式に引っ張られようとしているところがある。その可能性は 非常に大で、なぜならば保育所はその市町村で統一献立をしており、統一献立をしているということは、献立に合わせて作ればいいとなってしまう。保育所は本 来、そこに居る子どもたちを見て作らなければいけないが、食を改善する取り組みは、栄養士がいてもあまりできないというのが率直な現状である。

  保育指針にも食育が入り、画期的なことだと話していただいたが、私どももそうとらえており、保育所の給食がより良く変わっていか なければいけないと思う。隣の金沢市では民間保育園が中心で、どこの園にも栄養士がいて、その園に見合った給食を作っている。そういった意味で、富山県の 保育所の取り組みは、遅れているところもある。

・ 歯科医師会の一番大きな活動として、ご承知のとおり虫歯予防、歯周病予防があるが、近年、日本歯科医師会からも推奨している食育 を含めた歯科保健活動を推進しようという試みに、3年前ほどから変わってきた。家族そろっておいしく食べる、食べられるという歯科の口腔ケアが一番であろ うということで、取り組みは具体的にはまだまだ進んではいないが、富山県歯科医師会でも進めていくこととなっている。

・ 幼少のころの食習慣が大きくなっても関わってくる。例えば魚を小さいころよく食べたという子は、大人になっても魚が好きだという 人が非常に多い。学校給食における地場産食材の割合を見ると25%程度で、学校給食は私どもの漁業 を左右するほど非常に大きなウエイトを占めていると思っているから、少しでもこの割合を上げていただきたく、私どもも協力していきたい。

・ 食の安全、または食の衛生加工は何よりも先決の問題だと思っており、食品衛生協会としては、各ブロックで食品衛生指導員の方を中 心に食品衛生に日夜努めている。今後とも食育の一面を担っていかなければと思っている。

昔の方はカロリー計算などせずとも、肥満の方はあまりおられなかったのではないかと思う時に、伝統料理の持つ意味を再認識し、それを また現代風にアレンジする部分も加味しながら広めていくことは、一つは健康という面、もう一つは富山ならではの伝統に基礎を置いた料理を提供することで、 富山を訪れる方々に対してもアピールできるのではないかと思う。とかく、ホテル・旅館に行くと、1012品の料理が出さなければならないような感じで出てくるが、それを全部食べると大変なカロリーであり、栄養 過多であることが往々にしてある。富山のホテル・旅館は健康にも十分配慮した料理を提供していくことが、一つの売りになるのではないか。伝統料理をもう一 度勉強して、業界の方々もこれからよく考えていくことも大事ではないかと思う。

・ 医療を提供する側として、治療することはもとより、近年、予防健康教育の方に医療もどんどんシフトしてきているかと思う。特に、 昨年大きな改革があり特定健診、特定保健指導という制度が従来の生活習慣病の保健制度に替わって始まった。その特定保健指導の中心をなしているのは、食生 活の改善であるといわれており、健康で長生きできるように、県医師会としても、昨年、食生活の改善指導ができる方を養成するために、急きょ講習会を開き、 県内で250名の方を養成したところである。昨年、その実績はなかなか上がらなかったが、制度も2 年目に入ったので、そろそろ今年あたりから食生活指導の成果がいよいよ発揮されて、この新しい制度の真価が問われるのではないかと考えている。

・ 統一献立の件があったので、その背景を少しお話しさせていただきたい。その時は共同献立と言っていたが、富山市が共同献立をした のが昭和40年だった。各学校に栄養士がいないということで、現場の給食主任の先生たちの苦労を少 しでも軽くしようと始まったのが統一献立であり、それから3年ほどしてから共同購入という方式が始まったかと思う。今、各学校、あるいは各保育所に栄養職 員、あるいは栄養士が配属されたら、ずっと3040年 こういう形で歩いてきたものをどこかで軌道修正すべき時期に来ているのかと思う。ずっとこういう形で来ていたからいいということではなく、各校に責任者が 配属された暁には、その小学校なり、園なり、保育所にふさわしい献立が生まれて当然なのではないかと思う。

 4.閉会

<配布資料>
資料No.1:食育推進計画基本目標の推進状況
資料No.2:食育に関する施策の進捗状況の概要
資料No.3:食育に関する施策の進捗状況(平成20年度実績及び課題等)
資料No.4:平成21年度食育の推進に関する新規・重点施策
資料No.5:食育関連施策の概要(平成21年度予算)