県民健康運動習慣推進計画
(とやまアクティブヘルスプラン)
(平成3年3月策定の県民健康運動習慣推進計画(とやまアクティブヘルスプラン)の一部を掲載しています
目次
(1)県民健康運動習慣推進計画策定の趣旨
(2)健康運動習慣の考え方
(3)健康運動習慣づくりへの取り組み
(4)県民健康運動習慣推進計画の推進方針
2 富山県の健康づくりの現状【掲載を省略しています】
(1)健康づくりに果たす運動の役割
(2)課題
(3)目標
昭和58年に策定された「富山県民総合計画」において、21世紀に向かって「日本一の健康県」への挑戦が提唱され、平成3年策定の「新富山県民総合計画」においても、この考え方が継承されている。また、富山県民総合計画を受け、「生涯スポーツプラン」(昭和60年9月)、「県民ヘルスプラン」(昭和62年3月)が策定され、さらには、がん対策の指針として「がん攻略県民プラン」(平成元年11月)や地域医療の整備を総合的に推進するための「富山県地域医療計画」(平成2年3月)が策定され、県民の健康づくりについて総合的な施策が展開されている。これらの健康づくりを、運動の面から推進し、生活の中に健康運動習慣を定着させるため、「県民健康運動習慣推進計画(とやまアクティブヘルスプラン)」を策定するものである。
ア 健康づくりを進めるため
健康的な生活を営み、社会の一員として積極的な役割を担い、その活力を維持向上させていくためには、あらゆる世代、あらゆる場において、健康づくりを進めていくことが重要な課題となる。しかし、健康は一日にして得られるものではなく、日常の生活において、健康的な生活習慣を身につけ、実践していくことが大切である。健康習慣には三つの要素がある。すなわち_バランスのとれた栄養 _適度な運動_十分な休養である。健康づくりはこの三要素を日常生活の中に習慣づけていくことが基本である。
イ 健康運動習慣とは
最近は交通機関の発達や自家用車の普及、労働の機械化、家庭生活の電化など生活環境が変化し、以前と比べ日常生活の中で体を動かす機会が少なくなり、生活の中での運動量 が不足しがちになってきている。このことは、体力や身体機能の低下につながるだけでなく、成人病や心の病の誘因にもなっているといわれている。従って、健やかで明るい長寿社会の実現に向け、生涯を通じた健康な体と心をつくるためには、意識的に体を動かす機会を持ち、生活の中に適度な運動を取り入れることが大変重要になってきている。すなわち、健康運動習慣とは、肉体的・精神的疲労の回復を図り、積極的な健康増進をめざすとともに、成人病等の疾病予防にも役立てることを目的として実施する、安全で適切な運動を習慣として実行することをいう。
運動の面からの健康づくりを推進するには、一人ひとりの健康づくりを基本として、各ライフステージや季節に合わせ、家庭、学校、職場、地域のそれぞれの生活の場で健康な状態を維持増進するため、習慣的に身体を動かすこと、つまり運動することが必要である。
県民一人ひとりが「自分の健康は自分でまもり、つくる」ことを基本として、健康運動習慣づくりを進めるために、県民と関係組織・団体、行政が密接に連携、協力しながら
ア 健康づくりに果たす運動の重要性の普及啓発
イ 健康づくりのための運動に関する情報の収集と提供
ウ 健康運動習慣づくりの展開
エ 健康づくりのための運動実践機会の提供
オ 健康運動習慣推進指導者の養成と活用
カ 健康運動習慣推進施設・設備の活用を図り、「県民健康運動習慣推進計画(とやまアクティブヘルスプラン)」を積極的に推進する。なお、この計画は、県民の自発的な創意工夫を最大限に生かしつつ、社会情勢の変化に応じて適切に対応できるよう、富山県民健康づくり推進協議会に諮りながら弾力的な運用に努める。
ア 運動の必要性
人間の身体は、ある程度活動をすることにより、いろいろな機能が正常に働き、健康を維持できるようになっている。昔は、意識しなくても労働や家事などで自然に身体を動かしていたが、近年、生活の近代化、機械化により身体活動量 が、運動不足になりがちであり、その結果健康が維持できなくなったりしている。また、テクノストレスをはじめとする社会的ストレスの増加は、心臓病、糖尿病、高血圧等の成人病を増加させる重要な因子となっている。このため、健康のために運動が積極的な健康増進や循環器疾患等をはじめとする疾病予防にいかに大きな効果があるかを普及啓発するとともに、日常生活の中にいかにして健康のための運動習慣を取り入れていくかが大きな課題となっている。
運動不足がもたらす身体への影響 1 心臓、血管系機能に衰えが現れる。
心臓も筋肉からできており、足を使わなければ歩けなくなるように、血液を体内に送り出すポンプとしての力が弱くなってしまうため、心臓の働きと血圧の調整機能に悪影響が出てくる。
2 身体の筋肉が減少し、脂肪が増える。
筋肉は動かさないでいると、尿から筋肉構成物質が排泄されて筋肉が萎縮してしまい、その結果 、脂肪体質になってしまう。
3 骨が折れやすくなる。
骨にはある程度立位の状態で身体を支えるという刺激を与えないと、骨のカルシウムが尿から排泄されて骨がもろくなる。
4 少しの運動で疲れやすくなり、集中力がなくなる。
5 寝つきが悪く、熟睡ができなくなる。
イ 栄養と運動
栄養の最も重要な役割の一つは、エネルギー消費量に見合う十分な食物を摂取することにあるが、平均的な日本人のエネルギー摂取量 は、日常生活のエネルギー消費量よりも200 〜300 キロカロリー多くなっている。運動不足や過食は、エネルギーバランスを崩し、過剰エネルギーは脂肪として体内に蓄積する。そして、皮下脂肪の過剰蓄積は、肝臓・血管系の脂質代謝をゆがめ、成人病の誘因となる。また、運動のやりすぎや節食・絶食は、やせの現象となって現れ、日常の生命活動の燃料である脂肪や糖質、脂質の補給不足を補うため、筋肉を構成しているタンパク質を燃焼してエネルギーを生みだし、体力を低下させてしまうことになる。このため、エネルギーの摂取と消費のバランスに留意し、適度な運動の実践により、理想体重の維持に努めることが必要である。
ウ 運動の効果
運動の効果は、その運動によって使われた器官やその働きにかぎってあらわれる。無酸素運動では、筋肉及びその働きに限られるのに対して、有酸素運動では、空気中の酸素が筋肉で利用されるまでの一連の働きが改善され、そこに介在する器官が発達する。したがって、有酸素運動では、特に、呼吸、循環器系が重要な働きを担い、また、そのための働きが改善されて健康の維持増進に貢献することになる。
有酸素運動によって期待される効果としては、心肺機能や血管、筋肉、関節などに適度な刺激を与えることによる
(ア) 血清脂質(コレステロール・中性脂肪)レベルの改善
(イ) 毛細血管網の発達により高血圧の予防や改善
(ウ) 上記(ア)、(イ) による動脈硬化の進行防止、脳血管疾患や虚血性心疾患の予防
(エ) 肥満の予防や効果的な改善
(オ) 糖代謝機能の改善による糖尿病の治療や予防
(カ) 心肺機能の改善
(キ) 不定愁訴(食欲不振、腰痛、めまい、疲れやすい)の軽減
(ク) ストレスの解消
等があげられる。
無酸素運動とは、エネルギーの発生過程で酸素を必要としない運動をいう。
(例)100 m走、重量挙げ等有酸素運動とは、運動中呼吸により酸素を体内にとりこみながら運動に必要なエネルギーを供給する運動をいう。
(例)マラソン、ジョギング、遊泳、エアロビックダンス 等
県民健康運動習慣推進計画策定にあたって実施した「県民健康づくり意識調査」によると、健康に関しての不安では、「体力が衰えてきた」が最も多く、「ストレスがたまる」「肥満が気になる」等も高い率を示している。また、約8割の人が運動不足を感じており、特に30〜40歳代ではその傾向が強い。なお、「以前は運動やスポーツをしていたが、今はしていない」人が全体の3割を占めていたが、その理由は「仕事や家事が忙しくて時間がない」「年をとった」「相手や仲間がいない」等となっている。「以前も今も全く運動やスポーツをしていない」人も全体の4割を占めている。また、行政に対する要望では「運動・レクリェーションなどの健康増進施設の整備」が最も多く、「公園の整備」も高い率を示している。運動が健康の維持増進に効果 をあげるためには、性、年齢、個人の体力、健康状態にあった適切な運動を継続して行うのが必要である。不定期でムラのある運動は、あまり効果 が期待できず、また、個人の運動能力に合致しない方法で行うと、かえって運動による障害を起こしたりする。また、普段あまり運動していない人がはじめて運動を行う場合や成人病のハイリスクの多い中高年の場合は、事前にヘルスチェックを的確に行うとともに、適切な運動プログラムに基づいた運動を行う必要がある。このため、生活の中であるいはライフステージに応じて、県民一人ひとりが健康づくりのために運動を積極的に取り入れていけるよう
(ア) 健康づくりに果たす運動の重要性の普及啓発
(イ) 健康づくりのための運動に関する情報の収集と提供
(ウ) 健康運動習慣づくりの展開
(エ) 健康づくりのための運動実践機会の提供
(オ) 健康運動習慣推進指導者の養成と活用
(カ) 健康運動習慣推進施設・設備の活用
等について、県、市町村、関係団体等が相互に連携を保ちながら、計画的に推進していくことが必要である。
生涯を通じて健康的な生活を営み、社会の一員として積極的な役割を担い、その活力を維持向上させていくためには、あらゆる世代、あらゆる場において健康づくりを進めていくことが重要である。しかし、健康は一日にして得られるものではなく、そのためにも日常生活の中で健康的な生活習慣を身につけ実践していくことが大切である。「県民健康運動習慣推進計画」(とやまアクティブヘルスプラン)」は、県民の健康づくりを推進するにあたり、運動の面 から積極的な健康づくりを進め、健康運動習慣の定着を図ろうとするものである。プランの策定にあたっては、「自分の健康は自分でまもり、つくる」ことを基本に、県、市町村、県民の立場から、その実現に向けた目標を提示するものである。
ア 日常生活の中で実践する運動の普及
県民一人ひとりが日常生活の中に適度な運動を取り入れ、疾病の予防を図り、積極的な健康増進を図る。
目標としては
・県民一人ひとりが生活習慣として運動を取り入れていく。
・原則として、1日20分以上の運動を毎日継続していく。
(参 考)
1週間あたりの運動時間は次の時間を確保していくのが望ましい。「健康づくりのための運動所要量策定検討会報告書」(平成元年7月)より
年齢階級 20代 30代 40代 50代 60代 1週間の合計運動時間 180分 170分 160分 150分 140分 (ア)家 庭
家庭は、基礎的な生活習慣の形成の場として、また家族相互の健康を気遣い、ストレスをいやす場として、健康生活の習慣化に重要な役割を担っている。
家族みんなで生活習慣の1つとして、運動を取り入れ、夫婦、親子、祖父母と孫などが互いに実践状況を確認しあい、健康運動習慣の定着に心がける。
例 散歩、ジョギング、健康体操 等
(イ)職 場
職場は、より安全、快適かつ健康で働きがいのもてる場であることが大切である。近年、技術革新の進展やサービス産業化等により、就労内容に変化がみられ、ストレスや身体的疲労が蓄積する傾向にある。また、運動不足に陥りやすいことから、成人病予防の観点から、職場でできる適度な運動の実践を促進する。
例 業間体操、サークル活動、体力測定、健康教室の開催等
(ウ)学 校
学校は、基礎体力の向上を図り、健康・体力づくりへの関心をもたせ、家庭での健康習慣の基礎を学ぶ場として大切である。このため、保健・体育等のカリキュラムの充実を図り、健康の保持・増進のために運動の継続的な実施が重要であることを学習させる。
(エ)地 域
健康づくりのための運動を長く続けるためには、気の合う仲間と一緒に楽しく取り組むことが必要である。個人の能力や価値観が多様化しているので、そのニーズに応えるため、地域における多種多様なサークル、クラブづくりが望まれる。
例 早起き体操、散歩・ジョギングコースの整備
イ 余暇等を利用して実践する運動の普及
運動をして楽しい、気分が爽快になるという経験がなければ運動は長続きしない。毎日の生活の中でのウオーキングや健康体操等とは別 に、休日、祝祭日等に地域のスポーツ・レクリェーション施設等を利用して個々人の能力に応じ、あるいは家族みんなで楽しみながら体を動かす運動習慣を普及していく。さらに、地域においては、公共の体育施設の開放や住民が参加しやすい行事の開催等により、住民のライフステージに応じた運動実践への参加の機会づくりの拡充を図る。また、運動教室等の開設については、その人口構成、住民の要望や意見、体育施設の整備状況、自然や地理的条件、指導者の実態等を十分把握して行う必要がある。
ウ 東洋健康法等を利用して実践する運動の普及
東洋医学は、病気を身体の調節機構の乱れとして総合的にとらえ、崩れたバランスを治すことにより健康づくりを進めるものである。
特に、健康保持・増進を目的として、気功、太極拳、ヨーガ、生命の貯蓄体操、真向法等数多くの自己健康管理法がある。このような健康法については、現在、計画中のとやま健康村(仮称)において、健康のための運動実践方法の一つとして採用することも含め検討しているところである。
エ 健康運動習慣推進施設の整備の促進
新富山県民総合計画をふまえ、スポーツ・レクリエーション施設、公園、競技スポーツ施設の整備を促進するとともに、学校体育施設、企業体育施設の地域開放を促進する。また、健康運動施設の整備については、県民各層の多様なニーズをふまえ、県、市町村、民間がそれぞれの立場から計画的な整備を図ることが必要である。
オ 関係団体での取り組み
健康のための運動習慣を広く県民に普及していくためには、地域の中で幅広く活動している各種団体と連携し、運動の重要性と情報の提供等を行っていく必要がある。このため、従来から県民の健康づくりに積極的に参加し、啓発活動を行っている各種団体、具体的には、体力つくり富山県民会議、富山県医師会、富山県食生活改善推進連絡協議会、富山県レクリェーション協会、富山県いきいき長寿財団、富山県老人クラブ連合会、富山県児童クラブ連絡協議会、富山県母親クラブ連合会、富山県婦人会、富山県体育協会、富山県青年団協議会、富山県自然保護協会等が、自主的活動として健康運動習慣の普及に努めるとともに、相互の連携を図ることが望ましい。
運動を特別のスポーツと考える必要はない。毎日の生活の中で積極的に体を動かすように心掛けるだけでもその効果 は期待できる。例えば、自動車の利用を少なくして歩くことを心掛けたり、意識的に階段を利用したり、待ち時間等の間に手や首の体操をするなど、ちょっとした努力と工夫で生活の中に運動を取り入れることができる。また、朝の体操、昼休みの散歩、夕方のスポーツ、就寝前のストレッチ体操など、自分の好みや体力に合った運動をはじめ、それを続けるための努力が大切である。運動が習慣化すると、今度は体が運動を要求してくる。運動を行ったあとの爽快感、充実感、満足感を幼児期から体験し、いろいろな運動の中から生涯にわたって楽しめる自分の運動をみつけ、運動習慣を身につけていくことが必要である。運動を通 じての家族や地域の人々とのふれあいは、それ自体が生活の張り合いとなる。一緒に汗を流しながら、楽しく体を動かすことで心身がほぐれ、人との交流が深まる。このため、運動を通 じてより多くの人々とふれあい、仲間をふやして、豊かで活力ある地域社会づくりの推進に資する。
ア 健康づくりに果たす運動の重要性の普及啓発
各種パンフレットによる普及啓発、健康教室の開催等により普及啓発するほか、各種報道機関に情報を積極的に提供するなどテレビ、ラジオ、新聞等のマスメディアを有効に活用し、健康運動習慣の定着を図っていく。いきいき富山健康運動習慣(ウエルネス富山)の展開
(ア) 地域、職場での各種会合、行事の開催時に必ず運動(体操等)する時間を組み入れるよう啓発する。
(イ) 県民が親しみ、実践しやすい体操(いきいきとやまウェルネス体操等)を考案し、普及する。
(ウ) 歩くことを普及するため、いきいき富山ウォーキング運動を提唱する。目安として、1分間に100 m程度の割合で、少し早足で姿勢を正しく保って歩くことを心 掛ける。
(エ) 主な運動と消費エネルギーの目安の普及を図る。
(オ) 健康運動習慣推進指導者、実践者(グループ)の表彰制度を設ける。
(カ) いきいき富山健康ロード100 選を推進し、地域住民の健康づくりの場を提供する。などにより、健康運動習慣の普及定着を図る。イ 健康づくりのための運動に関する情報の収集と提供
運動をしていない人の理由をみると、「仕事や家事が忙しくて時間がないから」、「年を取ったから」、「運動やスポーツが嫌いだから」、「めんどうだから」など運動に対して消極的な考え方が多く、このような人たちの意識をどのようにして運動に向けるかが問題であり、健康づくりのためには運動の実践を一層普及啓発する必要がある。また、「相手や仲間がいないから」、「場所や施設がないから」「運動が下手でやり方がわからないから」などの理由で運動しない人もいることから、運動をする機会、施設、指導者、各種サークル等の情報を広く県民に提供するなど、運動普及のための気運を高めることが必要である。
(ア) 健康運動マップを作成する。
(イ) 健康運動習慣推進施設、運動指導者情報を提供する。
(ウ) 各種サークル情報を提供する。
(エ) 健康関連イベント情報を提供する。
(オ) 相談窓口を設置する。ウ 健康運動習慣づくりの展開
(ア)個々人に応じた健康運動習慣づくり
健康づくりのための運動は、記録を伸ばしたり勝つことを目的とするものではない。 毎日少しずつでも楽しみながら続けることが大切であり、健康運動習慣のない人が急に過激な運動を始めたり、無理な取り組み方をするとかえって、事故にもつながりかねない。従って、運動が体によいといっても、今まで全くやったことのない人、運動のために時間をとれない人、やる気の起きない人は、散歩や体操など誰にでも簡単に取り組めるものから始めることが大切である。また、運動の実践状況をセルフチェックするなど、自主的な学習と実践によって自ら健康運動習慣への行動を積み上げていくことが必要である。このように、健康の保持増進をめざし、各人のライフスタイルを尊重し、健康状態や運動能力に応じた運動への取り組みを行っていくことが重要である。
a 個人の体力に合った健康運動実践のため、アセダス号等による体力測定機会と望ましい運動メニューを提供する。
b 運動所要量の普及啓発を図るため、健康運動習慣普及講習会(実践指導)を開催する。(イ)生活の場に応じた健康運動習慣づくり
個人の健康習慣は、家庭を中心として築かれるが、学校や職場などの生活も重要となってくる。このため、生活の場に応じた健康運動習慣の定着を図っていく。
a 家 庭 家族みんなで楽しめるスポーツ・レクリエーションの実践や余暇の積極的な活用を図ることにより、積極的に体を動かし、精神的・肉体的疲労の回復に努める。
b 職 場 スポーツ・レクリエーション活動の普及、職場スポーツクラブの育成、職場スポーツ・レクリエーション指導者の養成、業間体操の実施、健康教室の開催等積極的に運動実践の機会を設定する。c 学 校 小学校では運動好きな子供の育成を基本に、体育教科の充実、クラブ活動等の積極的実践、家庭や地域でのスポーツ活動への参加を促進する。また、中学校・高校ではスポーツによる心と体の鍛練を基本に、基礎体力の養成、運動技能の習得、体育諸活動の充実、運動の日常化を図る。
d 地 域 効果的な教室等の開設や、運動種目の開発等に努め、地域の中のスポーツサークル活動の促進やまちぐるみの健康運動習慣の定着化を促進する。このため、アセダス号を活用した健康運動の普及啓発、体力測定の実施、健康教室の開催、学校体育施設・職場スポーツ施設等の地域開放を促進する。
(ウ)ライフステージに応じた健康運動習慣づくり
健康運動の実践にあたっては、各ライフステージごとの体力や能力に適応した運動に取り組むよう心掛け、無理のない適度な運動による健康運動習慣づくりが大切である。このため、運動の重点、運動種目を選択して適度な運動を実践する。
年代区分に応じた運動への取り組み
年 代 取り組み方 乳幼児期
(0〜5歳)親子のふれあいを深めるためにも、家族ぐるみの活動の機会を多くする。 ・赤ちゃん体操・散 歩 ・ハイキング等 少年期前期
(6〜11歳)身体活動が主要な生活内容となる時期であり、社会性の基礎を培う時期でもあるから、学校体育のみならず、社会体育の面 からも、活動の機会を多くする。 ・ラジオ体操 ・ハイキング ・卓 球 ・サイクリング
・なわとび等少年期後期
(12〜18歳)体力の充実期であり、継続的な練習や自己の力・技を試す機会を多くもつことができるよう、組織的活動を図る。 ・バレーボール ・野球(ソフトボール) ・スキー
・オリエンテーリング ・バドミントン ・ジョギング等青年期
(19〜29歳)精神的にも身体的にも安定し、社会的活動も活発になるので、この年代こそ生活の中に、スポーツ活動を定着させる。 ・バレーボール ・野球(ソフトボール) ・スキー
・オリエンテーリング ・バドミントン ・ジョギング等壮年期
(30〜59歳)健康・体力の維持増進を主なねらいとし、趣味を生かしたスポーツ活動を楽しむとともに、家庭、職場、地域社会において中心的存在であるので、活動の推進者としての役割を果 たすようにする。 ・ジョギング ・ウォーキング ・水 泳
・ソフトボール・テニス ・ゴルフ等(エ)四季折々の健康運動習慣づくり
健康づくりに関する特定の日、週間、月間に合わせ健康運動への取り組みを促進するとともに、四季に応じた運動が実践されるよう啓発普及を行う。
四季折々の運動例特に、冬季においては、室内での運動の実践頻度が高くなることから、そのための施設・設備の整備が必要となってくる。
季節 運動例 春 ウォーキング ジョギング サイクリング ゴルフ ハイキング
オリエンテーリング テニス ソフトボール 体 操 野 球 等夏 海水浴 キャンプ 登 山 水 泳
体 操 ハイキング 等秋 ウォーキング ジョギング サイクリング ゴルフ ハイキング
オリエンテーリング テニス ソフトボール 体 操 野 球 等冬 スキー なわとび 社交ダンス ウェイトトレーニング 卓 球
バドミントン 体 操 等
エ 健康づくりのための運動実践機会の提供
健康づくり県民意識調査にみられるように、これまで運動を経験してこなかった人が4割もいることから、県、市町村等で実施しているイベント、講習会等を通 じて運動を実践する機会をできるだけ多く提供し、運動の習慣化のきっかけづくりとする。
(ア) 県、市町村等で実施している健康フェスティバルで健康運動実践機会を提供する。
(イ) 健康運動体験巡回車(アセダス号)による体力測定の実施と個人の体力等にあった運動メニューを提供する。
(ウ) 保健所の健康運動習慣普及講習会を開催するとともに体力測定機器による体力評価を行う。
(エ) 健康運動習慣実践記録表の作成と配布を行う。
(オ) 健康運動習慣実践マップの作成と配布を行う。
オ 健康運動習慣推進指導者の養成と活用
地域住民の運動実践活動が正しくしかも活発に行われるよう、適切な指導のできる指導者の養成と活用に努める。
健康運動指導士 役 割 運動プログラムの作成・管理及び運動指導 設置主体
養 成
厚生省
(財)健康・体力づくり事業財団方 法 県、市町村並びに民間事業所を中心に(財)健康・体力づくり事業財団の養成講習会に参加する。 健康運動実施指導者 役 割 運動プログラムに基づく運動指導 設置主体
養 成厚生省
県、(財)健康・体力づくり事業財団方 法 県等が開催する健康運動実践指導者養成講習会により養成する。 体育指導委員 役 割 スポーツに関する指導・助言及び体育・スポーツ振興事業の企画とその推進 設置主体
養 成文部省
市町村方 法 各種の研修会を通じて資質の向上を図るとともに、増員する。 スポーツリーダーバンク
登録指導者役 割 地域や職場の体育・スポーツグループからの要請に対して適切なスポーツ指導者を紹介 設 置・
養成主体県 方 法 本県独自の指導員資格制度を創設し、スポーツリーダーバンク登録者を拡大する。 スポーツドクター 役 割 広くスポーツ医学の普及啓蒙
スポーツマンの健康管理、スポーツ障害等の診断、治療、予防等設 置・
養成主体日本体育協会、日本医師会
日本整形外科学会方 法 日本体育協会等により養成されているスポーツドクターを増やす。 運動普及推進員 役 割 地域に根ざして運動の指導を行うボランティア(運動普及推進員) 設置主体
養 成厚生省
市町村方 法 市町村保健対策事業により養成されている運動普及推進員を大幅に補充する。 その他 健康づくりのための運動関係の 専門学校修了者を活用する。
健康運動指導者の養成目標(平成12年)
健康運動指導士 健康運動実践指導者 スポーツリーダーバンク登録指導者 110人
(県民1万人に1人)550人
(健康運動指導士1人につき5人)4,000人 カ 健康運動習慣推進施設・設備の活用
新富山県民総合計画をふまえ、スポーツ・レクリェーション施設、競技スポーツ施設の整備を促進するとともに、学校体育施設、企業体育施設の地域開放を促進する(表−10、表−11)。また、健康運動習慣推進施設の整備にあたっては、県民各層の多様なニーズをふまえ、県、市町村、民間がそれぞれの立場から計画的な整備を図ることが必要である。
(ア)県
ライフステージにおける多岐にわたるスポーツニーズに対応するとともに、県民の要望に対応できる中核的な施設を計画的に整備する。
a スポーツ・レクリェーション施設を整備する。
1. 学校体育施設の積極的な地域開放を促進する。
2. とやま、ふくおか家族旅行村、公共マリーナ、植物公園、
カナルパークなどレクリェーション施設の整備を図る。
3. 日本海ミュージアム構想、富山中部丘の夢構想を推進する。
4. 民間企業体育施設の地域開放に向けた企業の理解と協力を得る。
5. 富山県総合運動公園、県営プール、西部総合体育館等の整備を進める。
b とやま健康村(仮称)を整備する。
c 健康運動体験巡回車(アセダス号)の活用を図る。
県内各地で体力測定と適切な運動メニューの提供、健康運動習慣の普及啓発を行う
(県下各地域を巡回)。
d 保健所の体力測定機器を整備する。体力測定機器を整備して、
適切な運動メニューの提供、健康運動習慣の普及啓発を行う。(イ)市町村
地域住民の最も身近なスポーツ活動の拠点としての学校体育施設の開放をさらに進めるとともに、身近なスポーツ・レクリェーション施設等を整備する。
a 身近なスポーツ・レクリェーション施設、
まちの特色あるスポーツの育成施設、身近な野外活動施設、
身近な健康運動習慣推進施設を整備する。
b 市町村の屋内体育館、運動広場、公園等の充実や
市町村体育施設の全天候型の促進を図る。(ウ)民 間
従業者の健康維持や作業能率の向上、あるいは事業所のイメージアップを図るため、事業所規模、従業者のスポーツ等を勘案して計画的な整備に努めるとともに、地域住民への開放を促進する。 また、民間活力の導入に努めることにより、県民の多様なニーズに応えられる特色あるスポーツ施設の整備を促進する。
a 従業者の健康・体力の維持増進を図る施設、
特色あるスポーツメニューを提供できる施設の整備を促進する。
b 民間スポーツ施設の健康増進施設認定(厚生省)を推進する。
c 健康運動習慣推進施設に対する融資制度の充実を図る。文化・スポーツ産業施設整備資金、中小企業福利厚生施設改善資金の活用を促進する。
表−10 主な公的スポーツ施設の整備目標 (単位
・カ所)

(平成3年新富山県民総合計画より)
例 富山県健康運動習慣推進会議県、市町村、民間健康増進施設、健康・体力づくり推進団体等による健康運動習慣の普及のための推進体制を確立する。
ア この計画を推進するためには、保健所における推進体制を整備するとともに、 地域住民に密着している市町村における推進体制を強化する必要があり、 健康運動習慣を指導していくマンパワーの充実を図る。
イ 行政における推進体制の整備に併せて、県及び市町村に設置されている健康づくり推進協議会等の推進組織の充実やその活動の強化を図る。なかでも、食生活改善推進員、ヘルスボランティア等の育成強化に努め、ネットワーク化を推進する。
ウ 健康運動習慣のより効果的な普及を図るため、それぞれの機関で推進されている事業等の連携と交流を図るため、関係機関等による連絡組織を整備する。
