統計情報ライブラリー/生活・環境全国消費実態調査
1.富山県の家計収支(全世帯)
(1)消費支出の動向
−消費支出は、1か月平均384,255円で5年間で実質8.7%の増加−

 全世帯の平成6年9月〜11月の1か月平均消費支出は、384,255円で、前回調査の平成元年に比べ、5年間で名目19.5%の増加、消費者物価の上昇分を除いた実質で8.7%の増加となった。
 昭和49年からの実質増加率の推移をみると、昭和49年が38.5%、昭和54年が12.2%、昭和59年が5.1%、平成元年が、3.4%と対前回増加率は低下の傾向を示していたが、平成6年は8.7%と伸びが回復した。(表1、図1)

表1 消費支出の推移(全世帯)
  昭和49年 昭和54年 昭和59年 平成元年 平成6年


消費支出(円) 147,068 230,910 295,737 321,627 384,255
対前回名目増加率(%) 130.3 57.0 28.1 8.8 19.5
対前回実質増加率(%) 38.5 12.2 5.1 3.4 8.7
消費者物価上昇率(%) 66.3 39.9 21.9 5.2 9.9

消費支出(円) 141,169 220,586 264,408 305,196 344,066
対前回名目増加率(%) 101.5 56.3 21.4 15.4 12.7
対前回実質増加率(%) 21.5 10.1 0.2 9.8 2.5
消費者物価上昇率(%) 65.9 42.0 21.1 5.1 10.0

図1

(2)平均消費支出の構成比の推移
−教育、交通・通信、保健医療、「その他の消費支出」の割合が増加傾向−

 全世帯の1か月の費目別支出金額の消費支出に占める割合の推移をみると、食料は昭和54年の28.5%から、59年は27.2%、平成元年は26.7%、平成6年は23.0%と減少傾向が続いている。このほか、被服及び履物、家具・家事用品が減少傾向にある。
 一方、「その他の消費支出」は昭和54年の26.3%から、59年は27.3%、平成元年は30.3%、6年は34.9%と増加傾向が続いている。この 中には9つの費目に分類できなかったすべての品目が含まれており、仕送り金や交際費などが含まれていることに注目すべきである。また、交通・通信も昭和 54年の9.0%から、59年は9.9%、平成元年は10.0%、6年は10.1%と増加傾向にある。このほか光熱・水道が増加傾向にある。(図2)

図2

(3)消費支出(費目別)の内訳
−保健医療、交通・通信などが実質増加、被服及び履物、食料が実質減少−

 全世帯の1か月の平均消費支出の費目別の内訳をみると、仕送り金や交際費などの「その他の消費支出」が134,117円(消費支出に占める割合 34.9%)でもっとも多く以下、食料が88,463円(同23.0%)、交通・通信が38,930円(同10.1%)、教養娯楽が32,206円(同 8.4%)などの順になっている。
 1世帯当たりの費目別の支出状況は次のとおりである。

ア 食料

 1世帯当たり88,463円で、平成元年の85,834円に比べ名目3.1%の増加、実質では(−)7%の減少となった。調理食品が大幅な実質増加と なったものの、平成6年前半に発生した米不足の影響などもあって、穀類が大幅な実質減少となったのをはじめ、ほかすべての品目で実質減少となり、食料全体 では平成元年の実質増加から実質減少となった。

イ 住居

 1世帯当たり11,427円で、家賃・地代が大幅に増加したことにより、平成元年の8,383円に比べ、名目36.3%の増加、実質では5.8%の増加となった。

ウ 光熱・水道

 1世帯当たり20,506円で、平成元年の16,747円に比べ名目22.4%の増加、実質では12.4%の増加となった。

エ 家具・家事用品

 1世帯当たり13,939円で、平成元年の12,746円に比べ名目9.4%の増加、実質では10.4%の増加となった。家庭用耐久財が大幅な実質増加となったことから、全体では平成元年の実質減少から実質増加となった。

オ 被服及び履物

 1世帯当たり20,680円で、平成元年の22,685円に比べ名目(−)8.8%の減少、実質(−)16.9%の減少となった。

カ 保健医療

 1世帯当たり9,557円で、平成元年の6,822円に比べると名目40.1%の増加、実質33.7%の大幅な増加となった。

キ 交通・通信

 1世帯当たり38,930円で、平成元年の32,214円に比べ名目20.8%の増加、実質19.1%の増加となった。
 交通費は実質減少となったものの自動車関係費、通信費が大幅な増加となったことから全体として増加となった。

ク 教育

 1世帯当たり14,431円で、平成元年の12,238円に比べ名目17.9%の増加となったものの実質(−)6.7%の減少となった。

ケ 教養娯楽

 1世帯当たり32,206円で、教養娯楽用耐久財の大幅な実質増加により、平成元年の26,644円に比べ、名目20.9%増加、実質8.7%の増加となった。

コ その他の消費支出

 1世帯当たり134,117円で、平成元年の97,313円に比べ、名目37,8%増加となった。内訳をみると仕送り金が26.9%増加、交際費が9.5%増加、諸雑費が9.4%増加となった。(図3)

図3 1か月平均消費支出の費目別対前回実質増減率(全世帯)