行財政


 本県財政については、歳入では国の「経済・財政再生計画」において、平成30年度までに国・地方を通じた基礎的財政収支赤字の対GDP比マイナス1パーセントを達成するため、地方の歳出改革・効率化を図るとされた一方で、歳出では公債費や福祉・医療などの義務的経費が高い水準で推移しており、平成29年度においては、要調整額が約32億円となる見込みとなった。

 このため、平成29年度予算編成にあたっては、歳入の確保に努めるとともに、人件費の抑制、事務事業の徹底した見直し、マイナス・シーリングの設定等により、引き続き行財政改革に真摯に取り組む一方で、「とやま未来創生戦略2016」に基づき、人口減少に歯止めをかけ、将来にわたって持続的に活力を生み出すことのできる地域社会を構築し、本県の新たな未来を切り拓いていく施策を引き続きスピード感をもって講じるとともに、平成28年9月に策定した「富山県経済・文化長期ビジョン」を踏まえた施策や、本県の新たな総合計画の策定を見据えた施策についても、その着実な推進に向けて、積極的かつ戦略的に取り組んでいくこととした。

 まず、歳出については、本県における地方創生を引き続き推進するため、「とやま未来創生戦略推進枠」(概ね25億円)を設定し、「とやま未来創生戦略2016」に基づく人口減少対策や将来に向け持続的な地域活力創出を図る施策で、高い効果が見込めるものを盛り込むこととしたほか、新たに要求上限額を設けない「とやま新時代チャレンジ枠」を創設し、「富山県経済・文化長期ビジョン」に掲げる将来像や構想の実現に向けた施策で高い効果が見込まれるものや、北陸新幹線の開業により新時代を迎えた本県の新たな総合計画の策定を見据えたモデル的又は先行的な施策で「人が輝く 元気とやま」の創造のため高い効果が見込まれる施策を推進することとした。

 また、国の平成29年度当初予算に盛り込まれた「地方創生推進交付金」について、その積極的な活用を図り、本県の地方創生に向けた取組みをさらに推進することとした。

 歳入については、企業の収益動向等を踏まえて税収の見積もりを行うとともに、特定目的基金の活用、受益者負担の適正化等に取り組んだ。

 これらの結果、平成29年度一般会計予算は、総額では5,474億42百万円余となり、前年度比1.9%の減となったが、経済・産業の振興、雇用対策、子育て、教育、医療、福祉や公共事業・主要県単独建設事業等の政策経費(当然減※を除く)は、前年度比1.1%増となった。また、平成29年度末の県債残高見込みは、昨年度同様、前年度比で減少(△132億円)する見込みとなった。予算全体の姿としては、引き続き、人件費や新規発行県債の抑制など、「財政健全化」に留意しながら、地方創生や人口減少対策、未来を担う人づくりに向けて積極的に取り組む、「とやま新時代 県民活躍予算」としたところである。(※新幹線関連経費(並行在含む)、経済変動緊急融資、耐震化経費)

一般会計歳入・歳出予算額 (平成29年度)
5,474億4,188万円
 富山県財政課