農林・水産
≪農業≫
 
本県の農業は、古くから米を主体に発展しており、全国トップの水田率(95.6%:平成28年)、ほ場整備率(83.9%:平成27年)となっている。現在では農業産出額の約6割を占める米を中心に、野菜、花き、畜産などが行われている。また、担い手の育成や、組織の法人化、高性能農業機械の導入に伴う稲作の省力化が進みつつある。販売農家16,744戸(平成27年)のうち、兼業農家が83.8%を占め、全国平均(66.7%)を大きく上回っている。
 こうした状況の中、県では、平成19年に策定した「富山県農業・農村振興計画」を平成24年に改訂し、県民の「いのち」と「くらし」を支える元気な農業と魅力ある農村を目指して、(1)新鮮で安心な食の提供、(2)消費者の心をつかむ産品の育成、(3)次代につなぐ生産体制の構築、(4)魅力ある美しい農村空間の創造の4つを基本施策として総合的な対策を推進している。

≪林業≫
 本県の県土の3分の2を占める森林は、植生自然度本州一と評価され、この多種多様な動植物が生息・生育する豊かな森林は、木材の供給はもとより、水源の涵養や災害の防止のほか、二酸化炭素の吸収を通じて地球温暖化防止に貢献するなど、多面的な機能を発揮している。
 このため、県では、平成18年に「富山県森づくり条例」を制定し、平成19年度から「水と緑の森づくり税」を導入。現在、「富山県森づくりプラン後期計画」に沿って、里山林や混交林の整備による多様な森づくり、森林ボランティア活動への支援など、とやまの森を支える人づくりを進めている。
 また、平成24年に「富山県森林・林業振興計画」を改訂し、「豊かな森づくりと魅力ある林業の構築」を目指して、(1)多様な森づくりの推進、(2)県産材の安定供給体制の整備、(3)担い手の確保・育成、(4)森林の適正な管理と保全などの各施策に取り組んでいる。

≪水産業≫

 富山湾は、大陸棚が狭く急峻で 海底谷が複雑に発達した湾で、対馬暖流と日本海固有水(海洋深層水)がごく沿岸まで接近し、好漁場としての条件を備えている。このため、定置網漁業を主体とした沿岸漁業が盛んに行われている。しかし、漁業経営は魚価の低迷や水産資源の減少等により厳しい環境にあり、適切な資源管理とつくり育てる漁業の推進を目指した取り組みが展開されている。
   資料出所: 富山県統計調査課                    資料出所:北陸農政局富山地域センター