行財政

 本県財政については、歳入では国の「中期財政計画」において国・地方を通じた基礎的財政収支の改善のため地方財政を厳しく見直すこととされた一方で、歳出では公債費や福祉・医療などの義務的経費が高い水準で推移することなどから、財源不足が約58億円となる見込みとなった。
 このため、平成27年度予算編成にあたっては、歳入の確保に努めるとともに、人件費の抑制、事務事業の徹底した見直し、マイナス・シーリングの設定等により、引き続き行財政改革に真摯に取り組む一方で、北陸新幹線開業を大きな追い風として、将来の富山県の発展のために必要な施策を戦略的に展開していくこととした。
 また、地方創生や人口減少対策について、これまで進めてきた先駆的な施策を一層推進するほか、国の「日本再興戦略」への対応はもとより、ものづくりや農林水産業など県内産業の競争力を高め、県内経済の発展につながるような戦略的な施策についても引き続き積極的に取り組んでいくこととした。さらに、新・元気とやま創造計画の活力、未来、安心の3つの基本政策についても、その着実な推進に向けて、積極的かつ戦略的に取り組んでいくこととした。

 歳出については、要求上限枠を設けない歳出特別枠「とやまの未来創生戦略枠」を設定し、地方創生や人口減少対策に係る先駆的・効果的な施策や、新幹線開業効果活用対策、未来を担う人づくりなど、本県の新たな未来を切り拓いていくための戦略的な取組みに積極的に取り組んでいくほか、「産業成長戦略枠」(概ね10億円)により、県内産業の競争力強化に向けた県独自の戦略的な取組みを推進することとした。さらに、「新・元気とやま創造計画枠」(概ね20億円)を設け、新計画の重点戦略に位置付けられた事業に優先配分するとともに、各般の施策について、重点的に取り組んでいくこととした。
 また、国の平成26年度補正予算に盛り込まれた、「地域住民生活等緊急支援のための交付金」(消費喚起・生活支援型、地方創生先行型)のうち、地方創生先行型交付金については、地方創生に向けた本県の取組みを先行的に実施するため、平成27年度当初予算と実質一体のものとして活用することとした。

 歳入については、企業の収益動向等を踏まえて税収の見積もりを行うとともに、特定目的基金の活用、受益者負担の適正化等に取り組んだ。

 これらの結果、平成27年度一般会計予算は、総額では5,606億16百万円余となり、前年度比0.6%増で、2年連続の増額で平成14年度以来13年ぶりの高水準となった。また、経済・産業の振興、雇用対策、子育て、教育、医療、福祉や公共事業・主要県単独建設事業等の政策経費(当然減※を除く)は、前年度比1.7%増、平成26年度2月補正予算のうち平成27年度当初予算と一体として編成した国の地方創生先行型交付金活用事業を合わせると実質2.3%増となり、リーマンショック以降最大となった。予算全体の姿としては、人件費や新規発行県債の抑制など、引き続き、「財政再建」に留意しながら、新幹線開業を追い風に地方創生や人口減少対策に向けて積極的に取り組む、「とやま新時代 かがやき予算」としたところである。(※新幹線整備事業負担金、並行在来線関連経費、経済変動に係る緊急融資)

一般会計歳入・歳出予算額 (平成27年度)
5,606億1,636万円
 富山県財政課