農林・水産
≪農業≫本県の農業は、古くから米を主体に発展しており、全国屈指の水田率(96.0%:平成21年)、ほ場整備率(83.1%:平成21年度末)となっている。現在では農業産出額の72%を占める米を中心に、野菜、花き、畜産などが行われている。また、担い手の育成や、組織化の進展、高性能農業機械の導入に伴い、稲作の省力化が進む一方、販売農家31,463戸(平成17年)のうち、兼業農家が90.2%を占め、兼業農家率は全国平均(77.4%)を大きく上回っている。
 こうした状況の中、国では平成22年に「新たな食料・農業・農村基本計画」を策定した。本県においては、平成19年に、県民の「いのち」と「くらし」を支える元気な農業と魅力ある農村を目指す長期計画「富山県農業・農村振興計画」を策定し、(1)県民に新鮮で安心な食の提供、(2)消費者の心をつかむ産品の育成、(3)意欲ある担い手の育成と次代につなぐ生産体制の構築、(4)富山ならではの魅力ある美しい農村空間の創造の4つの基本施策を展開している。

≪林業≫森林は、県土の保全や水源のかん養のほか、木材生産を通じた循環型社会の構築や、地球温暖化防止のための二酸化炭素吸収源としての役割など多面的機能を発揮している。
 このため、県では、平成18年6月に制定した「富山県森づくり条例」と、同年10月に策定した「富山県森づくりプラン」に基づき、平成19年4月からは、水と緑の森づくり税を活用した里山の再生や森林ボランティア活動への支援など、県民全体で支える森づくりを進めている。
 また、平成20年3月には「富山県森林・林業振興計画」を策定し、「魅力ある林業の構築と健全な森づくり」を目標に、水と緑の森づくり税などを活用した「県民参加による多様な森づくりの推進」と、施業の集約化や流通の低コスト化、人材の育成など「魅力ある林業の構築」を重点対策として取り組んでいるほか、平成21年6月に設置した「富山県森林整備・林業再生基金」を活用して、地球温暖化対策となる間伐等の森林整備や、作業道等の路網整備、公共施設の木質化などの推進に努めている。

≪水産業≫
富山湾は、大陸棚が狭く急峻で 海底谷が複雑に発達した湾で、対馬暖流と日本海固有水(海洋深層水)がごく沿岸まで接近し、好漁場としての条件を備えている。このため、定置網漁業を主体とした沿岸漁業が盛んに行われている。しかし、漁業経営は魚価の低迷や水産資源の減少等により厳しい環境にあり、適切な資源管理とつくり育てる漁業の推進を目指した取り組みが展開されている。
富山県統計調査課