農林・水産

≪農業≫本県の農業は､古くから米を主体に発展しており、全国屈指の水田率（96.0％：平成16年）、ほ場整備率（82.0％：平成16年度末）となっている。現在では農業産出額の76%を占める米を中心に、野菜、花き、畜産などが行われている。また、組織化の進展や農業機械の普及に伴い､　稲作の省力化が進む一方、販売農家31,463戸（平成17年）のうち、兼業農家が 90.2％を占め、兼業農家率は全国平均（77.4％）を大きく上回っている。
　こうした状況の中、国では平成11年に「食料・農業・農村基本法」を制定した。平成13年には本県においても、21世紀初頭における農業の持続的発展と活力ある農村づくりを目指す長期計画「富山県農業・農村新世紀プラン」を策定し、(1)食をささえる産業としての農業の展開、(2)将来にわたって持続できる農業構造の確立 、(3)県民の生活空間として、住みやすく活力のある農村の創造の3つの基本方向に基づき、｢食と生活をささえる農業・農村｣を目指した施策を展開している。

≪林業≫森林は、県土の保全や水源かん養、自然とのふれあいを通じた潤いと安らぎの提供等のほか木材生産を通じた循環型社会の構築や、地球温暖化防止のための二酸化炭素吸収源としての役割など多様な公益的機能を発揮している。
　しかし、木材価格の低迷や、山村の過疎化、高齢化により適切に管理されない人工林の増加や里山の放棄等によるこれら公益的機能の低下が懸念されている。
　こうした中、国では森林・林業基本法を制定し、森林政策の基本方針を木材生産主体から森林の多様な機能の持続的発揮へと抜本的に見直された。県としても、平成13年策定「富山県森林・林業新世紀ビジョン」を踏まえ、間伐等の森林整備や林道網の整備、担い手の育成など生産性の高い森林・林業経営の実現や木材産業の振興、治山事業等を推進しているところである。
　また今後は、幅広い県民の参加よりこの豊かな「とやまの森」を守り、育てる取り組みも積極的に推進することとしている。

≪水産業≫富山湾は､大陸だなが狭く急峻で　海底谷が複雑に発達した湾で、対馬暖流と日本海固有水（海洋深層水）がごく沿岸まで接近し、好漁場としての条件を備えている。このため、定置網漁業を主体とした沿岸漁業が盛んに行われている。しかし、漁業経営は生産者価格の低迷や水産資源の減少等により厳しい環境にあり、適切な資源管理とつくり育てる漁業の推進を目指した取り組みが展開されている。

農家数の推移 資料出所：富山県統計調査課	専兼業別分類　全国との比較 資料出所：富山県統計調査課