農林・水産
≪農業≫

 
本県の農業は、全国屈指の水田率(95.4%:令和元年)、ほ場整備率(84.4%:平成30年)のもと、米を中心に、野菜、花き、畜産などがそれぞれの農家の技術や地域の特性を生かしながら展開されている。また、集落営農などの組織化・法人化等の推進により、認定農業者や集落営農組織は着実に増加するとともに、農地中間管理機構の活用で、担い手への農地集積は進展している。販売農家16,744戸(平成27年)のうち、兼業農家が83.8%を占め、全国平均(66.7%)を大きく上回っている。
 こうした状況の中、県では、農政の新たな基本指針となる「富山県農業・農村振興計画」を平成30年5月に策定し、将来にわたり発展する「競争力の高い農業」と「豊かで美しい農村」を実現するため、(1)消費者に求められる競争力ある農産物の生産、(2)農業経営の高度化・複合化と生産基盤づくり、(3)富山米新品種「富富富」など農産物のブランド力向上と販路の開拓・拡大、(4)豊かな資源を活用した魅力ある農村の創造、の4つを基本施策として総合的な対策を推進している。


≪林業≫

 本県の県土の3分の2を占める森林は、植生自然度本州一と評価され、この多種多様な動植物が生息・生育する豊かな森林は、木材の供給はもとより、水源の涵養や災害の防止のほか、二酸化炭素の吸収を通じて地球温暖化防止に貢献するなど、多面的な機能を発揮している。
 このため、県では、平成18年に「富山県森づくり条例」を制定し、「富山県森づくりプラン」に基づき、平成19年度に導入した「水と緑の森づくり税」を活用して、里山林や混交林の整備などを実施。平成29年度からは新たな森づくりプランに基づき、従来の取り組みに加え、新たに整備目標を定めて優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の植栽を進めるとともに、里山林の維持管理を応援する里山応援隊活動などに積極的に取り組んでいる。
 また、平成31年3月にに「富山県森林・林業振興計画」を改訂し、成熟期を迎えている人工林で、「伐って、使って、植えて、育てる」森林資源の循環利用を推進するため各施策に取り組んでいる。
 また、平成28年に「富山県県産材利用促進条例」を制定し、現在、「県産材の利用促進に関する基本計画」に沿って、県産材の需要拡大や安定供給体制の整備を進めている。


≪水産業≫


 富山湾は、大陸棚が狭く急峻で、海底谷が複雑に発達した湾で、対馬暖流と日本海固有水(海洋深層水)がごく沿岸まで接近し、好漁場としての条件を備えている。このため、定置網漁業を主体とした沿岸漁業が盛んに行われている。しかし、漁業経営は魚価の低迷や水産資源の大幅な変動等により厳しい環境にあり、適切な資源管理とつくり育てる漁業の推進を目指した取り組みが展開されている。



   資料出所:農林水産省、富山県統計調査課