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 6   立地環境特性 (小売業)


(1) 事業所数

事業所数は、商業集積地区が4,978事業所(構成比34.6%)と最も多く、次いで住宅地区が3,743事業所(同26.0%)、その他地区が3,639事業所(同25.3%)の順となっている。前回と比べるとオフィス街地区の前回比▲10.5%減、住宅地区の▲8.0%減など全ての地区で減少となった(表−24)。

 表−24   特性地区別の主要指標
 


【特性地区別区分の例示】
原則として都市計画法に基づき立地環境を区分しているが、例示は次のとおりである。
商業集積地区    概ね30店舗以上ある一つの商店街を一つの商業集積地区とする。また、ショッピングセンターや多事業所ビル(駅ビル、寄合百貨店等)は、一つの商業集積地区とする。
     駅周辺型      駅からおおむね100m以内の範囲の商店街(地下街も含む)。

         市街地型     駅から離れている繁華街やオフィス街などにある商店街。

         住宅地背景型     住宅地を背景にもつ地元商店街。近隣の住民が徒歩や自転車などで日用品などを購入する商店街。

         ロードサイド型   都市の中心部や住宅地から離れた郊外に立地し、自動車を交通手段とする客の多い複合ショッピングセンターやバイパス沿い商店街など。
          そ の 他       観光地、神社・仏閣周辺などにある商店街などが含まれる。

 オフィス街地区       上記商業集積地区(概ね30店舗以上の商店街)以外の商業地域。

 住宅地区       住宅の環境を守るための地区(小中学校や病院、大学、事務所、ホテルなども建築可能)。

 工業地区                 どんな工場でも建てられる地区(住宅や商店は建築可能だが、小中学校や病院、ホテルなどは建てられない)。

 その他地区         農漁山村地区。


(2) 従業者数 

従業者数は、商業集積地区が25,920人(構成比35.3%)と最も多く、次いで住宅地区が18,905人(同25.8%)、その他地区が16,128人(同22.0%)の順となっている。前回と比べるとオフィス街地区(前回比▲7.0%減)、住宅地区(同▲6.0%減)、工業地区(同▲6.0%減)など全地区で減少している(表−24)。

(3) 年間商品販売額

年間商品販売額は、商業集積地区が4,115億円(構成比34.6%)と最も高く、次いで住宅地区が2,766億円(同23.2%)、その他地区が2,660億円(同22.3%)の順となっている。前回と比べると工業地区で前回比3.5%増、その他地区で同0.1%増だったが、オフィス街地区(同▲17.9%減)などで減少となった(表−24)。

(4) 売場面積 

売場面積は、商業集積地区が711,035u(構成比43.7%)と最も多く、次いで住宅地区が352,149u(同21.7%)、その他地区が308,676u(同19.0%)の順となっている。前回と比べると、その他地区で前回比10.1%増、工業地区で同4.2%増、商業地区で同1.9%増だったが、住宅地区(同▲4.1%減)、オフィス街地区(同▲3.4%減)で減少し、全体としては1.9%増となった(表−24)。

(5) 1事業所当たりの売場面積 

小売業の1事業所当たりの売場面積(売場面積を持たない事業所を含む)は112.9uであり、工業地区の188.1u、次いで商業集積地区の142.8uなどとなっている。前回比をみると全ての地区で増加しており、その他地区が前回比18.4%増と最も伸び率が高かった(図−40)。

 図−40   1事業所当たりの売場面積の推移

   

: 売場面積を調査していない牛乳小売業、自動車(新車・中古)小売業、
建具(製造・非製造)小売業、畳(製造・非製造)小売業、ガソリンスタンド
及び新聞小売業並びに売場面積のない事業所の事業所数を含んだもので算出している。

なお、参考(16年)は、含まない値である。



(6) 単位当たりの年間商品販売額
@ 1事業所当たり年間商品販売額は、小売業平均で8,268万円、前回比2.6%の増加である。

これを地区別にみると、工業地区が18,514万円と最も高く、次に、商業集積地区が8,265万円、住宅地区が7,389万円などとなっている。前回比では、減少したのはオフィス街地区(前回比▲8.3%減)のみであった。その他地区は同7.6%増、また工業地区も同4.5%増と伸びており、商業集積地区(同0.8%増)及び住宅地区(同0.4%増)はほぼ横ばいであった(図−41、表−25)。



   表−25   特性地区別単位当たりの年間商品販売額

  注: 売場面積を調査していない牛乳小売業、自動車(新車・中古)小売業、

     建具(製造・非製造)小売業、畳(製造・非製造)小売業、ガソリンスタンド及び新聞小売業

     並びに売場面積のない事業所の販売額を含んだもので算出している。


   図−41  1事業所当たりの年間商品販売額と前回比



A 従業者1人当たりの年間販売額は、小売業平均で1,623万円、前回とほぼ同額である(前回比

 0.2%増)。これを地区別にみると、工業地区が2,353万円と最も高く、次いで、その他地区が1,650

 万円、商業集積地区が1,587万円と続く。前回比をみると、オフィス街地区で前回比▲11.8%減となっ

 たものの、工業地区の同10.1%増などにより、全体で同0.2%とほぼ前年並みの数値となった(表−

 25)。

B 売場面積1u当たりの年間販売額は、小売業平均で73万円である。これを地区別にみると、オフィス街地区が83万円、次いで住宅地区が79万円、商業集積地区が58万円と続いている。

 前回比では、オフィス街地区の前回比▲14.4%減など全ての地区で減少した(表−25)。

(7) 大規模小売店舗       

@ 大規模小売店舗数

大規模小売店舗数は、168店舗で、前回に比べ23店舗減少(対前回比▲12.0%減)となった。

店舗面積規模別に構成比をみると、最も多いのは1,000uを超え2,000u未満(82店舗、構成比48.8%)で、次に2,000u以上5,000u未満(59店舗、同35.1%)が続き、両者で全体の83.9%を占める。前回比では、1,000uを超え2,000u未満の前回比15.5%増以外は減少であった(表−26)。



   表−26 大店舗数と大店舗内事業所の事業所数、年間商品販売額等     (エクセル形式)
  
                                           (表−26は上をクリックしてご覧下さい)


A 大規模小売店舗内小売事業所

(@) 事業所数

  大規模小売店舗内小売事業所(以下、「大店舗内事業所」という。)数は、1,427事業所で、小売業全体に占める割合は、9.9%である(表−26、図-42)。 

地区別にみると、商業集積地区が1,082事業所と最も多い。なかでもロードサイド型商業集積地区は638事業所で前回調査の566事業所から72事業所増加し、大店舗内事業所全体の44.7%を占めている。次いで駅周辺型商業集積地区が238事業所、市街地型商業集積地区が160事業所となっている(表−29)。ロードサイド型商業集積地区での事業所の増加は、近年、郊外に広い駐車場と売場面積を持つ大店舗が新設されている状況を裏付けている。

店舗面積規模別に構成比をみると、最も多いのは10,000u以上の43.6%、次に2,000〜5,000uの23.1%、5,000〜10,000uの22.8%となっており、5,000u以上が大店舗内事業所全体の66.4%を占めた(図−43、表−26)。

前回比をみると、全体では▲1.3%減の減少となっており、5,000u未満で67事業所が減少している。逆に、10,000u以上では、47事業所の増加となっている(表−26)。

   (A)  就業者数

大店舗内事業所の就業者数は、19,062人で、小売業全体の24.5%を占めている(図−42、表-27)。 

地区別にみると、商業集積地区が12,707人と最も多い。なかでもロードサイド型商業集積地区が7,438人と、大店舗内事業所全体の39.0%を占めている(表−27)。

また、店舗面積規模別従業者数の構成比をみると、最も多いのは10,000u以上の42.9%、次に2,000〜5,000uの24.0%、5,000〜10,000uの21.4%となっており、5,000u以上が大店舗内事業所全体の64.3%を占めた(図−43、表-26)。

   (B)  年間商品販売額

大店舗内事業所の年間商品販売額は3,660億円で、小売業全体に占める割合は、30.7%となっている(図−42、表-26)。 

地区別にみると、商業集積地区が2,298億円と最も多く、なかでもロードサイド型商業集積地区が1,395億円と、大店舗内事業所全体の38.1%を占めている(表−27)。

店舗面積規模別に構成比をみると、最も多いのは10,000u以上の41.1%、次に2,000〜5,000uの26.9%、5,000〜10,000uの19.0%となっており、5,000u以上が大店舗内事業所全体の60.1%を占めた(図−43、表−26)。

前回比では、5,000u未満での減少、5,000u以上での増加と2分されている。特に、1,000uを超え2,000u未満では、55億3千9百万円の減少(前回比▲10.4%減)となった(表−26)。

(C)  売場面積

大店舗内事業所の売場面積は713,686uで、前回の682,286uを31,400u上回り、小売業全体では、43.9%を占める(図−42、表−26)。

地区別にみると、商業集積地区が424,328uと最も多く、なかでもロードサイド型商業集積地区が 265,307uと、大店舗内事業所全体の37.2%を占めている(表−27)。



表−27 大店舗内事業所と大店舗以外の事業所数等     (エクセル形式)

                               (表−27は上をクリックしてご覧ください)


(D)  販売効率(大店舗外事業所との比較)

1事業所当たりの年間商品販売額を大店舗内と大規模小売店舗の外にある小売事業所(以下、「大店舗外事業所」という。)で比較してみると、大店舗内事業所は2億5,647万円、大店舗外事業所は6,357万円で、大店舗内事業所は大店舗外事業所の4.0倍となっている。従業者1人当たりの年間商品販売額でも大店舗内事業所は2,113万円、大店舗外事業所は1,472万円と、大店舗内事業所の方が高い。一方、売場面積1u当たりの年間商品販売額では大店舗内事業所は51万円、大店舗外事業所は52万円とほぼ同額である(表−27)。

 大店舗内事業所の販売効率を地区別にみると、1事業所当たりの年間商品販売額は工業地区が4億8,269万円と最も高く、次いでその他地区が4億8,151万円、住宅地区が3億9,750万円となっている。就業者1人当たりの年間商品販売額では工業地区が2,604万円と最も高く、次いで住宅地区が2,153万円、オフィス街地区が2,040万円となっている。売場面積1u当たりの年間商品販売額ではオフィス街地区の82万円が最も高い。

大店舗外事業所の販売効率を地区別にみると、1事業所当たりの年間商品販売額は工業地区が1億6,306万円と最も高く、就業者1人当たりの年間商品販売額においても工業地区が2,179万円と最も高い。売場面積1u当たりの年間商品販売額では商業集積地区の駅周辺型商業集積地区が61万円と最も高く、次に工業地区の60万円が続く(表−27)。



            図−42  小売業全体に占める大規模小売店舗内事業所の割合



           図−43  大規模小売店舗内事業所の店舗面積規模別構成比







                 
                 



                           
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