統計情報ライブラリー/産業
 6  立地環境特性(小売業)

 

 

 

(1) 事業所数 ―シェアは小さいがオフィス街地区、工業地区で増加―

事業所数は、商業集積地区が5,285事業所(前回比▲12.6%減)と最も多く、次いで住宅地区が4,070事業所(同▲20.4%減)、その他地区が3,914事業所(同▲12.5%減)の順となっている。前回と比べるとオフィス街地区、工業地区では増加しているが、商業集積地区、住宅地区、その他地区では減少している。

構成比をみると、商業集積地区が34.2%、住宅地区が26.3%、その他地区が25.3%となっている。

 


 【特性地区別区分の例示】

  原則として、都市計画法に基づき立地環境を区分しているが、例示は次のとおりである。


   

(2) 従業者数 ―オフィス街地区、工業地区で増加―

注:立地環境特性については、就業者数に関する平成11年のデータがないため、従業者数で算出し、比較している。

従業者数は、商業集積地区が26,819人(前回比▲4.4%減)と最も多く、次いで住宅地区が20,106人(同▲18.0%減)、その他地区が16,711人(同▲4.5%減)の順となっている。前回と比べるとオフィス街地区、工業地区は増加したものの、商業集積地区、住宅地区、その他地区は減少している。

構成比をみると、商業集積地区が34.9%、住宅地区が26.1%、その他地区が21.7%となっている(表−26)。

 

(3) 年間商品販売額 ―商業集積地区、住宅地区、その他地区で減少―

年間商品販売額は、商業集積地区が4,334億円(前回比▲8.0%減)と最も高く、次いで住宅地区が2,997億円(同▲22.1%減)、その他地区が2,659億円(同▲16.5%減)の順となっている。前回と比べるとオフィス街地区、工業地区は増加したものの、商業集積地区、住宅地区、その他地区は減少している。

構成比をみると、商業集積地区が34.8%、住宅地区が24.1%、その他地区が21.4%となっている(表−26)。

 

(4) 売場面積 ―住宅地区を除くすべての地区で増加―

売場面積は、商業集積地区が697,774u(前回比10.3%増)と最も多く、次いで住宅地区が367,238u(同▲14.2%減)、その他地区が280,296u(同2.2%増)の順となっている。前回と比べると住宅地区は減少したが、商業集積地区、オフィス街地区、工業地区、その他地区で増加している。

構成比をみると、商業集積地区が43.7%と売場面積の4割以上を占めている(表−26)。

 

(5) 1事業所当たりの売場面積 −工業地区、住宅地区で増加−

小売業の1事業所当たりの売場面積は103u、前回比19.8%の増加となった。これを地区別にみると、工業地区が179u(前回比37.7%増)と前回に引き続き拡大した。次いで商業集積地区が132u(同25.7%増)となっており、小売業平均の103uを上回り、事業所の大型化がみられる(図−43)。

 

    図−43   1事業所当たりの売場面積の推移

 

(6) 単位当たりの年間商品販売額   ―売場面積当たり年間商品販売額は全地区で減少―

@1事業所当たり年間商品販売額は、小売業平均で8,055万円、前回比4.7%の増加となった。

これを地区別にみると、工業地区が17,713万円(同24.6%増)と最も高く、次に、商業集積地区が8,200万円(同5.2%増)、住宅地区が7,363万円(同▲2.2%減)、オフィス街地区が6,547万円(同20.8%増)となっている(表−27、図−45)。

       

表−27    特性地区別単位当たりの年間商品販売額

 

注1:年間商品販売額には、従業者のいない事業所の販売額を含んでいる。

注2:売場面積を調査していない牛乳小売業、自動車(新車・中古)小売業、建具(製造・非製造)小売業、畳(製造・非製造)小売業、ガソリンスタンド及び新聞小売業並びに売場面積のない事業所の販売額を含んだもので算出している。 

         図−45  1事業所当たりの年間商品販売額と前回比

 

A従業者1人当たりの年間販売額は、小売業平均で1,619万円、前回比▲4.0%の減少となった。

これを地区別にみると、工業地区が2,137万円(同4.4%増)と最も高く、次いで、商業集積地区が1,616万円(同▲3.8%減)、その他地区が1,591万円(同▲12.5%減)となっている(表−27)。

B売場面積1u当たりの年間販売額は、小売業平均で78万円、前回比▲12.9%の減少となった。

これを地区別にみると、工業地区が99万円(同▲9.5%減)と最も高く、次いでオフィス街地区が97万円(同▲5.4%減)、その他地区が95万円(同▲18.3%減)となっており、すべての地区で減少となった(表−27)。 

 

(7) 大規模小売店舗

平成12年6月1日に、従来の「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律」(以下、「大店法」という。)が廃止され、新たに「大規模小売店舗立地法」(以下、「大店立地法」という。)が制定されたことにより、大規模小売店舗の概念が以下のとおり変更となった。



@大規模小売店舗数

大規模小売店舗数は、191店舗(平成11年調査で1,000u以上181店舗)と、増加している。

店舗面積規模別に構成比をみると、最も多いのは2,000u以上5,000u未満の37.7%、次に1,000uを超え2,000u未満の37.2%、5,000〜10,000uの14.1%となっている。(表−28)。

 

表−28   大店舗数と大店舗内事業所の事業所数、年間商品販売額等

  注: 従業者1人当たりの年間商品販売額は、「パート・アルバイト」を8時間換算値で算出している。

 

A大規模小売店舗内小売事業所

(@) 事業所数

  大規模小売店舗内小売事業所(以下、「大店舗内事業所」という。)数は、1,446事業所となり、小売業全体に占める割合は、9.4%を占めている(表−28、図-46)。

地区別にみると、商業集積地区が1,075事業所と最も多く、なかでもロードサイド型商業集積地区が566事業所と、大店舗内事業所全体の39.1%を占めている。次いで駅周辺型商業集積地区が257事業所、市街地型商業集積地区が196事業所の順となっている(表−29)。ロードサイド型商業集積地区での事業所の増加は、近年、郊外に大きな駐車場と、売場面積を持つ大店舗が新設されている状況を裏付けている。

店舗面積規模別に構成比をみると、最も多いのは10,000u以上の39.8%、次に2,000〜5,000uの26.1%、5,000〜10,000uの22.5%となっており、5,000u以上が大店舗内事業所全体の6割強を占めた(表−28、図-47)。

   (A)  就業者数

大店舗内事業所の就業者数は、18,245人と増加が続き、小売業全体では22.8%を占めている(表−29、図-46)。

地区別にみると、商業集積地区が11,837人と最も多く、なかでもロードサイド型商業集積地区が6,352人と、大店舗内事業所全体の34.8%を占めている(表−29)。

なお、店舗面積規模別従業者数(規模別就業者のデータがない)の構成比をみると、最も多いのは10,000u以上の39.7%、次に2,000〜5,000uの25.8%、5,000〜10,000uの21.3%となっており、5,000u以上が大店舗内事業所全体の6割強を占めた(表−28、図-47)。

   (B)  年間商品販売額

大店舗内事業所の年間商品販売額は、3,702億円となり、小売業全体に占める割合は、29.7%となった(表−28、図-46)。 

地区別にみると、商業集積地区が2,299億円と最も多く、なかでもロードサイド型商業集積地区が1,270億円と、大店舗内事業所全体の34.3%を占めている(表−29)。

店舗面積規模別に構成比をみると、最も多いのは10,000u以上の40.3%、次に2,000〜5,000uの27.5%、5,000〜10,000uの17.9%となっており、5,000u以上が大店舗内事業所全体の6割弱を占めた(表−28、図-47)。

(C)  売場面積

大店舗内事業所の売場面積は、682,286uと拡大傾向が続いており、小売業全体では、42.8%を占めた(表−28、図-46)。

地区別にみると、商業集積地区が398,878uと最も多く、なかでもロードサイド型商業集積地区が 228,280uと、大店舗内事業所全体の33.5%を占めている(表−29)。

表−29   大店舗内事業所と大店舗以外の事業所数等

 

(D)  販売効率(大店舗外事業所との比較)

1事業所当たりの年間商品販売額を大店舗内と大規模小売店舗の外にある小売事業所(以下、「大店舗外事業所」という。)で比較してみると、大店舗内事業所は2億5,600万円、大店舗外事業所は6,244万円で、大店舗内事業所は大店舗外事業所の4.1倍となっている。従業者1人当たりの年間商品販売額でも大店舗内事業所は2,853万円、大店舗外事業所は1,721万円と、大店舗内事業所が上回っているが、売場面積1u当たりの年間商品販売額では大店舗内事業所は54万円、大店舗外事業所は56万円で、大店舗外事業所の方が上回っている(表−29)。

大店舗内事業所の販売効率を地区別にみると、1事業所当たりの年間商品販売額は工業地区が4億7,636万円と最も高く、次いでその他地区が4億4,872万円、住宅地区が3億8,612万円となっている。就業者1人当たりの年間商品販売額では住宅地区が3,097万円と最も高く、次いで工業地区が3,014万円、オフィス街地区が2,830万円となっている。売場面積1u当たりの年間商品販売額ではオフィス街地区の75万円が最も高い。

大店舗外事業所の販売効率を地区別にみると、1事業所当たりの年間商品販売額は工業地区が1億5,365万円と最も高く、就業者1人当たりの年間商品販売額では商業集積地区(ロードサイド型)が2,336万円と最も高い。売場面積1u当たりの年間商品販売額ではオフィス街地区及び工業地区の63万円が最も高くなっている(表−29)。

 

            図−46  小売業全体に占める大規模小売店舗内事業所の割合

          

               図−47  大規模小売店舗内事業所の店舗面積規模別構成比