統計情報ライブラリー/産業
 2   卸 売 業   −事業所数、就業者数、年間商品販売額すべて減少−

 



 

 

(1)   事 業 所 数

事業所数は3,513事業所で、前回に比べ422事業所(前回比▲10.7%減)の減少となった。

@業種別にみると、食料・飲料卸売業416事業所(構成比11.8%)、建築材料卸売業410事業所(同11.7%)、一般機械器具卸売業366事業所(同10.4%)の順となっている(図−3、表−14)。

A前回比をみると、鉱物・金属材料卸売業が7.1%増加するなど、16業種(小分類)のうち3業種で増加したが、繊維品卸売業で▲46.8%、各種商品卸売業で▲45.8%減少するなど13業種で減少となった(図−2)。

B従業者規模別では、2人以下規模が839事業所(構成比23.9%)、3〜4人規模が808事業所(同23.0%)、5〜9人規模が1,008事業所(同28.7%)と、9人以下の事業所が卸売業全体の75.6%を占めている(図−9、表−15)。  (注:就業者ベースでの規模別集計はしていない。)

C経営組織別では、法人事業所2,591事業所、個人事業所922事業所で、法人事業所が73.8%を占めている(表−16)。

   図−2  業種別にみた事業所数の前回比

 

   

 図−3  事業所数の業種別構成比

 

(2) 就 業 者 数

就業者数は31,912人で、前回に比べ4,544人(前回比▲12.5%減)の大幅な減少となった。

(従業者数は31,094人で、前回に比べ4,525人(前回比▲12.7%減)の大幅な減少。)

@業種別に構成比をみると、食料・飲料卸売業4,729人(構成比14.8%)、建築材料卸売業3,406人(同10.7%)、農畜産物・水産物卸売業3,220人(同10.1%)の順となっている(図−5、表−14)。

A前回比をみると、鉱物・金属材料卸売業で5.7%増加したが、各種商品卸売業で▲65.2%減少するなど15業種で減少となった(図−4)。

B経営組織別では、法人事業所28,879人、個人事業所3,033人で、法人事業所が卸売業全体の9割を占めている(表−16)。

C就業者数全体に占める割合では、常用雇用者中の正社員・正職員の割合が2.8ポイント減少し、パート・アルバイト等が1ポイント増となった。また臨時雇用者及び出向・派遣受入者は818人で、就業者全体に占める割合は2.6%となっており、前回の2.3%から微増している(表−3)。

就業者数の中のパート・アルバイト等の数は4,155人(構成比13.0%)であり、8時間換算雇用者数(今回新規調査項目)は、3,125人と、卸売業におけるパート・アルバイト等の1日当たりの平均労働時間は6.0時間になった(全国6.2時間)(表−3)。

  

 図−4  業種別に見た就業者数の前回比

 

    

図−5  就業者数の業種別構成比

 

 

図−6  臨時雇用者・出向派遣受入者の業種別構成比

 

表−3  卸売業の就業者数内訳

 

(3) 年間商品販売額

年間商品販売額は2兆602億円で、前回調査に比べ5,091億円(前回比▲19.8%減)の減少し、平成6年調査から4調査連続の減少となった。

@業種別に構成比をみると、鉱物・金属材料卸売業 3,502億円(構成比17.0%)、食料・飲料卸売業 2,732億円(同13.3%)、電気機械器具卸売業 2,724億円(同13.2%)の順となった(図−8、表−14)。

A前回比をみると、農畜産物・水産物卸売業で、▲46.6%減少するなど、13の業種で減少となったが、これは、消費の低迷や卸売価格の低下に加え、企業の組織再編、本社への機能集中等中間流通コスト削減が進んだものと考えられる(図−7)。

B従業者規模別にみると、5〜9人規模が4,728億円(構成比22.9%)と最も多いが、10〜19人規模が4,558億円(同22.1%) 、20〜29人規模が2,803億円(同13.6%)、30〜49人規模が2,653億円(同12.9%)、50〜99人規模が2,895億円(同14.1%)、100人以上が969億円(同4.7%)と10人以上の事業所で67.4%を占めている。(図−9、表−15)。(注:就業者ベースでの規模別集計はしていない)。

C経営組織別では、法人事業所が2兆129億円、個人事業所が473億円で、法人事業所が97.7% を占めている(表−16)。

 

 図−7  業種別にみた年間商品販売額の前回比 

 

図−8  年間商品販売額の業種別構成比 


図−9   卸売業事業所の従業者規模別構成比

 注:就業者ベースでの規模別集計はしていない。


(4) 販 売 効 率

@1事業所当たりの年間商品販売額は5億8,646万円(前回比▲10.2%減)と2ケタの減少となった(表−14)。

(@) 業種別にみると、鉱物・金属材料卸売業が17億8,683万円と最も大きく、次いで電気機械器具卸売業の13億2,862万円、化学製品卸売業の7億3,910万円などとなっている(図−10、表−14)。

(A) 前回比をみると、医薬品・化粧品等卸売業(前回比38.9%増)、再生資源卸売業(同13.0%増)、電気機械器具卸売業(同5.9%増)など7業種で増加となったが、各種商品卸売業(前回比▲86.2%減)農畜産物・水産物卸売業(同▲38.0%減)、自動車卸売業(同▲35.6%減)衣服・身の回り品卸売業(同▲24.6%減)など9業種で減少となった(表−14)。

A就業者1人当たりの年間商品販売額は6,456万円で▲8.4%の減少となった(表−14)。

(@) 業種別にみると、鉱物・金属材料卸売業が最も大きく1億5,476万円、次いで電気機械器具卸売業の1億1,531万円、化学製品卸売業の8,793万円などとなっている(図−10、表−14)。

(A) 前回比をみると、電気機械器具卸売業(前回比10.9%増)、医薬品・化粧品等卸売業(同8.6%増)化学製品卸売業(同8.1%増)など6業種で増加となったが、各種商品卸売業(前回比▲78.5%)、農畜産物・水産物卸売業(同▲33.7%)、繊維品卸売業(同▲23.4%減)など9業種で減少となった(表−14)。

           図−10  卸売業の業種別単位当たりの年間商品販売額

             

(5) 商品手持額 

@商品手持額は1,223億円で、業種別にみると電気機械器具卸売業が229億円で最も多く、次いで鉱物・金属材料卸売業が225億円、他に分類されない卸売業が144億円となっている。

A1事業所当たりの商品手持額は3,482万円で、業種別にみると鉱物・金属材料卸売業が1億1,472万円で最も多く、次いで電気機械器具卸売業が1億1,151万円、各種商品卸売業が4,996万円となっている。

B商品回転率(年間商品販売額/商品手持額)は、16.8回(1回転期間22日)で、業種別にみると食料・飲料卸売業が42.4回で最も多く、次いで農畜産物・水産物卸売業が38.8回、化学製品卸売業が29.8回となっている(表−4、図−11)。 

 

表−4   卸売業の商品手持額及び回転率

 

 

図−11   産業分類別の年間商品回転率

  

 

(6) 年間商品販売額の販売方法別割合

  @卸売業の販売方法別割合をみると、信用販売が構成比89.5%と大半を占め、現金販売は1割強である。信用販売の前回比(平成9年調査(注))は▲1.1ポイント減となった(表-5)。

   注: 平成11年調査(簡易調査)では、「販売方法別割合」を調査していないため、平成9年が前回調   査となる。

A業種別にみると、総合商社が含まれる各種商品卸売業(構成比95.5%)、化学製品卸売業(構成比94.5%)など、法人事業所が多い業種では信用販売の割合が高く、個人事業所が多い再生資源卸売業では現金販売の割合が46.6%と、他の業種に比べ大きくなっている(表-5)。

表−5      卸売業の業種別・販売方法別年間商品販売額構成比

 

 

(7) 商品の流通(法人事業所)

 @ 商品仕入先別割合

(@) 商品の仕入先別割合は本支店間移動が35.1%と最も多く、次いで卸売業者・その他が33.4%、生産業者が30.6%の順となっている。

(A) 業種別にみると、本支店間移動での仕入割合の高いのは、電気機械器具卸売業62.4%、医薬品・化粧品等卸売業46.8%などとなっている。生産業者からの仕入割合の高いのは、家具・建具・じゅう器など47.2%、衣服・身の回り品卸売業46.8%などとなっている。卸売業・その他からの仕入割合が高いのは、繊維品卸売業91.5%、再生資源卸売業71.0%などとなっている(表−6)。

 A 商品販売先別割合

(@) 商品の販売先別割合は小売業者34.7%と最も多く、次いで卸売業者30.9%、産業用使用者30.7%の順となっている。

(A) 業種別にみると、小売業者への販売割合が高いのは、食料・飲料卸売業77.7%、農畜産物・水産物卸売業61.1%などとなっている。卸売業者への販売割合が高いのは、繊維品卸売業66.5%、電気機械器具卸売業44.4%などとなっている。産業用使用者への販売割合が高いのは、各種商品卸売業77.3%、再生資源卸売業74.8%などとなっている (表-6)。

(B) いわゆるW/W比率(「卸売業全体の販売額」から「本支店間移動」を除いた値を「卸売業者向け以外の販売額」で除した値。この値が1に近いほど卸売業者間の取引回数が少ない。)は、前回調査(平成9年)と比べて大きく減少しており、流通経路の短縮化傾向が続いている(図−12)。

注: W/W比率=(卸売販売額−本支店間移動)/(卸売業者向け以外(小売業者向け販売額+産業用使用者向け販売額+国外(直接輸出)向け販売額+消費者向け販売額))                (W=Wholesale)

平成11年調査(簡易調査)では、「W/W比率」を調査していないため、平成9年が前回調査となる。

 

表−6       卸売業の仕入先別・販売先別割合

 

 図−12  卸売業の販売先別年間商品販売額とW/W比率の推移