統計情報ライブラリー/産業商業統計調査
業態別(小売業)

 

1.商店数   ―増加が続く専門スーパー、コンビニエンスストアの終日営業店―


  
・ 商店数が最も多いのは、専門店の11,248店(小売業に占める構成比66.4%)であり、その内訳は住関連専門店が小売業に占める構成比41.3%、食料品専門店が同16.4%、衣料品専門店が同8.7%となっている。次に商店数が多いのは、中心店の4,126店(同24.3%)で、内訳では住関連中心店が同9.5%、食料品中心店が同9.4%、衣料品中心店が同5.4%となっている。専門店・中心店(非セルフ方式)の2業態で小売業全体の9割を占めているが、いずれも住関連店が多く小売業の半数(小売業に占める割合50.8%)が住関連店である。
 また、その他のスーパーは654店(同3.9%)、専門スーパーは493店(同2.9%)、コ ンビニエンス・ストア(以下、「コンビニ」という)は346店(同5.0%)となっているが、その他の小売店、総合スーパー、百貨店の商店数はごくわずかである(表−5)。
・ 商店数の前回比を見ると、専門スーパー(前回比18.4%増)、その他の小売店(同21.2%増)が増加したが、中心店(同▲14.3%減)、その他のスーパー(同▲6.7%減)などほとんどの業態で減少となっている。また、コンビニのうち終日営業店(同28.1%増)、専門スーパーのうち住関連スーパー(同46.6%増)、衣料品スーパー(同35.5%増)は2桁台の増加と、好調が続いている(表−5、図−22)。

表−5 小売業の業態別の商店数


業態別 商店数(店)
平成11年 平成9年 構成比 前回比
平成11年 平成9年 11年/9年
小売業計 16,947 16,091 100.0 100.0 ▲ 7.6
百貨店 3 3 0.0 0.0 ▲ 33.3
総合スーパー 12 13 0.1 0.1 ▲ 7.7
専門スーパー 493 397 2.9 2.5 18.4
衣料品スーパー 86 63 0.5 0.4 35.5
食料品スーパー 222 218 1.3 1.4 ▲ 1.4
住関連スーパー 185 116 1.1 0.7 46.6
コンビニエンスストア 346 350 2.0 2.2 ▲ 6.9
うち終日営業店 180 128 1.1 0.8 28.1
その他のスーパー 654 671 3.9 4.2 ▲ 6.7
専門店 11,248 9,729 66.4 60.5 ▲ 5.7
衣料品専門店 1,473 1,415 8.7 8.8 ▲ 2.2
食料品専門店 2,780 2,678 16.4 16.6 ▲ 3.1
住関連専門店 6,995 5,636 41.3 35.0 ▲ 7.8
中心店 4,126 4,887 24.3 30.4 ▲ 14.3
衣料品中心店 921 1,086 5.4 6.7 ▲ 16.4
食料品中心店 1,593 1,692 9.4 10.5 ▲ 7.7
住関連中心店 1,612 2,109 9.5 13.1 ▲ 19.1
その他の小売店 65 41 0.4 0.3 21.2
(注)平成11年調査において事業所の捕捉を行っており、前回比については時系列を考慮したもので算出している。

 
 

図−22 コンビニエンス・ストアの商店数、従業者数、年間販売額の推移

2.従業者数  ―専門店、専門スーパーなどで増加―
・ 従業者数が最も多いのは、専門店の42,849人(小売業全体に占める構成比55.4%)で、内訳は住関連店が28,063人(構成比36.3%)、食料品店が10,852人(同14.0%)、衣料品店が3,934人(同5.1%)であった。次に多いのは中心店の13,945人(同18.0%)で、内訳は住関連店が5,999人(構成比7.8%)、食料品店が4,947人(同6.4%)、衣料品店が2,999人(同3.9%)であった(表−6、図−23)。
・ 前回比をみると、専門スーパー(前回比31.6%増)、コンビニ(同24.2%増)、総合スーパー(同10.3%増)は大幅に増加している。なかでもコンビニの終日営業店が64.9%増と大きく伸びている。また一方、その他の小売店(同▲22.1%減)、中心店(同▲12.0%減)は2桁の減少となっている。商店数の増加している業態は従業者数も増加しており、大型化が進んでいる専門スーパー、消費者のライフスタイルの多様化に対応し終日営業化したコンビニの従業者数が大幅に伸びている(表−6)。

表−6 小売業の業態別の従業者数(構成比、前回比)


業態別 従業者数(人)
平成11年 平成9年 構成比 前回比
平成11年 平成9年 11年/9年
小売業計 77,298 70,476 100.0 100.0 1.5
百貨店 831 897 1.1 1.3 ▲ 29.4
総合スーパー 2,107 1,911 2.7 2.7 10.3
専門スーパー 10,834 7,919 14.0 11.2 31.6
衣料品スーパー 796 593 1.0 0.8 32.9
食料品スーパー 7,494 5,958 9.7 8.5 22.7
住関連スーパー 2,544 1,368 3.3 1.9 69.3
コンビニエンスストア 3,657 2,736 4.7 3.9 24.2
うち終日営業店 2,375 1,318 3.1 1.9 64.9
その他のスーパー 2,832 2,885 3.7 4.1 ▲ 6.0
専門店 42,849 36,834 55.4 52.3 0.1
衣料品専門店 3,934 3,819 5.1 5.4 ▲ 3.1
食料品専門店 10,852 9,678 14.0 13.7 6.1
住関連専門店 28,063 23,337 36.3 33.1 ▲ 1.7
中心店 13,945 17,088 18.0 24.2 ▲ 12.0
衣料品中心店 2,999 3,110 3.9 4.4 ▲ 5.0
食料品中心店 4,947 4,998 6.4 7.1 ▲ 3.8
住関連中心店 5,999 8,980 7.8 12.7 ▲ 20.5
その他の小売店 243 206 0.3 0.3 ▲ 22.1
(注)平成11年調査において事業所の捕捉を行っており、前回比については時系列を考慮したもので算出している。

図−23 従業者数の推移

3.年間販売額  ―専門スーパー、コンビニの終日営業店が増加―
    
・ 年間販売額が多いのは、専門店の6,138億円(小売業全体に占める構成比47.1%)、専門スーパーの2,633億円(同20.2%)、中心店の2,268億円(同17.4%)で、この3業態で小売業の8割強を占めている(表−7、図−25)。
・ 前回比をみると、専門スーパー(前回比11.1%増)、コンビニの終日営業店(同31.1%増)が増加、一方中心店(同▲21.2%減)、専門店(同▲14.6%減)など他の業態は減少となっている。それぞれの業態の内訳をみると、専門スーパーでは食料品店が微増となったものの、住関連店が5割弱の増加、衣料品店が2割強の増加となっている。小売業全体の年間販売額が減少するなかで、専門スーパー、コンビニの終日営業店の増加が続いている(表−7、図−24)。
 
 

表−7 小売業の業態別の年間販売額(構成比、前回比)

業態別
年間販売額(百万円)
平成11年 平成9年 構成比 前回比
平成11年 平成9年 11年/9年
小売業計 1,303,140 1,376,267 100.0 100.0 ▲ 11.6
百貨店 43,352 47,828 3.3 3.5 ▲ 33.9
総合スーパー 58,224 62,679 4.5 4.6 ▲ 7.1
専門スーパー 263,344 227,408 20.2 16.5 11.1
衣料品スーパー 18,792 15,235 1.4 1.1 22.4
食料品スーパー 174,555 168,501 13.4 12.2 1.0
住関連スーパー 69,997 43,673 5.4 3.2 45.4
コンビニエンスストア 44,591 42,818 3.4 3.1 ▲ 3.1
うち終日営業店 26,180 18,082 2.0 1.3 31.1
その他のスーパー 47,916 53,353 3.7 3.9 ▲ 12.4
専門店 613,846 591,823 47.1 43.0 ▲ 14.6
衣料品専門店 54,181 61,942 4.2 4.5 ▲ 16.8
食料品専門店 95,185 95,045 7.3 6.9 ▲ 5.4
住関連専門店 464,481 434,836 35.6 31.6 ▲ 16.1
中心店 226,796 346,850 17.4 25.2 ▲ 21.2
衣料品中心店 38,963 47,301 3.0 3.4 ▲ 19.1
食料品中心店 64,465 71,631 4.9 5.2 ▲ 12.6
住関連中心店 123,368 227,918 9.5 16.6 ▲ 25.5
その他の小売店 5,072 3,508 0.4 0.3 ▲ 11.3
(注)平成11年調査において事業所の捕捉を行っており、前回比については時系列を考慮したもので算出している。

図−24 指数で見た年間販売額の推移 


 

図−25 業態別年間販売額の割合
















4.売場面積  ―専門スーパー、コンビニの終日営業店で拡大―



・ 売場面積が最も多いのは、専門店の560,495u(小売業全体に占める構成比38.5%)で、内訳をみると住関連店が356,293u(構成比24.5%)、衣料品店が107,065u(同7.4%)、食料品店が97,137u(同6.7%)であった。次に多いのは専門スーパーの373,154u(同25.7%)で、内訳は食料品店が158,525u(同10.9%)、住関連店が156,015u(同10.7%)、衣料品店が58,614u(同4.0%)であった(表−8、図−26)。
・ 前回比をみると、専門スーパー(前回比22.9%増)、コンビニのうち終日営業店(同30.2%増)は大幅に増加したが、中心店(同▲13.0%減)、専門店(同▲6.8%減)などほとんどの業態で減少した(表−6)。
 

表−8 小売業の業態別の売場面積(構成比、前回比)


業態別 売場面積(u)
平成11年 平成9年 構成比 前回比
平成11年 平成9年 11年/9年
小売業計 1,454,298 1,415,044 100.0 100.0 ▲ 2.4
百貨店 43,686 42,457 3.0 3.0 ▲ 36.2
総合スーパー 100,466 103,027 6.9 7.3 ▲ 2.5
専門スーパー 373,154 292,117 25.7 20.6 22.9
衣料品スーパー 58,614 42,605 4.0 3.0 36.9
食料品スーパー 158,525 136,784 10.9 9.7 12.6
住関連スーパー 156,015 112,728 10.7 8.0 30.1
コンビニエンスストア 36,249 35,610 2.5 2.5 ▲ 4.7
うち終日営業店 19,783 13,773 1.4 1.0 30.2
その他のスーパー 76,530 77,571 5.3 5.5 ▲ 4.9
専門店 560,495 567,742 38.5 40.1 ▲ 6.8
衣料品専門店 107,065 104,556 7.4 7.4 ▲ 2.1
食料品専門店 97,137 90,164 6.7 6.4 1.4
住関連専門店 356,293 373,022 24.5 26.4 ▲ 10.2
中心店 258,744 292,183 17.8 20.6 ▲ 13.0
衣料品中心店 77,907 92,482 5.4 6.5 ▲ 17.1
食料品中心店 72,115 73,532 5.0 5.2 ▲ 3.7
住関連中心店 108,722 126,169 7.5 8.9 ▲ 15.3
その他の小売店 4,974 4,337 0.3 0.3 ▲ 6.0
(注)平成11年調査において事業所の捕捉を行っており、前回比については時系列を考慮したもので算出している。

 

図−26 業態別の売場面積の割合


4.販売効率



(1)1商店当りの年間販売額  −百貨店145億で最も高い−

・1商店当たりの年間販売額は、百貨店が144億5,067万円と最も高く、次いで総合スーパーの48億5,200万円、専門スーパーの5億3,417万円の順となっている。コンビニは1億円台、その他スーパー、専門店、中心店、その他の小売店は1億円未満となっている(表−9、図−27)。
・前回比をみると、コンビニ(前回比5.3%増)、総合スーパー(同0.6%増)が増加となっているが、中心店(同▲22.6%減)、専門店(同▲10.3%減)などほとんどの業態で減少となっている(表−7)。
 
 

表−9 小売業の業態別の単位当りの年間販売額


業態別 1商店当り 従業者1人当り 売場面積1u当り
平成11年 平成9年 前回比 平成11年 平成9年 前回比 平成11年 平成9年 前回比
11年/9年 11年/9年 11年/9年
小売業計 7,690 8,553 ▲ 10.1 1,686 1,953 ▲ 13.7 90 97 ▲ 7.9
百貨店 1,445,067 1,594,267 ▲ 9.4 5,217 5,332 ▲ 2.2 99 113 ▲ 11.9
総合スーパー 485,200 482,146 0.6 2,763 3,280 ▲ 15.7 58 61 ▲ 4.7
専門スーパー 53,417 57,282 ▲ 6.7 2,431 2,872 ▲ 15.4 71 78 ▲ 9.3
衣料品スーパー 21,851 24,183 ▲ 9.6 2,361 2,569 ▲ 8.1 32 36 ▲ 10.3
食料品スーパー 78,628 77,294 1.7 2,329 2,828 ▲ 17.6 110 123 ▲ 10.6
住関連スーパー 37,836 37,649 0.5 2,751 3,192 ▲ 13.8 45 39 15.8
コンビニエンスストア 12,888 12,234 5.3 1,219 1,565 ▲ 22.1 123 120 2.3
うち終日営業店 14,544 14,127 3.0 1,102 1,372 ▲ 19.7 132 131 0.8
その他のスーパー 7,327 7,951 ▲ 7.9 1,692 1,849 ▲ 8.5 63 69 ▲ 9.0
専門店 5,457 6,083 ▲ 10.3 1,433 1,607 ▲ 10.8 110 104 5.1
衣料品専門店 3,678 4,378 ▲ 16.0 1,377 1,622 ▲ 15.1 51 59 ▲ 14.6
食料品専門店 3,424 3,549 ▲ 3.5 877 982 ▲ 10.7 98 105 ▲ 7.0
住関連専門店 6,640 7,715 ▲ 13.9 1,655 1,863 ▲ 11.2 130 117 11.8
中心店 5,497 7,097 ▲ 22.6 1,626 2,030 ▲ 19.9 88 119 ▲ 26.2
衣料品中心店 4,231 4,356 ▲ 2.9 1,299 1,521 ▲ 14.6 50 51 ▲ 2.2
食料品中心店 4,047 4,234 ▲ 4.4 1,303 1,433 ▲ 9.1 89 97 ▲ 8.2
住関連中心店 7,653 10,807 ▲ 29.2 2,056 2,538 ▲ 19.0 113 181 ▲ 37.2
その他の小売店 7,803 8,556 ▲ 8.8 2,087 1,703 22.6 102 81 26.1

図−27  1商店当りの年間販売額

(2)従業者1人当りの年間販売額 −百貨店が5,217万円で最も高い−

・従業者1人当りの年間販売額は、百貨店の5,217万円が最も高く、次いで総合スーパーの2,763万円、専門スーパーの2,431万円の順となっている。コンビニは1,219万円で最も低いが、これは終日営業店など長時間営業に対応した短時間の勤務であるパート、アルバイトが多く雇われたことによる(表−9)。
・前回比を見ると、その他の小売店は前回比22.6%の増加となったものの、他の業態すべてで減少となった(表−9)。
 
 

(3)売場面積1u当りの年間販売額 −コンビニが123万円で最も高い−

・売場面積1u当りの年間販売額は、コンビニが123万円と最も高く、次いで専門店の110万円、その他の小売店の102万円とこの3業態が100万円を超えており、以下百貨店の99万円、中心店の88万円の順となっている(表−9)。
・前回比を見ると、その他の小売店(前回比26.1%増)、専門店(同5.1%増)、コンビニ(同2.3%増)が増加となっているが、中心店(同▲26.2%減)、百貨店(同▲11.9%減)などほとんどの業態で減少となっている。コンビニでの増加は、終日営業店の増加に伴うが単位当りの効率の良さもうかがえる(表−9)。