統計情報ライブラリー/生活・環境社会生活基本調査
2 ボランティア活動
2 ボランティア活動
 報酬を目的としないで、自分の労力、技術、時間を提供して地域社会や個人・団体の福祉のために行っている活動をいう。ボランティア活動については,対象や目的を基に「健康や医療サービスに関係した活動」、「高齢者を対象とした活動」、「障害者を対象とした活動」など9種類に分類している。
(1) ボランティア活動の状況 ―1年間に「ボランティア活動」を行った人は33万人、行動者率は33.2%―
 過去1年間に何らかの「ボランティア活動」を行った人は33万人で、10歳以上人口に占める割合(行動者率)は33.2%(全国:28.9%)となっている。行動者率を平成8年(前回調査)と比較すると、3.0ポイント上昇している。
 行動者率を男女別にみると、男性は行動者数15万9千人、女性は17万2千人で、ともに33.2%(同男性:31.2%、女性:29.3%)となっている。これを平成8年と比較すると、男性は2.0ポイント、女性は3.9ポイントそれぞれ上昇している。
(2)年齢階級別の活動の状況 ―男性の15〜24歳の行動者率が最も低い―
 「ボランティア活動」の行動者率を年齢階級別にみると、男女とも10〜14歳がそれぞれ50.7%、53.9%で最も高く、逆に男性の15〜24歳が17.2%、女性の25〜34歳が21.9%と最も低くなっている。(図4)

また、これを15歳以上の年齢階級で平成8年と比較すると、男性は65〜74歳、女性は15〜24歳で最も上昇幅が大きく、それぞれ7.6ポイント、12.1ポイントとなっている。逆に、男性の35〜44歳、女性の25〜34歳で最も低下幅が大きく、それぞれ8.1ポイント、6.8ポイントとなっている。(図5)

(3)種類別の活動状況 ―平均行動日数が最も多いのは「スポーツ・文化・芸術に関係した活動」―
 「ボランティア活動」を行った人を活動の種類別にみると、道路や公園の清掃、花いっぱい運動などの「まちづくりのための活動」が18万1千人(行動者率18.2%)と最も多く、次いで、森林や緑を守る活動、リサイクル運動などの「自然や環境を守るための活動」が9万1千人(9.1%)、防災活動、交通安全運動などの「安全な生活のための活動」が6万7千人(6.7%)、高齢者の日常生活の手助け、高齢者とのレクリエーションなどの「高齢者を対象とした活動」が6万人(6.0%)となっている。
 また、1年間の平均行動日数を「ボランティア活動」の種類別にみると、スポーツを教えること、美術館ガイドなどの「スポーツ・文化・芸術に関係した活動」が30.6日と最も多く、次いで、「高齢者を対象とした活動」が20.1日、子育て支援ボランティア、いじめ電話相談などの「子供を対象とした活動」が18.6日、「自然や環境を守るための活動」が17.1日となっている。(図6)

(4)男女別の活動状況 ―行動者率が最も高いのは男女とも「まちづくりのための活動」―
 「ボランティア活動」の行動者率を男女別にみると、男女とも「まちづくりのための活動」が最も高く、次いで、「自然や環境を守るための活動」が高くなっているが、3番目以降に高い種類は、男性は「安全な生活のための活動」、「スポーツ・文化・芸術に関係した活動」の順、女性は「高齢者を対象とした活動」、「子供を対象とした活動」の順となっている。
 また、平均行動日数を男女別にみると、男女とも「スポーツ・文化・芸術に関係した活動」がそれぞれ32.6日、26.4日と最も多くなっている。(図7)

(5)年齢階級、種類別の活動状況 ―すべての年齢階級で行動者率が低い「障害者を対象とした活動」―
 「ボランティア活動」の行動者率が高い種類を年齢階級別にみると、「まちづくりのための活動」、「自然や環境を守るための活動」は男女とも行動者率が高く、特に10〜14歳で高くなっている。 逆に、「障害者を対象とした活動」、「災害に関係した活動」は男女とも行動者率が低くなっている。
 また、男性と女性の行動者率の差が大きい種類を年齢階級別にみると「安全な生活のための活動」、「スポーツ・文化・芸術に関係した活動」は男性の方が行動者率が高く、「安全な生活のための活動」は45〜54歳が14.1%、「スポーツ・文化・芸術に関係した活動」は35〜44歳が13.0%で最も高くなっている。
 一方、「高齢者を対象とした活動」、「子供を対象とした活動」は女性の方が行動者率が高く、「高齢者を対象とした活動」は10〜14歳が14.6%、「子供を対象とした活動」は35〜44歳が18.2%で最も高くなっている。(図8)