統計情報ライブラリー/生活・環境家計調査報告書
平成10年の家計消費をめぐる状況
1.景気・財政
 企業倒産件数は、景気低迷を反映し、前年度比0.3%増の1万7,497件とバブル崩壊後で最高を記録した。不況型倒産が全体の7割強を占め、負債総額は大型倒産が相次いだことから0.4%増の15兆1,820億円と戦後最悪に達した。

 完全失業率(季節調整値)が年平均4.1%と、戦後の混乱期を除けば初めて4%を超える最悪の水準を記録した。(11月に4.4%を記録)

 県内の自己破産は、昨年1年間で637件に上り、2年連続で過去最高を記録した。所得増加を当てにした住宅ローンが返せなくなるなどして、消費者金融に手を出し借金を膨らませる「不況型」破産が目立った。(富山地裁)

 国の一般会計税収は、11年ぶりに50兆円の大台を下回る。ピークだった90年度の約60兆円と10兆円以上も下回った。

2.消費の特徴的な動き
 国内自動車生産台数は、景気の低迷やアジア諸国向け輸出が3年ぶりに減少に転じたことなどから、前年度比7.5%減の999万8,440台と雇用維持の目安とされる1千万台を78年度以来20年ぶりに割り込んだ。

 国内新車総販売台数(軽自動車を含む)は、前年比12.5%減の588万6648台となり、86年以来12年ぶりの600万台割れとなった。

 パソコン出荷台数は、前年度比10.1%増の766万5千台とブームだった96年度を上回っ過去最高を記録した。

 12月にたばこ特別税導入によるたばこの値上げがあった。

3.気象
 平成10年の富山県の天候は、2年続きの暖冬となり、春は記録的な高温となった。夏の天候は不順で、梅雨が平年より早く入り、その後は日照不足が続いた。また、梅雨明けの時期が特定されず8月は記録的な多雨となった。秋は10月を中心に記録的な高温となり、12月も高温となった。台風の発生数は平年に比べて少なかったが、日本に上陸したは4件で、平年より多かった。県内では、第7、10号による被害が発生した。年平均気温は、平年に比べかなり高かった。年間降水量は、平年と比べかなり多く、年間日照時間は、平年に比べかなり少なかった。(「富山県気象年報」より)