３．新設・廃業・存続別事業所数
(1)新設事業所
新設事業所は5,970事業所で、事業所総数63,201に占める割合（新設事業所割合）は9.4％（全国12.0％）となっている。
産業大分類別に新設事業所割合をみると、最も大きいのは「H運輸・通信業」の11.4％(全国15.9％)、次いで「I卸売・小売業、飲食店」の11.3％（全国14.4％）であった。実数では「I卸売・小売業、飲食店」が3,072事業所、「Lサービス業」が1,525事業所と大きかった。（グラフ５）
◇新設事業所割合・事業所数の大きな産業の主な内訳 ※( )内の%は同種産業における平成11年事業所数に占める新設事業所数の割合・「H運輸・通信業」
「道路貨物運送業」66事業所（9.4％）… 宅配便業等の新設
「電気通信業」28事業所（52.8%）… 携帯電話取次店等の新設
・「I卸売・小売、飲食店」
「卸売業」387事業所（9.6%）… 機械・器具卸売等の新設
「小売業」1,733事業所（10.3％）… 食料品小売や織物・衣服・身の回り品小売等の新設
「飲食店」952事業所（15.5%）… ハンバーガー店等その他一般飲食店等の新設
・「Lサービス業」
「洗濯・理容・浴場業」298事業所（7.0%）… 美容業等の新設
「専門サービス業」410事業所（15.8%）… 学習塾等個人教授所等の新設
(２)廃業事業所
廃業事業所は8,756事業所、事業所総数に占める廃業事業所割合は13.3％（全国16.3％）となっている。
産業大分類別に廃業事業所割合をみると、最も大きいのは「I卸売・小売業、飲食店」の16.6％（全国19.4%）、次いで「H運輸・通信業」の12.9％（全国17.8%）であった。実数では「I卸売・小売業、飲食店」が4,824事業所、「Lサービス業」が1,631事業所と大きかった。（グラフ６）
◇廃業事業所の割合・事業所数の大きな産業の主な内訳
※( )内の%は同種産業における平成８年事業所数に占める廃業事業所数の割合・「H運輸・通信業」
「道路旅客運送業」14事業所（10.5%）… タクシー業等の廃業
「運輸附帯サービス業」48事業所（19.2%）… 旅行業等の廃業 ・「I卸売・小売、飲食店」
「卸売業」593事業所（15.0%）… 機械・器具卸売等の廃業
「小売業」3,031事業所（16.3％）… 食料品小売、織物・衣服・身の回り品小売、医薬品・化粧品小売等の廃業
「飲食店」1,200事業所（18.8%）… バー・キャバレー・酒場等その他飲食店の廃業
・「Lサービス業」
「洗濯・理容・浴場業」335事業所（7.8%）… 洗濯業等の廃業
「娯楽業」124事業所（21.6%）… パチンコ等遊技場業等の廃業
「専門サービス業」394事業所（15.3%）… 学習塾等個人教授所等の廃業
(３)存続事業所
存続事業所は57,231事業所で、事業所総数に占める存続事業所割合は前回調査に比べ1.6ポイント上昇し、90.6％（全国88.0％）であった。
表３ 産業大分類、存続・新設・廃業別事業所数（民営）
区分 平成11年 平成８年 ⑪‐⑧ 存続 新設 廃業 増加数 増加率 実数 割合 実数 割合 実数 割合 事
業
所
数総 計 63,201 65,987 -2,786 -4.2 57,231 90.6 5,970 9.4 8,756 13.3 A農業 241 243 -2 -0.8 217 90.0 24 10.0 29 11.9 B林業 15 18 -3 -16.7 15 100.0 0 0.0 3 16.7 C漁業 34 37 -3 -8.1 34 100.0 0 0.0 3 8.1 D鉱業 101 102 -1 -1.0 94 93.1 7 6.9 13 12.7 E建設業 8,075 8,413 -338 -4.0 7,508 93.0 567 7.0 884 10.5 F製造業 6,966 7,540 -574 -7.6 6,608 94.9 358 5.1 885 11.7 G電気・ガス・熱供給・水道業 65 73 -8 -11.0 65 100.0 0 0.0 7 9.6 H運輸・通信業 1,327 1,323 4 0.3 1,176 88.6 151 11.4 171 12.9 I卸売・小売業、飲食店 27,072 28,993 -1,921 -6.6 24,000 88.7 3,072 11.3 4,824 16.6 J金融・保険業 1,067 1,100 -33 -3.0 959 89.9 108 10.1 136 12.4 K不動産業 1,421 1,422 -1 -0.1 1,263 88.9 158 11.1 170 12.0 Lサービス業 16,817 16,723 94 0.6 15,292 90.9 1,525 9.1 1,631 9.8
注）存続事業所： 平成８年事業所・企業統計調査で把握された事業所で、平成11年７月１日にも現存している事業所。 新設事業所： 平成８年事業所・企業統計調査で把握されていない（存在しない）事業所で、平成11年７月１日に新たに把握された（開設・他の場所から移転）事業所。 廃業事業所： 平成８年事業所・企業統計調査で把握された事業所で、平成11年７月１日に廃業・他の場所へ移転した事業所。
存続事業所割合を産業大分類別にみると、最も大きいのは「G電気・ガス・水道業」の100.0％（全国91.4%）、次いで「F製造業」の94.9％（全国94.2%）であった。最も低いのは、「H運輸・通信」の88.6%（全国84.1%）、次いで「I卸売・小売、飲食店」の88.7%（全国85.6%）となっている。（グラフ７）
(4)新設・廃業・存続事業所数の時系列比較
表４ 富山県産業分類別存続・新設・廃業事業所割合 元（６１→元） 6（３→６） 11（８→１１） 存
続
事
業
所
割
合産業計 90.0 89.0 90.6 A～C農林漁業 93.6 87.7 91.7 D鉱業 97.5 95.3 93.1 E建設業 92.8 88.7 93.0 F製造業 91.4 89.9 94.9 G電・ガス・熱・水道業 98.9 95.4 100.0 H運輸・通信業 85.8 84.2 88.6 I卸売・小売業、飲食店 90.1 89.0 88.7 J金融・保険業 85.7 88.8 89.9 K不動産業 86.0 86.3 88.9 Lサービス業 88.2 89.1 90.9 元（６１→元） 6（３→６） 11（８→１１） 新
設
事
業
所
割
合産業計 10.0 11.0 9.4 A～C農林漁業 6.4 12.3 8.3 D鉱業 2.5 4.7 6.9 E建設業 7.2 11.3 7.0 F製造業 8.6 10.1 5.1 G電・ガス・熱・水道業 1.1 4.6 0.0 H運輸・通信業 14.2 15.8 11.4 I卸売・小売業、飲食店 9.9 11.0 11.3 J金融・保険業 14.3 11.2 10.1 K不動産業 14.0 13.7 11.1 Lサービス業 11.8 10.9 9.1 元（６１→元） 6（３→６） 11（８→１１） 廃
業
事
業
所
割
合産業計 8.6 11.4 13.3 A～C農林漁業 5.2 8.1 11.7 D鉱業 4.1 6.4 12.7 E建設業 5.1 10.3 10.5 F製造業 6.6 11.3 11.7 G電・ガス・熱・水道業 9.4 6.1 9.6 H運輸・通信業 5.7 13.2 12.9 I卸売・小売業、飲食店 9.5 12.9 16.6 J金融・保険業 11.2 9.9 12.4 K不動産業 5.6 11.2 12.0 Lサービス業 9.8 9.3 9.8
時系列（元、６、11年比）でみると、平成６年に初めて廃業事業所割合が新設事業所割合を0.4ポイント上回り、今回は更にその差が3.9ポイントに拡大している。（表４）
事業所数ベースでも平成６年に廃業事業所数が新設事業所数を264上回り、今回はその差が更に拡大して、2,786事業所となっている。
（５）新設・廃業・存続事業所数の北陸三県比較
表５ 北陸３県存続・新設・廃業事業所割合の状況（％） 区分 存続 新設 廃業 実数 割合(%) 実数 割合(%) 実数 割合(%) 全 国 5,461,128 88.0 742,121 12.0 1,060,709 16.3 富山県 57,231 90.6 5,970 9.4 8,756 13.3 石川県 64,413 90.1 7,095 9.9 11,296 14.9 福井県 47,042 91.1 4,615 8.9 6,859 12.7
新設・廃業事業所割合は、ともに全国より低いが、北陸三県で比較するとほぼ同様の傾向である。（表５）
