統計情報ライブラリー/産業鉱工業生産指数

 


平成23年鉱工業指数の動向/概況
  
  1.生産動向    四半期別     業種別    財用途別
  2.在庫動向   四半期別    業種別     財用途別
  3.在庫循環

平成23年富山県鉱工業指数年報はこちら(PDF)
                                                                 
 1.生産動向  ―生産指数は上昇―


  平成23年の生産指数(原指数)は、前年比7.1%上昇の93.8となり、2年連続で上昇した(表1、図1、統計表第1表)。

   




    

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 平成23年の生産の動きを四半期別にみると、生産の前期比(季節調整済指数)は、T期13.6%と上昇したが、U期▲5.5%、V期▲1.8%、W期▲1.6%と3期連続で低下した。
 また、前年同期比(原指数)は、T期16.6%、U期7.1%、V期3.2%、W期2.0%と平成22年T期から8期連続で前年を上回った(図1、図2、図3)。

 



 業種別にみると、製造工業13業種中、化学工業、一般機械工業、鉄鋼業など9業種が上昇し、電気機械工業、輸送機械工業など4業種が低下した(表3、図4、図5、図6、詳細は「2 業種別動向」を参照)。
 生産指数(原指数)全体の上昇に最も影響を与えたのは化学工業(寄与度9.45)で、医薬品などの増加により、前年比34.3%上昇の159.4となった。ついで、一般機械工業(寄与度3.04)が、金属工作機械などの増加により前年比23.5%上昇の114.0となった。
 一方、低下に最も影響を与えたのは電気機械工業(寄与度▲5.79)で集積回路などの減少により、前年比▲35.1%低下の44.3となった。次いで、輸送機械工業(寄与度▲0.52)が自動車ボデーなどの減少で前年比▲16.2%低下の68.2となった(表2、表3、図4、図5、図6)。


 財用途別生産指数(原指数)の前年比は、生産財が▲8.0%低下したものの、最終需要財が27.2%上昇したことにより、全体で7.1%上昇した。
 最終需要財は、投資財(寄与度2.23)が前年比11.1%上昇し、消費財(寄与度9.39)が前年比41.4%上昇したことにより、全体では27.2%の上昇となった。
 生産財では、鉱工業用生産財(寄与度▲4.64)が前年比▲8.5%の低下となった(表4、図7、統計表第5表)。

 
2.在庫動向  ― 在庫指数は上昇 ― 
 平成23年の在庫指数(原指数)は、前年末比16.6%上昇の97.8となり、3年ぶりに上昇した(表5)。

 平成23年の在庫の動きを四半期別にみると、前期末比(季節調整済指数)は、T期6.2%、U期2.1%、V期6.1%、W期2.2%と平成22年W期以降5期連続で上昇した。
 また、前年同期末比(原指数)では、T期4.7%、U期7.1%、V期15.6%、W期16.6%と4期連続で前年を上回った(図8、図9)。

 

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 業種別にみると、製造工業13業種中、化学工業、一般機械工業、金属製品工業など10業種が上昇し、鉄鋼業、食料品工業など3業種が低下した(表7、図10、詳細は「2 業種別動向」を参照)。
 在庫指数(原指数)全体の上昇に最も影響を与えたのは化学工業(寄与度11.48)で、医薬品などの増加により、前年末比38.7%上昇の136.5となった。ついで、一般機械工業(寄与度3.73)は軸受などの増加により、前年末比42.2%上昇の157.6となった。
 一方、低下に最も影響を与えたのは鉄鋼業(寄与度▲1.87)で熱間圧延鋼材などの減少により、前年末比▲19.4%低下の59.8となった。次いで、食料品工業(寄与度▲0.82)が飲料などの減少で前年末比▲10.6%低下の68.5となった(表6、表7、図10)。
 

 
 財用途別在庫指数(原指数)の前年末比は、最終需要財が16.5%上昇し、生産財が16.5%上昇したことにより、全体で16.6%上昇した。
 最終需要財では、投資財(寄与度▲1.85)が前年末比▲18.3%低下したものの、消費財(寄与度9.07)が前年末比26.9%上昇したことにより、全体では16.5%の上昇となった。
 生産財では、鉱工業用生産財(寄与度9.31)が前年末比17.5%の上昇となった(表8)。

 

 

3.在庫循環


 富山県の在庫循環図をみると、平成19年T期は「在庫減少局面」に位置し、U期、V期は「在庫調整局面」へ、W期は「在庫積み増し局面」へ、平成20年T期は「在庫積み上がり局面」と「在庫調整局面」の境目へ、U期は「在庫調整局面」と「在庫減少局面」の境目へ、V期は「在庫積み増し局面」と「在庫積み上がり局面」の境目へ、W期、平成21年T期〜W期は「在庫調整局面」へ移動した。平成22年T期〜平成23年T期は「在庫積み増し局面」に、U期は「在庫積み増し局面」と「在庫積み上がり局面」の境目付近に、V期、W期は「在庫積み上がり局面」に位置していた(図11)。


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 また、全国の在庫循環図をみると、平成19年T期、U期は「在庫積み増し局面」へ、V期は「在庫積み上がり局面」と「在庫積み増し局面」の境目へ、W期、平成20年T期は「在庫積み増し局面」へ、U期、V期は「在庫積み上がり局面」へ、W期、平成21年T期〜V期は「在庫調整局面」へ、W期は「在庫減少局面」へ移動した。平成22年T期〜W期は「在庫積み増し局面」に位置していた。平成23年T期は「在庫積み上がり局面」に、U期は「在庫調整局面」に、V期、W期は「在庫積み上がり局面」に位置していた(図12)。



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<在庫循環の見方>
(在庫積み増し局面)
 景気が上向いているときには、将来の需要増を見込み、原料を手当し、製品化を急ぎ、在庫を積み増す。 
(在庫積み上がり局面)
 景気の山を迎え、下降局面にはいると、企業の需要予測より実際の需要が下回ることになり、在庫がたまりはじめる(意図せざる在庫投資)。
(在庫調整局面)
 企業は積み上がった在庫を減らすために、減産を行う。この結果、景気の停滞・後退はさらに進む。これが在庫調整であり、この在庫調整が終了する時期が、 ほぼ景気の谷となる。 
(在庫減少局面)
 景気が回復し需要が増えると、最初は生産が追いつかず、在庫が減少する。 

 このように、在庫は、「在庫積み増し局面」→「在庫積み上がり局面」→「在庫調整局面」→「在庫減少局面」と景気の 局面 ごとに起こり、通常、時計反対方向にグラフが推移する傾向がある。

<業種別動向はこちら>

<財用途別動向はこちら>

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