統計情報ライブラリー/産業鉱工業生産指数

 


平成22年鉱工業指数の動向/概況
  
  1.生産動向    四半期別     業種別    財用途別
  2.在庫動向   四半期別    業種別     財用途別
  3.在庫循環

                                         平成22年富山県鉱工業指数年報はこちら(PDF)
                                                                 
 1.生産動向  ―生産指数は大幅に上昇―


  平成22年の生産指数(原指数)は、前年比17.3%上昇の87.6となり、4年ぶりに上昇した(表1、図1、統計表第1表)。

   




    

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 平成22年の生産の動きを四半期別にみると、生産の前期比(季節調整済指数)は、T期7.6%、U期3.0%と平成21年U期以降5期連続で上昇したが、V期▲0.5%、W期▲0.8%と2期連続で低下した。
 また、前年同期比(原指数)は、T期22.2%、U期21.7%、V期18.5%、W期8.3%と4期連続で前年を上回った(図1、図2、図3)。

 



 業種別にみると、製造工業13業種中、一般機械工業、電気機械工業など13業種すべてで上昇した(表3、図4、図5、図6、詳細は「2 業種別動向」を参照)。
 生産指数(原指数)全体の上昇に最も影響を与えたのは一般機械工業(寄与度7.15)で、ロボット・産業機械などの増加により、前年比89.5%上昇の92.3となった。ついで、電気機械工業(寄与度3.51)が、電子部品などの増加により前年比22.2%上昇の68.3となった(表2、表3、図4、図5、図6)。


 財用途別生産指数(原指数)の前年比は、最終需要財が14.6%上昇し、生産財が19.3%上昇したことにより、全体で17.3%上昇した。
 最終需要財では、投資財(寄与度5.55)が前年比30.9%上昇し、消費財(寄与度0.80)が前年比3.1%上昇したことにより、全体では14.6%の上昇となった。
 生産財では、鉱工業用生産財(寄与度10.54)が前年比19.8%の上昇となった(表4、図7、統計表第5表)。

 
2.在庫動向  ― 在庫指数は低下 ― 
 平成22年の在庫指数(原指数)は、前年末比▲5.8%低下の83.9となり、2年連続で低下した(表5)。

 平成22年の在庫の動きを四半期別にみると、前期末比(季節調整済指数)は、T期▲5.2%、U期▲1.8%、V期▲0.8%と平成21年W期以降4期連続で低下したが、W期は0.2%と上昇した。
 また、前年同期末比(原指数)では、T期▲8.6%、U期▲8.6%、V期▲8.5%、W期▲5.8%と平成21年T期以降8期連続で前年を下回った(図8、図9)。

 

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 業種別にみると、製造工業13業種中、化学工業、金属製品工業など6業種が低下し、一般機械工業、鉄鋼業など6業種が上昇した。また、パルプ・紙・紙加工品工業の1業種が横ばいとなった。(表7、図10、詳細は「2 業種別動向」を参照)。
 在庫指数(原指数)全体の低下に最も影響を与えたのは化学工業(寄与度▲9.47)で、医薬品などの減少により、前年末比▲25.3%低下の98.4となった。ついで、金属製品工業(寄与度▲0.81)は金属製建具などの減少により、前年末比▲18.1%低下の48.4となった。
 一方、上昇に最も影響を与えたのは一般機械工業(寄与度2.56)で軸受などの増加により、前年末比44.5%上昇の110.8となった。次いで、鉄鋼業(寄与度0.95)が熱間圧延鋼材などの増加で前年末比11.7%上昇の74.2となった(表6、表7、図10)。
 

 
 財用途別在庫指数(原指数)の前年末比は、生産財が4.5%上昇したものの、最終需要財が▲16.4%低下したことにより、全体で▲5.8%低下した。
 最終需要財では、投資財(寄与度▲0.84)が前年末比▲8.1%低下し、消費財(寄与度▲7.21)が前年末比▲18.5%低下したことにより、全体では▲16.4%の低下となった。
 生産財では、鉱工業用生産財(寄与度2.16)が前年末比4.5%の上昇となった(表8)。

 

 

3.在庫循環


 富山県の在庫循環図をみると、平成18年T期〜平成19年T期は「在庫減少局面」に位置していた。平成19年U期、V期は「在庫調整局面」へ、W期は「在庫積み増し局面」へ、平成20年T期は「在庫積み上がり局面」と「在庫調整局面」の境目へ、U期は「在庫調整局面」と「在庫減少局面」の境目へ、V期は「在庫積み増し局面」と「在庫積み上がり局面」の境目へ、W期、平成21年T期〜W期は「在庫調整局面」へ移動した。平成22年T期〜W期は「在庫積み増し局面」に位置している(図11)。


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 また、全国の在庫循環図をみると、平成18年T期は「在庫積み上がり局面」と「在庫積み増し局面」の境目に位置していた。平成18年U期〜平成19年U期は「在庫積み増し局面」へ、V期は「在庫積み上がり局面」と「在庫積み増し局面」の境目へ、W期、平成20年T期は「在庫積み増し局面」へ、U期、V期は「在庫積み上がり局面」へ、W期、平成21年T期〜V期は「在庫調整局面」へ、W期は「在庫減少局面」へ移動した。平成22年T期〜W期は「在庫積み増し局面」に位置している(図12)。



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<在庫循環の見方>
(在庫積み増し局面)
 景気が上向いているときには、将来の需要増を見込み、原料を手当し、製品化を急ぎ、在庫を積み増す。 
(在庫積み上がり局面)
 景気の山を迎え、下降局面にはいると、企業の需要予測より実際の需要が下回ることになり、在庫がたまりはじめる(意図せざる在庫投資)。
(在庫調整局面)
 企業は積み上がった在庫を減らすために、減産を行う。この結果、景気の停滞・後退はさらに進む。これが在庫調整であり、この在庫調整が終了する時期が、 ほぼ景気の谷となる。 
(在庫減少局面)
 景気が回復し需要が増えると、最初は生産が追いつかず、在庫が減少する。 

 このように、在庫は、「在庫積み増し局面」→「在庫積み上がり局面」→「在庫調整局面」→「在庫減少局面」と景気の 局面 ごとに起こり、通常、時計反対方向にグラフが推移する傾向がある。

<業種別動向はこちら>

<財用途別動向はこちら>

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