統計情報ライブラリー/産業鉱工業生産指数

 


平成21年鉱工業指数の動向/概況
  
  1.生産動向    四半期別     業種別    財用途別
  2.在庫動向   四半期別    業種別     財用途別
  3.在庫循環

                                         平成21年富山県鉱工業指数年報はこちら(PDF)
                                                                 
 1.生産動向  ―生産指数は大幅に低下―


  平成21年の生産指数(原指数)は、前年比▲23.6%低下の74.7となり、3年連続で低下した(表1、図1、統計表第1表)。





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 平成21年の生産の動きを四半期別にみると、生産の前期比(季節調整済指数)は、T期▲21.4%と平成20年W期以降2期連続で低下したが、U期4.7%、V期0.7%、W期7.5%と3期連続で上昇した。
 また、前年同期比(原指数)は、T期▲32.3%、U期▲27.4%、V期▲25.0%、W期▲8.6%と平成20年W期以降5期連続で前年を下回った(図1、図2、図3)。

 



 業種別にみると、製造工業13業種中、電気機械工業、一般機械工業など12業種が低下し、化学工業の1業種が横ばいとなった(表3、図4、図5、図6、詳細は「2 業種別動向」を参照)。

 生産指数(原指数)全体の低下に最も影響を与えたのは電気機械工業(寄与度▲8.90)で、集積回路などの減少により、前年比▲42.4%低下の55.9となった。ついで、一般機械工業(寄与度▲5.88)が、ロボット・産業機械などの減少により前年比▲49.1%低下の48.7となった(表2、表3、図4、図5、図6)。


 財用途別生産指数(原指数)の前年比は、最終需要財が▲11.2%低下し、生産財が▲31.1%低下したことにより、全体で▲23.6%低下した。
 最終需要財では、消費財(寄与度0.85)が前年比4.5%上昇したものの、投資財(寄与度▲5.07)が前年比▲27.0%低下したことにより、全体では▲11.2%の低下となった。
 生産財では、鉱工業用生産財(寄与度▲19.11)が前年比▲31.9%の低下となった(表4、図7、統計表第5表)。

 (2)在庫動向  ― 在庫指数は低下 ― 
 平成21年の在庫指数(原指数)は、前年末比▲7.2%低下の89.1となり、3年ぶりに低下した(表5)。

 平成21年の在庫の動きを四半期別にみると、前期末比(季節調整済指数)は、T期▲6.0%、U期▲1.7%と2期連続で低下したが、V期は0.4%と上昇し、、W期では▲1.1%と再び低下した。
 また、前年同期末比(原指数)では、T期▲4.9%、U期▲6.4%、V期▲6.7%、W期▲7.2%と4期連続で前年を下回った(図8、図9)。

 

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 業種別にみると、製造工業13業種中、一般機械工業、金属製品工業など10業種が低下し、化学工業、食料品工業の2業種が上昇した。また、電気機械工業の1業種が横ばいとなった(表7、図10、詳細は「2 業種別動向」を参照)。

 在庫指数(原指数)全体の低下に最も影響を与えたのは一般機械工業(寄与度▲3.47)で、軸受などの減少により、前年末比▲39.4%低下の76.7となった。ついで、金属製品工業(寄与度▲2.76)は金属製建具などの減少により、前年末比▲39.9%低下の59.1となった。

 一方、上昇に最も影響を与えたのは化学工業(寄与度6.50)で医薬品などの増加により、前年末比23.1%上昇の131.8となった。次いで、食料品工業(寄与度0.37)が飲料などの増加で前年末比5.7%上昇の78.0となった(表6、表7、図10)。
 

 
 財用途別在庫指数(原指数)の前年末比は、最終需要財が13.6%上昇したものの、生産財が▲21.2%低下したことにより、全体で▲7.2%低下した。
 最終需要財では、投資財(寄与度▲1.98)が前年末比▲17.1%低下したものの、消費財(寄与度7.46)が前年末比26.0%上昇したことにより、全体では13.6%の上昇となった。
 生産財では、鉱工業用生産財(寄与度▲11.79)が前年末比▲21.0%の低下となった(表8)。

 

 

3.在庫循環


 富山県の在庫循環図をみると、平成18年T期〜平成19年T期は「在庫減少局面」に位置していた。平成19年U期、V期は「在庫調整局面」へ、W期は「在庫積み増し局面」へ、平成20年T期は「在庫積み上がり局面」と「在庫調整局面」の境目へ、U期は「在庫調整局面」と「在庫減少局面」の境目へ、V期は「在庫積み増し局面」と「在庫積み上がり局面」の境目へ、W期、平成21年T〜W期は「在庫調整局面」へ移動した(図11)。

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 また、全国の在庫循環図をみると、平成18年T期は「在庫積み上がり局面」と「在庫積み増し局面」の境目に位置していた。平成18年U期〜平成19年U期は「在庫積み増し局面」へ、V期は「在庫積み上がり局面」と「在庫積み増し局面」の境目へ、W期、平成20年T期は「在庫積み増し局面」へ、U期、V期は「在庫積み上がり局面」へ、W期、平成21年T〜V期は「在庫調整局面」へ、W期は「在庫減少局面」へ移動した(図12)。


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<在庫循環の見方>
(在庫積み増し局面)
 景気が上向いているときには、将来の需要増を見込み、原料を手当し、製品化を急ぎ、在庫を積み増す。 
(在庫積み上がり局面)
 景気の山を迎え、下降局面にはいると、企業の需要予測より実際の需要が下回ることになり、在庫がたまりはじめる(意図せざる在庫投資)。
(在庫調整局面)
 企業は積み上がった在庫を減らすために、減産を行う。この結果、景気の停滞・後退はさらに進む。これが在庫調整であり、この在庫調整が終了する時期が、 ほぼ景気の谷となる。 
(在庫減少局面)
 景気が回復し需要が増えると、最初は生産が追いつかず、在庫が減少する。 

 このように、在庫は、「在庫積み増し局面」→「在庫積み上がり局面」→「在庫調整局面」→「在庫減少局面」と景気の 局面 ごとに起こり、通常、時計反対方向にグラフが推移する傾向がある。

<業種別動向はこちら>

<財用途別動向はこちら>

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