統計情報ライブラリー/産業鉱工業生産指数

 


平成18年鉱工業指数の動向/概況
  
   1.生産動向    四半期別     業種別    財用途別
  2.在庫動向   四半期別    業種別     財用途別
  3.在庫循環

                                         平成18年富山県鉱工業指数年報はこちら(PDF)
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 1.生産動向  ―生産指数は5年連続上昇―


  平成18年の生産指数(原指数)は、前年比0.8%上昇の107.1となり、14年以降5年連続で上昇した(表1、図1、統計表第1表)。なお、17年、18年は年間をとおしてみると緩やかな上昇となった。
 全国との比較では、本県の生産指数は全国とほぼ同様の動きをしているが、全国を上回る水準で推移している(表1、統計表(参考))。





表2 鉱工業生産指数(年平均)        (平成12年=100)      ダウンロード(Excel)

  18年の生産の動きを四半期別にみると、生産の前期比(季節調整済指数)は、T期▲1.4%、U期▲0.9%、と2期連続で低下したが、V期1.9%、W期1.7%と2期連続で上昇し、全体をとおして上昇傾向にある。
 また、前年同期比(原指数)は、T期は2.1%と前年を上回り、U期には▲1.0%と前年を下回ったが、V期0.7%、W期1.3%と2期連続で前年を上回った(図1、図2、図3)。

 



 業種別にみると、製造工業13業種中、一般機械工業、金属製品工業など8業種が上昇し、化学工業、繊維工業など5業種が低下した(表3、図4、図5、図6、詳細は「2.業種別動向」を参照)。

 生産指数(原指数)全体の上昇に最も影響を与えたのは一般機械工業(寄与度0.96)で、産業機械・ロボットなどの増加により、前年比9.9%上昇の139.3となった。ついで、金属製品工業(寄与度0.49)が、その他金属製品などの増加により前年比2.9%上昇の94.6となった。

 他方、低下に最も影響を与えたのは化学工業(寄与度▲0.73)で医薬品などの減少により、前年比▲3.6%低下の107.5となった。ついで、繊維工業(寄与度▲0.41)は化繊・紡績の減少により、前年比▲11.1%低下の69.7となった(表2、表3、図4、図5、図6)。


 財用途別生産指数(原指数)の前年比は、最終需要財が▲1.2%低下したものの、生産財が2.1%上昇したことにより、全体で0.8%上昇した。
 最終需要財では投資財のうち、資本財(寄与度0.54)が前年比7.0%上昇となった。
 生産財では、鉱工業用生産財(寄与度1.25)が前年比2.2%上昇となった(表4、図7、統計表第5表)。
 (2)在庫動向  ― 在庫指数は2年ぶりに低下 ― 
 平成18年の在庫指数(原指数)は、前年末比▲0.3%低下の95.8となり、2年ぶりに低下した(表5)。

   18年の在庫の動きを四半期別にみると、前期末比(季節調整済指数)は、T期は▲1.2%低下し、U期には2.1%上昇したが、V期は0.0%と横ばい、W期は▲1.3%と低下した。
  また、前年同期末比(原指数)では、T期は▲5.9%と前年を下回り、U期2.3%、V期1.6%と2期連続で前年を上回ったが、W期で再び▲0.3%と前年を下回った(図8、図9)。

 

表6 在庫指数(年末)  (平成12年=100)        ダウンロード(Excel)

  

  

 業種別にみると、製造工業13業種中、その他の工業、繊維工業など9業種が低下し、化学工業、電気機械工業など4業種が上昇した(表7、図10、詳細は「2.業種別動向」を参照)。

 在庫指数(原指数)全体の低下に最も影響を与えたのはその他の工業(寄与度▲1.88)で、木材・木製品工業などの減少により、前年末比▲41.3%低下の57.2となった。ついで、繊維工業(寄与度▲0.86)は化繊・紡績などの減少により、前年末比▲15.8%低下の75.8となった。

 他方、上昇に最も影響を与えたのは化学工業(寄与度2.38)で医薬品などの増加により、前年末比8.8%上昇の121.5となった。ついで、電気機械工業(寄与度1.01)が回転・静止電気機器の増加で前年末比40.6%上昇の125.1となった(表6、表7、図10)。

 

 
  財用途別在庫指数(原指数)の前年比は、最終需要財が3.4%上昇したものの、生産財が▲5.1%低下したことにより、全体で▲0.3%低下した。
 最終需要財では投資財のうち、建設財(寄与度▲1.89)が前年比▲9.6%低下となった。
 生産財では、鉱工業用生産財(寄与度▲2.36)が前年比▲5.6%低下となった(表8)。

 

 

3.在庫循環


   富山県の在庫循環図をみると、平成14年T期〜V期の「在庫調整局面」、「在庫減少局面」を経て、平成14年W期〜平成15年V期には「在庫積み増し局面」に移り、平成15年W期〜平成16年T期は「在庫積み上がり局面」に入った。平成16年U期〜V期にはふたたび「在庫積み増し局面」へ、W期では「在庫減少局面」へ、平成17年T期では「在庫調整局面」へ、U期の「在庫減少局面」と「在庫積み増し局面」の境目付近へ、V期は「在庫調整局面」、W期は「在庫積み増し局面」へ移動した。
  H18年T期は「在庫減少局面」へ、U期、V期は「在庫積み上がり局面」へ、W期は「在庫積み増し局面」に位置している。
 

 また、全国の在庫循環図をみると、平成14年から平成15年T期は、おおむね中心点(グラフ推移の大まかな中心)が、生産及び在庫の前年同期比のゼロの位置より左下方にシフトした循環を描いており、平成15年T期〜平成16年W期は「在庫積み増し局面」に、平成17年T期〜W期は「在庫積み上がり局面」に、平成18年T期の「在庫積み上がり局面」と「在庫積み増し局面」の境目付近をへて、平成18年U期〜W期は「在庫積み増し局面」に移動した。

<在庫循環の見方>
(在庫積み増し局面)
 景気が上向いているときには、将来の需要増を見込み、原料を手当し、製品化を急ぎ、在庫を積み.増す。 
(在庫積み上がり局面)
 景気の山を迎え、下降局面にはいると、企業の需要予測より実際の需要が下回ることになり、在庫がたまりはじめる。(意図せざる在庫投資) 
(在庫調整局面)
 企業は積み上がった在庫を減らすために、減産を行う。この結果、景気の停滞・後退はさらに進む。これが在庫調整であり、この在庫調整が終了する時期が、 ほぼ景気の谷となる。 
(在庫減少局面)
 景気が回復し需要が増えると、最初は生産が追いつかず、在庫が減少する。 

 このように、在庫は、「在庫積み増し局面」→「在庫積み上がり局面」→「在庫調整局面」→「在庫減少局面」と景気の 局面 ごとに起こり、通常、時計反対方向にグラフが推移する傾向がある。 

<業種別動向はこちら>

<財用途別動向はこちら>

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