統計情報ライブラリー/産業漁業センサス
海面漁業の背後条件
1.漁場環境 ―魚礁の設置を行ったのは3地区―
(1) 漁業権放棄
 平成5年1月1日から平成9年12月31日までの5年間(以下「過去5年間という。」)に、埋め立てや港湾・漁港建設等のために漁業権放棄があった漁業地区数は1地区(魚津で港湾、漁港の建設のため)で、漁業権放棄面積は3万7,774平方mであった。

漁業地区 市町村の区域内で、共通の漁業条件の下に漁業が行われる地区。
農林水産大臣が設定するもので、県の漁業地区数は20地区。

(2) 埋め立て
 過去5年間に港湾・漁港建設などによる埋め立てがあった漁業地区数は6地区(四方、高岡、新湊東部、新湊、氷見、女良)で、埋め立て面積は66万1,966平方mであった。

(3) 漁礁
 過去5年間に漁業権区域内で、水産動植物の保護又は増殖を目的とした魚礁の設置があった漁業地区数は3地区(新湊東部、黒部、朝日)で、魚礁設置事業量は4,222空平方mであった。

(4) 藻場
 藻場のある漁業地区数は13地区で、天然が7地区、人工が6地区となった。

(5) 漁業系廃棄物の処理  過去1年間に漁業系廃棄物の処理は20全ての漁業地区で行われた。
 廃棄物の種類別にみると、漁具・漁網は全ての地区で処理され、漁獲物の残滓(ざんし)は19地区で処理されている。

2.遊漁 ―遊漁者数は減少―
(1) 遊漁案内業者数
 漁業地区内で、過去1年間に遊漁案内を行った業者数は215業者で、前回に比べ15.7%減少した。
 これは、遊漁案内業の大半を占める漁業者の減少等に伴うものであるが、近年の釣人口の増加を背景に減少率は鈍化している。

表24

(2) 遊漁者数
図14
 過去1年間の遊漁者数は延べ247,000人で、前回に比べ60,400人(19.6%)減少した。
 遊漁の種類別にみると、「その他の釣」(磯や岸壁等の釣)が189,200人(構成比76.6%)と約8割を占めている。

3.活性化の取り組みと生活環境 ―地域活性化の祭りなどは全ての漁業地区で取り組まれている―
(1) 祭り・イベント
 過去1年間に行われた祭り・イベントを種類別にみると、定期市は10地区で開催され1地区あたり年間約9回、伝統行事・祭りは20全ての地区で開催され1地区あたり年間約40回、その他のイベントも全ての地区で開催され1地区あたり年間約27回となっている。

(2) 漁業集落
漁業集落 漁業地区の一部において、一定の地理的領域と社会的領域によって成立している漁業の地域社会。県の漁業集落は44集落。

ア し尿処理の方法
 し尿処理を主に水洗により行った漁業集落は33集落で、主に汲み取りにより行った集落は11集落となっている。
イ 家庭雑廃水の処理の方法
 家庭雑廃水を一定の施設(公共下水道、合併浄化槽、集落排水施設)により処理を行った漁業集落は33集落であった。

4.漁業関連施設 ―冷蔵・冷凍工場、水産加工場はいずれも減少―
(1) 水産物流通機関
 漁業地区内で過去1年間に水産物を取り扱い、第一次段階の取り引きを行った魚市場(中央卸売市場を除く)は前回と同じく10市場であった。
 平成9年1月1日から12月31日までの年間取扱数量は3万5,139トンで、1.0%増加したが、同金額は167億3,918万円で3.4%減少した。

(2) 冷凍・冷蔵工場
 漁業地区内で過去1年間に水産物を取り扱った冷凍・冷蔵工場数は59工場で、前回に比べ6.3%減少した。
 また、冷蔵能力は6万6,916トンで、前回に比べ2.9%減少した。これは工場数の減少に伴うものである。

(3) 水産加工場
 漁業地区内で過去1年間に水産物を加工製造した水産加工場は144工場で、前回に比べ16.8%減少した。営んだ加工種類別にみると、前回に比べ節製品(かつお節など)や塩辛類は増加したものの、ねり製品(かまぼこ類など)や乾製品(素干し品など)等で減少した。