統計情報ライブラリー/産業漁業センサス
漁業経営体
1.総経営体数 ―22.3%の減少で58年以降最も高い減少率―
図1
 漁業経営体数は621経営体で、前回と比べ178経営体(22.3%)減少した。
 漁業経営体数は昭和24年の第1回漁業センサス以来減少傾向にあり、今回は58年以降のセンサスで最も高い減少率となった。主な減少要因は個人経営体の減少によるものである。

 市町村別(7市2町)の漁業経営体数をみると、氷見市が153経営体で最も多く、次いで朝日町の101経営体、新湊市の76経営体の順となった。前回と比べると全ての市町で減少しており、特に黒部市と魚津市で大幅な減少となった。

表1

2.経営組織別経営体数 ―個人、団体とも減少―
 経営組織別に見ると、個人経営体は538経営体(構成比86.6%)と全体の約9割を占め、団体経営体は83経営体(同13.4%)となっている。

 前回と比べ、個人経営体は経営主の高齢化等による休廃業等が多く、165経営体(23.5%)の減少となった。団体経営体は共同経営体等の減少により13経営体(13.5%)の減少となった。

表2
3.漁業層別経営体数 ―沿岸漁業層が約9割―
 漁業層(主とする漁業種類と使用漁船の合計トン数による区分)別に見ると、沿岸漁業層が549経営体(構成比88.4%)で、全体の約9割となっている。
 前回と比べると、いずれの層も減少しており、特に沿岸漁業層の減少率が22.9%と高くなった。

沿岸漁業層 主として動力船の合計トン数が10トン未満、定置網、地びき網及び海面養殖などの経営体
中小漁業層 動力船の合計トン数が10トン以上1,000トン未満の経営体
大規模漁業層 動力船の合計トン数が1,000トン以上の経営体

 全国と比べると、富山県は沿岸漁業層以外の層の占める割合が大きく、中小漁業層は10.8%(全国5.2%)と約2倍、大規模漁業層は0.8%(全国0.1%)となっている。

表3

表4 図2

表5
4.漁獲物販売金額別経営体数 ―100万円未満と1,000万円以上の経営体の割合が高い―
図3  漁獲物販売金額別にみると、100万円未満の経営体が38.8%と最も多く、次いで100万円以上500万円未満の経営体が23.7%となった。
 全国と比べると100万円未満の経営体の割合は約4割と高いが、1,000万円以上の経営体の割合も26.8%(全国19.2%)と高く、特に1億円以上の経営体の割合は6.3%と、全国の3倍以上になっている。

表6

表7
 この結果、1経営体平均漁獲物販売金額は3,296万円で、前回の2,883万円に比べ413万円(14.3%)増加し、全国1位となった。


5.主とする漁業種類別経営体数 ―刺網、釣が約6割。全国に比べ刺網と大型定置網の割合が高い―
図4
 主とする漁業種類(販売金額1位の漁業種類)別にみると、刺網を主とする経営体が243経営体(構成比39.1%)と最も多く、次いで釣を主とする経営体が127経営体(同20.5%)となっている。
 前回と比べるとほとんどの種類で減少しており、特に沿岸漁業層が主体をなす刺網、釣などの減少が大きくなっている。

 全国と比べると、富山県は刺網と大型定置網を主とする経営体の割合が大きく、海面養殖を主とする経営体の割合が小さい。
図5

表8

 漁業地区別にみると、刺網を主とする経営体は朝日町、大型定置網を主とする経営体は新湊市と氷見市、小型定置網を主とする経営体は氷見市が多い。

表9

6.主とする漁業制度区分別経営体数 ―漁業権漁業が半数―
 主とする漁業制度別にみると、12海里以内の沿岸域で主に操業する漁業権漁業の経営体が303経営体(構成比48.8%)と最も多く、次いで12〜200海里の水域で主に操業する知事認可の経営体が178経営体(同28.7%)となっている。自由漁業の経営体は前回と比べ120経営体と3分の2に減少した。

表10

7.主とする操業水域別経営体数 ―12海里以内が約9割―
 主とする操業水域別にみると、12海里以内が572経営体(構成比92.1%)と最も多く、次いで12〜200海里が38経営体(同6.1%)で、両者合わせて98.2%を占めている。

表11

12海里 領海の基線からその外側12海里(約22km)を領海という。沿岸国の主権が及ぶ範囲
200海里    〃       200海里(約370km)を排他的経済水域という。天然資源の開発等に係る主権的権利等が認められている。

8.活魚販売を行った経営体数 ―活魚販売を行った経営体は約2割―
表12
 活魚販売(貝類を除く)を行った漁業経営体数は、128経営体(漁業経営体に占める割合20.6%)となった。前回と比べると77経営体(37.6%)減少した。

 活魚販売を行った経営体を主とする漁業種類別にみると、その他の刺網が77経営体、大型定置網が18経営体、小型定置網が16経営体の順となった。