特集

氷見市の観光について

氷見市 まちづくり推進部 観光交流・若者と女性の夢応援課

 

1.はじめに


氷見市は、富山県の西北、能登半島の東側付け根の部分に位置し、豊かな海と里山に囲まれています。「天然の生け簀」とよばれる富山湾に面する氷見漁港には、四季を通じて約160種類もの魚が水揚げされ、初夏には「マグロ」、冬は「寒ブリ」などが水揚げされ、市場が活気づきます。また、「氷見鰯(いわし)」は広辞苑にも掲載されるほど有名です。里山には、近年ブランド化に乗り出した「氷見牛」をはじめとして、はとむぎやマコモタケ、稲積梅など魅力的な特産物があります。

食の魅力に加えて、日本ではじめて発見された洞窟住居跡「大境洞窟」や万葉の歌人大伴家持ゆかりの史跡など、氷見市は歴史のロマンに満ちあふれたまちでもあります。また、沿岸北部を中心に温泉が点在しており、「能登半島国定公園・氷見温泉郷」(ナトリウム−塩化物泉で「美人になる湯」)として日帰り温泉や、宿泊施設で新鮮な魚を堪能することができます。

さらに、まんが界の巨匠・藤子不二雄Ⓐ先生が氷見市出身であることから、藤子Ⓐ先生のキャラクターを生かしたまちづくりを進めています。

2.地元と連携したおもてなし戦略


平成27年の能越自動車道七尾氷見線の全線開通や北陸新幹線開業により、氷見市の観光交通には大きな動きがありました。北陸新幹線停車駅である「新高岡駅」、「氷見」、「和倉温泉」をつなぐ直行バス「わくライナー」の運行開始や、富山県初の観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」(愛称:べるもんた)の城端・氷見線運行により、北陸新幹線等を利用した新たな客層の来訪が期待されています。べるもんたの運行日には、地元の観光ボランティア団体「つままの会」が車内で氷見市の観光案内を行う、地元住民が島尾駅付近で手を振るなど、心のこもったおもてなしで観光客を歓迎しています。

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観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)」

しかし、交通整備が進んだことにより、金沢や能登半島などの旅の通過点となってしまい、観光客の市内の滞在時間が短くなるのではないかという懸念がありました。そこで、今年度に新しくまちなかめぐりの促進や新たな魅力発見のために「氷見つまみ食いクーポン」を販売し、市内商店街の15店舗で食べ歩きを楽しめる企画をはじめました。市内観光の滞在時間を増やす一つの取り組みとして、成果が出ることを期待しています。

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「氷見つまみ食いクーポン」市内商店街マップ

3.キャラクターを活用したまんがのまちづくり


中心市街地などでは、藤子不二雄Ⓐ先生の代表作「忍者ハットリくん」をはじめとしたキャラクターを活用したまちづくりを進めています。

クオリティの高いまんがのまちを目指し、氷見市比美町・中央町を中心としたまんがロードや氷見市潮風ギャラリーのあるまちなかを「氷見市 藤子不二雄Ⓐまんがワールド」と総称し、新たなロゴやメインビジュアルを制作しました。

ロゴは藤子Ⓐ先生のお顔をモチーフに制作され、親しみの持てるデザインとなっており、使用されている赤色は藤子Ⓐ先生の主要キャラクターたちに多く使われている色であり、力強い作風を表し、青色は氷見市から見える爽やかな海や海越しの立山連峰をイメージしています。

メインビジュアルには、藤子Ⓐ先生の4大キャラクターと言われる「忍者ハットリくん」、「怪物くん」、「笑ゥせぇるすまん」、「プロゴルファー猿」に加え、氷見市オリジナルのキャラクター「ひみぼうずくん」や「氷見のサカナ紳士録」のとびうおのトビーが描かれています。忍者ハットリくんの弟のシンゾウ(シンちゃん)、忍者犬の獅子丸、怪物くんのお供のドラキュラ、オオカミ男、フランケンといった人気のキャラクターも登場し、総勢11体のキャラクターたちはいずれも躍動感にあふれています。

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「氷見市 藤子不二雄Ⓐまんがワールド」メインビジュアル(左)とロゴ(右)

また、クオリティの高いまんがのまち「氷見市 藤子不二雄Ⓐまんがワールド」の取り組みの一環として、まんがのまちの拠点施設である氷見市潮風ギャラリー(平成19年10月開館)を藤子不二雄Ⓐアートコレクションとして平成27年8月に大規模リニューアルしました。

開館以来初めてとなるリニューアルは、藤子Ⓐ先生の原画および複製原画等の展示物を入れ替え、最新のデジタル技術を活用したコーナー(藤子不二雄Ⓐデジタルまんがスクリーン)を新設するなど、内容を一新するものとなりました。

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潮風ギャラリーの外観(左)とデジタルまんがスクリーン(右)

さらに、潮風ギャラリーでは忍者ハットリくんや怪物くんとふれあったり、写真を撮ったりすることができるキャラクターグリーティングを企画し、好評を得ています。

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忍者ハットリくんや怪物くんと会えるかも!?

©藤子スタジオ

まんがのまちづくりの推進により、まんがファンのみならず多くの観光客が以前に増して「藤子不二雄Ⓐ先生のふるさと・氷見市」に訪れるようになりました。今後も、さらに魅力的なまんがのまちづくりを進めていきます。

4.食による地域ブランドづくり


海と山に囲まれた氷見市では、たくさんの特産物に恵まれています。素材だけではなく、それを活かす飲食店や飲食グループも沢山あり、様々な食に関する取り組みが行われています。

平成26年から、氷見の食の魅力を全国に発信しようと、永久に残したい氷見の食を一堂に集めたグルメイベント「ひみ永久グルメ博」を開催しています。昨年に開催した「第3回ひみ永久グルメ博」では、県内外から約2万5千人が訪れ、グルメ博限定の氷見寿司や氷見牛串焼き、大漁鍋、氷見うどんなど氷見の食の魅力を満喫しました。

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第3回ひみ永久グルメ博

また、氷見の新鮮な魚や野菜を使った新メニューの開発にも力を入れており、氷見カレー学会(氷見産煮干しを使用した「オリジナルカレー」をメニューとして味わっていただける、氷見市内の飲食店16店舗が加盟しているまちおこしプロジェクト団体)では、新鮮であるが小さすぎたり、数が揃わなくて市場に出回らない魚を丁寧に下処理し作った、美味しい共通スープ【新鮮小魚+煮干し+ブリの骨=ブリヤベース】から、ブイヤベース風のカレーを作り、市内7店舗で味わえるようになりました。

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ブリヤベース氷見カレー

5.おわりに


氷見市は年間50〜60日ほど富山湾越しに立山連峰を望むことができます。3,000メートル級の山々が海越しに見えるこの景観は、世界的にも希少なものとされています。また、この富山湾は「天然の生け簀」と呼ばれるほど、新鮮豊富な海の幸の宝庫です。

雄大な景観、美味しい食を楽しみ、氷見の温泉に浸かれば、リフレッシュできることは間違いありません。書ききれないほどたくさんの見どころが氷見市にはありますので、ぜひ氷見市を訪れ、ゆっくり・ゆったり氷見巡りをお楽しみください。

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富山湾越しに望む立山連峰

とやま経済月報
平成29年3月号