特集

平成27年国勢調査「人口等基本集計」「就業状態等基本集計」
富山県の結果について

統計調査課 人口労働係

 

国勢調査について


国勢調査は、日本の人口や世帯の姿を明らかにするため、国内に住むすべての人を対象に5年ごとに実施される国の最も重要な統計調査です。調査から得られた結果は、国や地方公共団体の行政施策のほか、民間企業などでも幅広く利用されています。

平成27年調査は、人口減少社会における人口と世帯の動向のほか、就業状態などを把握するものとなっています。ここでは、これまでに公表された人口等基本集計と就業状態等基本集計の富山県に関する結果から、特徴的なものをいくつかご紹介します。

なお、平成27年国勢調査の結果は、平成29年9月公表予定の世帯構造等基本集計をはじめ、今後も順次公表される予定です。

(平成27年国勢調査の調査期日は、平成27年10月1日です。)

1 人口


(1)総人口 〜人口の減少が加速〜

平成27年10月1日現在の富山県の総人口は1,066,328人で、前回調査(平成22年)に比べて26,919人、2.5%減少(全国 0.8%減少)し、全国順位(都道府県別順位)は平成22年と同じ37番目となりました。

5年ごとの人口及び人口増減率の推移をみると、昭和40年に一時減少したものの、その後増加が続き、平成7年には最多の1,123,125人となりました。その後は減少に転じ、減少率も徐々に大きくなってきています。(表1-1)

全国の人口は127,094,745人と平成22年に比べ0.8%減少し、大正9年の調査開始以来初めての減少となりました。人口が増加したのは8都県で、増加率が最も高いのは沖縄県の2.9%、減少率が最も高いのは秋田県の△5.8%でした。(表1-2)

表1-1 富山県の人口の推移
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表1-2 全国の人口増減率
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* H22→27年の増減率
(2)年齢別人口 〜15歳未満人口は過去最低、65歳以上人口は過去最高〜

総人口を年齢3区分別にみると、15歳未満人口は128,848人(総人口の12.2%)、15歳〜64歳人口は605,545人(同57.3%)、65歳以上人口は322,899人(同30.5%)で、平成22年に比べて15歳未満人口は9.2%減少、15歳〜64歳人口は8.5%減少した一方、65歳以上人口は13.3%増加しました。

全国、富山県とも、15歳未満人口の割合は大正9年の調査開始以来最低、65歳以上人口の割合は調査開始以来最高となりました。(図1-1、表1-3)

図1-1 富山県の年齢3区分別人口の推移
図
表1-3 富山県の年齢3区分別人口の推移

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全国の状況をみると、沖縄県は、15歳未満人口割合は17.4%で1位、65歳以上人口割合は19.6%で47位でした。東京都は、15〜64歳人口割合は65.9%で1位、65歳以上人口割合は22.7%で46位でした。

秋田県、高知県、島根県は、65歳以上人口割合では上位3県、15〜64歳人口割合では下位3県を占めています。(表1-4)

表1-4 全国の年齢3区分別人口の状況
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(3)外国人人口 〜最も多い外国人は中国人〜

県内に在住する外国人は10,768人(全人口の1.0%)で、平成22年に比べて234人(2.1%)減少しています。

外国人の割合を国籍別にみると、最も多いのは中国で平成22年に比べて4.5ポイント減の36.4%となっています。また、フィリピンが平成22年に比べて1.1ポイント増の13.5%となり、ブラジルの13.2%を上回り2位となっています。(図1-2、図1-3)

図1-2 富山県の外国人人口の推移
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図1-3 富山県の国籍別外国人割合の推移
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2 世帯の状況


(1)世帯数と世帯人員 〜世帯数の増加と1世帯あたり人員の減少が続く〜
表2-1 富山県の世帯数等の推移
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富山県の総世帯数は391,171世帯で、施設等の世帯(学生寮、病院、老人ホーム等の施設に入所する世帯)を除く一般世帯数は390,313世帯であり、平成22年に比べ7,882世帯、2.1%増加しました。(全国は2.9%増加)

一般世帯の1世帯当たり人員は、全ての都道府県で減少しました。富山県の1世帯当たり人員は2.66人で、平成22年に比べ0.13人減少しましたが、前回同様、全国で4番目に多くなっています。(全国は2.33人)(表2-1)


(2)世帯の種類、家族類型 〜単独世帯の増加が続く〜

一般世帯を家族類型別にみると、「夫婦と子供から成る世帯」が全体の26.6%と最も多く、次いで「単独世帯(一人暮らし世帯)」が26.3%となっています。

「単独世帯」や「夫婦のみの世帯」、「ひとり親と子供から成る世帯」の割合が増えてきているのに対し、「夫婦と子供から成る世帯」の割合は平成22年と同じでした。「単独世帯」と「夫婦と子供から成る世帯」の差は縮まってきています。(全国では、平成22年から「単独世帯」が「夫婦と子供から成る世帯」を上回り、最多となっています。)

また、「三世代世帯」の割合は引き続き減少し、13.2%となったものの、全国5位と平成22年と同じ順位でした。(図2-1)

図2-1 富山県の一般世帯における家族類型の割合の推移

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全国の状況をみると、「単独世帯」の割合が全国トップの東京都は「三世代世帯」の割合では最下位、「単独世帯」の割合が最下位の山形県は「三世代世帯」の割合ではトップとなっています。(表2-2,表2-3)

表2-2 全国の単独世帯の割合
表2-3 全国の三世代世帯の割合

3 住宅の状況


(1)住宅の所有の関係 〜持ち家率は引き続き全国1位〜

持ち家率(住宅に住む一般世帯に占める「持ち家」の割合)は78.1%で、平成22年に比べ0.2ポイント低下しましたが、前回同様全国1位となっています。

なお、富山県では持ち家が増加する一方で民営の借家が増加しており、持ち家率は低下が続いています。(図3-1、表3-1)

図3-1 富山県の住宅の所有関係別割合の推移

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表3-1 富山県の住宅の所有関係(世帯数)の推移
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4 就業状態


(1)労働力人口 〜総人口同様、減少傾向が続く〜

15歳以上人口は、平成22年に比べて2.0%減(全国は0.5%減)の928,444人となりました。うち労働力人口は、平成22年に比べて3.5%減(全国3.4%減)の556,356人となりました。労働力人口も、総人口と同様に平成7年をピークに減少が続いています。(表4-1)

表4-1 富山県の労働力人口・労働力率等の推移

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(2)産業3部門別就業者 〜第2次産業の就業者割合は引き続き全国1位〜

就業者538,839人を産業3部門別にみると、第1次産業は17,599人、第2次産業は178,261人、第3次産業は334,575人となりました。

第1次産業と第2次産業の就業者割合は低下傾向が続いていますが、富山県の第2次産業の就業者割合は、平成22年に引き続き全国1位でした。(図4-1)

図4-1 富山県の産業3部門の就業者割合の推移
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(3)夫婦の労働力状態 〜共働き率は全国4位に上昇〜
表4-2 全国の共働き率

夫婦のいる一般世帯(240,242世帯)のうち、夫・妻ともに就業している世帯(共働き世帯)は134,247世帯で、共働き率は55.9%となりました。

平成22年と比べると、共働き率は1.2ポイント上昇し、全国順位は前回の5位から順位を上げ4位となりました。(表4-2)


(4)従業上の地位 〜雇用者のうち「正規の職員・従業員」の割合は全国2位〜

就業者を従業上の地位別にみると、雇用者が444,922人で就業者の82.6%を占めています(全国79.1%)。平成22年より就業者数が増えたのは「雇用者」のみです。(表4-3)

表4-3 富山県の従業上の地位別就業者の推移

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雇用者のうち、「正規の職員・従業員」の割合は70.0%(全国65.1%)で、山形県に次いで全国2位でした。また、「派遣社員」が2.9%、「パート・アルバイト・その他」が27.1%となりました。(表4-4、図4-2)

表4-4 富山県の正規従業員、派遣、パート等の状況

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図4-2 全国の正規の職員・従業員の割合
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5 おわりに


今回は、人口等基本集計と就業状態等基本集計の結果をご紹介しましたが、国勢調査にはこのほかにも様々な集計があります。

☆世帯構造等基本集計(平成29年9月公表予定)
母子・父子世帯や親子の同居等の世帯の状況などがわかります。
☆抽出詳細集計(平成29年12月公表予定)
市町村別の就業者数を産業と職業の別に小分類まで分けて詳しく集計。
地域の産業や雇用の実態を詳しく把握することができます。
☆従業地・通学地集計(平成29年6月、29年12月公表予定)
昼間人口や夜間人口、就業者や学生がどの市町村に通勤・通学しているかなどがわかります。就業者の産業・職業の分類(大分類・中分類)別に2段階で公表されます。
☆人口移動集計(平成29年1月、29年7月公表予定)
人口の転出入状況等の集計で都市部への人口流入などの実態がわかります。
人口等・就業状態等基本集計の結果に対応して2段階で公表されます。
☆小地域集計
市町村より小さい単位である町丁・字等の別に人口や世帯数等を集計するもので、詳細な地域分析を行うことができます。人口・就業状態・世帯構造集計等に対応しており、それぞれの集計公表後に公表されます。

これらの結果は、年金・医療費の負担及び給付の審議、高齢者福祉、保育所等子育て施設の充実度評価、防災計画作成・被害予測をはじめ多くの行政施策に利用されているだけではなく、民間企業や研究機関などでも幅広く利用されています。

また、国勢調査では非常に多くの統計表が総務省統計局のHPで公開されており、誰もがパソコンに統計表を取り込み、自由に加工して使うことができます。

はじめての方には、HPに「ユーザーズガイド」のコーナーが用意されており、調査結果の利用方法、統計表の見方、統計表の迅速な検索の仕方などを知ることができます。


総務省統計局HP「平成27年国勢調査 調査結果の利用案内 −ユーザーズガイド−」
http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/users-g.htm

国勢調査でわかることは多岐にわたり、調べるほど興味を引かれることや意外な発見に出会います。調査結果を利用する際には電話で問い合わせることもできますので、ぜひご覧ください。


<調査結果を利用する際の問合せ先>
総務省統計局 国勢統計課 審査発表係
〒162-8668 東京都新宿区若松町19-1  TEL:03−5273−1156
とやま経済月報
平成29年7月号
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