特集

平成24年就業構造基本調査からみる
富山県の就業構造について

統計調査課

 

就業構造基本調査について


就業構造基本調査は、我が国の就業・不就業の実態を明らかにすることを目的として、昭和31年以来ほぼ3年ごと、57年以降は5年ごとに実施しています。

今回の調査は16回目にあたり、平成24年10月1日現在で、全国約3万2千の調査区から抽出された約47万世帯(県内は530調査区、約8,500 世帯)を対象に行われました。

なお、この調査はふだんの就業・不就業の状態を把握することにより行われており、月末の1週間の就業・不就業の状態を把握する労働力調査等とは異なっています。


*四捨五入等のため、各表中の総数と内訳の合計とは必ずしも一致しません。

1 15歳以上人口の就業状態

−15〜64歳(生産年齢人口)の有業率は76.7%となり、全国で2番目に高い−

富山県の15歳以上人口944,300人のうち、有業者は564,800人、有業率(15歳以上人口に占める有業者の割合)は59.8%となりました。平成19年調査(以下、「前回調査」という。)と比べると、有業者は34,800人減少、有業率は2.6ポイント低下しました。また、全国と比べると、本県の有業率は1.7ポイント高くなっています。 (表1)
表1 男女別15歳以上人口及び有業者数・有業率(平成24、19年)

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表1
15〜64歳(生産年齢人口)の有業率についてみると、本県は76.7%と全国(72.3%)を4.4ポイント上回り、全国で2番目に高くなっています。 (1位は福井県(77.4%)) (表2)
表2 男女別 15〜64歳(生産年齢人口)有業率(平成24、19年)

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表2
有業率について、男女、年齢階級別にみると、男性は25歳から59歳までの各年齢階級で90%を超える台形型を示しています。前回調査と比べると、「15〜19歳」を除く年齢階級全てで低下しており、「20〜24歳」では11.0ポイントの大きな低下となっています。
女性はM字型カーブの底である「30〜34歳」(77.2%)が前回調査に比べ1.9ポイントの上昇、「35〜39歳」が2.4ポイント、「40〜44歳」が6.5ポイントの大きな低下、「50〜54歳」が5.5ポイント、「55〜59歳」が6.2ポイントの大きな上昇となったことにより、M字型より台形型に近くなりました。
前回調査時に40〜54歳だった女性の有業率は、平成24年においてもほとんど変化しておらず、5年後もそのまま働き続けていることが窺えます。 (表3、図1−1、図1−2)
表3 男女、年齢階級別有業率 (平成24、19年)

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表3

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図1−1

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図1−2

2 従業上の地位

−自営業主、家族従業者の割合が低下し、雇用者(役員を除く)の割合が上昇−

有業者を従業上の地位別にみると、「雇用者(役員を除く)」が472,500人(有業者に占める割合83.7%)、「自営業主」が50,100人(同8.9%)、「会社などの役員」が28,400人(同5.0%)、「家族従業者」が12,700人(同2.2%)などとなっています。
男女別にみると、男性は「雇用者(役員を除く)」が252,100人(男性有業者に占める割合80.6%)、「自営業主」が36,600人(同11.7%)、「会社などの役員」が21,400人(同6.8%)などとなっています。
また、女性は「雇用者(役員を除く)」が220,300人(女性有業者に占める割合87.4%)、「自営業主」が13,500人(同5.4%)、「家族従業者」が10,700人(同4.2%)などとなっています。
前回調査と比べると、男女ともに「雇用者(役員を除く)」の割合が上昇したのに対し、「自営業主」及び「家族従業者」の割合が低下しています。また、有業者数はすべての従業上の地位で減少していますが、これを男女別にみると、女性の「会社などの役員」のみが300人増加しています。 (表4)
表4 男女、従業上の地位別有業者数及び割合(平成24、19年)

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表4

3 産 業

−「医療, 福祉」などで有業者数が増加、「製造業」、「卸売業, 小売業」などで減少−

有業者を産業大分類別にみると、「製造業」が135,400人(有業者に占める割合24.0%)と最も多く、次いで「卸売業, 小売業」が79,900人(同14.1%)、「医療, 福祉」が65,500人(同11.6%)などとなっています。
前回調査と比べると、「医療, 福祉」(8,700人増)などが増加したのに対し、「製造業」(19,600人減)、「卸売業, 小売業」(13,800人減)、「建設業」(12,100人減)などが減少しています。この結果、「医療, 福祉」が前回調査時の4位から3位となり、「建設業」と順位が入れ替わっています。
男女別にみると、男性は「製造業」が89,800人(男性有業者に占める割合28.7%)と最も多く、次いで「建設業」が39,900人(同12.8%)、「卸売業,小売業」が37,900人(同12.1%)などとなっています。
また、女性は「医療, 福祉」が51,500人(女性有業者に占める割合20.4%)と最も多く、次いで「製造業」が45,600人(同18.1%)、「卸売業, 小売業」が42,000人(同16.7%)などとなっています。
前回調査と比べると、男性は「医療, 福祉」が3,300人増加したのに対し、「製造業」が10,200人減少しています。女性は「医療, 福祉」が5,300人増加したのに対し、「製造業」が9,400人減少しています。 (図2、表5)

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図2
表5 男女、産業大分類別有業者数及び割合 (平成24、19年)

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表5

4 雇用者の状況

(1)雇用者(役員を除く)の雇用形態
−「正規の職員・従業員」の割合は67.1%となり、全国で2番目に高い−

有業者564,800人のうち雇用者(役員を除く)は472,500人で、これを雇用形態別にみると、「正規の職員・従業員」が317,100人(雇用者(役員を除く)に占める割合67.1%)、「非正規就業者」のうち「パート」が78,100人(同16.5%)、「アルバイト」が27,700人(同5.9%)、「契約社員」が23,100人(同4.9%)などとなっています。
雇用者(役員を除く)に占める「正規の職員・従業員」の割合をみると、本県は67.1%と全国(61.8%)を5.3ポイント上回り、全国で2番目に高くなっています。 (1位は福井県(67.3%))
前回調査と比べると、「正規の職員・従業員」が減少(27,600人減)したのに対し、「契約社員」(8,400人増)、「パート」(4,200人増)などが増加しています。
男女別にみると、男性は「正規の職員・従業員」が202,800人(男性雇用者(役員を除く)に占める割合80.4%)と最も多く、次いで「アルバイト」が13,500人(同5.4%)、「契約社員」が13,400人(同5.3%)などとなっています。女性は「正規の職員・従業員」が114,300人(女性雇用者(役員を除く)に占める割合51.9%)と最も多く、次いで「パート」が68,800人(同31.2%)、「アルバイト」が14,200人(同6.4%)などとなっています。
また、雇用者(役員を除く)に占める非正規就業者の割合を男女別にみると、前回調査と比べて男性は16.6%から19.6%に、女性は44.2%から48.1%へと上昇しました。 (図3、表6)

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図3
表6 男女別、雇用形態別雇用者(役員を除く)数及び割合(平成24、19年)

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表6
(2)年間就業日数
−男女共に250日以上の割合は低下−
雇用者(会社などの役員を含む)の年間就業日数をみると、前回調査と比較して、「200〜249日」の割合(36.6%)が1.3ポイント上昇し、「250〜299日」の割合(40.3%)が1.0ポイント低下、「300日以上」の割合(7.2%)が0.8ポイント低下しています。
男女別にみると、男性は「250〜299日」の割合(45.3%)が最も高く、女性は「200〜249日」の割合(39.9%)が最も高くなっています。男女共に「250〜299日」及び「300日以上」の割合は低下しています。 (表7)
表7 男女、年間就業日数別雇用者(役員を含む)割合 (平成24、19年)

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表7
(3)週間就業時間
−週間就業時間は42時間以下の各階級の割合が上昇、43時間以上の各階級の割合が低下−
年間就業日数が200日以上の雇用者(会社などの役員を含む)について、週間就業時間階級別の割合をみると、「35〜42時間」が34.9%と最も高く、次いで「43〜48時間」(26.3%)、「49〜59時間」(16.2%)などとなっています。
前回調査と比べると、「35時間未満」が1.6ポイント上昇、「35〜42時間」が1.5ポイント上昇している一方、「43〜48時間」が2.0ポイント低下、「65時間以上」が0.6ポイント低下、「60〜64時間」が0.4ポイント低下しています。 (表8)
表8 男女、週間就業時間階級別雇用者(役員を含む)割合 (年間就業日数200日以上)
                              (平成24、19年)

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表8
(4)所得(主な仕事からの年間収入)
ア −300万円未満の各所得階級の割合が上昇、300万円以上の各所得階級の割合が概ね低下−
「雇用者(会社などの役員を含む)」について、所得(主な仕事からの年間収入)階級別の割合をみると、「200〜299万円」が22.2%と最も高く、次いで「100〜199万円」(19.2%)、「300〜399万円」(15.4%)などとなっています。
前回調査と比べると、「100万円未満」が1.6ポイント上昇、「100〜199万円」が0.8ポイント上昇している一方、「700〜999万円」が1.7ポイント低下、「300〜399万円」が1.3ポイント低下するなど、300万円〜1500万円未満の所得階級の割合は低下しています。
男女別にみると、男性は「200〜299万円」が21.1%と最も高く、次いで「300〜399万円」(19.0%)、「500〜699万円」(17.0%)などとなっています。女性は「100〜199万円」が29.9%と最も高く、次いで「200〜299万円」(23.6%)、「100万円未満」(23.4%)などとなっています。 (図4、表9)

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図4
表9 男女、所得階級別雇用者(役員を含む)数及び割合 (平成24、19年)

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表9
イ −「正規の職員・従業員」の59.5%が所得400万円未満−
主な雇用形態、所得(主な仕事からの年間収入)階級別の割合をみると、「正規の職員・従業員」では、「200〜299万円」が26.3%と最も高く、400万円未満では全体の59.5%、700万円未満では、91.7%となっています。
男女別にみると、男性は「300〜399万円」が22.4%と最も高く、500万円未満では全体の68.2%、700万円未満では88.8%となっています。一方、女性は「200〜299万円」が36.7%と最も高く、300万円未満では全体の58.7%、500万円未満では、88.6%となっています。
「パート」では、「100万円未満」が46.7%と最も高く、200万円未満が全体の93.2%となっています。
「アルバイト」では、「100万円未満」が62.5%と最も高く、200万円未満が全体の91.3%となっています。(図5−1、図5−2、図5−3、表10)

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図5−1

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図5−2

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図5−3
表10 男女、主な雇用形態、所得階級別雇用者(役員を除く)の割合 (平成24年)

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表10

5 おわりに


本稿では、富山県についての主な集計結果について要約していますが、詳細なデータや全国の結果につきましては、総務省統計局HPの就業構造基本調査のページをご覧ください。


総務省統計局HP 「平成24年就業構造基本調査」
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm
とやま経済月報
平成25年9月号