特集

蜃気楼の見える街魚津

魚津市の観光振興事業等について

魚津市産業建設部商工観光課

はじめに

 このたび魚津市は平成24年度に、市制施行60周年の記念すべき節目の年を迎えます。昭和27年4月に1町11村が合併し、魚津市としてスタートしました。その年の7月の大水害をはじめ、昭和31年9月の大火、昭和38年、56年の豪雪などで、大きな被害を被ったものの、各地区で土地区画整理事業が進められるとともに、新魚津水族館、ミラージュランド、新川文化ホールやありそドームなどの施設が建築され、昭和59年には、松下電子工業株式会社(現パナソニック株式会社デバイス社)魚津工場が操業を開始するなど、都市基盤の整備、産業や教育・文化の振興が着実に進められ、富山県東部の行政、経済、教育・文化の機能が集積された、新川地域の中心都市として発展しています。

 本市は“蜃気楼の見える街”として、全国的に知られていますが、全日本大学女子野球選手権大会「マドンナたちの甲子園」の開催地や、日本におけるテレビジョン研究の第一人者の一人として高名な本市出身の川原田政太郎氏を題材にしたNHK連続テレビ小説「凛々と」の舞台、NHK大河ドラマ「天地人」の「魚津城の戦い」の地として、「魚津市」の名前が広くPRされてきています。

 今後、本市をより広く知っていただき、滞在していただくには、「観光」への取組みが重要となり、昨年4月に魚津駅前観光案内所を開設しました。

 観光は、農林水産業、商工業、サービス業など幅広い分野に関連する裾野の広い産業であり、地域経済の活性化、まちの賑わい創出や雇用の拡大をもたらす総合的な産業です。

 観光を振興していくことは、様々な産業や地域の連携による市民の一体感を醸成するとともに、本市を訪れる人々との交流を通して市民がふるさとの良さを再認識し、地域への誇りと愛着を育み、それらを次世代へ引き継ぐ契機となると期待しています。

具体的な事業の取組み

 本市は、北アルプス立山連峰に連なる毛勝三山や僧ヶ岳を源とした清冽な水が市内をめぐり、富山湾に注ぎ、山から海までが一つの水循環でつながる特徴的な地形を有しております。その清冽な水が、三大奇観である蜃気楼、ほたるいか群遊海面、埋没林をはじめ、樹齢500年を超える洞杉群に代表される豊かな自然や多様な生物を育み、美味しい山の幸と海の幸をもたらしてきました。

 さらに、戦国の城跡、米騒動発祥の地、たてもん行事、神社仏閣などの歴史的・文化的遺産や水族博物館、埋没林博物館、ミラージュランドなどの集客施設、そして200を越える店舗が軒を連ねる飲食店街、宿泊施設など、多彩な地域資源があります。

【魚津市の三大奇観】
蜃気楼
蜃気楼
埋没林
埋没林
ホタルイカ
ホタルイカ

僧ヶ岳
僧ヶ岳(雪絵)
たてもん行事
たてもん行事
ミラージュランド
ミラージュランド

 これら多くの地域資源を観光資源として魅力向上を図り、活用し、観光客が本市にできる限り長く滞在し、再び訪れたくなるような観光のまちづくりが重要な課題となっています。

 そこで本市の観光の振興について基本的な考え方を明らかにし、市民の観光に対する理解を深め、市民、観光事業者、観光関係団体や市が連携しながら、一体となって魅力ある観光のまち魚津の実現を目指すため、平成23年3月に「魚津市観光振興条例」を制定しました。

 県内市町村としては初の条例制定となります本条例では、観光振興に向けての基本理念や市民、観光事業者及び観光関係団体や市の役割を定めています。

 また本条例第7条において、観光振興の基本計画となる「観光振興計画」の策定を規定しており、平成23年度策定に向け取り組んでいます。

 先ほども述べましたが、本市は、平成24年度に市制施行60周年を迎えるにあたり、それを記念してイメージキャラクター、いわゆる「ゆるキャラ」を作成しました。応募総数1020通の中から、「ミラたん」が魚津市のイメージキャラクターとなりました。平成24年4月に開催予定の市制施行60周年記念式典(仮称)で、「ミラたん」の着ぐるみの披露を予定しています。

 「ミラたん」は、蜃気楼の浮き上がった海をモチーフとし、体全体で「海」を、頭部は埋没林博物館や水族館が伸び上がったイメージでデザインしています。本市では、これからの観光の目玉として活用していくこととしています。

ミラたん

 本市を代表する観光資源「蜃気楼」は、毎年3月中旬から6月下旬にかけて魚津港沖に出現する自然の神秘です。


蜃気楼写真

蜃気楼の季節は春から初夏、3月下旬から6月初旬にかけてです。2、3日晴天が続き、フェーン現象気味の日、穏やかな海面に4〜5メートルぐらいの北北東の風が吹くと、雲か霞が浮かび上がるようにして姿を現します。短いもので数分、長ければ数時間にもわたって幻想的な姿を見せます。この時期、魚津は「不思議の世界」に変身するのです。蜃気楼は、上暖下冷の空気層の間で光が屈折して観察者の目に届き、実像が伸びたり反転した虚像が見える現象です。従来、富山湾に流れ込む冷たい雪解け水が、大気の下部を冷やして上暖下冷の空気層を作ると考えられてきました。しかし、最近の調査では、下層が冷やされるのではなく、蜃気楼発生時にはむしろ上層に陸地から暖気が流れ込んでくる現象が確認されています。今後の研究によって、また新たな説が生まれる可能性もあります。いずれにしても蜃気楼の機構は複雑で、一つの説ですべてを説明することはできないかもしれません。「謎が残されている方がロマンがある」ともいえるでしょう。


 ところが、せっかく県内外から見にきても必ず見られるものではありません。見られることができる方がラッキーとまで言えます。そうしたことから本市では、この「蜃気楼」を活かすため様々な取組みをおこなっています。

 ひとつには、蜃気楼の発生予測です。富山地方気象台やウェザーニューズと週間単位での蜃気楼発生確率予測をしてもらっており、その情報を魚津駅構内や駅前観光案内所、本市のホームページで掲載しています。

 また魚津港周辺の蜃気楼展望地には、観光案内人を配置しています。蜃気楼を見に来た観光客に対し、蜃気楼の説明や記念写真の撮影の助手等を行っています。

 運よく蜃気楼を見ることができた場合は、埋没林博物館(蜃気楼資料館)にて証明書が受け取れます。しかしながら上述のとおり、なかなかこのような機会に恵まれません。そのため観光客は、がっかりして帰らなければなりませんし、このような観光客が多いことへの対応が望まれていました。そのため、平成23年4月より「蜃気楼みられんだちゃ証明」を発行することとしました。周辺施設の割引クーポン付の本証明は、わざわざ県内外から蜃気楼を見にきたが見る事ができなかった観光客にとても好評で、一日に多い時で100件以上発行したこともありました。

蜃気楼見られんだちゃ証

 本市では、平成21年から、滑川市、黒部市、入善町、朝日町と共に「富山湾・黒部峡谷・越中にいかわ観光圏協議会」を設立し、広域観光の取組みを進めています。

 さらに平成26年の北陸新幹線開通による都市圏からの観光客の誘致に向け、圏域が連携した長期滞在型観光の推進が重要な課題となります。

 本市は、「黒部峡谷」と「立山・黒部アルペンルート」の間に位置していることから、県東部エリアでの観光の回遊性に優れており、こうした利点を踏まえ、周辺の魅力的な観光地を結ぶ中継地点としての立地を活かすことが重要と考えています。その中継地点としての滞在のために必要となる宿泊施設に関しては、本市には1800床を越えるホテル・旅館等が駅前を中心に整備されており、その機能を十分に果たせることからも、観光客誘致に向け積極的に取り込んでいきます。

 観光圏の事業としては、平成23年4月に観光圏認定案内所「魚津駅前観光案内所」を開所しました。鉄道利用者を中心に観光に関する案内や紹介を行い、多くの観光客が利用しています。また同月の20日には、県内8箇所目(平成23年5月23日現在)のJNTO(国際観光振興機構)の「V(ビジット)ジャパン観光案内所」としての登録を行うなど、観光等で訪れる外国人観光客らの対応拠点としての役割も担っています。

 平成24年4月からは、旅行者に対し、旅行に関する情報発信・販売・諸手続き等をワンストップで行う総合窓口機関となる「観光地域づくりプラットホーム」の滑川市、本市のエリアをカバーする「地域プラットホーム」としての役割を担うこととしています。


 また、観光圏事業の着地型観光商品として「競り見学と市場で朝食」を開発しました。この商品は、全国有数の高機能処理施設※を有する「魚津おさかなランド」において、漁師と競り人が繰り広げる本場の「競り」を観光ガイドの解説付きで、間近かで見ることができます。この競り見学終了後、会場を「海の駅蜃気楼」に移し、海鮮朝食を食することになります。魚津港沖で水揚げされた新鮮な海産物の味は格別です。特に紅ズワイガニの甲羅焼きやカニの味噌汁は絶品です。ぜひ、ご賞味下さい。

※高機能処理施設
魚介類の安全性・信頼性を求め高度な衛生管理を導入した水産荷さばき施設。床に魚を直に置かない高床式の衛生的セリ場、殺菌海水の使用設備や排水機器等の場内設備や外周部からの害虫等の侵入を防除する密閉構造等の機能を有する。HACCP(食品衛生管理システム)対応施設。


 新たな観光資源として注目しているものに「洞杉」があります。片貝川上流に生植する立山杉の群生で、杉の幹が空洞となっていることから地元の方がそう呼んだことがはじまりとされています。この洞杉の特徴は、数十トンはあろうかと思われる岩を根っこが抱いて生えていることや、その株立ちする幹周りが30メートルを越え日本最大級であると言われていることです。

洞杉群
洞杉群

 また、その洞杉群生周辺には、絶滅危惧種の植物が多数生植しており、豊かで貴重な自然の宝庫となっています。

 本市では自然保護をしつつ、観光資源としての活用に取り組んでおり、入り口付近に駐車場を整備するなど、環境に配慮した観光振興に取り組んでいます。

おわりに

 本市としては、本年を観光振興の元年と位置づけ、取り組んでいくこととしており、市民ぐるみ【オール魚津】でおもてなしの心を持ち、「ようこそ魚津へ」と笑顔で接し、観光振興に取り組んでいきますので、県内・県外の方を問わず、是非魚津にお越し下さい。

<観光ポスター>    
観光ポスター 観光ポスター 観光ポスター
各ポスターをクリックすると大きく表示されます

魚津市HP
http://www.city.uozu.toyama.jp/

とやま経済月報
平成24年3月号3260