県民ぐるみで県産品を大きく育てる地産地消運動
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1 はじめに食や環境に対する関心が高まっているなか、消費者と生産者の信頼関係をもとに、安全・安心な県産品の生産と消費の拡大を進める地産地消の取組みが重要となっています。 このため、県では平成21年6月に「とやま地産地消県民会議」を設置するとともに、今般、県民ぐるみで地産地消に取り組めるよう、めざすべき方向や目標、推進施策を示した「とやま地産地消推進戦略」を策定しました。 今後、この戦略をもとに、県産品購入ポイント制度等を実施し地産地消を推進していきます。 |
2 現状と課題◆県産食材への期待の高まり近年、産地偽装や食品表示偽装等により、県民の食品の安全に関する関心が高まっており、生産者の顔が見える県産品の安定した供給に対する期待が大きくなっています。 こうした期待に応え、安全・安心な農産物を安定供給するため、多様な消費者ニーズに対応した供給体制の整備を強化する必要があります。 地産地消をさらに進めるために必要なこと
資料:「平成21年度県政世論調査報告書」 ◆米に特化した農業生産富山県の農業産出額は、昭和60年の1,346億円をピークに減少が続き、平成20年は673億円と約半分にまでになっています。 消費者等の多様なニーズに対応していくため、新たな園芸品目の生産拡大を図り、バランスのとれた生産構造に誘導していく必要があります。 資料:「富山県農林水産統計年報」(北陸農政局) ◆直売活動の拡大生産者がお客さんと対面販売する「直売所」や、スーパーなどに設置される「インショップ」の設置数や販売額が増加しています。 農産物の安定供給と品質向上に努め、消費者の多様なニーズに対応するとともに、農産加工品の開発・販売を強化、それぞれの直売所の発展段階に応じた運営の支援を行い、消費者の満足度を高める取組みを推進する必要があります。
◆農村社会への期待国民・県民の価値観やライフスタイルが多様化するとともに、田舎暮らしや食の安全・安心への関心が高まっている中で、団塊世代の退職とも相まって、豊かな自然、美しい景観、優れた伝承文化等に恵まれた農山漁村地域がその受け皿として期待されています。 農業・農村づくりに求めるもの
資料:「農業・農村が持つ多面的機能に関する調査」(農村整備課) こうした現状や課題に応えるため、県民ぐるみの取組みとして「地産地消」を推進することとしました。 |
3 地産地消の基本目標地産地消の推進にあたっては、生産者は、高品質な農林水産物を安定して供給することに努め、消費者は地域の農林水産業や食文化についての理解を深め、地域で生産された農林水産物の良さをきちんと評価して積極的に購入し、活用するといった姿を目指します。 また、生産者はもとより、家庭、学校、企業など多様な主体の参加と連携・協力による県民ぐるみの運動として取り組み、生産者と消費者が互いに支え合い、交流を深めることにより、地域の農林水産業の活性化や県民の豊かな食生活の普及を図ることとします。 |
4 地産地消推進戦略のポイント基本目標を達成するための3つのポイントを紹介します。 I 生産・供給体制の強化 〜食料自給率の向上〜II 県産品の活用・購買気運の醸成 〜食のブランド化〜III 生産者と消費者との交流促進※とやま地産地消推進戦略は、富山県のホームページに掲載してあります。 |
5 主な取組みそれでは、主な取組みを2つ紹介します。 (1) 地産地消「とやまの旬」応援団を募集県では、“地産地消”を県民ぐるみの幅広い運動としていくため、地産地消に積極的に取り組む企業・団体、個人を「とやまの旬」応援団として募集しています。 応募方法 下記のHPからダウンロードし、必要事項を記入の上、郵送・FAXまたはEメールでご応募下さい。 富山県農産食品課食のブランド推進班 (2)みんなで応援! とやまの地産地消県産品購入ポイント制度を実施します。地産地消県民運動の推進に当たり、県民に県産品を優先的に選択していただく動機付けとなるよう、富山県産の生鮮食品や加工食品に付いているシールやプライスラベルを収集していただき、恒常的な県産品の消費拡大につなげる運動を実施します。 ○制度の内容
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6 おわりに 〜意識を行動に〜県民世論調査(平成21年度)によると、県産品の購入について「日頃から意識している」、「どちらかというと意識している」と答えた人の割合が54%となっており、まだまだ、地産地消に対する意識が高いとは言えない状況です。 県では、今後とも生産・供給体制の強化、県産品の活用・購買気運醸成、生産者と消費者との交流促進、を3つの基本施策とし、様々な機会を捉え、地産地消を推進していきます。県民の皆様が、地産地消に対する意識を持つだけでなく、その意識を行動に移していただくことを期待しています。 |