平成19年6月号
2007.JUN

産業用繊維の世界―アパレルだけが繊維じゃない―
富山大学経済学部教授  松井隆幸

「繊維」・「繊維製品」というと、「衣料」(アパレル)、「家庭・インテリア用」を思い浮かべることが多いと思います。しかし、このほかにも、「産業用繊維」という分野があり、日本やその他の先進国で年々、その比重を拡大しています。

産業用繊維では、ファッション・デザインよりも、強度・耐火・防水・耐薬品などの機能性が重視されます。本稿では、自動車・機械・建築・医療など様々な分野で使われる「産業用繊維」について、紹介していただきました。


とやまの森を守り育てるために
富山県 農林水産部 森林政策課

県土の3分の2を占めるとやまの森。私たちの暮らしに欠くことのできない公益的機能があります。このとやまの森を県民の皆さんと一緒に守り育てるため、平成18年6月に「富山県森づくり条例」を制定し、平成19年度から「水と緑の森づくり税」が導入されました。

本稿では、条例制定の経緯や「水と緑の森づくり税」を財源とする施策について紹介してあります。


☆見どころ☆
富山県中央植物園

植物園の屋外園中央部に位置するクレマチス園が、見ごろを迎えています。テッセンやカザグルマをもとに育成された大輪の花をつける園芸品種のほか、中輪のビチセラ系、つりがね型の花のテキセンシス系の品種など、様々なクレマチスを楽しむことができます。


 
クレマチス

キンポウゲ科クレマチス(センニンソウ)属の多年草。花びらのように見えるものは、実は、がく片。クレマチスという名は、ギリシャ語のKlema(つる、まきヒゲ)が由来らしい。花言葉は、「高潔」、「心の美」。

日本では、『クレマチス』よりも『テッセン』という呼び名の方が一般的かもしれない。これは、中国原産のクレマチスの一種「テッセン」と、日本原産の「カザグルマ」の園芸種が、花の形や姿が似ていたため、いつしか混同されて広まったため。

現在のクレマチスは、日本原産の「カザグルマ」や中国原産の「ラヌギノーサ」がヨーロッパに伝わり、様々な西洋の原種と複雑に交配された園芸植物。 ガーデニングが盛んなイギリスでは、空間を立体的に彩る『つる性植物の女王』としてバラに次いで人気がある。日本でも古くから、美しい大形の花を咲かせる植物として親しまれている。比較的栽培しやすいことに加え、花色や形などの多様性、品種を選べば長く花を楽しめる点なども魅力的だ。