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国等への要望

日本海沿岸地域振興のための重点施策

 日本海沿岸地域は、豊かな自然や文化、優れた人材に恵まれ、無限の魅力を秘めた日本海に面するなど、極めて高い発展の可能性を有している。また、対岸諸国との経済、文化等の交流が活発化し、環日本海交流圏の形成が進みつつあり、「日本海国土軸」として、21世紀にふさわしい国土の形成をけん引することが期待されている。

 しかし、太平洋沿岸地域に偏った一極一軸型の国土構造は依然として是正されず、日本海沿岸地域と太平洋沿岸地域の格差は大きな課題である。

 また、昨年の東日本大震災により、国全体としてのリスク分散やバックアップ体制の必要性が浮き彫りとなり、リダンダンシーを確保するためにも、「日本海国土軸」の重要性が再認識されたところである。

 さらに、近年、国土の保全や地球温暖化防止の観点から森林整備に対する重要性が高まっているとともに対岸諸国からのポリ容器や医療廃棄物等の大量漂着等や大陸から黄砂の飛来頻度の増加により、人への健康影響が危惧されている。そのうえ、近年、集中豪雨、雪害、高波被害といった大規模な自然災害が連続して発生している。

 一方、日本海沿岸地域の豊かな自然、地域固有の文化の共有・継承や相互連携を進めることにより、住民が誇りを持てる自立的な圏域を創造するとともに、文化の振興のあり方等について検討し、日本海国土軸を自然・文化・産業が調和した地域とすることが必要である。

 ついては、こうした日本海沿岸地域の実情を踏まえ、国において次の事項に格段の配慮をされるよう強く要望する。

1.  日本海沿岸地域と太平洋沿岸地域との格差是正に向け、地方税財政制度の充実、企業立地の促進、中心市街地の活性化、中山間地域の振興など、活力あふれる地域づくりを推進すること。

2.  対岸諸国に対し地理的優位性を有する日本海沿岸地域において、急速に成長を遂げる東アジア諸国との交流・連携を強化するとともに、東日本大震災を教訓として、災害に強い多軸型の国土づくりを進めるため、リダンダンシーの確保に資する輸送体系の形成や物流ネットワークの構築など、次の社会資本整備等を重点的に推進すること。

(1) 日本海沿岸地域を縦貫する「日本海国土軸」の形成の推進
(2) 日本海沿岸地域相互間及び日本海側と太平洋側を結ぶ新幹線の建設の促進や幹線鉄道の高速化、高規格幹線道路の整備、地方航空路線の充実など、高速交通体系の形成
(3) 環日本海地域や東アジア諸国との人流、物流の拡大に対応するための日本海側の拠点港湾や空港の整備充実、環日本海地域における国際複合一貫輸送網の構築、CIQ職員の適正配置と充実

3.  日本海沿岸地域において、学術文化、産業経済等の幅広い分野にわたって、対岸諸国との交流を促進するため、国際交流・協力事業に対する支援の拡大など、環日本海交流圏形成のための施策を推進すること。

4.  「日本海国土軸」を自然・文化・産業が調和した「緑の国土軸」としても創生するため、森林等の緑地資源の保全、都市との交流・連携、地方への定住や二地域居住の促進を図る施策を推進すること。

5.  環日本海地域の環境保全を推進するため、特に、次の事項を推進すること。

(1) 海岸漂着物処理推進法に基づき、漂流・漂着物等の海洋を含めた海岸環境問題の対策を、総合的かつ効果的に推進すること。
 また、放置座礁船の問題についても、関係国への対応、処理費用の負担など、国の責任で対策を講ずること。
(2) 黄砂の国際的に共通のモニタリング手法の確立など、観測体制を充実すること。また、関係国と連携し、発生地の砂漠化等を防止する対策を講ずること。
(3) 北東アジア地域の産学官が連携して実施する、環境モニタリング体制の構築や人材育成などの環境保全施策への協力と支援を行うこと。

6.  地球温暖化対策の推進や地方の自主財源の充実確保の観点から、CO2排出削減に資する「地方環境税(地球温暖化対策のための税の一部地方税源化を含む)」や「環境自動車税」を地方税として創設すること。

7.  東日本大震災をはじめ、近年多発した災害の被災者への支援と、復旧・復興に向けた措置を講ずるとともに、災害による被害を未然に防ぐため、地震、津波、雪害等に係る防災対策や、治山治水、海岸保全、原子力発電所の安全確保等の対策の充実を図ること。