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議会日程

平成28年2月定例会 知事の提案理由説明


  は  じ  め  に 

 本日、平成二十八年二月定例県議会が開催されるにあたり、提出しました平成二十八年度予算案その他の議案につきまして、その概要を申しあげ、あわせて、 県政運営について所信の一端を申しあげます。

 世界経済については、弱さがみられるものの、全体としては緩やかに回復しており、先行きについては、アメリカの金融政策正常化の影響、中国をはじめアジ ア新興国等の経済の先行き、原油価格等の下落の影響、金融資本市場の変動の影響等について留意する必要があるものの、緩やかな回復が続くことが期待されま す。また、世界は、中国、東南アジア、インドなどの新興国が急速に経済成長し、国際社会における存在感を増大させる一方で、北朝鮮などの核・ミサイル開発 の継続、国際的なテロ組織の活動が国際社会全体の脅威となるなど、先行き不透明な面がみられます。
 国内では、現在、地方創生、経済再生、少子高齢化・人口減少対策、東日本大震災からの復興、エネルギー政策、安全保障・領土問題など、緊要な重要課題が 山積しております。国においては、強い経済、子育て支援、社会保障を「一億総活躍社会」の実現に向けた新しい「三本の矢」として取り組むこととされており ますが、その効果を全国の各地域にまでいきわたらせるためにも、地方と連携・協力しながら、地方創生・人口減少対策を推進するとともに、農林水産業を含め た産業振興、地域の活性化、雇用の確保、医療・介護・子育ての充実、教育振興、防災・減災対策などに引き続き全力で取り組み、日本再興への歩みを着実に進 めていただくことを期待しております。
 本県においては、北陸新幹線が開業し間もなく一年が経過します。開業から今月十五日までの上越妙高‐糸魚川間の乗車人員は前年の同期比で約三倍となり、 県内の多くの観光地等での入込み数が増加するとともに、本県への本社機能等の一部移転や大型商業施設の相次ぐ出店など県内各地で様々な開業効果が現れてお ります。こうした新幹線の開業効果を一過性のものにせず、しっかりと持続させて、富山県の新たな発展・飛躍につなげていく必要があります。県としても、北 陸新幹線開業と国の地方創生戦略を二つの追い風にして、昨年十月に策定した「とやま未来創生戦略」に基づき、県民の知恵と力を結集し、本県の自然、文化、 産業など、各地域の特色・強みを活かした持続可能で活力ある未来を創造するため、子育て支援・少子化対策の充実・強化、産業・経済の活性化、若者や女性が 輝いて働き暮らせる魅力ある地域づくりなど、多くの重要課題に積極的に取り組んでまいります。また、「新・元気とやま創造計画」の推進はもとより、十年 先、二十年先、あるいは三十年先を見据え、経済、文化、さらにそれらを担う人づくりを中心に、本県の新しい未来を構想し、新たな飛躍・成長に結びつけ、活 力と魅力あふれる県、ひいては日本創生の一翼、一端を担い得る県として、次の世代に継承・発展させていく確固とした基盤を創出してまいります。
 
 今後とも、初心を忘れず、富山県のかぎりない発展と県民の幸せのために、誠心誠意、全力を尽くして県政に取り組んでまいりますので、県民の皆様のご支援 と議員各位のご指導、ご協力を切にお願い申しあげる次第であります。

  一 最近の経済・雇用情勢

 つぎに、最近の経済・雇用情勢について申しあげます。

(経済情勢と経済・雇用対策)
 最近の我が国経済は、このところ一部に弱さもみられますが、緩やかな回復基調が続いております。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、 各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待されますが、海外経済で弱さがみられており、中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の景気の 下振れなど、景気を下押しするリスクが存在するなか、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
 本県経済につきましては、個人消費は一部に弱い動きがみられるものの、総じて底堅い動きとなっている一方、生産は一部に弱さがみられるものの、持ち直し ており、雇用情勢は、十二月の有効求人倍率が一.五二倍と全国でも上位の水準が続くなど、景気は、一部に弱さもみられますが、緩やかな回復基調が続いてお ります。しかしながら、海外景気の下振れなどによるリスクに留意する必要があります。
 県としましては、これまでも、国の取組みに先んじて、経済・雇用情勢に迅速かつ適切に対処するように努めてまいりましたが、今回さらに、国の補正予算を 活用し、地方創生の加速化に資する取組みや、環太平洋連携協定(TPP)を見据えた農業の体質強化、防災・減災に資する社会資本整備の推進などを盛り込ん だ補正予算案を編成し、今議会に提案しております。今後とも、内外の経済情勢や国の動向などを注視しつつ、引き続き、経済・雇用対策のさらなる推進に全力 を尽くしてまいります。
 
  二 予算編成の基本方針

 つぎに、平成二十八年度予算編成の基本方針について申しあげます。

(本県の財政状況)
 本県財政につきましては、約四〇〇億円の財源不足が見込まれた平成十七年度を「財政再建元年」と位置づけ、以来、職員数の削減、給与の臨時的減額、事務 事業の見直しなどの行財政改革にスピード感をもって積極的に取り組み、財源不足の大幅縮減に努めてまいりました。
 しかしながら、平成二十八年度予算においては、国の「経済・財政再生計画」に基づき、平成三十年度までに国・地方を通じた基礎的財政収支赤字の対GDP 比マイナス一パーセントを達成するため、地方の歳出改革・効率化を図るとされた一方、歳出では公債費や福祉・医療などの義務的経費が高い水準で推移してい ることから、昨年十一月時点で、約四六億円の財源不足が生じるものと見込まれました。

(平成二十八年度の地方財政対策と予算編成方針)
 その後、国内の経済状況を反映し、県税収入は増加が見込まれるものの、少子高齢化に伴う社会保障関係費の自然増への対応はもとより、地方創生・人口減少 対策をはじめ、地方の実情に沿ったきめ細かな行政サービス、地域経済の活性化や子育て・介護の充実、力強い農林水産業づくりなどに取り組む必要があること から、国に対し、富山県知事として、また、全国知事会の地方税財政常任委員長として、地方交付税を含めた地方一般財源総額を確保するとともに、地方創生を 深化させ、地方がその実情に応じた息の長い取組みを継続的かつ主体的に進めていくための恒久財源を確保すべきことについて、安倍総理大臣や石破地方創生担 当大臣、高市総務大臣などに対し強く働きかけてまいりました。
 こうした本県など地方からの強い要望を受け、平成二十八年度の地方財政対策において、地方税が増収となる中で、「まち・ひと・しごと創生事業費(一兆 円)」が前年度に引き続き計上されたこと等により、地方の一般財源総額が前年度を上回る六一.七兆円となり、あわせて「地方創生加速化交付金(一、〇〇〇 億円)」および「地方創生推進交付金(一、〇〇〇億円)」の創設などにより、本県を含め、地方の予算編成にあたっての基盤が一定程度確保されたところであ ります。こうした状況をふまえ、平成二十八年度予算編成にあたっては、歳入の確保はもとより、引き続き行財政改革に真摯に取り組む一方で、「とやま未来創 生戦略」を推進するため具体的な効果が見込める、実効性の高い事業に対して予算を優先配分するとともに、「富山県経済・文化長期ビジョン」のとりまとめの 方向性をふまえたモデル的又は先行的な施策および「新・元気とやま創造計画」に盛り込まれた各般の施策について、その積極的な推進を図ることとし、国の 「地方創生加速化交付金」等を活用した二月補正予算と当初予算とを一体として編成することとしました。

(平成二十八年度一般会計予算)
 この結果、平成二十八年度一般会計予算は、人件費の抑制や新幹線建設工事の進捗に伴う負担金の減等により総額では前年度比〇.四パーセント減の五、五八 二億円余となりましたが、こうした削減努力等による縮減額を除くと、前年度比一.〇パーセント増の予算を確保したところです。また、二月補正予算とあわせ た十四ヵ月予算として比較すると総額で前年度比   〇.二パーセントの増、経済・産業の振興、雇用対策、子育て、教育、医療、福祉や公共事業・主要県単 独建設事業等の政策経費については、一.八パーセントの増となっております。
 とやま未来創生については、子育て支援・少子化対策の推進をはじめ、「とやま未来創生戦略」に掲げる十の基本的方向に沿った施策や、新幹線の開業効果の 持続・深化を図るうえで効果の高い施策を積極的かつ戦略的に推進することとしました。
 また、「富山県経済・文化長期ビジョン」のとりまとめの方向性をふまえたモデル的又は先行的な施策および「新・元気とやま創造計画」の五つの重点戦略と 重要政策「人づくり」に位置づけられた施策を積極的に推進するため、予算を重点的に配分することとしました。
 なお、昨年十一月時点で約四六億円と見込まれた財源不足については、平成二十八年度の地方財政対策により、一般財源総額が確保されたことや、国補正予算 の活用、徹底した事務事業の見直しなどの行革努力により縮小され、平成十七年度以来のいわゆる「構造的財源不足」が十二年を経て解消されることとなりまし た。また、近年、県債の新規発行を抑制してきた結果、県債の残高が昭和四十二年以来、約半世紀振りに減少する見込みとなっております。これらは、この間の 徹底した行政改革・財政再建の推進、新幹線建設に係る地方負担の大幅軽減、地方税財源の充実・確保など各般の取組みを着実に積み重ねてきた成果であり、ご 理解とご支援をいただいてきた県議会をはじめ多くの県民の皆様にあらためて厚くお礼申しあげます。

(財政再建・行政改革)
 平成二十九年度以降におきましても、社会保障関係費等が増加するとともに、新幹線整備の地方債の償還が本格化していることなどから、公債費等が当面高い 水準で推移すると見込まれます。県税収入は景気の動向に左右されるほか、地方交付税等については、国の財政事情などから先行きの見通しは不透明な状況であ ります。また、財政調整基金や県債管理基金は残高の確保・充実に努めているものの取崩しの余地は限られており、財政状況は引き続き厳しいものがあると懸念 されます。
 行政改革に終わりはありません。県の財政運営を持続可能なものとするため、今後とも行政改革や財政健全化の推進に最大限努力する一方、国に対して、本来 の地方分権の趣旨に沿った地方の自立や地域間格差の是正のための地方税財政制度の改革、地方交付税の充実などを引き続き強く働きかけてまいります。
 なお、かねてからの課題である東京など大都市地域と地方との税収格差の是正については、富山県としても、また、全国知事会としても、国に対し強く働きか けてきたところ、今般の平成二十八年度の税制改正において、消費税率八パーセント段階の措置に引き続き消費税率十パーセント段階における偏在是正措置とし て、法人住民税法人税割の一部交付税原資化を進めるとともに、地方法人特別税・譲与税を平成二十九年四月に廃止する一方で、それに代わる税源の偏在是正措 置として、法人住民税法人税割の一部交付税原資化をさらに進めることとなりました。今後とも、引き続き全国知事会をはじめ地方六団体と連携して、真の地方 分権の確立に向けた地方税財政制度の実現に取り組んでまいります。

  三 歳出予算の概要

 つぎに、歳出予算の概要について申しあげます。
 平成二十八年度予算案は、一般会計五、五八二億一、六五二万円、特別会計一、六四三億   二、三二二万円となっております。
 以下、とやま未来創生にかかる重点施策、「元気とやまの創造」に向けた「活力」、「未来」、「安心」の基本政策の平成二十八年度予算案およびこれと一体 として編成した平成二十七年度補正予算案の要点をご説明申しあげます。

(一) とやま未来創生にかかる重点施策
 まず、とやま未来創生にかかる重点施策について申しあげます。

(とやま未来創生戦略)
 とやま未来創生につきましては、昨年十月に「とやま未来創生戦略」を策定し、その後、タウンミーティング等でのご意見や国の戦略改訂もふまえ、今年度中 に必要な改訂を行うこととしております。今後、市町村との連携を強化しながら各般の取組みをさらに加速させ、積極的に戦略を推進してまいります。
 また、政府関係機関の移転につきましては、昨年十二月に、国において、本県が誘致を提案した四機関のうち二つの機関が具体的検討を進めると整理されまし たが、その検討内容は、本県が求めてきたものとは相当大きな差異があると推察されることから、来月の基本方針決定に向け、現在、所管省庁等との協議を行っ ているところであり、本県にとって意義の大きな成案が得られるよう、引き続き努力してまいります。

(結婚から子育てまで切れ目のない支援による少子化対策の推進)
 結婚から子育てまで切れ目のない支援による少子化対策の推進につきましては、市町村や各種団体、とやまマリッジサポートセンター等の連携による結婚支援 ネットワークを形成するとともに、独身男女等の出会いや交流を促すイベントを支援してまいります。また、県内経済団体等と連携して「企業子宝率」を調査し 活用することにより、仕事と子育てが両立しやすい職場環境づくりを促進してまいります。さらに、三世代同居等に対し富山県住みよい家づくり資金融資を実質 無利子化するなど、制度の拡充を図るとともに、三世代同居世帯や多子同居世帯の住宅および住宅用土地の取得に対し、不動産取得税の減免制度を拡充するため の条例改正案を今議会に提案しております。加えて、第四子以上が生まれた家庭を社会全体で祝うため、対象の家庭を広報紙で紹介するとともに、県立の文化・ スポーツ施設等の利用パスポートを配付することとしております。

(産業・地域経済の活性化)
 産業・地域経済の活性化につきましては、平成二十八年度の税制改正でさらに拡充を図ることとされた「地方拠点強化税制」を活用して、首都圏等からの本社 機能の一部移転や研究施設の移転・集約等を推進するとともに、「地域経済分析システム」から得られたビッグデータの分析をもとに重点的な企業誘致活動を展 開してまいります。また、TPPの発効を見据え、強い農林水産業をつくるため、高収益な栽培体系に転換するための機械・施設整備や、畜産業者と農業者など が連携して収益向上に取り組むための施設整備に対し支援してまいります。

(若者や女性がいきいきと働き暮らせる魅力ある地域づくり)
 若者や女性がいきいきと働き暮らせる魅力ある地域づくりにつきましては、県外出身大学生の県内定着を促進するため、本県の優れた企業や住みよい生活環境 等を紹介する動画等を制作し、学生とその保護者に積極的に発信するほか、女子学生向けのUターン就職促進のためのカフェを三大都市圏で実施するなど、若者 のUIJターンを積極的に推進してまいります。また、若者の県内定着を図るための基金を創設し、県内企業にUターン就職する大学院生等の奨学金返還に対し 支援してまいります。
 また、「まちの未来の創造」のため、市町村が地域住民等または県や他の市町村と連携して実施する活力ある地域づくり、ならびに中山間地域の多様な地域資 源を活用し、雇用の創出と収入の確保につなげる実践的な取組みを支援してまいります。

(観光の振興、定住・半定住の環境づくり)
 観光の振興、定住・半定住の環境づくりにつきましては、新たに設置する「日本橋とやま館」において、魅力発信のための各種イベントや商談会等を実施し県 産品の販路拡大を図るほか、観光・定住に関する相談対応などを行うこととしております。また、県観光連盟を「日本版DMO」として機能強化し、旅行者デー タの収集・分析、着地型旅行商品の造成販売やプロモーションなど、戦略的な観光地域づくりを推進してまいります。
 さらに、定住・半定住の受入れに必要な施設・備品などの環境整備や県外からの移住者が行う空き家改修を各々モデル的に支援するほか、東京・有楽町の「富 山くらし・しごと支援センター」の運営を強化します。

(女性が輝いて働ける環境づくり)
 女性が輝いて働ける環境づくりにつきましては、「煌めく女性リーダー塾」での業種を超えたネットワークづくりを強化し、女性の職場でのさらなる活躍など を支援するほか、女性に向けたものづくり産業の魅力発信や、農村女性の起業活動などを支援してまいります。

(高齢者等が能力を発揮して活躍できる社会の実現)
 高齢者等が能力を発揮して活躍できる社会の実現につきましては、高齢者が就労やボランティア活動などに取り組み、いきいきと暮らしていくまちづくりを検 討するほか、「とやまシニア専門人材バンク」を活用し、生涯を通じて活躍できる総合的支援を推進してまいります。また、平成三十年度に本県で開催される 「全国健康福祉祭」について、今後、大会実行委員会を設置し、魅力ある大会となるよう準備を進めます。

(多様な人材の確保と労働生産性の向上)
 多様な人材の確保と労働生産性の向上につきましては、アセアン地域からの優秀な留学生の受入れ拡大と県内定着を図るため、県内企業と連携して就学から就 業までを一体とした留学生受入れモデル事業に取り組んでまいります。また、引き続き「富山県ものづくり産業未来戦略雇用創造プロジェクト」により、産業振 興と一体となった雇用創造を図るとともに、「富山県地域創生人材育成事業計画」を活用し、人手不足の分野において雇用型訓練などを通じ人材の発掘・定着に 取り組むほか、介護機器や介護ロボットの導入などに支援してまいります。

(交通ネットワークの整備と活力あるまちづくり)
 交通ネットワークの整備と活力あるまちづくりにつきましては、今年度中に策定する新たな「地域交通ビジョン」のとりまとめの方向をふまえ、市町村の公共 交通ネットワーク再編計画の策定を支援するとともに、計画に基づく「デマンド交通」の実証運行や、拠点駅からの接続頻度を高めるなどにより利用増が見込ま れるバス路線に対しモデル的に支援してまいります。また、富山きときと空港の利便性を高めるための乗合タクシーの実証運行や、新規路線の開拓など航空ネッ トワークの再構築を図ってまいります。
 また、市町村と連携し、商店街の空き店舗活用を促進するほか、自治会等が行う空き家解消に向けた取組みをモデル的に支援してまいります。

(健康でともに支えあい安心して暮らせる社会の形成)
 健康でともに支えあい安心して暮らせる社会の形成につきましては、健康寿命日本一に向け、健康づくりを県民運動として展開することとし、ウォーキング習 慣の一層の推進や宿泊型保健指導等に積極的に取り組んでまいります。また、県外の介護人材の本県への移住等を推進してまいります。

(地域を担う人づくり)
 地域を担う人づくりにつきましては、引き続き「とやま起業未来塾」、「とやま観光未来創造塾」、「とやま農業未来カレッジ」を開催し、各分野での人材の 育成に取り組むほか、新たに放課後等において中学生を対象として、学習支援の教室開設を支援してまいります。また、主権者教育のため、新たに「高校生とや ま県議会」の開催等を実施してまいります。

(二) 「活力とやま」の重点政策
 つぎに、「活力とやま」の重点政策について申しあげます。

(ものづくり産業の振興、新産業の育成・振興等)
 ものづくり産業の振興につきましては、県内企業間の連携を強化し、県内で取引を循環させるための検討や共同開発を支援するとともに、生産設備などをイン ターネットでつなぎ生産性向上を図る「IoT」の導入促進のための研究に取り組むなど、本県ものづくり産業の競争力強化を図ってまいります。また、日本最 大の専門見本市「機械要素技術展」に出展するなど、県内企業の販路開拓・受注拡大を図ってまいります。
 新たな成長産業の育成・振興につきましては、本県医薬品産業の一層の発展のため、容器や包装など医薬品関連産業における新技術・新製品の研究開発を支援 するほか、次世代自動車や水素など新たなエネルギー関連技術に関するセミナーの開催等を支援してまいります。また、国機関との連携により付加価値の高い小 児用医薬品等の開発に向け、県内製薬企業の支援に取り組むほか、総合デザインセンターに設置する3Dプリンターなどの活用により、デザイン性に優れた商品 開発を支援してまいります。

(中小企業の振興等)
 中小企業の振興につきましては、県の融資制度について、新たに「地方創生推進資金」を設け、県外企業の県内への移転・進出や県内企業の本社機能等の強化 を支援するとともに、TPPの発効を見据え、県内中小企業の海外展開に対する支援を拡充することとしております。また、「設備投資促進資金」について金利 引下げ措置を拡充し延長するほか、「生産性向上支援枠」を創設し、生産性やエネルギー効率の向上を図る取組みを支援することとしております。
 伝統工芸につきましては、高度な技術を保持する職人を「伝統工芸の匠(仮称)」と認定し、その技の継承を支援するとともに、インターンシップや雇用型訓 練などの人材確保・育成を支援することとしております。また、ミラノのトリエンナーレ美術館における企画展など海外へ本県伝統工芸品を出展するほか、今 秋、「国際工芸シンポジウム(仮称)」を開催することとしております。

(環日本海・アジアなど海外ビジネス展開の促進)
 海外ビジネス展開の促進につきましては、東南アジアへ経済訪問団を派遣するとともに、昨年十二月に交流協定を締結したインド・アンドラプラデシュ州との 経済交流などを促進するため、企業の現地視察などを支援してまいります。さらに、日中経済協力会議を今秋、本県で開催することとしております。

(農林水産業の振興)
 農林水産業の振興につきましては、TPPについて、農林水産業への影響が懸念されることから、これまでも、万全の対策を講じるよう国に働きかけてきまし たが、国補正予算に産地の競争力の向上や農業生産基盤の強化などの対策が盛り込まれたところであり、これらの事業も活用しながら、農業の成長産業化を積極 的に推進してまいります。
 平成三十年産米からの行政による生産数量目標の配分廃止方針をふまえ、各地域の創意工夫を活かした地域農業の成長産業化戦略の策定を進めるとともに、米 の新たな需要先の獲得や、飼料用米など非主食用米の取組みの拡大、大麦や大豆の生産振興など水田のフル活用に努めてまいります。また、全国の食味ランキン グにおいて、本県産コシヒカリが昨年に引き続いて特Aに格付けされたところであり、今後とも、高品質で食味が良い米づくりのための技術対策を徹底するとと もに、平成二十八年度中の品種登録出願に向けてコシヒカリを超える新品種の育成を進めてまいります。
 県産の農産物等の輸出促進につきましては、農林水産物等輸出促進協議会を拡充し、新たに品目別のワーキンググループを設置するほか、事業者向けのセミ ナーを開催することとしております。また、香港やシンガポールで開催される食品見本市に参加するとともに、先進的な輸送技術等を活用した事業者による輸出 の実践を支援してまいります。
 水産業につきましては、富山湾の漁場環境調査やブリの漁獲量変動要因調査、キジハタやアカムツの生産技術の開発等に積極的に取り組むなど、つくり育てる 漁業を推進してまいります。また、ベニズワイガニや水産加工品のブランド化、首都圏の飲食店・ホテル等との商談会や産地見学会の開催に取り組むなど、「富 山のさかな」の魅力を県内外に発信し、販路拡大につなげてまいります。
 薬用作物の生産振興につきましては、シャクヤク等の省力・多収栽培技術体系の早期確立を支援するとともに、新たに安定的な苗供給体制の整備に取り組んで まいります。
 林業につきましては、需要に応じた低コストで効率的な県産材の生産・供給を図るため、間伐材等の搬出のための路網整備、高性能林業機械の導入、主伐材等 の現場での仕分け、木材加工流通施設の整備などを総合的に支援してまいります。

(富山湾の国際的なブランド化)
 一昨年十月、「世界で最も美しい湾クラブ」への加盟が認められた富山湾の国際的なブランド化につきましては、県内の沿岸市町や関係団体と連携した「富山 湾岸サイクリング二〇一六」の開催支援、マリンスポーツを活用した魅力発信に取り組んでまいります。また、新湊マリーナにおいて船舶保管施設やクラブハウ スの整備を進めるとともに、自家用船舶の誘致に向け、県外の船舶所有者向け誘致ツアーを行うなど、「世界で最も美しい富山湾」のブランドを活用する取組み を幅広く推進してまいります。

(観光の振興)
 観光の振興につきましては、北陸新幹線開業後、四月から十一月までの延べ宿泊者数が、前年比百十八.七パーセントで伸び率が全国三位となったほか、立山 黒部アルペンルートや五箇山をはじめとする主要な観光地への入込み数が増加するなど新幹線の開業効果が顕著に現れております。こうした開業効果を持続さ せ、選ばれ続ける観光地となるため、北陸三県やJRと連携し、大都市圏でのPRの強化を図るとともに、新たに東北で物産展を開催するなど、引き続き富山旅 行の魅力を発信してまいります。また、岐阜県と連携し、両県を周遊する観光ルートの商品化を促進してまいります。
 国際観光の推進につきましては、北陸新幹線沿線地域や国の事業と連携しつつ、台湾や東南アジア、インドなどで観光説明会等を実施するほか、「新ゴールデ ンルート」などの広域観光周遊ルートの形成促進や「ミシュランガイド富山・石川(金沢)二〇一六」の英語版ウェブサイトの活用など、外国人旅行者の誘客を さらに推進してまいります。

(賑わいのあるまちづくりの促進)
 中心市街地の活性化につきましては、新幹線や大型商業施設の開業をふまえ、消費行動や商業の実態を調査するとともに、商店街における外国人旅行者の受入 体制整備を支援するなど、地域商業の活性化に積極的に取り組むほか、引き続き認定中心市街地への支援や市街地再開発事業の促進を図ってまいります。

(陸・海・空の交通・物流ネットワークの整備等)
 北陸新幹線につきましては、平成二十八年度政府予算案において、事業費がほぼ倍増となるとともに、敦賀・大阪間のルート調査費が確保されました。
 県としては、平成三十四年度末までとされている金沢‐敦賀間のさらなる前倒し開業、敦賀・京都・大阪間のフル規格での整備方針およびルートの平成二十八 年中の決定、地方負担の軽減、並行在来線の経営安定対策の充実などの実現について、今後とも、沿線の関係府県と協力して、また、県議会をはじめ、県内市町 村、経済団体等との連携のもとに、政府等関係機関に対し強力に働きかけてまいります。
 あいの風とやま鉄道につきましては、鉄道運営会社において、交通ICカードの導入、利用状況等をふまえたダイヤ改正など利便性の向上や利用促進、安全運 行に努めているところです。県としては、今後とも、利用の促進や経営安定基金の活用などにより運賃水準の抑制を図るとともに、新型車両の前倒し整備や、市 町が取り組む駅の利活用事業、高岡‐西高岡間の新駅設置工事等に対し支援するなど、経営の安定化と利用促進が図られるよう必要な支援を行なってまいりま す。
 道路の整備につきましては、今月末には国道八号魚津滑川バイパスの四車線化が完了するほか、来月には国道八号坂東立体交差および能越自動車道氷見南イン ターチェンジが供用開始となる予定であり、今後とも、東海北陸自動車道の四車線化や国道四十一号大沢野富山南道路など、県内道路網の整備に取り組んでまい ります。
 日本海側の総合的拠点港である伏木富山港につきましては、伏木地区における臨港道路伏木外港一号線や緩衝緑地の整備など港湾機能の充実を図るほか、新幹 線沿線地域におけるポートセールスを強化するとともに、北海道を対象として海上輸送と鉄道輸送を組み合わせた複合一貫輸送の誘致に取り組むなど、航路の維 持・拡充に努めてまいります。
 クルーズの振興につきましては、海外の船会社、旅行会社への誘致活動を強化し、寄港回数の増加に向けて積極的に働きかけてまいります。
 富山きときと空港につきましては、富山‐羽田便の重要性をふまえ、官民挙げて利用促進に取り組んでまいりましたが、三月末からの夏季ダイヤにおいて四往 復運航となったことは誠に残念な結果と考えております。一方で、県の要望もふまえながら、航空会社において、ビジネスや観光の利便性に配慮したダイヤ編成 がなされるとともに、一部便への中型機投入、羽田・成田両国際空港での国際線接続の確保、関西三空港への国内乗継割引の適用拡大などが実施されるほか、新 規路線やチャーター便の運航を協議する場を設け、沖縄へのチャーター便の七月の運航などが検討されることとなったところです。
 今後とも、空港企業サポーターズクラブの組織強化をはじめ、ビジネスや観光需要の確保、飛騨・高山地域との連携など利用促進に積極的に取り組み、路線の 維持安定化に努めるとともに、新規路線開設やチャーター便誘致、国際路線も含めた既存路線の拡充などにより、航空ネットワークの維持拡充に向けて取り組ん でまいります。

 (三) 「未来とやま」の重点政策
 つぎに、「未来とやま」の重点政策について申しあげます。

(教育の振興)
 教育の振興につきましては、先般「学校、家庭、地域で取り組む子どもの成長支援」など九つの柱からなる「富山県教育大綱(仮称)」案をとりまとめ、今年 度中の策定をめざすとともに、今後、その内容をふまえ「富山県教育振興基本計画」の改定を行い、「真の人間力」を育む本県ならではの質の高い取組みを着実 に進めてまいります。

(学校教育の充実等)
 学校教育につきましては、少人数教育の一層の充実を図るため、新たに小学校三年生において、学校の実情に応じて三十五人学級を選択できる制度を導入する とともに、小学校における英語の教科化に備え、今年度、全国一の配置率に拡充した英語専科教員をさらに倍増し、モデル校四十校へ配置してまいります。ま た、ふるさととやまの自然等を通して、科学的な考え方を養うための副読本を作成し、小学生等に配布することとしております。
 いじめ、不登校等対策については、新たに小中連携スクールカウンセラーを配置するとともに、スクールソーシャルワーカーの派遣の拡充などにより、相談体 制の一層の充実を図り、いじめ等の未然防止と早期対応に努めてまいります。
 特別支援教育については、小中学校巡回指導員を新たに配置するなど、相談体制を充実するとともに、教員の専門性向上に計画的に取り組んでまいります。
 県立大学につきましては、来年四月の医薬品工学科の新設などにより入学定員を百名増とすること等に対応するため、学生募集の強化や必要な施設整備などを 進めてまいります。
 私立学校の振興につきましては、引き続き、私立学校の運営費や特色ある教育への取組みに助成するとともに、授業料等の減免や学校施設の耐震化の取組みを 支援してまいります。
 
(子育て支援、少子化対策)
 子育て支援・少子化対策につきましては、結婚・出産・子育ての体験を若者等に伝えるキャンペーンを実施するとともに、多子世帯の子育てにかかる経済的負 担の軽減を図るため、市町村が行う第三子以上の保育料の無料化を引き続き支援するほか、教育費等の負担軽減のための無利子融資枠を拡充することとしており ます。また、年度途中の入所者に対応する保育所の人員確保への支援を強化するとともに、離職している保育士資格取得者の再就職を支援するため、新たに保育 料や就職準備金の貸付を行うこととしております。さらに、不妊治療については、初回の治療費について助成を拡充するほか、引き続き男性不妊治療に対しても 支援してまいります。

(国際交流の推進)
 国際交流につきましては、インド・アンドラプラデシュ州との間で結んだ交流協定に基づき、友好訪問団の相互派遣を行うこととしております。また、アメリ カ・オレゴン州との友好提携二十五周年を記念して、友好訪問団の派遣などを実施します。

(芸術文化の振興)
 芸術文化の振興につきましては、大伴家持生誕一三〇〇年に向け、シンポジウムや企画展の開催などを通じ越中万葉の普及啓発に積極的に取り組むほか、七月 に開催される「とやま世界こども舞台芸術祭二〇一六」を支援してまいります。
 利賀芸術公園につきましては、南砺市の「TOGA国際芸術村構想」と連携し、利賀サマーシーズンの開催や、舞台芸術の未来を担う人材育成等を支援し、ア ジアを代表する舞台芸術拠点づくりを推進してまいります。
 先般、開設準備委員会において名称案などのご提言をいただいた「富山県美術館(仮称)」につきましては、平成二十九年夏後半から秋頃までの開館をめざ し、引き続き準備を着実に進めてまいります。
 世界文化遺産登録を目指した取組みにつきましては、立山・黒部について、国際シンポジウムの開催などにより、立山砂防の顕著な普遍的価値について国内外 に発信するとともに、高岡御車山祭や魚津のタテモン行事、城端神明宮祭の曳山行事のユネスコ無形文化遺産登録に向けて取り組んでまいります。

(森づくり)
 森づくりにつきましては、平成二十八年度までとなっている「水と緑の森づくり税」の延長等について、県民や企業経営者のアンケート調査において、条件付 きを含め九十五パーセント超の方から賛成の回答をいただいたことおよび県議会はもとより、タウンミーティングなどでの幅広い県民のご意見をふまえ、具体的 な検討を進めてまいります。
 平成二十九年春に開催される「全国植樹祭」につきましては、基本計画に基づき、式典会場の整備や植樹に用いる優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の生産体制の整備を進めるとともに、五月の一年前プレイベントの開催、県内各地でのリレー植樹など、機運醸成に努めてまいります。

(四) 「安心とやま」の重点政策
 つぎに、「安心とやま」の重点政策について申しあげます。

(医療の充実等)
 医療の充実につきましては、県立中央病院において、ロボット手術など先進的な手術を行う「低侵襲手術センター」や、北陸初となる特定集中治療室(スー パーICU)などを備えた先端医療棟の九月稼動に向け、建設工事や医療器械の整備を着実に進めるとともに、医師・看護師等の充実を図ってまいります。
 医師・看護職員の確保対策につきましては、ドクターヘリの導入を契機として、救急科専門医の育成・確保を進めるとともに、引き続き、医学生の県内定着や 看護師養成所の施設・設備整備などへの支援に努めてまいります。また、県立大学における看護学部の設置に向け、教員の確保や施設の基本設計・実施設計など 必要な準備を進めてまいります。
 がん対策につきましては、がん検診受診率のさらなる向上を目指して、効果的な受診勧奨方法を検討するモデル事業を実施してまいります。

(福祉の充実)
 地域総合福祉につきましては、富山型デイサービスの普及促進など、引き続き地域共生型福祉拠点の整備等に努めてまいります。また、介護ボランティアの養 成や介護職員の産休等の取得を支援するとともに、介護福祉士等の修学資金の貸付を充実してまいります。
 高齢者福祉につきましては、訪問看護職員の確保・定着を図るため、働き方の多様化や業務の効率化、事業所の大規模化に向けた取組みに対し支援してまいり ます。また、地域医療介護総合確保基金を積み増しし、介護人材の確保や、介護サービス基盤の整備の加速化を図ってまいります。
 障害者福祉につきましては、いわゆる「障害者差別解消法」や「障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例」の四月の施行に 向け、広域専門相談員や地域相談員を配置するなど、障害を理由とする差別の解消を図るほか、就労支援事業所と連携した農産物の販売イベントの開催等の工賃 向上の取組みを支援してまいります。

(スポーツの振興)
 スポーツの振興につきましては、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えて、新たにスポーツ環境の整備に向けた戦略会議を設置 し、ジュニア世代や新種目も含めた選手の育成、国内外選手団の合宿の誘致、県営スポーツ施設の充実などに取り組んでまいります。また、八月には「世界少年 野球大会」の開催に支援するほか、十月には「富山マラソン二〇一六」を開催し、国内外の多くの参加者に富山の魅力を体感していただくとともに、県内の三つ のプロスポーツチームと連携し、健康づくりイベントなどを実施してまいります。

(G7富山環境大臣会合)
 五月に開催されるG7富山環境大臣会合につきましては、昨年十二月に県、富山市、関係団体・企業からなる推進協力委員会を設置したところであり、「環 境・エネルギー先端県」をめざす本県の取組みをはじめ、本県の魅力を国内外へ発信できるよう必要な準備を進めてまいります。あわせて、四月に記念シンポジ ウムを開催するほか、五月には、北東アジア地域の自治体専門家による国際会議や県民を対象としたフォーラムを開催し、環日本海地域における環境保全に向け た連携強化を図るとともに、県民参加による県内全域での海岸一斉清掃を行ってまいります。

(豊かで快適な環境の保全と再生可能エネルギーの導入促進)
 自然環境の保全につきましては、立山地域におけるライチョウの生息数調査を実施するとともに、「ライチョウサポート隊」を設置し、保護柵設置、生息地パ トロールなどを行うほか、弥陀ヶ原において、新たに県民参加による登山道の安全対策を実施してまいります。
 野生動物被害対策につきましては、イノシシ等の生息数・生息域の縮小を図るため、効率的な捕獲技術の普及指導などを行うとともに、捕獲の実地研修を通じ た担い手の育成に取り組むほか、カラス対策のため行動域などの生息状況調査を行います。
 再生可能エネルギーの導入促進につきましては、富山新港太陽光発電所が来月に竣工するほか、南砺市の上百瀬発電所(仮称)の整備を着実に進めてまいりま す。また、地熱開発については、立山温泉地域において、地熱の資源量を確認する地表調査を実施してまいります。

(災害に強い県土づくりと防災・減災体制の強化)
 災害に強い県土づくりにつきましては、橋りょうなどの耐震化や長寿命化、河川、砂防、治山、海岸保全施設等の整備、県有施設の耐震化等を積極的に推進す るほか、洪水浸水想定区域図の見直しを行うとともに、災害時に拠点となる民間の大規模建築物等の耐震改修に対し支援してまいります。
 防災対策につきましては、緊急消防援助隊中部ブロック合同訓練のほか、遠隔操作飛翔無人機(ドローン)を活用した救助訓練を実施するとともに、市町村と 連携し、夜間の災害を想定した住民避難訓練を支援するなど、地域防災力の向上に努めてまいります。
 弥陀ヶ原周辺の火山対策につきましては、災害時の一時避難場所となる山小屋の補強手法等の調査や火山噴火の研究支援を行うなど、観光客や登山者の安全対 策に取り組んでまいります。
 原子力災害対策につきましては、国の交付金を活用し、大気中の放射線量を測定する機器の増設による放射線監視体制の強化、原子力防災資機材の整備、防災 研修の実施などを推進してまいります。

(安全なまちづくり等)
 安全なまちづくりにつきましては、昨年の交通事故件数と負傷者数が十五年連続で減少したものの、死者数が高齢者を中心に七十人と前年を大きく上回るな ど、大変憂慮すべき状況にあります。そのため、訪問指導や交通安全教室の拡充および反射材の普及拡大等、高齢者を重点とした総合的な交通死亡事故抑止対策 を市町村や関係機関と連携しさらに推進してまいります。また、特殊詐欺につきましては、昨年、県内の認知件数および被害総額が前年に比べいずれも減少した ものの、依然として高水準で推移していることから、民生委員等を対象とした研修会の開催や店舗等と連携した啓発活動など、引き続き、官民一体の予防活動を 粘り強く進めてまいります。

 (五) 行財政改革の推進等
  つぎに、行財政改革の推進等について申しあげます。

(行財政改革)
 厳しい財政状況が続くなかで、知事に就任以来、行政改革会議等からの提言などもふまえ、県民の皆さんのご理解を得ながら、徹底した行財政改革を推進して まいりました。
 職員数の適正化については、平成二十六年四月を基準とする新たな定員管理計画に基づき、一般行政部門の職員は、五年間で三パーセント以上の純減を目標と して取り組んでおり、平成二十八年四月までの二年間で四十八人、一.五パーセント、また、平成十六年からの十二年間では九百二十人、二十二.一パーセント を削減する見込みとなりました。また、給与は、職員の協力を得て、臨時的に減額してきたところ、財政再建の取組みが相当の成果につながってきたことから、 非管理職の減額措置は廃止し、特別職・管理職については減額幅を縮小のうえ経過的に継続することとしております。こうした取組みの効果により一般行政部門 の平成二十七年度の職員人件費は、十一年前の平成十六年度に比べ、約八十二億円、二十七.二パーセントの削減となる見込みであります。
 組織機構については、「日本橋とやま館」の開設および円滑な運営に向けた体制強化、県観光連盟の「日本版DMO」としての機能強化、富山きときと空港の 利用促進策の推進、県立中央病院の医療・看護サービスの充実、「全国植樹祭」や「全国健康福祉祭」の準備など必要な体制を整備するとともに、富山県リハビ リテーション病院・こども支援センターの建設終了等をふまえ、組織の簡素化、効率化のための見直しを推進します。事務事業の見直しについては、事業の廃 止、縮小、民間活力の導入、業務の効率化等に取り組んだ結果、約七億八、〇〇〇万円を節減したところであります。
 さらに先般策定した公共施設等総合管理方針に基づき、公共施設等の長寿命化、効果的・効率的な維持管理、有効活用などに取り組んでまいります。
 今後とも、行財政改革に積極的に取り組み、適切な行財政運営に努めてまいります。
 
   四  歳入予算の概要

 つぎに、歳入予算のうち、主なものについてご説明申しあげます。
 まず、一般会計において、県税は、国の経済見通しや地方財政計画、税制改正の影響をふまえるとともに、県内企業の収益動向等を勘案して、一、三九九億円 を、地方交付税は、国の算定方針等をふまえて積算のうえ、一、二八七億円を、それぞれ計上しております。
 国庫支出金は、五六二億円を、県債は、前年度を四一億円下回る六七〇億円を、それぞれ計上しております。
 使用料および手数料については、国の基準の改正等に伴い、所要の改定を行うことにしております。
 また、特別会計においては、事業収入の実績等を勘案のうえ所要額を計上しております。

   五  予算以外の議案

 つぎに、予算以外の議案について申しあげます。
 条例としましては、新たに制定するものとして、「富山県産業振興のための若者定着支援基金条例」など六件を、改正するものとして、「富山県立近代美術館 条例の一部を改正する条例」など三十四件を提案しております。
 また、条例以外の議案五件のほか、報告案件として、地方自治法第一七九条および同法第  一八〇条の規定による専決処分について報告しております。

    六  平成二十七年度補正予算案

 つぎに、平成二十七年度補正予算案についてご説明申しあげます。
 国の補正予算等を活用して、県としても、諸課題に迅速かつ適切に対応するため、補正予算案を提案するものであります。
 補正予算の規模は、一般会計 九四億六、七二九万円となっております。
 その内容としましては、国交付金の活用も含めた地方創生の加速化に資する事業の実施、医療・介護・子育て支援等の充実、防災・減災等に資する社会資本整 備の推進などに要する経費を計上するとともに、年度間の切れ間のない発注により事業効果の早期発現を図るための債務負担行為の追加設定を行っております。
 
 以上をもちまして、平成二十八年度における県政運営の基本方針および今回提出しました諸案件の説明といたします。
 なにとぞ慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。


 

 



                                               
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