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議会日程

平成27年2月定例会 知事の提案理由説明


  は  じ  め  に 

 本日、平成二十七年二月定例県議会が開催されるにあたり、提出しました平成二十七年度予算案その他の議案につきまして、その概要を申しあげ、あわせて、 県政運営について所信の一端を申しあげます。

 説明に先立ちまして、一言申しあげます。
 去る十二月十四日、衆議院議員総選挙が行われました。この選挙におきまして、県民の衆望を担ってめでたく当選されました国会議員各位に、心からお祝いを 申しあげます。今後のご活躍を期待申しあげますとともに、県政に対しましても積極的なご尽力を賜りたいと存じます。

 さて、世界経済については、一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復しており、先行きについては、アメリカの金融政策正常化に向けた動きの影響、欧 州、中国やその他新興国経済の先行き、原油価格下落の影響、地政学的リスク等について留意する必要があるものの、緩やかな回復が続くことが期待されます。 また、世界は、中国、東南アジア、インドなどのアジアの国々が発展し、国際社会における存在感を増大させる一方で、北朝鮮などの核開発問題、国際的なテロ 組織の活動範囲の拡大など、先行き不透明な面がみられます。

 国内では、少子高齢化や人口減少が進行し、国・地方を通じ引き続き厳しい財政状況にあるなかで、経済再生や地方創生、社会保障と税の一体改革、さらには 東日本大震災からの復興、外交・安全保障の立て直しなど、多くの緊要な課題への対応が求められております。この二年余り、日本の再生・再興のためにも、 もっと「地方に光の当たる政策」を打ち出していただくよう要請してきましたが、国においては、地方と連携・協力しながら、地方創生・人口減少対策、農林水 産業を含めた産業振興、雇用の確保、医療・介護・子育ての充実、教育振興、防災・減災対策などに引き続き全力で取り組むとともに、東京一極集中の是正はも とより「分権と多様化による日本再生」に向け、長期的視点に立ってさらなる骨太の政策を講じられることを期待しております。
 本県においては、北陸新幹線がいよいよあと十七日後に開業します。昭和四十七年の基本計画の決定前から半世紀近い県民の皆さんの悲願が実現することは誠 に感慨深く、改めて、ご尽力いただいた多くの先人の皆様、中沖前知事をはじめ国会や県議会の議員の皆様、市町村長、経済界など関係各位に対し、心から敬意 を表し感謝申しあげます。来月十四日には、私も富山駅、新高岡駅、黒部宇奈月温泉駅に赴き、県民の皆さんとともに心からお祝いしたいと考えております。新 幹線の開業は、富山県にとって一つの大きなゴールではありますが、「とやま新時代」への新たなスタートでもあります。また、国においては、地方創生を国政 の重要テーマの一つとして位置づけ、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定するなどの取組みが進められております。県としても、北陸新幹線開業と国の 地方創生戦略という二つの好機を最大限に活かして、若者や女性がいきいきと働き暮らせる魅力ある地域づくり、観光振興、定住・半定住の環境づくり、県内産 業の活性化のための施策を積極的かつ戦略的に推進するほか、未来を担う人づくりや、子育て支援・少子化対策の推進、医療・福祉の充実、環境・エネルギー先 端県づくり、日本一安全・安心な県づくりなど、多くの重要課題にもしっかりと取り組んでまいります。
 知事に就任して以来、私の変わらぬ目標は、県民の皆さん一人ひとりが希望と誇りを持って、輝いて生きられる「元気な富山県」を創ることであります。この ためにも、引き続き行財政改革に真摯に取り組むとともに、「活力」、「未来」、「安心」の基本政策と、これらを支える重要政策「人づくり」の着実な推進に 努めることはもとより、「とやま新時代」にふさわしい魅力あるふるさとの創生を目指して果敢に挑戦し、本県の新たな未来を切り拓いていきたいと考えており ます。

 今後とも、初心を忘れず、富山県のかぎりない発展と県民の幸せのために、誠心誠意、全力を尽くして県政に取り組んでまいりますので、県民の皆様のご支援 と議員各位のご指導、ご協力を切にお願い申しあげる次第であります。

  一 最近の経済・雇用情勢

 つぎに、最近の経済・雇用情勢について申しあげます。

 (経済情勢と経済・雇用対策)
 最近の我が国経済は、個人消費などに弱さがみられますが、緩やかな回復基調が続いております。先行きについては、原油価格下落の影響や各種政策の効果も あって、緩やかに回復していくことが期待されますが、消費者マインドの弱さや海外景気の下振れなど、景気を下押しするリスクに留意する必要があります。
 本県経済につきましては、個人消費では一部に持ち直しの動きがみられ、設備投資は増加傾向にあり、また、雇用情勢は、十二月の有効求人倍率が一.三九倍 と全国平均(一.一五倍)をかなり上回り、改善が続いているなど、景気は、一部に弱さがみられるものの、緩やかな回復基調が続いております。しかしなが ら、海外景気の下振れなどによるリスクに留意する必要があります。
 県としましては、これまでも、国の取組みに先んじて、経済・雇用情勢に迅速かつ適切に対処するように努めてまいりましたが、今回さらに、国の補正予算を 活用し、地域における消費喚起のための商品券・旅行券の発行や、未就学児がいる多子世帯等向けの特別応援券の配付などの生活支援、防災・減災に資する社会 資本整備の推進などを盛り込んだ補正予算案を編成し、今議会に提案しております。今後とも、内外の経済情勢や国の動向などを注視しつつ、引き続き、経済・ 雇用対策のさらなる推進に全力を尽くしてまいります。
 
  二 予算編成の基本方針

 つぎに、平成二十七年度予算編成の基本方針について申しあげます。

 (本県の財政状況)
 本県財政につきましては、約四〇〇億円の財源不足が見込まれた平成十七年度を「財政再建元年」と位置づけ、以来、職員数の削減、給与の臨時的減額、事務 事業の見直しなどの行財政改革にスピード感をもって積極的に取り組み、財源不足の大幅縮減に努めてまいりました。
 しかしながら、平成二十七年度予算においては、国の「中期財政計画」において国・地方を通じた基礎的財政収支の改善のため地方財政を厳しく見直すことと された一方、歳出では公債費や福祉・医療などの義務的経費が高い水準で推移していることから、昨年十一月時点で、約五八億円の財源不足が生じるものと見込 まれました。

 (平成二十七年度の地方財政対策と予算編成方針)
 その後、国内の景気の持ち直しなどに伴い、県税収入は増加が見込まれるものの、少子高齢化に伴う社会保障関係費の自然増への対応はもとより、いわゆるア ベノミクスの効果を地域の隅々まで行きわたらせるためにも、地方交付税を含めた所要の一般財源総額を確保することが必要であることから、国に対し、富山県 知事として、また、全国知事会の地方税財政常任委員長として、地方財政計画の歳出特別枠と地方交付税の別枠加算を堅持するとともに、地方創生・人口減少対 策のための施策の拡充・強化、社会保障の充実や自然増などについて地方財政計画に適切に反映することや、地方創生のための自由度の高い交付金の創設につい て、安倍総理大臣や石破地方創生担当大臣、高市総務大臣などに対し強く働きかけてまいりました。
 こうした本県など地方からの強い要望を受け、平成二十七年度の地方財政対策において、地方税が増収となる中で、地方創生にかかる歳出(一兆円)が計上さ れたこと等により、地方の一般財源総額が前年度を相当程度上回る六一.五兆円となり、あわせて「地方創生先行型交付金(一、七〇〇億円)」の創設などによ り、本県を含め、地方の予算編成にあたっての基盤が一定程度確保されたところであります。さらに、地方創生を国家戦略として推進するためには、東京圏から 地方への人の流れを作る必要があることから、地方への本社機能の移転や研究開発拠点の立地等を行う企業に対する国税・地方税の軽減制度の創設について国に 対し強く働きかけたことにより、平成二十七年度税制改正において「地方拠点強化税制」が創設されることとなりました。こうした状況をふまえ、平成二十七年 度予算編成にあたっては、歳入の確保はもとより、引き続き行財政改革に真摯に取り組む一方で、地方創生や人口減少対策にかかる先駆的・効果的な施策や新幹 線開業効果の活用対策、産業成長戦略、未来を担う人づくりなどの施策に最優先で取り組むとともに、「新・元気とやま創造計画」に盛り込まれた各般の施策を 積極的かつ戦略的に推進することとしました。

 (平成二十七年度一般会計予算)
 この結果、平成二十七年度一般会計予算は、前年度比〇.六パーセント増の五、六〇六億円余と、十三年ぶりに大きな規模となり、うち、経済・産業の振興、 雇用対策、子育て、教育、医療、福祉や公共事業・主要県単独建設事業等の政策経費については、新幹線負担金や並行在来線関係経費、リーマンショックを契機 に拡充した緊急融資など当然減になるものを除くと、前年度比一.七パーセント増となり、前年度を除き十九年ぶりの大きな伸びとなっております。これらは、 この十年来の行財政改革が相当大きな成果をあげてきたことや、国に強く働きかけ、地方創生のための交付金の創設など財源の確保に真摯に努めてきたことによ るものであります。
 とやまの未来創生戦略としては、若者や女性がいきいきと働き暮らせる魅力ある地域づくり、定住・半定住の環境づくり、産業・地域の活性化、観光の振興、 地域の拠点と周辺との交通ネットワーク整備、健康でともに支えあう社会の形成、地域を担う人づくり、子育て支援・少子化対策の推進に重点的に取り組むこと とし、国の「地方創生先行型交付金」を活用した二月補正予算と当初予算とを一体として編成することとしました。
 また、国の「日本再興戦略」への対応はもとより、ものづくりや農林水産業など県内産業の競争力を高め、県内経済の発展につながるような戦略的な施策につ いても引き続き取り組むとともに、新・元気とやま創造計画の五つの重点戦略と重要政策「人づくり」に位置づけられた施策を着実に推進するため、予算を重点 的に配分することとしました。
 なお、昨年十一月時点で約五八億円と見込まれた財源不足については、平成二十七年度の地方財政対策により、一般財源総額が確保されたことや、国の「地方 創生先行型交付金」の活用、徹底した事務事業の見直しなどの行革努力により、約一五億円にまで縮小される見込みとなりました。この財源不足には、従前、本 県独自に実施してきた職員給与の臨時的減額を一部緩和して、平成二十七年度も実施するとともに、今後の定員適正化の取組み等を前提とした退職手当債の発行 により対応することとしております。

 (財政再建・行政改革)
 平成二十八年度以降におきましても、社会保障関係費等が増加するとともに、制度改正を実現し大幅に縮減できたものの、新幹線整備の地方負担に充当した地 方債の償還が本格化することなどから公債費等が高い水準で推移すると見込まれます。県税収入は景気の動向に左右されるほか、地方交付税等については、国の 財政事情などから先行きの見通しは不透明な状況であります。また、財政調整基金や県債管理基金は残高の確保・充実に努めているものの取崩しの余地は限られ ており、このまま推移すれば、財政状況はさらに厳しくなることが懸念されます。
 県の財政運営を持続可能なものとするため、今後とも財政再建・行政改革の推進に最大限努力する一方、国に対して、本来の地方分権の趣旨に沿った地方の自 立や地域間格差の是正のための地方税財政制度の改革、地方交付税の充実などを引き続き強く働きかけてまいります。

  三 歳出予算の概要

 つぎに、歳出予算の概要について申しあげます。
 平成二十七年度予算案は、一般会計五、六〇六億一、六三六万円、特別会計一、六〇二億   七、九〇一万円となっております。
 以下、とやまの未来創生にかかる重点施策、「元気とやまの創造」に向けた「活力」、「未来」、「安心」の基本政策の平成二十七年度予算案およびこれと一 体として編成した平成   二十六年度補正予算案の要点をご説明申しあげます。

 (一) とやまの未来創生にかかる重点施策
 まず、とやまの未来創生にかかる重点施策について申しあげます。

 (とやまの未来創生戦略)
 とやまの未来創生につきましては、国に先駆けて昨年十月に設置した有識者・市町村等からなる「まちの未来創造会議」において出された政策の基本的方向性 と「子育て支援・少子化対策県民会議」でのとりまとめもふまえ、今後、産学官に加え住民代表からなる「とやま未来創造県民会議」(仮称)を設置し、市町村 との連携のもと、とやまの未来創生戦略を策定することとしております。

 (重点施策)
 とやまの未来創生にかかる重点施策につきましては、若者や女性がいきいきと働き暮らせる魅力ある地域づくりについて、首都圏で新規学卒者向けに県として 初めて合同企業説明会を開催するなど若者のUIJターンを積極的に推進するとともに、二十代女性のUターン就職促進のためのカフェを東京などで開催するほ か、県外出身者も含め県内学生の県内就職を促進するため、大学一、二年生等を対象としたセミナーを開催することとしております。また、国に創設していただ いた「地方拠点強化税制」にあわせ、大都市圏の企業への訪問や本県の立地環境のPRをはじめ、県の成長産業三分野(高機能素材・デジタルものづくり・ライ フサイエンス)の研究拠点を強化する企業への助成制度を創設するなど、県内市町村や経済界とも連携しながら、全国のモデルとなる取組みを進めてまいりま す。
 定住・半定住の環境づくりについては、新たに「富山県ふるさとUIJターン支援センター(仮称)」を設置し、東京圏と県内の窓口において、仕事と住まい の一元的な相談体制を強化することとしております。また、大都市圏等からのUターンのきっかけづくりとなる「三〇歳の同窓会inとやま(仮称)」を開催す るとともに、東京圏在住の若者を対象とした「富山ふるさと塾」の開催支援などを進めてまいります。さらに、民間団体が実施する空き家等既存住宅の有効活用 に対する取組みを支援してまいります。
 産業・地域の活性化については、企業・製品等の高付加価値化や女性が輝く職場創出のためクリエイティブ産業の振興などを図ってまいります。また、本県で 七月に開催されるイタリア料理イベントを支援するほか、ミラノ国際博覧会で本県の伝統工芸品や食の魅力を発信するとともに、アジアのバイヤーを招へいした 商談会の開催や香港でのフード・エキスポへの出展に加え、タイで開催される物産展に新たに参加するなど、とやまの食の海外での販路拡大に取り組んでまいり ます。さらに、先般、「富のおもちかえり」商品の販売を開始しましたが、引き続き、新たな商品開発に取り組んでまいります。
 観光の振興については、「とやま観光未来創造塾」に外国人旅行者向けの人材育成のための「グローバルコース」を新設するほか、東京圏での情報発信拠点に ついて、有識者会議での議論などを踏まえ、今後、条件に合致した物件に速やかに対応できるよう、必要な準備を行ってまいります。
 地域の拠点と周辺との交通ネットワークの整備については、新幹線やあいの風とやま鉄道の開業などの環境変化に対応し、新たな「地域交通ビジョン」の策定 に取り組むこととしております。
 健康でともに支えあう社会の形成については、健康寿命の延伸をめざして、健康づくり県民運動を展開することとし、県内食品業界と連携した減塩商品の開 発・普及支援や職場等での野菜摂取の促進、商店街等と連携した冬のウオーキングの推進、生涯スポーツの普及など総合的な生活習慣病対策を進めてまいりま す。
 地域を担う人づくりについては、看護系高等教育機関の整備・充実に向け、県立の看護大学の設置等について、県立総合衛生学院のあり方も含め具体的な検討 を進めるほか、県立大学において、教育研究分野の拡充と入学定員の増加および法人化後の新しい機能を備えた施設整備の基本設計を進めてまいります。また、 アセアン地域からの優秀な留学生の受入れ拡大と県内定着を図るため、県内企業と連携して就学から就業までを一体とした留学生受入モデル事業に新たに取り組 んでまいります。さらに、全国に先駆け、産業界と連携し、県内企業に就職し将来の地域産業の担い手となる学生の奨学金返済に対し支援してまいります。
 子育て支援・少子化対策の推進については、多子家庭の子育てにかかる経済的負担の軽減を図るため、市町村が行う第三子以上の保育料の無料化を支援すると ともに、教育費等の負担軽減のための融資制度を拡充し、あわせて無利子とすることとしております。

 (二) 「活力とやま」の重点政策
 つぎに、「活力とやま」の重点政策について申しあげます。

 (ものづくり産業の振興、新産業の育成・振興等)
 ものづくり産業の振興につきましては、ものづくり研究開発センターおよび薬事研究所に設置する、マグネシウム合金など新素材の開発を支援する高機能素材 ラボをはじめ3Dプリンターなどを活用した新商品開発を支援するデジタルものづくりラボ、製剤開発・創薬研究支援ラボを活用し、最先端ものづくりの強化等 を図ってまいります。また、「富山県ものづくり産業未来戦略雇用創造プロジェクト」を活用し、技術の高度化や試作品の開発に取り組む県内企業を支援し、成 長分野への参入や雇用促進を図ってまいります。
 新たな成長産業の育成・振興につきましては、航空機産業への参入をさらに促進するため、試作品の製作や大手メーカーとのマッチングを支援するとともに、 県総合デザインセンターにデザインを取り入れた商品開発に必要な設備を整備するなど、製品の高付加価値化を推進してまいります。
また、県内における薬用作物栽培や関連商品の開発、医療への活用など実用化に向けた取組みを産学官連携により進めるとともに、生産者組織が取り組むシャク ヤクの省力・多収栽培技術体系の早期確立について支援してまいります。

 (中小企業の振興等)
 中小企業の振興につきましては、県融資制度について、近年の金利動向をふまえ、すべての資金の金利を引き下げるとともに、「創業支援資金」に本社機能の 移転・強化等に対応するための「県内進出支援枠」を、また「新事業展開支援資金」に「デザイン産業・コンテンツ産業支援枠」を、それぞれ創設することとし ました。
また、「とやま起業未来塾」において新たに国際ビジネスや伝統産業の新たな展開を目指す人材の育成を進めるとともに、若者・女性のアイデアや伝統産業の技 術を活かした事業の創業を支援してまいります。さらに、昨年制定された小規模企業振興基本法の趣旨等をふまえ、小規模企業の持続的な発展の促進や多様な人 材の育成などを盛り込んだ条例改正案を提出するとともに、小口事業資金の融資限度額の引上げ等や小規模企業等の見本市への共同出展などを支援してまいりま す。
 伝統工芸につきましては、本年十一月、高岡市を中心に開催される伝統的工芸品月間国民会議全国大会の準備を鋭意進めるほか、ニューヨークにおいて、本県 の若手伝統工芸作家の優れた作品等の展示会を開催するなど、本県の伝統工芸品産業の国内外への発信や販路開拓、人材育成への支援等の充実に努めてまいりま す。

 (環日本海・アジアなど海外ビジネス展開の促進)
 環日本海・アジアなど海外ビジネス展開の促進につきましては、本県の優れたものづくり技術を国内外へ発信するため、来る四月に「富山県ものづくり総合見 本市二〇一五」を開催いたします。また、東南アジアなど海外への販路拡大をめざす中小企業を支援するため、インドネシアへ経済訪問団を派遣するとともに、 海外研修によりグローバル人材を育成する企業を支援してまいります。

 (雇用の安定、人材の確保・育成)
 雇用の確保と創出につきましては、基金を活用した事業による今年度の雇用創出数が、市町村分を含め、目標の四百人を超えたことにより、平成二十一年度か らの累計で雇用創出目標  一万八千人を達成する見込みとなっており、引き続き、平成二十七年度においても、地域人づくり事業を活用し、雇用の確保、処遇 改善等の取組みを支援してまいります。
また、技術専門学院において、新たに、女性も受講しやすい訓練カリキュラムや託児サービスを導入するなど、産業を支える人材の確保・育成を図ってまいりま す。

 (農林水産業の振興)
 国においては、農業を新たな成長産業としていくための改革が進められておりますが、今月十三日、農林水産大臣に対し、農業・農村の所得倍増に向けた具体 的な道筋の明確化や地方の農業現場の実情に沿った検討がなされるよう、直接強く要請したところです。
 本年産米の本県の生産数量目標につきましては、全国のマイナス一.八パーセントを上回るマイナス三.五パーセントの削減とされましたが、政府備蓄米は、 農業団体と連携し一般枠を含め昨年産米を二、七〇六トン上回る一六、五三四トンを確保するとともに、産地交付金についても、昨年同額の十四億八、五〇〇万 円を確保できたことから、大豆、園芸作物等の振興や、飼料用米の取組み拡大など水田のフル活用に努めてまいります。また、本県産コシヒカリについて、昨年 産米の全国の食味ランキングにおいて十三年ぶりに特Aに格付けされたところです。今後とも、きめ細かな技術対策などを徹底してまいります。
 農業の担い手の育成につきましては、集落営農の組織化や農地中間管理事業を活用した農地の集積・集約化をより一層促進するほか、規模拡大や六次産業化等 による経営の複合化やコスト削減などによる農業所得の増大に向けて意欲的にチャレンジする経営体を総合的に支援し、産業として成り立つ農業経営の確立に取 り組んでまいります。さらに、先月開校した「とやま農業未来カレッジ」において、農業後継者の育成確保に努めてまいります。
 六次産業化につきましては、新たに、本県の農や食の魅力を直接発信できる観光体験農園の整備などの取組みや、高校生やNPO法人などの斬新なアイデアを 活用した商品・サービスの開発や販路拡大に向けた取組みを支援してまいります。
 中山間地域の振興につきましては、農林水産物、歴史・伝承文化などの豊かな地域資源の活用方策の検討を進め、本県の地域活性化モデルの構築に努めてまい ります。

 (富山湾の国際的なブランド化)
 富山湾の国際的なブランド化につきましては、四月に富山湾岸サイクリングコースの開設記念イベントを開催するほか、国内最大規模のヨットレースである 「タモリカップ」を誘致し、さらに富山湾の保全や魅力アップなどに取り組む民間応援組織「美しい富山湾クラブ(仮称)」の活動を支援してまいります。ま た、自家用船舶の誘致に向け、新湊マリーナの船舶保管施設の大幅な増設やクラブハウスの拡張整備などを実施するとともに、県外の船舶所有者向けの誘致ツ アーを行うなど、「世界で最も美しい湾クラブ」加盟の効果を最大限に活かす取組みを幅広く進めてまいります。
 「全国豊かな海づくり大会」につきましては、十月の開催に向けて、おもてなしの心にあふれ、富山県らしい大会となるよう着実に準備を進めるとともに、県 民の機運醸成に努めてまいります。

 (観光の振興)
 北陸新幹線の開業効果を最大限に高め、選ばれ続ける観光地となるため、本年秋のJRや北陸三県が連携した北陸デスティネーションキャンペーンの実施に向 けて、旅行商品の造成などの諸準備を進めるとともに、県、市町村と連携し「富山で休もう。」キャンペーンを実施し、観光PRの強化および県内の機運醸成を 図るほか、周遊観光の充実や県内五か所の広域観光案内所の運営を支援するなど受入体制の整備にも取り組んでまいります。また、新幹線開業や訪日外国人の動 向を見据え、新たな観光振興戦略プランを策定するほか、宿泊機能のあり方など、おもてなし環境についての調査検討を行うこととしております。
さらに、五箇山合掌造り集落が世界遺産登録二十周年を迎えることから、南砺市や岐阜県と連携したプロモーションを実施するとともに、秋には東京ビッグサイ トでの「ツーリズムエキスポジャパン二〇一五」に出展するほか、関西・中京方面からの観光誘客の促進にも努めてまいります。
 国際観光につきましては、台湾における航空会社と連携した観光PRや観光物産展の開催などを行うほか、韓国からのインバウンドツアーの支援、中国でのテ レビ番組などを通じた観光誘客に努めてまいります。また、訪日観光客が急増している東南アジアについては、現地での観光説明会や旅行会社と連携したPR活 動を行うなど、プロモーションを強化してまいります。

 (賑わいのあるまちづくりの促進)
 中心市街地の活性化につきましては、引き続き認定中心市街地への支援や市街地再開発事業の促進を図るとともに、地域を担う商店街づくりモデル事業を新た に実施するなど、商店街の再生、活性化に積極的に取り組んでまいります。
また、水辺を活かした賑わいづくりにつきましては、富岩水上ラインにおいて、新艇「fugan(ふがん)」が就航し、三隻により土・日・祝日のみでなく平 日も定期運航を行ってまいります。

 (陸・海・空の交通・物流ネットワークの整備等)
 北陸新幹線につきましては、平成二十七年度政府予算案において、整備新幹線にかかる国費が増額され、現在建設中の金沢・敦賀間の完成・開業時期を三年前 倒しし、平成三十四年度末の完成・開業を目指すこととされたことについて高く評価し、政府・与党関係者のご尽力に敬意を表します。
県としては、金沢・敦賀間の工期短縮はもとより敦賀以西のルート決定に向けた調査の実施など大阪までのフル規格による整備方針の早期明確化、地方負担の軽 減、並行在来線の経営安定対策の充実などの実現に向け、今後とも、県議会をはじめ、関係府県、県内市町村、経済団体等と連携して、政府等関係機関に対し強 力に働きかけてまいります。
 北陸新幹線と同時に開業を迎えるあいの風とやま鉄道につきましては、先般の利用促進協議会において開業イベントのほか一日フリー切符や沿線市町のイベン トと連携した企画切符の販売、ファンクラブの加入呼びかけなどを図っていくこととしたところです。県としては、今後とも、経営安定基金の活用などにより運 賃水準の抑制を図るとともに、交通ICカードの導入や、市町が取り組む駅舎のモデル的な利活用事業、高岡―西高岡間の新駅設置にかかる詳細設計に対し支援 するなど、経営の安定化と利用促進が図られるよう努めてまいります。
 北陸新幹線開業に伴う地域交通の整備・充実につきましては、新幹線駅から県内観光地等を結ぶ路線バスの実証運行をはじめ、新幹線新駅と接続する城端線お よび富山地方鉄道の増便や、県外旅行者向けの県内周遊企画きっぷの販売を支援します。
 道路の整備につきましては、今月二十八日には能越自動車道灘浦インターチェンジから七尾インターチェンジ間、三月一日には国道八号入善黒部バイパスの黒 部市古御堂から魚津市江口間が供用開始する予定であり、今後とも、東海北陸自動車道の四車線化や国道四十一号大沢野富山南道路など、県内道路網の整備に取 り組んでまいります。
 日本海側の「総合的拠点港」である伏木富山港につきましては、昨年のコンテナ取扱個数が対前年比約七パーセント増の八万二千個と二年連続で過去最高を記 録したところであり、新湊地区多目的国際ターミナルのコンテナヤードの拡張整備など港湾機能の充実に努めるとともに、岐阜県、長野県との連携による海外バ イヤーを招へいした商談会や利用促進セミナーの開催など一層の集荷促進、物流の活性化に努めてまいります。
 クルーズの振興につきましては、中国をはじめとする海外の船会社、旅行会社への誘致活動を強化するとともに、「全国クルーズ活性化会議」や「環日本海ク ルーズ推進協議会」などとも連携し、寄港回数の増加に向けて積極的に働きかけてまいります。
 富山きときと空港につきましては、新幹線開業後の富山‐東京便の路線維持や便数維持と そのための対策を航空会社に対し強く要請してきたところ、三月二 十九日からの六便体制が継続され、富山‐東京便や羽田からの国内乗継の運賃が従来に比べ大幅に引下げられるなど、路線維持のため相当努力されていると受け 止めております。県としても、東京便利用客の県内宿泊やレンタカー利用への支援、リピーターの確保や羽田乗継の利便性のPRに取り組むほか、富山‐伊丹便 の新設の働きかけや北信越への空港利用圏域の拡大、十周年を迎える上海便などの国際定期路線の利用促進、チャーター便等の誘致により航空ネットワークの充 実に努めるとともに、富山きときと空港活性化検討会議での検討結果も踏まえながら、空港の維持活性化に向けて取り組んでまいります。

 (三) 「未来とやま」の重点政策
 つぎに、「未来とやま」の重点政策について申しあげます。

 (教育・スポーツ政策の強化)
 教育の振興につきましては、知事と教育委員で構成する総合教育会議を設置し、有識者等の意見もふまえ教育行政の基本方針となる「大綱」を策定することと し、教育委員会と連携協力して、少子化、学力向上、いじめ問題など様々な教育課題に積極的に取り組み、富山県教育の充実発展に努めてまいります。また、五 年後の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、競技力の向上をはじめ、スポーツによる健康づくり、地域づくりを一層進めるため、学校体育を除 くスポーツ行政の所管を教育委員会から知事部局に移管し、「教育・スポーツ政策監」(仮称)を設置して、総合的かつ部局横断的に取り組む体制を強化しま す。

 (学校教育の充実等)
 学校教育につきましては、小学校における英語の教科化等に備え、英語の専科教員を大幅に増員し、モデル校二十校に配置するほか、少人数教育を推進すると ともに、スクールソーシャルワーカーの配置を拡充し、高校にも新たに二名配置するなど、いじめ、不登校の未然防止や早期対応に努めてまいります。
 特別支援教育については、今後の推進方策等について協議するため、関係機関、学識経験者等による協議会を設置するほか、教員研修の拡充や、高等学校を巡 回指導する専門指導員の配置など、特別支援教育の充実に努めてまいります。
 県立学校については、引き続き、県立高校の望ましい規模や配置、各学科の構成など、将来展望に立った魅力ある県立高校整備等のあり方について検討すると ともに、学校の耐震化について、平成二十七年度末までに完了するよう引き続き進めてまいります。
 私立学校の振興につきましては、引き続き、私立学校の運営費や特色ある教育への取組みに助成するとともに、授業料等の減免や学校施設の耐震化の取組みを 支援してまいります。

 (子育て支援、少子化対策)
 子育て支援・少子化対策につきましては、「とやまマリッジサポートセンター」の日曜サテライトオフィス開設、独身男女等の出会いや交流を図るイベントへ の支援、不育症治療研究の実施、男性の不妊症治療費への助成など、本年度中に策定する子育て支援・少子化対策基本計画等に基づき積極的に取り組んでまいり ます。さらに、仕事と子育ての両立を進めるため、一般事業主行動計画を策定する企業の範囲を拡大することとし、子育て支援・少子化対策条例の改正案を今議 会に提案しているほか、国の交付金を活用し、ひとり親家庭や未就学児のいる多子世帯に対し、特別応援券を配付することとしております。

 (国際交流の推進)
 国際交流につきましては、ブラジル・サンパウロ州との友好提携三十周年にあわせ、親善訪問団の派遣などの記念事業を行います。

 (芸術文化の振興等)
 芸術文化の振興につきましては、大伴家持の生誕千三百年に向け、大伴家持に関する講座等を開催し、その機運を高めるとともに、新幹線開業にあわせ、東京 において、長野県と共同でシンポジウムを開催するなど、高志の国文学の魅力を県内外に発信します。また、「新近代美術館」(仮称)の開館に向け、海外の美 術館関係者などを招いて国際シンポジウムを開催し、機運醸成を図ってまいります。
 利賀芸術公園につきましては、利賀アジア芸術祭の開催や、舞台芸術の未来を担う人材が集う「TOGA国際芸術村構想」に向けた施設整備等を支援し、アジ アを代表する舞台芸術拠点づくりを推進してまいります。
 世界文化遺産登録を目指した取組みにつきましては、立山・黒部について、専門家から指導を得ながら、構成資産の範囲の検討を進めるとともに、日本イコモ ス国内委員会富山会議やフォーラムを開催するなど、立山砂防の顕著で普遍的な価値について国内外にPRしてまいります。また、高岡御車山祭や魚津のタテモ ン行事、城端神明宮祭の曳山行事のユネスコ無形文化遺産登録に向けて取り組んでまいります。

 (森づくり)
 森づくりにつきましては、優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の普及などに取り組み、県民参加による健全な森づくりの一層の推進に努めるとともに、平成二十九年春に本県で開催される「全国植樹祭」につい て、今後、基本計画の検討や県民機運の醸成に努めてまいります。

 (四) 「安心とやま」の重点政策
 つぎに、「安心とやま」の重点政策について申しあげます。

 (医療の充実等)
 医療の充実につきましては、県立中央病院において、平成二十八年夏頃の開業を目指して準備を進めている新棟に、ロボット手術やハイブリッド手術など先進 的な低侵襲手術を可能にする医療機器を導入し、患者の負担軽減を図るとともに、北陸初となる特定集中治療室の体制整備に取り組んでまいります。
 また、本年夏頃の富山県ドクターヘリの運航開始に向け、引き続き県立中央病院において必要な施設・設備の整備や搭乗する医師等の養成を進めるとともに、 運航ルールの作成やランデブーポイントの設定などを行ってまいります。
さらに、医療介護総合確保推進法に基づき、団塊世代が後期高齢者となる二〇二五年を見据えて、将来の医療需要を踏まえた適切な医療機能の分化と連携を推進 するため「地域医療構想」の策定に取り組んでまいります。
 医師・看護職員の確保対策につきましては、医学生の県内定着や研修指導体制の充実強化を図るとともに、富山市医師会看護専門学校や(仮称)富山県高岡看 護専門学校などの施設・設備整備に対し支援してまいります。     
 がん対策につきましては、女性や退職者のがん検診受診率向上のための環境づくりを進めるとともに、難病対策については、難病の患者に対する医療等に関す る法律が施行されたことから、難病相談支援センターの機能の充実を行うなどの体制整備を進めてまいります。

 (福祉の充実)
 地域総合福祉につきましては、富山型デイサービスの普及促進など、引き続き地域共生型福祉拠点の整備等に努めるほか、高校生や中高年齢者向けの介護出前 講座の開催、介護職員のキャリアパスサポート事業等により、福祉・介護人材の確保・定着に努めるとともに、介護機器やICTの導入により介護職員の負担軽 減に取り組む事業者を支援してまいります。
 高齢者福祉につきましては、地域包括ケアシステム推進会議において「地域包括ケアシステム構築推進のための共同宣言」を行ったところであり、今後はこの 取組みを県全体で加速させるため、地域包括ケア実践団体の認定・登録などの普及啓発活動や市町村への支援のほか、認知症の早期発見・対応のための普及啓発 などを進めてまいります。
 障害者福祉につきましては、いわゆる「障害者差別解消法」や「障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例」の来年四月施行 に向けて、障害のある人に対する正しい理解の促進や障害を理由とする差別の解消を図るための施策を実施するほか、就労支援事業所における工賃向上の取組み を支援してまいります。また、リハビリテーション病院・こども支援センターの整備につきましては、来年一月の開業に向けて、引き続き建設工事や医療機器の 整備等を着実に進めてまいります。

 (スポーツの振興)
 スポーツの振興につきましては、「元気とやまスポーツ振興会議」でのご意見もふまえ、アスリートの育成、海外選手団の事前合宿の誘致、県営スポーツ施設 の整備・充実等に取り組んでまいります。また、今年十一月に開催する「富山マラソン二〇一五」について、プレ大会を来月の二十二日に富岩運河環水公園で開 催するとともに、四月からランナー募集を開始し、多くの参加者に富山の魅力を体感してもらえる大会を目指します。

 (豊かで快適な環境の保全と再生可能エネルギーの導入促進)
 循環型社会づくりの推進につきましては、平成二十年に全国に先駆けて県下全域で開始したレジ袋削減の取組みが、今年度末で十億枚を突破する見込みとなる ことをふまえ、取組みへのさらなるサポートのためのキャンペーンや、レジ袋の無料配布廃止に取組む店舗で使用できる商品券の発行などを展開します。また、 新たに県内の先駆的な環境関連企業を県内外に広く紹介するシンポジウムや海外展開に向けたセミナーを開催します。
 自然環境の保全につきましては、本年四月に施行される立山におけるバスの排出ガスの規制に関する条例に基づき、立山有料道路を通行するバスの条例適合状 況の調査などを行ってまいります。また、ライチョウの保護などの取組みや目撃情報をホームページで紹介するとともに、県民参加による保護柵設置などを行い ます。
 野生動物被害対策につきましては、カモシカ保護管理計画の策定のための生息密度調査を実施するとともに、農作物被害を防ぐため、新たに耐雪型侵入防止柵 の整備に支援してまいります。
 再生可能エネルギーの導入促進につきましては、入善町で建設中の小摺戸発電所が、来月  二十一日に竣工するほか、南砺市百瀬川における小水力発電所の 整備を進めるとともに、新たに黒部市の舟子川地区など三地区での整備を支援してまいります。

 (災害に強い県土づくりと防災・減災体制の強化)
 防災対策につきましては、地震調査研究推進本部が実施中の日本海地震・津波調査プロジェクトの調査結果等を踏まえ、津波シミュレーション調査を実施する ほか、市町村との連携のもと、自主防災組織による資機材整備や、津波を想定した住民避難訓練を支援するなど、地域防災力の向上に努めてまいります。
 火山対策につきましては、火山噴火予知連絡会の検討会の緊急提言において、弥陀ヶ原の常時観測火山への追加を検討すべきとされたことをふまえ、国の正式 決定を待つことなく、先月、弥陀ヶ原火山防災協議会を設置したところであり、火山防災情報の伝達拠点の整備や火山噴火の研究支援など観光客や登山者の安全 対策に取り組んでまいります。
 原子力災害対策につきましては、国の交付金を活用し、原子力防災研修の充実や防災資機材の整備を推進するなど、県民の安全・安心の確保に万全を期してま いります。

 (安全なまちづくり等)
 安全なまちづくりにつきましては、県内における犯罪発生件数は十三年連続で減少し、交通事故による死者数は前年より九人減の四十四人となり、交通事故発 生件数、負傷者数についても十四年連続で減少しておりますが、他方で、昨年の特殊詐欺は被害総額が五億円を超えるなど、依然として深刻な状況にあります。 そのため、引き続き、官民一体となった予防活動を強力に推進するほか、ストーカー・DV事案等の対策を強化するため警察官の増員を図るとともに、(仮称) 富山中央警察署について、平成二十八年度末までの竣工に向けて鋭意整備を進めます。
 また、本年が安全なまちづくり条例施行十周年を迎えることから、特別表彰やフォーラムを実施し、防犯意識の高揚や自主防犯活動などの推進を図るなど、引 き続き、県民の皆さんとともに「日本一の安全・安心な県づくり」をめざす取組みを積極的に推進してまいります。

 (五) 行財政改革の推進等
  つぎに、行財政改革の推進等について申しあげます。

 (行財政改革)
 厳しい財政状況が続くなかで、知事に就任以来、行政改革会議等からの提言などもふまえ、県民の皆さんのご理解を得ながら、徹底した行財政改革を推進して まいりました。
 職員数の適正化については、一般行政部門を対象とした定員適正化計画に基づき、平成十六年四月からの十年間で二一.〇パーセント、八百七十二人の削減と なり、目標を上回るなど、全国トップクラスの取組みを進めてきたところです。今後とも、引き続き効率的かつ効果的な組織とするため、平成二十六年四月を基 準とする新たな定員管理計画を策定したところであり、一般行政部門の職員は、今後五年間で五パーセントを目標に削減に努める一方で、新たな行政需要に対応 が必要な部門には二パーセントの範囲内で人員を配置することとし、純減としては、三パーセント以上を目標に削減に努めることとしております。また、職員給 与は、臨時的減額措置を一部緩和のうえ継続して実施することとしており、こうした取組みの効果により一般行政部門の平成二十六年度の職員人件費は、十年前 の平成十六年度に比べ、約七七億円、    二五.六パーセントの削減となる見込みであります。
 組織機構については、教育委員会制度改革への対応やスポーツ行政の一元化など教育行政の総合的な推進、地方創生対策、国民健康保険の移管や医療ビジョン を踏まえた医療介護制度改革に向けた体制強化、県立中央病院の新棟稼動やドクターヘリの導入などに向けた医療・看護サービスの充実など必要な体制を整備す るとともに、新幹線開業対策業務の終了等をふまえ、組織の簡素化、効率化のための見直しを推進します。事務事業の見直しについては、事業の廃止、縮小、民 間活力の導入、業務の効率化等に取り組んだ結果、約七億一、〇〇〇万円を節減したところであります。
 今後とも、行財政改革に積極的に取り組み、適切な行財政運営に努めてまいります。
  
  四  歳入予算の概要

 つぎに、歳入予算のうち、主なものについてご説明申しあげます。
 まず、一般会計において、県税は、国の経済見通しや地方財政計画、税制改正の影響をふまえるとともに、県内企業の収益動向等を勘案して、一、三一六億円 を、地方交付税は、国の算定方針等をふまえて積算のうえ、一、二九二億円を、それぞれ計上しております。
 国庫支出金は、五五〇億円を、県債は、前年度を二〇七億円下回る七一〇億円を、それぞれ計上しております。
 使用料および手数料については、国の基準の改正等に伴い、所要の改定を行うことにしております。
 また、特別会計においては、事業収入の実績等を勘案のうえ所要額を計上しております。

   五  予算以外の議案

 つぎに、予算以外の議案について申しあげます。
 条例としましては、新たに制定するものとして、「公立大学法人富山県立大学への職員の引継ぎに関する条例」など四件を、改正するものとして、「富山県部 局設置条例等の一部を改正する条例」など三十七件を提案しております。
また、条例以外の議案五件のほか、報告案件として、地方自治法第一七九条および同法第一八〇条の規定による専決処分について報告しております。

    六  平成二十六年度補正予算案

 つぎに、平成二十六年度補正予算案についてご説明申しあげます。
 国の補正予算を活用して、県としても、諸課題に迅速かつ適切に対応するため、補正予算案を提案するものであります。
 補正予算の規模は、

  一般会計   六一億二、一三六万円
  特別会計       八、七〇〇万円

となっております。

 その内容としましては、国交付金を活用した地域消費喚起・生活支援事業の実施や「とやま未来創生戦略」の策定と関連事業の先行的な実施、防災・減災等に 資する社会資本整備の推進などに要する経費を計上しております。

 以上をもちまして、平成二十七年度における県政運営の基本方針および今回提出しました諸案件の説明といたします。
 なにとぞ慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。



                                               
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