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議会日程

平成23年9月定例会 知事の提案理由説明

 本日の定例県議会に提出しました案件の説明に先立ちまして、ひとこと申しあげます。
 東日本大震災が三月十一日に発生してから、約半年が経過しました。改めまして、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申しあげますとともに、被災された多く の方々に心からお見舞い申しあげます。被災地においては、上下水道、電力や交通・通信網といったインフラが、家屋流出地域などを除いて相当程度復旧しつつ あり、また、政府において、去る七月に復興の基本方針が定められるなど、被災地の復旧・復興の動きがようやく本格化しつつあります。
 東日本大震災は未曾有の国難であり、被災地の一日も早い復旧・復興のため、政府の迅速かつ責任ある対応を、全国知事会などと連携しながら、引き続き働き かけますとともに、本県としましても、被災者生活再建支援基金への拠出を行うとともに、多くの県民の方々のご協力、ご尽力をいただきながら、今後とも、職 員やボランティアの被災地への派遣、応急仮設住宅としての民間賃貸住宅の借上げなど、本県に避難されてきた方々への支援の充実など各般の施策の推進に努め てまいります。

   一 当面の諸問題について

 つぎに、当面の諸問題について申しあげます。

(一) 最近の経済・雇用情勢と円高対策等について
 まず、最近の経済・雇用情勢と円高対策等について申しあげます。
最近の我が国経済は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きが続いております。先行きについては、サプライチェーン の立て直し、海外経済の緩やかな回復などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待されますが、電力供給の制約や原子力災害の影響、海外景気の下振れ 懸念に加え、円高の進行、長期化、株価の変動等によっては、景気が下振れするリスクも存在すること等に留意する必要があります。
 本県経済につきましては、生産は持ち直しの動きがみられるものの、最近の円高の急速な進行による影響が懸念され、雇用情勢については、七月の有効求人倍 率が〇・八八倍と八ヶ月連続で〇・八倍台を維持し、全国平均をかなり上回っているものの、厳しさが残るなど、景気はこのところ持ち直しの動きがみられます が、依然として一部に厳しい状況があります。
 このため、今議会に提出しております補正予算案において、円高対策として、経済変動対策緊急融資の融資枠を三十億円拡大するとともに、円高対策枠の融資 利率を中小企業向けの設備資金としては最も低い率に引き下げるほか、緊急経営改善資金(借換資金)の売上減少の要件緩和等を延長するなど、円高の影響を受 ける中小企業の資金繰り支援に万全を期してまいります。また、国際競争力強化のための技術開発等に対する補助制度の新設、技術革新を行う輸出関連企業等の 人材育成のためのオーダーメイド型訓練の特別枠の設定や海外市場への販路開拓支援の拡充を行います。
 さらに、雇用対策として、基金を活用した事業を追加し、今年度の雇用創出目標を四千三百人から四千五百人に引き上げるとともに、一昨年度からの県独自の 取組みである人材養成モデル開発事業を、本年度はさらに拡充して実施し、来春の新規学卒未内定者等の採用の確保を図ってまいります。
加えて、県民の要望の強い道路、橋りょう、河川、砂防、港湾、農業農村整備など、有効需要の創出にも寄与する県単独建設事業を、公共事業とあわせて積極的に追加するなど、必要な経済・雇用対策を適時、適切に推進してまいります。

(二) 新総合計画について
 つぎに、新総合計画について申しあげます。
 新総合計画につきましては、今月初めまでに総合計画審議会の各部会を開催し、活力、未来、安心の各分野における具体的な施策、重要政策である「人づく り」、本県の発展のため重点的に取り組む「重点戦略(仮称)」などを盛り込んだ中間報告案についてご審議いただいたところであり、この秋に中間報告をとり まとめたいと考えております。計画策定にあたっては、県議会でのご議論をふまえることはもとより、市町村長との意見交換やパブリックコメントなど幅広く県 民のご意見をお聴きしながら検討を深め、県民一人ひとりが輝いて生きられる元気な富山県の実現に向け、実効性のある計画となるよう、全力を尽くしてまいり ます。

(三) 地方分権改革等について
 つぎに、地方分権改革等について申しあげます。
 真の地方分権改革を実現するためには、その裏付けとなる税財源の確保・充実が不可欠であります。
 社会保障と税の一体改革については、去る六月末に、政府・与党として「社会保障・税一体改革成案」が取りまとめられました。成案の策定に向けた議論は、 当初、年金、後期高齢者医療および介護の、他分野に比べ国の負担が大きい、いわゆる高齢者三経費に限定した見直しを行い、これらに充てる国の消費税額の不 足に専ら焦点をあてて税率引上げを論ずるもので、社会保障サービスの大半を担う地方の役割やその財源確保の視点がほとんどないものでした。このため、子育 て支援、医療、障害者福祉などの分野や地方単独事業を含めた社会保障制度全体を見据えた議論を行うとともに、国・地方の役割分担に応じた安定的な税財源確 保を図るよう、本県をはじめ全国知事会などが国に強く働きかけた結果、原案が大幅に修正され、地方の意見が一定程度反映されたものとなりました。
 しかしながら、今回の成案はあくまで議論のスタートであり、今後、「国と地方の協議の場」等において国と地方が協議を重ね、国民が将来に不安を感じるこ とのない社会保障制度の構築を図るとともに、国・地方を通じた税制抜本改革の中で、偏在性が少ない地方の安定財源を確保する必要があります。
 また、全国知事会の地方税財政特別委員会委員長として、毎年度七千億円から八千億円増嵩する地方の社会保障関係経費の財源を含め、必要な地方一般財源総 額を確保すべきとする提言をとりまとめたところ、先月閣議決定された「中期財政フレーム」において、平成二十四年度の地方の安定的な財政運営に必要となる 地方一般財源の総額について実質的に前年度の水準を確保するとの方針が明記されました。
 今後とも、地方の自立と地域間格差の是正のバランスのとれた、真に国民の幸せにつながる地方分権が推進されるよう、県議会や県内市町村、全国知事会をはじめとする地方六団体等と連携しながら、具体的な政策提案やその実現に向けた働きかけを行ってまいります。

 つぎに、最近の県政の取組み状況について、分野毎に申しあげます。

(四) 産業、観光の振興等について
 まず、産業、観光の振興等について申しあげます。
 去る七月、私を団長とする経済・観光訪問団がシンガポールとタイを訪問しました。両国で本県として初めての観光説明会を開催し、立山黒部アルペンルート や世界遺産五箇山合掌造り集落、富山湾の新鮮な魚などの食の魅力、冬の美しい雪景色をはじめ四季折々の富山県の魅力をアピールしました。
また、両国の政府・企業の代表や幹部との会談、「富山ものづくりセミナーinバンコク」の開催等を通じて、本 県ものづくり企業の優れた技術をPRすると ともに、県内企業の東南アジアへの進出に対する支援要請等を行ったところです。さらに、現地進出企業との懇談会では、経済成長著しいシンガポールやタイの ビジネスの最前線で元気に活躍されている富山県企業の取組みを現地の経営者等から直に伺い、今後の本県と東南アジアとの経済交流の発展・拡大に確かな手応 えを感じたところであります。
 ものづくり産業の振興につきましては、去る四月に開所した富山県ものづくり研究開発センターにおいて、開発支援棟の企業スペースがほぼ満室となるととも に、電波暗室を活用した電磁波の漏れが少ないLED照明装置の開発など、具体的な新商品・新技術の研究開発が進められているところであります。
 新たな成長産業の育成・振興につきましては、先月、とやま医薬工連携ネットワークの運営委員会を立ち上げたところであり、医薬工連携による医療機器や福 祉機器の開発を支援してまいります。また、今月から航空機産業に関する実務的な講習会や先進地視察等を実施することとしており、県内企業の新たな産業分野 への挑戦や参入を積極的に支援してまいります。
 中小企業の振興につきましては、十一月に、富山市内において、県内中小企業の新技術・新商品の展示・商談会を開催するほか、来年一月には埼玉県で開催される国内最大級の展示商談会に出展・参加するなど、県内中小企業の取引促進を図ってまいります。
 医薬品産業の振興につきましては、今月下旬にスイス・バーゼルで開催される「バーゼル・富山ミーティング」に職員を派遣し、バーゼル地域との医薬品研究 開発における技術協力等を推進するほか、来月、本県において開催される「薬用植物保護に関するWHO専門家会議」を支援し、「くすりの富山」を国内外に広 くアピールすることとしております。
 観光の振興につきましては、県内の観光事業者と一体となって、「元気とやまサマーキャンペーン」を展開し、三大都市圏での観光キャラバンを実施するな ど、本県の夏の魅力を戦略的にアピールしたところです。また、「山ガール」を活用した観光誘客については、立山室堂ターミナルでの観光案内や旅行専門雑誌 での富山への登山旅行の特集の掲載など、首都圏に向けた観光PRを展開しているほか、民間企業と連携し、立山の魅力を伝えるアウトドアイベント「立山黒部 アルペンフェスティバル」を本日から開催しております。
 さらに、富山県内を舞台とした映画「RAILWAYS」の第二弾が十二月三日から公開されることから、全国の映画館でロケ地に関連した観光地のPRなどを実施してまいります。
 国際観光につきましては、大震災により激減した外国人観光客の早期の回復を図るため、台湾および韓国において、現地の旅行会社や航空会社に対し、秋以降 のツアーの造成やチャーター便の運航等を働きかけたほか、今後、ソウル市内の地下鉄に広告を掲載するなど、積極的に取り組んでまいります。
 富山のブランド力アップにつきましては、海外へ輸出する富山県産品のブランドの保護のため、富山県産品をPRするシンボルマークを作成し、「富山県推奨とやまブランド」のブランドマークとともに、中国において商標登録出願を行うこととしております。

(五) 農林水産業の振興等について
 つぎに、農林水産業の振興等について申しあげます。
 放射性物質に係る食の安全確保につきましては、先月一日から、県産牛については出荷時に全戸検査を行い、県外から搬入される牛については、全頭検査を実 施しております。これまでのところ、放射性セシウムの暫定規制値を超えた事例はありませんが、今後とも、牛肉の安全と信頼の確保に努めてまいります。
 また、本県の基幹作物である米については、安全性の確認と、ブランド力の向上を図るため、県独自に収穫前と収穫後の抽出検査を実施していますが、これま で、早生品種の「てんたかく」については放射性物質は検出されておりません。今後、コシヒカリについても検査を実施してまいります。
 本年の稲の作柄につきましては、八月十五日現在において、「やや良」と見込まれております。県としては、昨年の猛暑による品質低下をふまえ、出 (しゅっ)穂(すい)後(ご)二十日間の水管理の徹底などを指導してきたところであり、今後とも適切な刈取りや乾燥調製が行われるよう努めてまいります。
 水田農業につきましては、来年度の米の生産数量目標の配分が、本県をはじめ生産調整に真摯に取り組む地域などに十分配慮されたものとなるよう、また、農業者戸別所得補償が地域の実情をふまえ、地方の裁量が発揮できる制度となるよう、引き続き、国に働きかけてまいります。
 食のとやまブランドにつきましては、来月、富山市で「越中とやま食の王国フェスタ 秋の陣」を開催するとともに、名古屋市で「越中うまいもんフェア」を 開催するなど、富山の食の魅力を県内外に発信してまいります。また、農産物等の輸出を促進するため、中国、香港、台湾からのバイヤーの招へいや、上海への 農産物のトライアル輸出を行うこととしております。
 地産地消の推進につきましては、園芸作物の一億円産地づくりを推進するとともに、えだまめ等の野菜集出荷施設整備に支援するなど、県産農産物の生産供給 体制の強化に努めているところであります。今後、十月から十一月にかけて県産品購入ポイント制度を実施するなど、生産、消費の両面から県民ぐるみの運動と して積極的に展開してまいります。
 水産業の振興につきましては、先月、全国豊かな海づくり大会が、平成二十七年度に本県で開催されることが決定しました。今後、この大会の開催に向けた準 備を進めるとともに、栽培漁業の振興をはじめ、海や河川の環境保全活動を支援するなど、県民参加による豊かな海づくりの取組みを進めてまいります。

(六) 北陸新幹線等について
 つぎに、北陸新幹線等について申しあげます。
 東日本大震災以降、大規模災害時において東海道新幹線の代替補完機能を有する北陸新幹線に求められる役割は一層大きくなっています。九月一日現在で、高 架橋などの土木構造物の県内工事完成率は約七十八パーセントに達しておりますが、県としては、平成二十六年度末までの長野・金沢間の確実な開業はもとよ り、金沢以西のできる限り早い認可・着工、並行在来線の経営安定のための新たな仕組みの構築、地方負担軽減などの実現に向け、今後とも、県議会をはじめ、 関係府県、県内市町村、経済団体等と連携して、政府等関係機関に対し強力に働きかけてまいります。
 並行在来線につきましては、開業に向けた準備が遅れることがないよう、関係県とも必要な調整を図りつつ、初期投資や出資の規模、運賃水準などの経営計画 の概要について検討を進めているほか、先月には、全市町村に対して三セク会社への出資協力の要請を行ったところであります。
 また、新幹線の整備促進をはじめ、新幹線を活用した地域活性化、県民の足となる並行在来線の安定経営に向けた取組みなどについて県民の皆さんと意見交換するタウンミーティングを、県内三か所において、明日から開催することとしております。
 さらに、並行在来線を含む県内地域公共交通機関の利便性の向上の観点から、交通ICカードシステムの並行在来線等への導入や、県内交通ICカードの連携手法等について、調査・検討してまいります。
 富山空港につきましては、北京・大連便が十月三十日からの冬季ダイヤにおいて、週四便から週五便に増便となったところであり、県としては引き続き路線の PRなど中国からの誘客に努め、デイリー運航の実現をめざすとともに、引き続き富山空港の機能充実に取り組んでまいります。
 伏木富山港につきましては、現在、国において進められております「日本海側拠点港」の選定に関し、国際海上コンテナなど四項目について計画書を提出し、 最近、国際定期コンテナ航路の便数が大きく伸びたこと、三大都市圏からほぼ等距離にあって災害にも強く、太平洋側港湾の代替機能を果たせることなどの優位 性を私自ら選定委員に強くアピールしたところです。また、富山港から目的港へ直行するシャトル便の航路開設の可能性調査を実施するなど、今後とも、港湾機 能の拡充に積極的に取り組んでまいります。

(七) 子育て支援、教育、文化、スポーツの振興等について
 つぎに、子育て支援、教育、文化、スポーツの振興等について申しあげます。
 子育て支援につきましては、「とやまっ子みらいフェスタ」を射水市に続き、十一月には魚津市で開催するとともに、基金を活用し、休日保育を拡充するなど、安心して子どもを生み育てられる環境づくりを推進してまいります。
 教育の振興につきましては、去る八月に教育振興基本計画の策定委員会を設置したところであり、本県がめざす教育の姿や施策の方向性などについて専門的かつ総合的に検討してまいります。
 とやま科学オリンピックにつきましては、今年度初めて本大会を実施し、去る八月に開催した小学生および中学生部門の予選大会には約七百名の参加があった ところです。十一月に開催予定の決勝大会および高校部門については、子どもたちが意欲や興味をもって課題に取り組み、その才能を伸ばし、可能性を広げる充 実した内容となるよう一層努めてまいります。
 県立高校につきましては、再編統合に伴う新実習棟竣工式を今月以降順次行うこととしており、新高校五校において、この充実した教育環境を積極的に活用 し、ものづくり教育など各専門分野の魅力ある教育活動を展開してまいります。また、県立学校の耐震化につきましては、平成二十七年度末までに完了するよ う、耐震改修工事を前倒しして実施し、計画的に取り組んでまいります。
 ふるさと教育につきましては、先月八日、教育界、経済界、芸術文化団体、地域団体などの方々から構成される「富山県ふるさとの歌づくり実行委員会」が設立され、県民が主体となった歌づくりが進められており、県としても必要な支援を行ってまいります。
 芸術文化の振興につきましては、去る七月に、高志の国(くに)文学館の起工式を行ったところであり、来年夏の開館に向けた整備を着実に進めてまいりま す。また、東京において、奈良県と共同で万葉集首都圏シンポジウムを開催し、越中万葉を含む、ふるさと文学の魅力を全国に発信したところです。
 利賀芸術公園については、先月、「SCOT サマー・シーズン利賀二〇一一」において、世界第一線の演出家による最先端の舞台芸術公演が行われました。今後とも、質の高い文化の創造と国内外に向けた発信に取り組んでまいります。
 全国高等学校総合文化祭につきましては、富山ならではの文化の祭典となるよう、プレ大会を県内各地で実施するなど、来年夏の開催に向けて準備を進めてまいります。
 国際交流につきましては、本年が富山県とアメリカ・オレゴン州との友好提携二十周年に当たることから、十一月に友好訪問団を派遣します。
 スポーツの振興につきましては、昨年の「スポレクとやま二〇一〇」の成果を活かし、十月から十一月の二ヶ月間を「元気とやまスポレク推進期間」と位置づ け、四地区六会場において「元気とやまスポレク交流大会」を開催するなど、県民の皆さんが気軽にスポーツに親しむ機会の充実に取り組んでまいります。

(八) 医療、福祉、環境等について
 つぎに、医療、福祉、環境等について申しあげます。
 医療の充実につきましては、県立中央病院において、NICUの増床や救命救急センターの拡充の整備を進めるとともに、民間資金を活用した医師宿舎の整備に着手しており、引き続き、本県医療の中核として、その役割が十分に発揮できるよう努めてまいります。
 また、高度なリハビリテーション医療等を提供するとともに、発達障害者や重症心身障害児等への支援体制の充実・強化を図るため、今回積み増す地域医療再生臨時特例基金も活用し、高志リハビリテーション病院等の改築整備に向けて検討を進めることとしております。
 自殺防止対策につきましては、総合相談会を実施するほか、十月には自殺防止活動を行う民間団体等を紹介するシンポジウムを開催するなど、各種施策を積極的に推進してまいります。
 高齢者福祉につきましては、高齢者に対する日常的な生活支援等を行う人材の育成や医療、介護、生活支援のサービスが関係者の連携のもと提供されるネットワークづくりに対して支援します。
 県立イタイイタイ病資料館につきましては、平成二十四年春の開館に向けて、引き続き、施設改修、展示の工事や語り部の養成等の運営準備を着実に進めてまいります。
 放射能のモニタリング体制につきましては、県独自に増設する放射能調査機器に加え、国の補正予算を活用し、新たにモニタリングポスト等を整備し、県内の放射能の状況をしっかりと把握してまいります。
 環境の保全につきましては、親子が楽しみながら学ぶエコ体験イベントなどの環境学習を、NPO等の民間団体と協働で実施し、エコライフの実践を促すとともに、環境教育の充実を図ってまいります。
 農業用水等を活用した小水力発電につきましては、「庄川(しょうがわ)合口(ごうぐち)発電所」が八月から運用を開始したほか、近く、砺波市で「庄発電所」(仮称)、南砺市で「山田新田用水発電所」(仮称)の建設に着手します。
 自然環境の保全につきましては、昨日、僧ヶ岳一帯を県内六番目の県立自然公園として三十六年ぶりに指定したところであり、今後、地元市と連携しながら、公園計画に基づく貴重な自然環境の保全事業や適正利用のための施設整備を進めてまいります。
 平成十九年度から実施している県民参加の森づくりにつきましては、当初の計画を上回る多くの県民や企業の参加を得るなど、着実に事業の推進が図られてき ております。今回、アンケート調査やタウンミーティング、パブリックコメントなどによってお寄せいただいた多くの県民の皆さんのご意見をふまえて、森づく りプランの見直しを行い、里山林の整備等に加え、カシノナガキクイムシ対策や優良無花粉スギの普及などの新しい課題にも対応することとし、これに必要な水 と緑の森づくり税の延長と税額の一部引上げなどを行うこととしております。

(九) 防災対策、安全なまちづくり等について
 つぎに、防災対策、安全なまちづくり等について申しあげます。
防災対策につきましては、県地域防災計画の見直しを進めるため、地震対策部会、原子力災害対策部会を開催したところであります。
 また、県の総合防災訓練については、十一月に、東日本大震災の教訓をふまえ、小矢部市、南砺市において、地震等の災害発生時における緊急消防援助隊、自 衛隊、DMATによる救助・医療活動の訓練や、災害時要援護者支援のための福祉避難所の開設・運営訓練を実施することとしております。加えて、氷見市にお いて、住民による避難を中心とした実践的な津波対応訓練を行うこととしております。さらに、十月から市町村と連携して、防災・防火意識啓発キャンペーンを 実施することとしております。
地震に強いまちづくりにつきましては、一戸建て木造住宅の耐震化を進めるため、耐震診断および改修の支援枠の拡大を図るとともに、住宅の耐震化のための融 資利率の引下げを行うこととしております。また、県内各地を巡回し、耐震化の必要性についての説明会を開催するなど普及啓発に積極的に取り組んでまいりま す。加えて、学校や警察施設などの県有施設や公共土木施設の耐震化についても計画を前倒しして進めます。
 消防団員の確保につきましては、市町村と連携して県内事業所を訪問し、消防団活動協力事業所への登録や消防団参加についての働きかけを行うとともに、消防団員の確保に関する協議会を設置することとしております。
 広域消防防災センターにつきましては、来年四月の開館に向けて、建築工事や訓練用設備等の整備を、引き続き進めてまいります。今後、体験型学習施設として広く県民に開かれた防災教育の場にしてまいります。
 食の安全確保につきましては、去る四月に県内で発生した腸管出血性大腸菌による食中毒事件を受け、当時の細川厚生労働大臣に対し、生食用食肉について食 品衛生法に基づく規格基準を速やかに設け、これに適合しないものが市場に流通することのないよう申し入れたところ、現在、国において十月一日施行に向けて 関係省令の改正手続きが進められております。今後、新たな法規制について県民や営業者等に対して広く周知するとともに食肉による食中毒予防の啓発など安全 確保対策に真摯に取り組んでまいります。

   二 提出案件について

 つぎに、今回提出しました案件について申しあげます。
 議案第九十二号から第九十五号までは、一般会計および特別会計の補正予算であります。
 補正予算の規模は、
一般会計  一〇五億七、三七五万円
特別会計   一二億八、五一七万円
となっております。
 まず、一般会計におきましては、中小企業・雇用安定対策、社会・生活基盤の整備、産業の活性化、安全・安心の確保、医療・福祉の充実、観光振興と地域の 活性化、教育・文化の振興、環境対策の推進などに要する経費を追加しております。また、平成二十二年度の決算は、約五億五千万円の黒字となり、この決算剰 余金のうち三億円を県債管理基金に積み立てることとしております。
特別会計におきましては、流域下水道事業特別会計など三会計について、それぞれ所要の補正を行うものであります。
 つぎに、予算以外の議案について申しあげます。
 条例としましては、新たに制定するものとして、「高志の国文学館条例」一件を、改正するものとして、「富山県税条例及び富山県森づくり条例の一部を改正する条例」など五件を提案しております。
 条例以外の議案としましては、工事請負契約の締結に関するものなど三件を提案しております。
 報告案件につきましては、地方自治法第一七九条および同法第一八〇条の規定による専決処分ならびに平成二十二年度継続費精算報告書について報告しており ます。また、平成二十二年度決算に基づく健全化判断比率および資金不足比率について監査委員の意見を付して報告しております。
 さらに、平成二十二年度歳入歳出決算および平成二十二年度企業会計決算 五件につきまして、監査委員の意見を付して提出しておりますので、認定いただきますようお願いいたします。

 以上をもちまして、今回提出しました諸案件の説明といたします。
 なにとぞ、慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。

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