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議会日程

平成22年11月定例会 知事の提案理由説明


   一 当面の諸問題について

 本日の定例県議会に提出しました案件の説明に先立ちまして、当面の諸問題について申しあげます。

 (一) 最近の諸情勢をふまえた経済・雇用対策と新しい総合計画の策定について
 まず、最近の諸情勢をふまえた経済・雇用対策、社会経済情勢の変化に対応した新しい総合計画の策定について申しあげます。
 最近の我が国経済は、企業の業況判断は改善し、設備投資は持ち直しているものの、このところ輸出は弱含み、生産は減少し、個人消費は持ち直しているが、 他方で、一部に弱い動きもみられるなど、景気はこのところ足踏み状態で、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にあります。また、円高など景気がさらに下押 しされるリスクが存在することやデフレの影響などにも留意する必要があります。
 本県経済につきましても、生産は緩やかに持ち直しており、設備投資も持ち直しつつありますが、個人消費は弱含んでおり、雇用情勢については、九月の有効 求人倍率が〇.七一倍と全国平均〇.五五倍をかなり上回っているものの、なお低い水準にあるなど、景気は依然厳しい状況にある中で、このところ持ち直しの 動きが緩やかになっております。
 こうしたなか、国においては、十月に緊急総合経済対策をとりまとめ、これを受けた補正予算案が今月十六日に衆議院を通過し、本日、参議院で採決される予定と聞いております。
 県としましては、これまでも、経済・雇用情勢に迅速かつ適切に対処するため、当初予算と二月補正予算を十四か月予算として一体的に運用するとともに、国 の取組みに先んじて、九月補正予算において、中小企業向け緊急経営改善資金(借換資金)の拡大、雇用対策の拡充、県単独建設事業や公共事業の増額を行うな ど、経済・雇用対策を積極的に推進しているところであります。
 また、昨日、富山県緊急経済・雇用対策推進会議を開催し、国、県、市町村、経済・労働団体や金融機関等が連携を一層強化し、今後の県内経済の活性化や雇用対策に取り組むことといたしました。
 加えて、今議会に提出しております補正予算案においては、県の融資制度について、経済変動対策緊急融資に五十億円の円高対策枠を創設し、融資枠を百億円 拡大するなど、中小企業への円滑な資金供給に努めてまいります。また、雇用対策につきましては、基金を増額し、重点成長分野人材育成プログラム事業を拡充 するなど、雇用機会のさらなる創出に努めるとともに、依然厳しい就職環境が見込まれる来春の新規学卒者向けに合同企業面接会を開催したほか、県独自の取組 みである人材養成モデル開発事業を一層拡充して実施することとしております。
 さらに、今般の国の補正予算等を活用し、北陸新幹線をはじめ、道路・橋りょう、都市計画、河川、砂防、治山・土地改良・林道等に係る公共事業を追加する とともに、県単独建設事業の債務負担行為を設定し、年度間の切れ間のない発注と計画的な施行を進めることとしております。今後とも、内外の経済情勢や国の 動向などを注視しつつ、経済・雇用対策の推進に全力を尽くしてまいります。
 新しい総合計画につきましては、新たな時代を見据えた先見性と戦略性を有する中長期的ビジョンとして策定することとしており、来月二日に総合計画審議会 を開催し、計画策定を諮問することとしております。総合計画の策定に向けて、これまで、県政世論調査や大学生との意見交換などを実施してまいりましたが、 今後とも、県議会はもとより、市町村長や有識者などとの意見交換、タウンミーティングなどにより、幅広く県民のご意見をお聴きしながら、県民一人ひとりが 輝いて生きられる元気な富山県の実現に向け、実効性のある計画となるよう、全力を尽くしてまいります。

(二) 地方分権改革、新年度予算編成方針等について
 つぎに、地方分権改革、新年度予算編成方針等について申しあげます。
 地域主権改革については、これまで地方六団体が再三にわたり強く早期成立を求めてきた地域主権改革関連三法案が未だに成立していないなど不透明感が漂っ ております。全国知事会としては、こうした状況を打開するため、今月十五日、構造改革特区制度を活用して義務付け・枠付けの見直しを促進することとし、障 害者グループホームに係る指定基準の緩和など本県提案の二項目を含め、二十三項目の共同提案を行ったところであります。
 真の地方分権改革を実現するためには、その裏付けとなる税財源の確保・充実が不可欠です。このため、私は、先月末に開催された政府税制調査会において、 全国知事会を代表し、地方環境税の創設、地球温暖化対策税の一定割合の地方税源化等による地球温暖化対策に必要な地方税財源の確保、徹底した行政改革や実 効性のある経済成長戦略の速やかな実行による景気回復を図ったうえでの地方消費税の引上げを含む国・地方を通ずる税制改革の実現などについて提案してまい りました。また、地方交付税については、幸い、来年度予算の概算要求において、本県をはじめ地方側の働きかけにより、国の社会保障費の自然増約一兆三千億 円に対応する地方財源七千億円の確保を含め、一般財源総額について、平成二十二年度の水準を実質的に下回らないよう確保するとされましたが、政府予算編成 においてこの考え方を貫徹すべきこと、今後とも地方交付税制度については、地域間の財政格差是正のための調整機能のみでなく、財源保障機能の復元・強化を 図るべきこと等を主張してまいりました。
 これらについては、今月一日の富山県地方分権推進会議で決議を行うとともに、二十二日に開催された政府主催の全国知事会議においても、菅総理大臣に対して、私から強く要請したところです。
 さらに、これから年末にかけて、国の出先機関の見直しに係るアクションプランの策定や補助金の一括交付金化の制度設計、平成二十三年度以降の子ども手当の財源問題など、地方分権改革に向けて解決すべき課題が山積しております。
 今後とも、地方の自立と地域間格差の是正のバランスのとれた、真に国民の幸せにつながる地方分権が推進されるよう、県議会や県内市町村、全国知事会をはじめとする地方六団体等と連携しながら、具体的な政策提案やその実現に向けた働きかけを行ってまいります。
 本県の平成二十三年度予算編成につきましては、歳入は、県税収入が一昨年の世界同時不況以降厳しい状況が続いており、安定的な財政運営に必要な一般財源 総額の伸びは期待できない状況にあります。また、歳出は、福祉・医療などの社会保障関係経費や公債費が高い水準で推移していることなどから、現段階におい て約百十五億円の財源不足が見込まれております。これまで、平成十六年十一月の時点で見込まれた約四百億円の財源不足の解消を図るため、行政改革や歳出抑 制等に懸命に取り組み、毎年、着実に改善してきておりますが、依然として厳しい財政状況が続いており、今後の地方財政対策等の動向によっては、財源不足が さらに拡大することも懸念されます。
 このため、予算編成にあたっては、歳入の確保に努めるとともに、引き続きマイナスシーリングを設定し、財政健全化に向け一層努力することとしておりま す。一方、こうした状況にあっても、将来の富山県の飛躍に向け、「元気とやま創造計画」の政策目標を着実に推進するための戦略的な取組みについては引き続 き特別枠を設け、的確に対応することとしております。また、景気・雇用対策はもとより、北陸新幹線をはじめ本県の発展基盤となる社会資本整備や、県民の生 活福祉の向上につながる施策を積極的に展開するなど、県民の皆さんが生き生きと働き暮らせる元気な県づくりをさらに進める予算編成を行ってまいります。
 職員の給与改定につきましては、県内の厳しい経済・雇用情勢を反映した人事委員会勧告に基づき、給料の引下げおよび期末勤勉手当の支給割合の引下げなど を勧告どおり実施することとし、今回、その条例改正案を提出しております。また、職員給与の臨時的減額措置については、職員の理解と協力を得て、一部緩和 のうえ、来年度も継続して実施することとしております。

 つぎに、最近の県政の取組み状況について、分野毎に申しあげます。

 (三) 産業、観光の振興等について
 まず、産業、観光の振興等について申しあげます。
 新産業の創出につきましては、先月、ものづくり研究開発センターの電波暗室棟と開発支援棟の建設が完了したところであり、今回、その設置や設備使用料な どを定める条例改正案を提出しております。今後、この施設が有効に活用されるよう県内企業への情報提供等に努めるとともに、入居者の募集を行うなど、来春 の開所に向け、必要な準備を進めてまいります。
 中小企業の振興につきましては、本年八月に開催した富山県ものづくり総合見本市を契機として海外への販路開拓の気運が高まっていることをふまえ、海外の見本市や展示会への出展費用に対する助成を拡大し、県内企業の販路開拓を支援してまいります。
 医薬品産業の振興については、先月、国内外から世界的に著名な研究者等を招いて、「第一回富山・バーゼル医薬品研究開発シンポジウム」を開催し、今後の 技術協力やビジネス面での発展に向けた連携を一段と拡充できたところであり、今後とも、本県医薬品産業のさらなる飛躍をめざしてまいります。
 企業立地につきましては、先月、神奈川県において商談交流会を開催するとともに、先週には、東京で立地環境説明会を開催し、本県の優れた立地環境をアピールしたところであり、今後とも、地域経済の振興や雇用の確保のため、企業誘致に努めてまいります。
人材の確保につきましては、県外進学者等のUターン就職を推進するため、先月から大都市圏等での学生向けセミナーを順次開催するとともに、帰省時の来月二十七日には「Uターンフェア・イン・とやま」を開催するなど、引き続き、積極的に取り組んでまいります。
 観光の振興につきましては、秋の観光シーズンにあわせ、東京において、市町村や観光関係団体等と連携したキャンペーンを継続的に行ったほか、岐阜県と連 携して作成した観光PR雑誌を首都圏や中京圏で配布するなど、本県の魅力を全国にアピールするとともに、国際観光の振興のため、中国広東省、大連市、台湾 で開催された国際観光展に出展したところであります。
 水辺を活かした魅力あるまちづくりにつきましては、先月、富岩水上ラインの乗船者が二万人に達しました。来月には、環水公園でクリスマスイベントを開催するなど、引き続き、賑わいの創出や観光の振興に努めてまいります。
 定住・半定住の促進につきましては、今月十二日から三日間にわたり、砺波市と南砺市において、「スローライフ・フォーラムinとなみ野」を開催したところであり、今後とも、富山に住む魅力を県内外に積極的に発信してまいります。

 (四) 農林水産業の振興等について
 つぎに、農林水産業の振興等について申しあげます。
 本年の稲の作柄につきましては、作況指数は101の「平年並み」となりましたが、品質については、一等比率が大幅に低下しました。これは、出穂期以降、 記録的な猛暑が続いたことなどによるものであり、今後、気象や栽培管理の状況が品質に与えた影響を地域ごとに分析し、来年度の対策に活かしてまいります。
 農業者戸別所得補償制度については、先月から二度にわたり、農林水産副大臣などに対し、地域特産物の振興などを支援する産地資金について、地域の裁量が 十分発揮できる制度とするよう求めるとともに、米の価格安定のために的確な対策を講ずること、また、生産数量目標の配分にあたっては、生産調整に真摯に取 り組む地域に十分配慮することなどを要請したところであります。今後とも、本県をはじめ、地域の実情をふまえた制度となるよう、市町村や農業団体と連携を 図りながら、国に働きかけてまいります。
 食のとやまブランドにつきましては、先月、名古屋において「越中富山うまいもんフェア」を開催し、本県の食の魅力をアピールしました。また、来年一月に は、東京で「富山のさかなキトキトフェア」を開催するとともに、二月には、射水市で「越中とやま食の王国フェスタ冬の陣」を開催するなど、食と観光の魅力 の発信に努めてまいります。
 農産物等の輸出促進については、先月から、中国のバイヤーを招へいした商談会や香港での販売促進活動を実施するとともに、上海などへのトライアル輸出に取り組んでいるところです。
 地産地消の推進につきましては、先月と今月を推進月間とし、県産品購入ポイント制度の実施や学校給食における地場産食材の活用などに取り組むとともに、 県内各地において一億円産地づくりを進めるなど、生産と消費の両面から地産地消県民運動を展開しております。また、今議会に提出されております、適正農業 規範に基づく農業の推進に関する条例案の内容などもふまえながら、引き続き、安全・安心な農産物の生産や環境にやさしい農業の推進に積極的に取り組んでま いります。
林業につきましては、森林整備・林業再生基金を増額し、県産材生産コストの低減等に必要な製材機械の導入や作業道整備を支援してまいります。
 栽培漁業センターにつきましては、関係市町、漁業者の意向や、施設の現況等をふまえ、先般の検討委員会において、ヒラメの種苗生産を滑川に集約するとと もに、氷見では既存施設を活かして、クロダイなどの種苗生産を継続する方針が示されたところであり、今後、具体的な施設整備計画をとりまとめることとして おります。

 (五) 北陸新幹線・伏木富山港等について
 つぎに、北陸新幹線・伏木富山港等について申しあげます。
 北陸新幹線につきましては、十一月一日現在で、高架橋などの土木構造物の工事完成率が約五十八パーセントに達するなど、工事は順調に進んでおります。
 整備新幹線については、本県をはじめ沿線県の働きかけや関係の国会議員、県議会のご支援などにより、今般の国の補正予算案に百九十五億円の事業費が盛り 込まれました。一方、並行在来線については、先行県では大幅な運賃値上げが行われており、本県区間についても非常に厳しい収支が見込まれているところであ ります。
 こうしたことから、今月十六日には、北陸新幹線建設促進同盟会、北信越五県議会協議会、北陸経済連合会が連携して、政府および関係国会議員等に対する要 請を行い、平成二十六年度末までの長野・金沢間の確実な開業はもとより、金沢以西のできる限り早い認可・着工、並行在来線の経営安定のための新たな仕組み の構築、地方負担軽減などの実現について、鉄道・運輸機構の特例業務勘定の利益剰余金やJRからの貸付料の活用をはじめ、所要財源の確保に向けた具体的な 提案を行うなど、強く求めてまいりました。
 とくに、鉄道・運輸機構の利益剰余金については、今春からの各方面への働きかけなどにより、整備新幹線の整備や並行在来線の維持確保の財源として活用で きるようにする改正法案が今国会に提出される運びとなったところであり、与野党が一致して、この法案の成立を図られるよう期待しております。
 県としては、これらの諸課題の解決に向け、今後とも、県議会をはじめ、関係県、県内市町村、経済団体等と連携して、政府等関係機関に対し強力に働きかけてまいります。
 伏木富山港を拠点とする物流の活性化につきましては、今月、ロシア極東地域へポートセールス訪問団を派遣し、関係機関に対して航路の維持・拡充やシベリ ア鉄道の定時性・迅速性の向上などの要請を行うとともに、ウラジオストクにおいて、初めて現地商談会を開催したところであります。また、ロシア定期コンテ ナ航路における伏木富山港のラストポート化の実現を最大限活用するため、切り花やリンゴの試験輸送などを行うこととしており、今後とも、輸出貨物の掘り起 こしに積極的に取り組むなど、伏木富山港の活性化を図ってまいります。
 道路の整備につきましては、今月二十日、国道四一号猪谷楡原(にれはら)道路の富山市庵(いおり)谷(だに)から楡原までの区間が供用開始されたところ であり、豪雨時などの安全・円滑な通行の確保はもとより、富山・岐阜両県の観光振興、交流人口の拡大などに大いに寄与するものと期待しております。

(六) 子育て支援、教育、文化、スポーツの振興等について
 つぎに、子育て支援、教育、文化、スポーツの振興等について申しあげます。
 子育て支援につきましては、九月の富山市に引き続き、今月二十一日に高岡市で開催した「とやまっ子みらいフェスタ」や、とやま県民家庭の日をモチーフとしたアニメーションの制作など、子育て支援の気運醸成等のための取組みを積極的に展開しております。
学校教育につきましては、先般、国から公表された、「児童生徒の問題行動等に関する調査」において、いじめ・不登校・暴力行為など、いずれも改善の傾向が 見られたところでありますが、引き続き、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの積極的な活用や「いのちの教育」の推進などを通じて、その未 然防止や早期発見、早期対応に一層努めてまいります。
 とやま科学オリンピックについては、来年二月開催のプレ大会に向け鋭意準備を進めるとともに、来年度実施予定の本大会が充実したものとなるよう検討を進めてまいります。
 県立高校における「探究科学科」については、来年四月の開設に向け、新学科の理念に基づく魅力ある教育活動が展開できるよう、必要な教室や情報機器等の整備、準備などを、鋭意進めてまいります。
来年度の県立高校の募集定員については、先般、教育委員会において決定されたところであり、中学校卒業予定者数の減少等をふまえ、全日制課程において九学級相当を減ずることになっております。
 ふるさと教育につきましては、小学校高学年を対象とし、郷土の先人をテーマとした作文コンクールや、中高生を対象とし、本県ゆかりの文学を題材とした情 景作品コンクールを実施するとともに、今月三日に開催したフォーラムにおいて、ふるさと教育の推進に貢献された個人・団体を表彰したところであります。今 後とも、多くの県民がふるさとの歴史・文化などを学び親しむことができるよう取り組んでまいります。
 文化の振興につきましては、富山ゆかりのふるさと文学に気軽に親しみ、学び楽しんでいただく拠点として整備する「富山県ふるさと文学館」(仮称)につい て、先般、基本設計をとりまとめ、その概要を発表したところであります。また、今月十九日には、館長を辺見じゅん氏に決定したところであり、平成  二十 四年夏までの開館をめざし、着実に整備を進めてまいります。
世界文化遺産登録をめざした取組みにつきましては、先月七日に松浦前ユネスコ事務局長をはじめ、国内外の有識者を招いて、昨年に引き続き「国際砂防フォー ラム」を開催しました。海外の方からも、本県の世界文化遺産提案や白岩砂防堰堤に代表される立山砂防に対し、高い評価をいただいたところであり、今後の取 組みに活かしてまいります。
 「第二十三回全国スポーツ・レクリエーション祭」につきましては、先月中旬の四日間、県内全市町村で開催しましたが、全国各地や韓国からも含め延べ二十 一万人余の参加があり、生涯スポーツの振興はもとより、地域と年齢の壁を超えた多くの出会いと交流が図られたこと、また、「元気とやま」の魅力を大いに全 国に発信できたことなど、大きな成果があったと考えております。

 (七) 医療、福祉、環境等について
 つぎに、医療、福祉、環境等について申しあげます。
 新型インフルエンザ対策については、国内での再流行に備え、昨年度に引き続き、市町村が行う低所得者へのワクチン接種費用の無料化を支援することとして おります。また、先月には、強毒性の新型インフルエンザが発生した場合を想定し、関係機関の参加のもと、図上訓練や患者の搬送、受入れなどに関する実地訓 練を実施したところであります。
 医療の充実につきましては、先月から、県内全域でがん地域連携クリティカルパスの運用を開始し、県全体の拠点病院である県立中央病院を含め十のがん診療 連携拠点病院と地域の医療機関との連携による診療体制を整備したところであり、今後とも、安全で質の高いがん医療の提供に努めてまいります。また、難病医 療の体制整備のため、今月、富山大学附属病院を拠点病院に、県内二十三の公的病院を協力病院に指定したところであります。さらに、市町村が実施している妊 婦健康診査において、成人T細胞白血病ウイルスの母子感染を防ぐための検査を新たに助成対象に追加することとしております。
 高齢者福祉につきましては、介護基盤緊急整備臨時特例基金を増額し、認知症高齢者グループホームの防火安全設備の整備を支援することとしております。
 障害者福祉につきましては、障害者自立支援対策臨時特例基金を増額し、施設の整備促進などに努めることとしております。また、新生園については、平成二 十四年四月に保護者有志の皆さんが設立する社会福祉法人へ移管することとし、今回、平成二十四年三月末に県立施設としての位置づけを廃止するための条例案 を提出するなど、必要な準備を進めてまいります。
 イタイイタイ病に関する資料館につきましては、現在、展示および施設改修の実施設計に取り組んでおり、平成二十三年度末の完成をめざし、着実に整備を進めてまいります。
 自然環境の保全につきましては、先月、名古屋で開催された「生物多様性条約第十回締約国会議(COP10(コップテン))」にあわせ、「世界自然・野生 生物映像祭in名古屋」の開催支援やPRブースの出展を行うとともに、本県においても、UNEP(ユネップ)(国連環境計画)と連携した「環日本海生物多 様性フォーラム」を開催し、国内外からの多くの方々に本県の生物多様性の保全など環境対策の取組みを積極的に発信したところであります。
 ツキノワグマ対策につきましては、この秋、平成十八年以来となる大量出没となり、十月以降八件八名の人身被害が発生しました。このため、市町村や猟友会 等とも連携しながら、被害防止対策の強化に努めるとともに、市町村が実施するパトロールや放獣に係る経費への助成制度について、今般、助成枠の拡大と対象 経費の追加を行ったところであります。
 また、現行の鳥獣保護法では、住民の生命、身体に危害が及ぶような場合でも夜間や市街地等での銃の使用が禁止され、緊急避難として銃を使用したことによ り生じる責任が捕獲隊員個人に課せられるおそれがあることなどの問題が生じていることから、今月八日、国に対し、現場の状況に応じ適時適切な捕獲が実施で きるよう法制度の早期改正を要請いたしました。
 森づくりにつきましては、平成二十三年度までとなっている水と緑の森づくり税のあり方を含め、県民参加の森づくりについて、アンケート調査やタウンミーティングを実施したところであり、今後とも幅広く県民の皆さんのご意見をお聴きしながら検討を進めてまいります。

(八) 防災対策、安全なまちづくり等について
 つぎに、防災対策、安全なまちづくり等について申しあげます。
 消防学校・防災拠点施設につきましては、先月十三日に起工式を行ったところであり、平成二十四年四月の開校に向け、県民の皆さんの安全・安心を守る拠点施設となり、また、多くの県民が利用できる特色ある教育訓練施設となるよう検討を進めてまいります。
 安全なまちづくりにつきましては、条例施行五周年を記念して、先月、防犯、交通安全、消防・防災などの県民の安全・安心をテーマとしたイベントを開催す るとともに、来月には、地域の安全・安心について考える「危機管理フォーラム」を開催するなど、今後とも、県民総参加による推進が図られるよう努めてまい ります。
 交通安全につきましては、交通死亡事故の多発を受け、体験型の交通安全教室や反射材の追加配布などの緊急対策を、市町村や関係機関と連携しつつ、実施しております。
 この冬の道路除排雪につきましては、先般、道路除雪対策本部を設置したところであり、国、市町村との連携を密にし、道路網の一体的な除雪を推進するとともに、県民の参加も得ながら、歩道の除雪対策等に万全を期してまいります。

   二 提出案件について

 つぎに、今回提出しました案件について申しあげます。
 議案第一〇二号から第一一一号までは、一般会計、特別会計および企業会計の補正予算であります。
 補正予算の規模は、
  一般会計  一九三億八、八八七万円
  特別会計      四億四、七三六万円
  企業会計      二億  一〇九万円
 となっております。
 まず、一般会計におきましては、中小企業支援・雇用対策、社会・生活基盤の整備、産業・地域の活性化、教育・文化の振興、福祉の充実、安全・安心の確保 などに要する経費等を追加しております。このほか、職員の給与改定にともない給与費などを減額するとともに、土地開発公社の今年度末までの解散に向けた準 備を進めるため、所要経費を追加しております。
 特別会計におきましては、公共用地先行取得事業特別会計など三会計について、企業会計におきましては、電気事業会計など五会計について、それぞれ所要の補正を行うものであります。
 つぎに、予算以外の議案について申しあげます。
 条例としましては、改正するものとして、「富山県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部を改正する条例」など六件を、廃止するものとして、「富山県立新生園条例を廃止する条例」を提案しております。

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