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議会日程

平成21年12月定例会 知事の提案理由説明 

 本日の定例県議会に提出しました案件の説明に先立ちまして、ひとこと申しあげます。
 天皇陛下には、本年ご即位二十年の佳節をお迎えになられました。県民の皆様とともに心からお慶び申しあげ、皇室の限りないご繁栄をお祈り申しあげます。

 一 当面の諸問題について

 つぎに、当面の諸問題について申しあげます。

 (一) 最近の経済情勢と経済・雇用対策について
 まず、最近の経済情勢と経済・雇用対策について申しあげます。
 最近の我が国経済は、輸出がアジア向けを中心に増加するとともに、生産は持ち直し、個人消費においても持ち直しの動きが続いているものの、十月の有効求人倍率は〇.四四倍であるなど雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。
 本県経済につきましても、生産面や個人消費に持ち直しの動きが見られますが、雇用情勢については、十月の有効求人倍率が全国平均を上回る〇.五一倍と八か月ぶりに〇.五倍を上回ったものの、依然として低い水準にあるなど、景気は引き続き厳しい状況にあります。
 また、消費者物価の下落傾向が続く緩やかなデフレ状況に加え、このところ円高が加速しており、これらが本県経済に与える影響についても十分留意する必要があります。
 県としましては、これまでも、経済・雇用情勢の悪化に迅速かつ適切に対処するため、六月と九月に合わせて総額五八七億円余となる過去最大の補正予算を編 成し、中小企業向け緊急融資資金の拡充、雇用対策の充実、有効需要創出にも寄与する公共事業費の追加を行うなど、各般の施策の推進に積極的に取り組んでい るところであります。
 特に、雇用の確保については、「ふるさと雇用再生基金事業」および「緊急雇用創出基金事業」による十月末までの雇用創出数が今年度の目標の約八割にあた る約二千二百人となるとともに、離転職者向け公共職業訓練の拡充により、受講者数が昨年同期の二倍を超える千四十人余となっております。また、去る十月か ら、企業の人材・施設を活用した離職者向けのものづくり訓練を開始するとともに、本県独自の対策である、新規学卒未内定者等の雇用確保のための実践的な人 材養成モデルの開発に向け準備を進めております。
 さらに、来春の就職環境が極めて厳しいことから、先般、新規学卒者向けの合同企業説明会を緊急に開催するとともに、高校卒業予定者については就職支援活動を行うアドバイザーの一層の活用を図るなど、積極的な支援を行っております。
 また、先月、「富山県緊急経済・雇用対策推進会議」を開催し、国、県、市町村、経済・労働団体や金融機関等が連携を一層強化し、今後の県内経済の活性化や雇用対策に取り組むことといたしました。
 加えて、今議会に提出しております補正予算案においては、中小企業の資金需要の増大に対応するため、経済変動対策緊急融資と借換資金である緊急経営改善 資金の融資枠について、あわせて二四〇億円を追加するほか、産業・地域の活性化、医療の充実、安全・安心の確保、環境対策などに要する事業費を増額するこ ととしております。また、県単独建設事業の債務負担行為を設定し、年度間の切れ目のない発注と計画的な施行を進めてまいります。
 なお、国の第一次補正予算の見直し、削減については、来年度の予算編成に向けての課題とあわせて、去る九月以来、総務、文部科学、厚生労働、国土交通の 各大臣をはじめとする関係省庁などに対し、本県をはじめ地方の諸情勢に十分配慮して、地方税財源の確保・拡充、経済・雇用対策、社会資本の整備、科学技術 の振興、戸別所得補償制度の柔軟な運用、医療・福祉の充実などを推進されるよう、富山県知事として、また、全国知事会を代表して強く働きかけてきたところ であります。その結果、幸い、第一次補正予算の見直し等については、それによる本県事業への大きな影響は生じないこととなり、引き続き、速やかな執行に努 めていくこととしております。
 また、現在、雇用、環境、景気対策などを中心とする第二次補正予算が検討されています。私は、デフレ等の克服のため国による思い切った追加経済対策が必 要との認識に立って、これまで、全国知事会の戦略会議の一員としても政府等関係方面への働きかけを行ってまいりましたが、引き続き、国の経済・雇用対策等 の具体的な内容の把握に努め、迅速かつ適切に対処してまいりたいと考えております。

(二) 地方分権改革、行財政改革等について
 つぎに、地方分権改革、行財政改革等について申しあげます。
 新政権は、地域主権を基本とした国づくりを最重要課題に掲げ、国と地方の協議の場を法制化して地方の意見に十分耳を傾けるとし、また、国と地方の役割を 見直し、権限を移譲するとともに地方税財源を充実して自治体が地域のニーズに適切に応えることができるようにするとしています。このようななか、国の地方 分権改革推進委員会において、地方交付税の総額確保および法定率の引上げ、直轄事業負担金制度の改革などをはじめとする地方税財政制度の改革等に関する第 四次勧告が行われ、今後は、新たな体制で地方分権改革が推進されることとされています。
 真の地方分権改革を実現するためには、その裏づけとなる税財源の確保・充実が不可欠であり、これまでも、さまざまな機会をとらえて、偏在性が少なく安定 性を備えた地方税体系の構築、地方交付税の財源調整・財源保障機能の復元・強化、直轄事業負担金制度の改革などについて積極的に働きかけてきております。 幸い、来年度の概算要求では、国直轄事業負担金のうち維持管理費に係るものの廃止、地方交付税率の引上げや交付税総額の増額が盛り込まれましたが、地方財 政に係る具体的な方針については未だ流動的であります。
 また、自動車関係税の暫定税率については、廃止する場合、本県では市町村分を含め一〇〇億円近い減収となるなど、地方財政に大きな影響が生じるため、こ れに替わる新たな税財源の確保が必要であります。このため、去る十月末に開催された政府税制調査会に全国知事会を代表して出席し、地域主権の確立を図り、 地方が自由に使える財源を増やすということが新政権の方針であるならば、地方税の減収は地方税の拡充で対応すべきであること、地球温暖化対策等の環境施策 の推進については地方団体も大きな役割を担っていること、環境への負荷低減の促進に資するためには、負荷が発生する消費段階での課税が望ましいことなどの 観点から「地方環境税」(仮称)の創設を提言いたしました。
 さらに、これらについては、先月の富山県地方分権推進会議で決議を行うとともに、先般開催された政府主催の全国知事会議においても、鳩山総理大臣に対して、本県の実情等を交え強く提言し、要請したところであります。
このほかにも、来年度の概算要求では、公共事業関係費の大幅な削減のほか、行政刷新会議による事業仕分けの影響もあって、農業、教育、科学技術、福祉、医 療、環境など国民生活に密接に関連する施策について具体的な方針が不明確なものが少なからずあります。今後、国と地方の協議の場などを通じて、地方の意見 を十分にふまえた、真に国民の幸せにつながる議論がなされ、適切な予算編成、政策運営が行われることを期待するとともに、国に対し、地方として必要な事業 の推進、制度の創設などを積極的に提案、要望してまいりたいと考えております。
 本県の平成二十二年度予算編成につきましては、現行制度を前提とした場合、歳入は、景気の低迷により県税収入の確保が今年度に引き続き厳しい状況になる と見込まれることなどから、一般財源総額の伸びは期待できない状況にあります。また、歳出は、公債費や福祉・医療などの社会保障関係経費が高い水準で推移 していることなどから、現段階において約一九〇億円の財源不足が見込まれております。これまで、平成十六年十一月の時点で見込まれた約四〇〇億円の財源不 足の解消を図るため、行政改革や歳出抑制等に懸命に取り組み、毎年、着実に改善してきておりましたが、今次の経済変動等により本県財政状況は、あらためて 厳しい局面を迎えており、今後の地方財政対策等の動向によっては、財源不足がさらに拡大することも懸念されます。
 このため、予算編成にあたっては、歳入の確保に努めるとともに、引き続きマイナスシーリングを設定し、財政健全化に向け一層努力することとしておりま す。一方、こうした状況にあっても、将来の富山県の飛躍に向け、「元気とやま創造計画」の政策目標を着実に推進するための戦略的な取組みについては引き続 き特別要求枠を設けることとしております。また、喫緊の課題である経済・雇用対策はもとより、北陸新幹線をはじめ本県の発展基盤となる社会資本整備や、県 民の生活福祉の向上につながる施策を積極的に展開するなど、県民の皆さんが生き生きと暮らせる元気な県づくりをさらに進める予算編成を行ってまいります。
 職員の給与改定につきましては、県内の厳しい経済・雇用情勢を反映した人事委員会勧告に基づき、給料の引下げおよび期末勤勉手当の支給割合の引下げなどを勧告どおり実施することとし、今回、必要な条例改正案等を提出しております。
 なお、先月、会計検査院から「農林水産省および国土交通省所管の国庫補助事業に係る事務費」に関して一部不適切な経理処理を指摘されました。このこと は、県民の皆様の県政に対する信頼を損ねるもので誠に遺憾に存じます。現在、全庁で自主調査を実施しており、今後、外部の専門家による助言、検証もいただ きながら、再発防止に向けた取組みをしっかりと進めてまいります。

 つぎに、最近の県政の取組み状況について、分野毎に申しあげます。

 (三) 産業、観光の振興等について
 まず、産業、観光の振興等について申しあげます。
 新産業の創出につきましては、本県のものづくり技術や産業集積を活かした研究開発を進めるため、工業技術センター中央研究所に、「十メートル法電波暗 室」など各分野の先端的な設備を備えた産学官の協働研究拠点を整備することとしております。今後、この施設が、本県ものづくり産業の一層の発展を図るため の拠点として、その機能を十分に発揮できるよう準備を進めてまいります。
 医薬品産業の振興につきましては、去る十月末、富山県薬都バーゼル友好交流訪問団の団長としてスイス・バーゼルを訪問し、民間が行う製剤技術交流や経 済・文化交流に対する支援などを盛り込んだ友好協定の締結等を行ったところであります。今後とも、両地域の幅広い交流促進に努め、本県医薬品産業のさらな る発展をめざしてまいります。
 企業立地につきましては、去る十月、今後の成長が期待される航空機産業への県内企業の新規参入に向けて、セミナーを開催したところであります。また、三 日前、東京において立地環境説明会を開催し本県の優れた立地環境をPRするなど、企業誘致等に努めているところであります。
 人材の確保につきましては、県外進学者等のUターン就職を推進するため、十月から、大都市圏等での学生向けセミナーを順次開催するとともに、今月下旬には「Uターンフェア インとやま」を開催するなど、引き続き、県外および県内在住者の本県への就職を進めてまいります。
 観光の振興につきましては、去る十月、観光振興戦略プラン策定会議において素案がとりまとめられました。今後、県議会をはじめ県民、事業者等からのご意 見をふまえ、また、国の新たな観光政策の動向等も勘案して、年度内を目途にプランを策定することとしております。また、東海北陸自動車道の全線開通にとも なう中京圏からの誘客を一層推進するため、去る十月の一か月間、名古屋市の地下鉄車内において市町村と連携した広告宣伝を行うとともに、国際観光の振興の ため、今秋、東アジアやロシア沿海地方から旅行会社やマスコミを招へいしたところであります。

 (四) 農林水産業の振興等について
 つぎに、農林水産業の振興等について申しあげます。
 去る十月の台風十八号により、果樹や野菜、ハトムギなどの農作物に被害が発生したことから、県としては、的確な技術指導や情報提供に努めるとともに、被害を受けた農家等に対し、市町村、農業団体と連携して支援措置を講じてまいります。
 本年の稲の作柄につきましては、七月後半から八月前半にかけて日照が例年の半分以下となり、その影響が懸念されていたところでありますが、作況指数は一 〇〇の「平年並み」となり、品質については、一等比率が十一月十五日現在で八十五パーセントと、昨年に続き良好となりました。これは、県と農業団体等が連 携協力して取り組んだ土づくり対策や田植え時期の繰り下げ、きめ細かな水管理などによるものであり、今後とも、高品質で売れる米づくりを進めてまいりま す。
 国の戸別所得補償制度につきましては、来年度、米の生産数量目標に即した生産を行った販売農家を対象に実施することとされていますが、未だ制度の詳細が 明らかにされていません。このため、先月、農林水産副大臣や与党に対して、早急に具体的な内容を示すとともに、これまで進めてきた麦、大豆、野菜、果樹、 花きなどの生産振興や担い手の育成に支障が生じないような制度とするよう要請してきたところであります。今後とも、本県をはじめ地方の農業の実情をふまえ た制度となるよう市町村や農業団体と一体となり、また他県とも連携して国に働きかけてまいります。
 米の生産数量目標については、全国に占める本県への配分割合二.五四パーセントを来年度においても確保できたところであります。今後とも、農業者と農業 団体の主体的な生産調整が円滑に実施されるよう、国の戸別所得補償制度の内容を見極めながら、市町村とともに適切に指導、助言してまいります。
 食のとやまブランドにつきましては、先月、富山のさかなをテーマとした「おもてなし『越中料理』コンテスト」を行ったところであり、今後、入賞料理を中 心に本県の食の魅力を県内外に発信してまいります。また、来年一月、東京において「富山のさかなキトキトフェア」を開催し、報道機関、料理・旅行雑誌の記 者などに県産魚等をPRするとともに、都内の百貨店で鮮魚や水産加工品を販売するイベントを行うこととしております。
 地産地消につきましては、十一月を推進月間とし、県産品購入ポイント制度の実証、地産地消「とやまの旬」応援団の募集、小中学校の学校給食における地場 産食材の活用などの取組みを集中的に実施したところであります。また、県内の野菜供給力を拡大するため、タマネギの大規模な産地化に必要な集出荷施設の整 備を支援するなど、生産、消費の両面から地産地消が県民運動として展開されるよう積極的に取り組んでまいります。
 林業につきましては、森林整備・林業再生基金を活用し、木材生産コストの縮減等に必要な高性能林業機械の導入を支援するとともに、引き続き、間伐や作業道整備、県産材の活用などを推進することとしております。

 (五) 北陸新幹線等について
 つぎに、北陸新幹線等について申しあげます。
 北陸新幹線につきましては、現在、用地取得や工事が順調に進んでおり、  十二月一日現在で、県内区間の用地取得率が約九十八パーセント、工事着手率が約九十五パーセントに達しております。
 また、去る十月九日、国土交通大臣により、長野・金沢間の工事実施計画(その二)の認可がなされ、軌道、電気設備、駅舎などの開業に必要な施設等の工事 が着手されることになりました。加えて、国土交通省の来年度概算要求において、国費として今年度と同額の七〇六億円の事業費が確保されるなど、整備がより 促進されるものと期待しております。
 一方、「その二認可」に関して相当に異なる主張が特定の県においてなされていますが、一昨日、本県と石川県、長野県の三県で知事会議を開催し、平成二十 六年度末までの金沢開業に悪影響を及ぼさないよう大局的な見地から賢明な判断と対応をされたいこと、沿線共通の諸課題については今後とも協議のうえ、極 力、国等への共同の働きかけなど沿線各県で連携協力して対処していくべきことなどを呼びかける緊急共同声明を発表したところであります。また、三県知事で 前原国土交通大臣を訪問し、平成二十六年度末までの長野・金沢間の確実な開業はもとより、金沢以西のできる限り早い認可・着工、並行在来線の経営安定のた めの新たな仕組みの構築、JRからの貸付料の活用、建設費増嵩対策を含む地方負担軽減、新幹線停車駅のあり方の問題などについて、格別のご尽力をいただく よう要請してまいりました。
 今後とも、関係県をはじめ、県議会、県内市町村、経済団体等と連携し、新幹線の整備促進など諸課題の解決に向けて、政府をはじめ関係方面に対し積極的に働きかけてまいります。
 道路の整備につきましては、先月、県道砺波小矢部線の小矢部川大橋・綾子(あやこ)大橋、県道富山立山公園線の下田(みさだ)バイパス、国道四七二号婦中バイパスなどの供用を開始したところであります。
 交通・物流をはじめとする社会基盤の整備につきましては、先月、前原国土交通大臣に対し、東海北陸自動車道、北陸自動車道などにおける高速道路料金の無 料化または引下げに係る社会実験の実施を提案してまいりました。また、伏木富山港については、環日本海時代の拠点港として位置づけ、より一層の機能強化が 図られるよう強く要請してきたところであります。
 なお、公共事業については、先般、道路の新規整備の原則中止、ダム事業の見直しなどが表明され、来年度概算要求においても公共事業費が大幅に減額された ところでありますが、本県や県民にとって大切な事業の削減、休止等につながらないよう、今後とも、政府など関係方面への働きかけを行ってまいりたいと考え ております。

(六) 子育て支援、教育、文化の振興等について
 つぎに、子育て支援、教育、文化の振興等について申しあげます。
 子育て支援につきましては、先般、子育て支援・少子化対策県民会議において、条例に基づく基本計画の中間報告がとりまとめられたところでありますが、今 後とも、県議会をはじめ県民の皆さんや市町村等から幅広くご意見をお聴きしながら、来春を目途に基本計画を策定することとしております。
 学校教育につきましては、先般公表された「児童生徒の問題行動等に関する調査」において、不登校、いじめに改善の傾向が見られたところでありますが、引 き続き、スクールカウンセラー等の積極的な活用、「いのちの教育」の推進などを通じて、その未然防止や早期発見、早期対応に努めてまいります。
 県立高校の再編統合については、来年四月の開校に向けて校舎の改修や実習棟の実施設計を進めるなど、魅力ある教育活動の充実に向け鋭意準備を進めております。
 来年度の県立高校の募集定員については、先般、教育委員会において決定され、新高校五校の募集定員を三十五学級千三百八十人とするとともに、中学校卒業予定者数の増加等をふまえ、全日制課程において十三学級相当の五百二十人を増員することとしております。
 文化の振興につきましては、先月、ふるさと文学資料評価・活用委員会において、来年三月末をもって廃止することとしている知事公館を、ふるさと文学館と して活用することについてご検討いただき、来年一月を目途に委員会としての提言がとりまとめられることになっております。県議会、芸術文化関係者をはじめ 幅広い県民の皆さんのご意見をお伺いしながら、同委員会の提言をふまえて具体的な検討、推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 世界文化遺産登録をめざした取組みにつきましては、去る十月、国際産業遺産保存委員会のスチュアート・スミス事務局長をはじめ、国内外の有識者を招いて 国際砂防フォーラムを開催し、海外の方々からも白岩砂防堰堤を含めた我が国の近代砂防技術を高く評価していただいたところであります。
 また、十月末には、パリのユネスコ本部の松浦事務局長やユネスコ日本政府代表部の山本大使を訪問し、本県の世界文化遺産への取組みを紹介するとともに、 お二人から、それぞれ「近世高岡の文化遺産群」、「立山・黒部」の世界文化遺産登録に向けた貴重なアドバイスをいただいたところであり、今後、両地域の取 組みに活かしていきたいと考えております。

 (七) 医療、環境等について
 つぎに、医療、環境等について申しあげます。
 新型インフルエンザにつきましては、県内でも全国に比べ少し遅れて、十一月中旬に国の定める「警報」基準を超え流行が拡大しており、特に小児を中心に感 染者や重症者の一層の増加が懸念されているところであります。このため、幼児、小学生等に対する新型インフルエンザワクチンの接種を一週間から一か月程度 前倒しして開始するとともに、市町村が行う低所得者へのワクチン接種費用の無料化を支援することとしております。また、子育て支援対策臨時特例基金を活用 し、保育所などの子育て関連施設における殺菌用手洗い機等の整備を支援するほか、各学校においても適切な対応がなされるよう指導に努めているところであり ます。さらに、流行期における医療体制を確保するため、医療機関が行う簡易陰圧装置等の整備を支援することとしており、今後とも、市町村や医師会など関係 機関等と密接に連携し、県民の皆さんに不安や混乱が生じないよう、迅速かつ適切に対処してまいります。
 イタイイタイ病については、先般、学識経験者や地元住民の代表者からなる検討会において、貴重な資料や教訓を後世にしっかりと継承するための中間報告が とりまとめられたところであります。この報告をふまえ、今後、県議会や検討会等から幅広くご意見をお伺いしながら、来年三月を目途に、県が中心的な役割を 担う方向での資料館の設置に向けた基本構想を検討し策定してまいりたいと考えております。
 医師の確保対策につきましては、去る十月、来年度からの臨床研修に係る病院と研修希望者とのマッチング結果が公表され、本県は今年度を大幅に上回る六十 一名の研修希望者を確保できたところであります。今後とも、医学生の県内定着や研修指導体制の充実強化などに積極的に取り組み、県内の医療機関に勤務する 医師の確保・拡充に努めてまいります。
 医療の充実につきましては、国の補正予算を活用し、民間の医療機関が行う電子カルテシステム等の整備を支援するほか、周産期医療体制や救急医療体制の整 備、医師・看護師等の人材の確保、救命救急センターや二次救急医療機関の耐震化などに取り組むため、地域医療再生臨時特例基金および医療施設耐震化臨時特 例基金を創設することとしております。
 環境の保全につきましては、先月、「ノーレジ袋推進全国フォーラムin TOYAMA」を環境省と共同で開催しましたが、全国から多くの皆さんに参加し ていただき、レジ袋の無料配布の廃止をはじめ地球温暖化対策への真摯な取組みの輪がさらに拡大する大変有意義な機会となったものと考えております。
 新エネルギーの利用促進については、住宅への太陽光発電システムの設置費用に係る助成枠を拡大するとともに、今月二十五日には立山町において、農業用水路を利用した「仁右ヱ門用水発電所」が竣工する運びとなっております。
 国際環境協力の推進につきましては、今月八日から富山市で開催される第十四回北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP(ナウパップ))政府間会合にあわせて、高岡市で海洋環境に関する生物多様性県民シンポジウムを開催することとしております。
景観づくりにつきましては、事業者等に対するアンケート調査や景観審議会からいただいた提言などをふまえ、屋外広告物の許可基準等を見直すこととし、今回、その条例改正案を提出しております。

(八) 防災対策等について
 つぎに、防災対策等について申しあげます。
 防災対策につきましては、県内の全市町村において全国瞬時警報システム(J(ジェイ)―ALERT(アラート))の受信が可能となるよう、必要な設備整 備を支援することとしております。また、昨年七月の集中豪雨による被災状況等をふまえ、先般、孤立集落防災対策の基準となる指針を作成したところであり、 今後、市町村における対策の円滑な推進のための普及啓発や、必要な防災資機材の整備などの支援を進めてまいります。
 消防学校・防災拠点施設の整備につきましては、去る十月、富山市惣在(そうざい)寺(じ)地区において建設予定地の敷地造成工事に着手したところであり、今後、施設の実施設計に取り組むこととしております。
 国民保護につきましては、去る十月、砺波市、自衛隊、海上保安庁、企業等の参加のもとに、放射線テロなどの発生を想定した総合図上訓練を実施するとともに、先月には、高岡市において国民保護フォーラムを開催したところであります。
 この冬の道路除排雪につきましては、先般、道路除雪対策本部を設置したところであり、国、市町村との連携を密にし、道路網の一体的な除雪を推進するとともに、県民の参加も得ながら、歩道の除雪対策等に万全を期してまいります。

   二 提出案件について

 つぎに、今回提出しました案件について申しあげます。
 議案第一一三号から第一二一号までは、一般会計、特別会計および企業会計の補正予算であります。
 補正予算の規模は、
一般会計  一一五億七、二〇九万円の追加
特別会計  二億二、二五六万円の減額
企業会計  六、三二二万円の追加
となっております。
 まず、一般会計におきましては、中小企業金融対策、産業・地域の活性化、医療の充実、安全・安心の確保、環境対策などに要する経費等を追加するととも に、職員の給与改定にともなう給与費などを減額しております。また、景気の低迷による法人関係税等の減収にともない、県税を減額することとしております。
 特別会計におきましては、港湾施設特別会計など三会計について、企業会計におきましては、病院事業会計など五会計について、給与費の減額など所要の補正を行うものであります。
 つぎに、予算以外の議案について申しあげます。
 条例としましては、新たに制定するものとして、「富山県地域医療再生臨時特例基金条例」など三件を、改正するものとして、「富山県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部を改正する条例」など七件を提案しております。
 条例以外の議案としましては、工事請負契約の締結に関するものなど十一件を提案しております。
 報告案件につきましては、地方自治法第一七九条および同法第一八〇条の規定による専決処分について報告しております。

以上をもちまして、今回提出しました諸案件の説明といたします。
なにとぞ、慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。

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