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富山の絵画

最終更新日:2005年11月10日

■江戸時代中後期の絵画

 江戸時代には、狩野派だけではなく、さまざまな流派がその画技を競い合います。
 俵屋宗達(活躍期17世紀前半)の後継者と見られる宗雪や喜多川相説が、前田家に仕え、金沢を拠点に活躍したため、宗達の工房印(ブランドマーク)である「伊年(いねん)」という印章の押された草花図屏風が、富山県内にも数多く残されています。
 18世紀には、円山応挙(1733〜95)や松村呉春(1752〜1811)の活躍が知られています。円山派は、写生を基本にわかりやすく装飾的な画風、呉春を祖とする四条派は俳諧趣味の洒脱な画風で、それぞれ大きな影響力をもちました。これに対し、岩瀬浜(富山市)出身と伝えられる岸駒(1746または56〜1838)は、応挙一門に対抗意識をもやし、豪放な画風を打ち立て、岸派の祖となります。富山県内には、岸駒、岸慶、岸慎らの作品が残っています。
 こうした新しい流派の隆盛に対して、粉本[ふんぽん(お手本)]を写すことを基本としていた狩野派は沈滞してゆきます。その中にあって、山楽を祖とする京狩野家・第九代永岳(えいがく)(1790〜1867)と徳川幕府第十一代将軍から3代の将軍に仕えた木挽町狩野家・第九代養信[おさのぶ(1796〜1846)]は、名手として知られています。善徳寺に永岳、勝興寺に養信とその弟子・中山養福(阿波藩御用絵師 1809〜49)の作品があります。
 また、狩野派の流れをくむ、加賀藩や富山藩の御用絵師たちも、さまざまな作品を残しています。加賀藩御用絵師の佐々木泉景(1773〜)は、文化六年(1809)再建の井波町・瑞泉寺山門天井画を描いています。富山藩御用絵師の山下守胤(1786〜1869)、その子一胤、木村立嶽(1825〜90)、松浦守美(1824〜)は、富山藩第九代藩主・前田利保の命により、「本草通串証図」(富山県立図書館蔵)という美しい植物図鑑を描いています。松浦守美は、国美の名で、売薬版画の下絵も描いています。
 城端町の荒木和助や高岡市の堀川敬周、魚津・江島景筌など、町絵師として活躍した人々の作品も数多く残っており、博物館や郷土資料館で見ることができます。

本草通串証図本草通串証図
(ほんぞうつうがんしょうず)
 富山県立図書館蔵 嘉永6年(1853)

精密で美しい植物図鑑です。

コラム

◎落款印章(らっかんいんしょう)ってなに?

 絵が完成した時に、絵師が署名し印(はんこ)を押したものです。署名は本名あるいは雅号(がごう)(ペンネーム、ハンドルネームのようなもの)を用い、絵とのバランスを考えて記します。印もふさわしいものを選んで押します。完成年月日や制作動機を入れることもあります。ただ、必ずいれるわけではありません。絵の用途によってはいれないこともあります。

紙本著色草花図紙本著色草花図
六曲押絵貼屏風
一双 黒部市美術館蔵 17世紀

伊年印の押された美しい草花図です。

75□紙本著色一ノ谷、屋島、壇ノ浦合戦図75□紙本著色一ノ谷、屋島、壇ノ浦合戦図
八曲屏風 一双 善徳寺蔵
江戸時代中期
 宮廷の絵所を拠点として活躍した土佐派の流れをくむ絵師の作かとみられています。平家物語の中から、一ノ谷と屋島の合戦場面を細かに描いています。有名な鵯越(ひよどりごえ)や那須与一の扇の的当ての場面もあります。

79□紙本著色唐子遊戯図79□紙本著色唐子遊戯図
六曲屏風 一双 善徳寺蔵
江戸時代後期

 一隻(いっせき)(屏風の片方を言います)には、中国風の子どもたち(唐子)が、花をいっぱいに生けた籠を乗せた車をひっぱっているのを、優しげな美しい女性が見守る姿が描かれています。もう片隻には、小舟で楽を奏したり、掛け軸をひろげたり、籠に入れた小鳥や亀で遊ぶ子どもたちが描かれています。二歳で住職になった達亮(29頁の舞楽図衝立参照)に持たせたものでしょうか。筆者は知られていませんが、相当な名手で、顔料の質も良く、上品で華やかな絵です。

68□紙本著色四季花鳥図68□紙本著色四季花鳥図
衝立 一基 勝興寺蔵
横山華渓(1816〜64)筆
江戸時代後期

 円山四条派に属する横山華渓の筆になる衝立。四面に、春の若駒、夏の鶏、秋草と虫、枯れ芦と雁がこまやかに、色鮮やかに描かれています。

88□紙本墨画老子・荘子・列子図88□紙本墨画老子・荘子・列子図
三幅対 善徳寺蔵 狩野永岳筆

 中央は、道家(どうか)の開祖とされる伝説的な人物・老子で牛に乗る姿で描かれています。向かって右はうたた寝をする荘子で、その著書『荘子』の胡蝶夢をあらわしています。左は宙に浮かぶ列子で、いずれも世間に対して超然とした態度をとる道家の思想家らしい姿に描かれています。

112□(紙本著色)舞楽図112□(紙本著色)舞楽図
衝立 一基 善徳寺蔵 
狩野永岳(1790〜1867)筆
嘉永2年(1849)頃

 加賀藩第十三代藩主前田斉泰の子・達亮が善徳寺第十六代住職として、わずか2歳で入寺した際にあつらえられたと考えられています。極めて質のよい顔料(絵の具)で舞楽の左方武舞と右方武舞が細やかに描かれています。

絹本著色刑和璞百猿百鶴図絹本著色刑和璞百猿百鶴図
三幅対 勝興寺蔵
狩野養信(1796〜1846)筆 江戸時代後期

名君・文王にちなむ逸話を描き、脇幅に鶴が舞い、猿が集う華やかで上品な三幅対。

絹本著色源氏物語絵(若菜)絹本著色源氏物語絵(若菜)
二幅対 勝興寺蔵
中山養福(1805〜49)筆 江戸時代後期

 源氏物語若菜の二つの場面が描かれています。柏木たちが蹴鞠をしている時に、猫が御簾を巻き上げてしまい、女三宮が垣間見(かいまみ)られる場面と、女三宮、明石女御、紫上、明石方による合奏の場面。

111□紙本著色観桜図111□紙本著色観桜図
衝立一基 善徳寺蔵

76□紙本著色梅に鵲図76□紙本著色梅に鵲図
六曲屏風一双 善徳寺蔵

93□紙本墨画竜虎図93□紙本墨画竜虎図
六曲屏風一双 善徳寺蔵 岸慶筆

80□絹本著色春秋図80□絹本著色春秋図
二曲屏風一双 善徳寺蔵

91□絹本著色双鶴図91□絹本著色双鶴図
二軸 善徳寺蔵 高槐嵐脩筆 寛政元年(1789)

86□絹本著色高士猿猴図86□絹本著色高士猿猴図
三軸 善徳寺蔵 法橋捜雲筆

82□紙本墨画寒山拾得図82□紙本墨画寒山拾得図
一幅 善徳寺蔵 狩野景信筆

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