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富山の絵画

最終更新日:2005年11月10日

■江戸時代前期の絵画

 江戸時代には、さまざまな画派が登場しますが、その中で最も影響力のあったのが、狩野派です。狩野派は、正信が室町幕府第八代将軍・足利義政の絵師になって以来、四百年にわたって、絵師の一族として続きました。これほど長く、かつまた永徳や山楽などの優れた絵師を輩出した画派は、世界史的にもあまり例がありません。
 江戸時代の長い画壇支配を決定づけたのは狩野探幽(たんゆう)(1602〜74)です。探幽は、永徳の再来とも言われた早熟の天才で、十一歳で徳川家康に御目見えし、家康と二代将軍・秀忠、三代将軍・家光に重用されました。探幽は、桃山時代に流行した豪華絢爛な画風とは違い、余白を生かした、瀟洒(しょうしゃ)な画風で、一世を風靡しました。
 探幽とその弟たちは、徳川幕府の御用をつとめるほか、各藩が召し抱える御用絵師(ごようえし)の教育にもたずさわり、全国に流派を浸透させました。江戸時代に絵師になろうとすれば、狩野派の行う教育を受けなければならなかったのです。
 高岡市・瑞龍寺には、探幽、弟・尚信(なおのぶ)(1607〜50)、末弟ながら宗家を継いだ安信(やすのぶ)(1613〜85)の三兄弟と尚信の子・常信(つねのぶ)(1636〜1713)の作品8点が、前田家寄進宝物として所蔵されています。同寺は、加賀藩第二代藩主・前田利長の菩提を弔うために、第三代利常が創建したもので、法堂(はっとう)の天井画は安信筆、書院襖絵は探幽の高弟・久隅守景(くすみもりかげ)(1634?〜97)が描いています。瑞龍寺の所蔵絵画は、点数が多く、前田家との関係と伝来が明らかであることが貴重です。瑞龍寺には、ほかにも当時珍重されていた室町時代の画僧・明兆(みんちょう)の「羅漢図」や唐画(からえ)[中国の明時代の絵]などがあります。
 また、高岡市・勝興寺や城端町・善徳寺にも、探幽や探幽の次男・探雪、探幽門下で会津藩の御用絵師となった加藤遠澤(1646〜1730)などの作品が所蔵されています。

51□紙本(墨画淡彩)竹菊雀図51□紙本(墨画淡彩)竹菊雀図
一幅 瑞龍寺蔵 狩野探幽筆 承応4年(1602〜74)奉納

コラム

 日本の絵画では、表具も鑑賞の対象となります。特に瑞龍寺の所蔵作品の表具は見事です。表具の取り合わせの善し悪しは大事な要素で、作品の格、主題や用途によって約束事がたくさんあります。時には、追善のために、故人の着物を表具にすることもあります。

狩野派略系図

紙本(墨画淡彩)花鳥図 六曲屏風紙本(墨画淡彩)花鳥図 六曲屏風
一双 富山県水墨美術館蔵 狩野探幽筆 江戸時代初期

44□絹本(墨画)豊干寒山拾得44□絹本(墨画)豊干寒山拾得
三幅対 瑞龍寺蔵 狩野探幽(1602〜74) 筆 正保3年(1646)奉納

 虎によりかかって眠る豊干(ぶかん)、経をもつ寒山(かんざん)、箒をもつ拾得(じっとく)も眠っています。唐代の孤高の隠者たちの姿が、ほんの少しの筆さばき[減筆体(げんぴつたい)]で表されています。墨の濃淡を用いて人や岩や松、そしてそれをとりかこむ空気までもが眼前に現れるかのような技は見事です。

56□紙本(墨画)観音燕翡翠図56□紙本(墨画)観音燕翡翠図
三幅対 瑞龍寺蔵 狩野尚信(1607〜50) 筆 承応4年(1655)奉納

 紙の白さと墨のコントラストがさわやかです。余白ににじんでゆくような探幽の筆さばきとはまた別種の味わいがあります。

59□(絹本墨画)豊干寒山拾得図59□(絹本墨画)豊干寒山拾得図
三幅対 瑞龍寺蔵 狩野安信筆 正保4年(1613〜85)奉納

56□紙本(墨画淡彩)鴛鴦図56□紙本(墨画淡彩)鴛鴦図
一幅 瑞龍寺蔵 狩野安信(1613〜85)筆
慶安元年(1648)奉納

 筆者は、探幽の弟。真面目な絵を描く謹厳な学者肌タイプ。天才肌の探幽に対して、下手の安信という俗称もありますが、その評価をくつがえすような瀟洒な作品です。

54□紙本(墨画)達磨図54□紙本(墨画)達磨図
一幅 瑞龍寺蔵 狩野尚信筆
承応4年(1655)奉納

84□紙本墨画文殊・寒山拾得図84□紙本墨画文殊・寒山拾得図
三幅対 善徳寺蔵 狩野益信(1625〜94)筆

紙本金地著色帝鑑図屏風紙本金地著色帝鑑図屏風
六曲屏風 一双 瑞龍寺蔵 狩野常信(1636〜1713)筆 江戸時代前期

 君主が模範とするべき故事を描いた絵。尚信の子・常信は、探幽の次世代のリーダーです。木挽町狩野家の当主で、子孫には、晴川院養信などの名手が出ています。

絹本著色寿老人松竹鶴図絹本著色寿老人松竹鶴図
三幅対 勝興寺蔵 狩野探雪(1655〜1714)筆 江戸時代前期

筆者は探幽の次男です。あっさりした上品な画風を受け継いでいます。

紙本墨画淡彩四季山水図襖紙本墨画淡彩四季山水図襖
八面 瑞龍寺蔵 久隅守景
(活躍期1634〜97)筆
明暦年間(1655〜58)

 探幽門下の四天王と呼ばれる高弟でしたが、後に狩野派を離れ、前田侯に仕えて金沢に在住したこともあるようです。晩年には、四季耕作図屏風や国宝の「納涼図」のような洒脱な絵を描きますが、本作は弟子時代の謹厳な筆致で描かれています。

絹本著色四季耕作図巻絹本著色四季耕作図巻
二巻(部分) 勝興寺蔵 
加藤遠澤(1646〜1730)筆 享保9年(1724)

 探幽門下で、会津藩の御用絵師になった加藤遠澤の美しい絵巻物。農作業の進展とともに四季の移りゆきが彩りゆたかに描かれます。絵巻物には珍しい絹本で、入念な作品。

46□紙本(墨画)樫鴉図46□紙本(墨画)樫鴉図
一幅 瑞龍寺蔵 
玉舟宗 (1600〜68)賛
松花堂昭乗(1584〜1639)筆
明暦元年(1655)奉納

 玉舟宗 は、大徳寺第一八五世、松花堂昭乗は、山城男山八幡宮(石清水八幡宮)の社僧で、江戸時代初期の大文化人です。昭乗の書画は茶人に尊重されています。表具もまた見所の一つです。

41○安居寺の絵馬41○安居寺の絵馬
板金地著色 三枚 安居寺蔵 元和8年(1622) 前田利常奉納

50□紙本墨画達磨図50□紙本墨画達磨図
一幅 瑞龍寺蔵 雪舟等揚筆

74□紙本著色観桜遊楽図74□紙本著色観桜遊楽図
六曲屏風一双 善徳寺蔵

47□紙本布袋図47□紙本布袋図
一幅 瑞龍寺蔵 松花堂昭乗筆

81□絹本著色文殊、夏景冬景山水図81□絹本著色文殊、夏景冬景山水図
三幅対 善徳寺蔵 狩野探幽筆

77□紙本著色四季草花図77□紙本著色四季草花図
六曲屏風半双 善徳寺蔵

90□絹本著色布袋唐子遊図90□絹本著色布袋唐子遊図
一幅 善徳寺蔵 狩野探幽筆

49□鶏図49□鶏図
一幅 瑞龍寺蔵 徳川家綱筆

87□紙本墨画達磨・寿老・布袋図87□紙本墨画達磨・寿老・布袋図
三幅対 善徳寺蔵 狩野尚信筆

43□(絹本着色)兎に花卉図43□(絹本着色)兎に花卉図
一幅 瑞龍寺蔵 松泉筆(1646) 奉納

78□紙本著色芙蓉図78□紙本著色芙蓉図
二曲屏風半双 善徳寺蔵

58□石榴遊禽図58□石榴遊禽図
一幅 瑞龍寺蔵 明時代(15〜16世紀)

48□絹本花鳥の図48□絹本花鳥の図
一幅 瑞龍寺蔵 呂紀筆

57□絹本慶画雁図57□絹本慶画雁図
二幅 瑞龍寺蔵 明時代(15〜16世紀)

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